おっきなラウラ   作:Villager.exe
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前回の翌朝から始まります。


第四話 

 チュンチュン……。

 雀の耳心地の良い囀りが遠くから聞こえてきた。意識が今の今までいた微睡みの世界から現実へと引き戻されていく。小学校の頃から続けている習慣は未だ廃れる予感なし。良い事である。

 

 「ふわぁ~あ」

 

 意識の覚醒に伴い体を起こしつつ、大あくびをする。

 時刻は午前六時、カーテンの間から差し込んだ登り始めの眩い朝日によって部屋は僅かに明るい。

 記憶が正しければ今日は一日を通して晴れ模様らしい。洗濯物を処理する為にも、また早朝トレーニングの為にもさっさと動こう。

 ベッドの裾から床に降りる。すとん──と、”僅かな滞空の直後着地した”。

 ここで、俺は一つ違和感を覚えた。

 

 (あれ、いつもならこう、ベッドから脚を下ろせば脚がついた気がするが──)

 

 今のは、明らかに脚の長さが足りず、軽く飛び降りていた。

 

 (……)

 

 薄暗くて良く判らないので、一応この事は頭の隅で意識しつつ、顔を洗いに脱衣所も兼ねている洗面所へと行く。スライド式のドアを開けると、普段通りならば点いていない筈の電灯の光が目に飛び込んできて、反射的に手で目を隠した。やがて目が光に慣れてくると手を下ろす。

 するとまず目に飛び込んできたのは、ラウラが鏡の前にて生まれたままの姿(黒眼帯すらしていない)でセクシーなポージングをとっている、というなんとも珍妙且つ扇情的な光景で、思わず俺はその場で呆然と立ち尽くしてしまった。そして男としての不可抗力によって、視線を彼女の二つの秘部を行ったり来たりさせてしまう。

 

 (あ、朝っぱらから、なんとまあ凄まじいシーンを見てしまったんだろう……)

 

 「む、起きたのか嫁よ」

 

 彼女はこちらに気付き、ポージングをやめると、その体を隠す事もなく堂々と俺の前まで来た。そこで本日二つめの違和感、”俺がラウラをやたらと見上げている事”に気付く。いつもなら僅かに視線を上げる程度だったのが、今は完全に違うのだ。

 

 「あれ?お前身長伸びた?」

 

 一晩の内に凄まじい急成長を遂げた可能性がワンチャンあるので、念の為そう聞くと、彼女はこちらと視線の高さを合わせるように腰を曲げ、

 

 「なにを言っているのだ、嫁よ。寝ぼけているのか?」

 

 子供に言い聞かせる親のような優しげな声色で、そう言ってきた。

 

 「そ、そうだよな。うん」

 

 (って事は、もしかして──)

 

 「ちょっと寝癖ついてるか見てくる」

 「ん?ああ、分かった」

 

 ラウラにそう建前を告げて、妙な焦燥を抱きつつ例の鏡の前まで来る。その鏡面に映ったのは、身長130cm前後の、純粋そうな顔立ちをしたパジャマ姿の昔の俺だった──。正確に言うなれば、小学校三年生くらいの時だろう。進級の際に撮ったクラス写真がこんな容姿だったのを覚えている。

 

 (やっぱり──!)

 

 ベッドから床までに足がつかない、ラウラがやけに大きく見える。それらは全て、俺が小さくなっていた──ショタ化していたから起きたのだと察し、思わず息を呑む。

 しかしそこでまた不思議なのが、ショタ化している俺を見てラウラが僅かにも動揺していなかった事である。昨日まで、俺はごく普通の高校一年生と言える風貌をしていたというのに。

 鏡の前で唖然としている俺を見てか、ラウラは後ろに立って髪に触れてきた。

 

 「見た所、寝癖はついていないように見えるがな」

 

 (……これは、確認した方がよさそうだ)

 

 寝癖の事について──ではなく、ショタ化した事についてを。

 ラウラの体がとても気になる所ではあるが、そんな事をしている場合ではないので意識を切り替え、いざ彼女の方へと振り向く。

 

 「ラウラっ」

 「なんだ、嫁よ」

 

 彼女は女神の如く母性溢れる笑顔をたたえ、そう聞き返してくる。

 

 (う──、か、可愛いっ)

 

 胸の高鳴りを確かに感じる。やはりいくら意識を切り替えようが、この美貌を前にして平静を保っていられるのは俺にはできないのかもしれない。

 いや、しかしそうであるとしても聞くべき事は聞かなければならない。

 

 「お、俺ってさあ、昨日までラウラと同じくらいの身長だったよな?」

 「フフっ、やはり寝ぼけているようだな。嫁はずっとその身長ではないか」

 「そ、そっか。そう、だよな──」

 

 ──おかしい。まるで、あちらの認識が改ざんされたかのようである。そもそもラウラは俺の今までの記憶を夢であるという扱いをしているが、だとしたら夢の内容が濃密かつ現実味溢れすぎではないだろうか。いやまあ、今回が特例というだけなのかもしれないが、あの体験の数々を夢で済ませたくない自分がいる。

 ともかく、正夢かそうでないかという話は今は一旦置いておこう。その件について考え過ぎると頭がおかしくなりそうだ。

 

 「おい嫁よ、なにをぼうっとしているんだ」

 

 ラウラがそんな言葉と共に頭を優しくポンポンと撫でてくる。

 

 「ごめん、なんでもないんだ」

 「そんな訳ないだろう。まだ朝は早いんだ、少し寝て休め」

 「え、ちょ、大丈夫だって」

 「遠慮するな。昨晩は激しかったから疲れるのは当然だ」

 「うぇっ!?さ、昨晩……?」

 

 昨晩──。ラウラが愛らしすぎてぎゅぅってした記憶しかないが、一体あの何をしてしまったのだろうか。都合の悪いことに、全く思い出せる気がしない。もしセックスしてしまっていたらどうしようか、これでもラウラは一国の代表候補生でありIS部隊の隊長だ。下手したら国際問題に発展して、最悪の場合牢屋行きとか──。いや、それ以前に箒達に殺されそうだ。理由は判らんけど、なんかそんな気がする。

 とにかく、ヤッたかそうでないかという事だけは確認しなければならない。しかしそれにあたって、直球で聞いてよいものかと悩む。

 そうやって顔を真っ青にして今ひとつ纏まらない思考を広げていると、なんの前触れもなく両腕で抱きかかえられた。

 

 「わぶっ!?」

 

 その瞬間、彼女の豊満な乳房が、こちらの顔全体に覆いかぶさるようにして押し付けられた。

 

 (や、ヤバい!柔らかい、気持ち良い!)

 

 どかす訳にもいかず、両手をわなわなとさせていると、

 

 「私がベッドまで送ってやる」

 

 彼女はそう言って、この状態のまま歩き始める。

 視界を覆い尽くすそれによって眼の前が真っ暗な中、俺は自らの生理現象のせいで悶絶していた。

 

 (ああやばい、間違いなく勃ってるよなぁ今。くそぉ、恥ずかしい。──恥ずかしいのに、ラウラに気付いてほしいと思っている自分がいるのが──!!)

 

 強い羞恥心が次なる妄想を生み、更に体が興奮してしまう。

 

 「ッ、よ、嫁のが──っ」

 

 (こ、この反応は間違いなく気付かれた!頼む、それ以上見ないでくれ!)

 

 「ま、全く、可愛い見た目とは裏腹にこっちは逞しいのだから──」

 

 (──ッ!!!)

 

 気が狂いそうになるほど恥ずかしい。なぜ体は退行しているのに股間だけは引き継いでしまっているのか、これがよく分からない。

 羞恥によって思考がままならないでいると、ベッドに到着したようで、俺はゆっくりと掛け布団の上に降ろされた。

 

 (ううっ、()()()()()()()()()!!)

 

 運んでくれた礼を言うこともなく、恥ずかしさから逃げるように掛け布団を被ろうとそれに手を伸ばした瞬間、ラウラにその手を掴まれた。

 

 「えっ!?」

 「全く、あ、あんなのを見せて──」

 

 さっきまでの態度から一転、ラウラは急にしおらしくなった。かと思いきや行動は大胆かつ妖艶──。一瞬の間にベッドに上がり、舌先で首筋を舐めあげてきた。ゾクゾクと悪寒に似た感覚が全身に走る。

 

 「こうなったら、勃たなくなるまでするしかないな……?」

 「ら、らうらぁ……」

 

 彼女は姿勢を変えると、ヤケドしそうなほど熱くなっているそれを握り、徐々に腰を落としていって──。

 

 ◇

 

 「うわあああっ!?!?!?」

 

 大絶叫と共に飛び起きる。

 呼吸は荒く動悸は激しい。先程まで見ていた夢のせいで、目覚めは最悪なのか最高なのかもうよく分からなかった。

 

 (なんだったんだよ、もう……)

 

 あれは夢であるが、なのにも関わらず舌で首筋を舐められたあの感触は今にも蘇ってきそうだ。生々しいにも程がある、ラウラと顔を合わせるのが気まずいぞ。

 

 (そういえば、ラウラは──)

 

 周りを見渡す。場所は自室で、夢の中同様にカーテンの間から陽光が差し込んでいて、部屋の中は薄明るい。パッとみた所横のベッドには居ないようだが、まさか現実でも脱衣所に──?

 まさかそんな事はない、そう思い込みきれないので確認しにいこうとベッドから降りようとした時、下半身全体にかけて温かな重みがある事に気付いた。

 

 (俺の直感が間違っていなければ、これは多分──)

 

 布団をめくる。そこにはやはりラウラがいた。しかも例の如く全裸であり、俺の股間に頬ずりするような状態で眠っている。

 

 (うわあ、予想以上に酷い……)

 

 けれどその反面で寝顔はなんとも魅力的であり、普段の大人びた印象から一転して、凄まじくキュートだった。ある意味で荒れていた夢で疲弊したメンタルが、みるみる内に癒やされているのが分かる。

 

 (ああ、尊いなあ……この寝顔。何物にも代えがたい)

 

 しかし、ここでふと思ったのが、なぜ俺は普通にパジャマ姿だというのにも関わらずこの美女は全裸で眠りについているのだろうか、という事。確か昨晩はまだ制服姿だったと記憶にある。

 

 (ま、まさか!?)

 

 「ちょ、ラウラ!起きてくれ!」

 

 急いでラウラを揺り起こす。

 彼女は暫くの間う~んと唸った末に、不機嫌そうな様子で目を覚ました。

 

 「……なんだ」

 

 その不機嫌さたるや転校当初のラウラのようであり、一瞬ひるんだが、これまたそれどころではないので問いかける。

 

 「いきなり起こしてゴメン。一つ聞くけど、お前パジャマは?」

 「はあ……?人を早朝に起こしておいて聞くことがそれか。……制服では寝心地が悪いから脱いだ、それだけだ」

 「そ、そうか。ありがとう、あとホントごめんなさい」

 「ハァ……」

 

 彼女はため息をもらすと、捲れた布団を手繰り寄せて被り、再び夢の世界へと戻っていった。

 

 「よ、よかった……!」

 

 なんと心臓に悪い出来事だろうか。これが俺に彼女ができた次の日の出来事なのだから、これから先が思いやられる──。




体だけショタ一夏×でかラウラの図を書きたかっただけの回でした。不完全燃焼感は否めませんがこれ全年齢向けですし仕方ないですね……。
そういえば、多くの感想本当にありがとうございました。こうも感想が書かれるのはこれが初めてなので割とガチで感動しています。







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