食べ盛りのマスターと。   作:生姜鍋
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懲りずに書きました本当にバカで申し訳ない所存…ろくにエミヤ書けないのにクー・フーリンとセットで出すという暴挙に出ました…


三話

「あー、お腹空いたなぁ…」

レイシフトから帰ってきた立花は、食堂に向かっていた。ちなみに先ほどからこのセリフを何回も繰り返し繰り返し喋っている。そして角を曲がると、後輩であり自分のサーヴァントであるマシュと出会った。

「あ、先輩!やっぱり来たんですね。今食堂にエミヤさんとクー・フーリンさんが居ますよ。すぐに行けば何か貰えるかもしれません。」

ほら、とマシュが手に握っていた袋を見せる。可愛らしいラッピングの袋の中にはクッキーが入っていた。

「…それは?」

「これですか?ダヴィンチちゃんにです。」

では、と言ってマシュはパタパタと走ってダヴィンチちゃんの工房へ向かっていった。可愛いなぁと思っていると、中から言い争う声がした。

「え?…これ、エミヤとクー・フーリンの中の誰かの声だな…怖いけど、覗こう…」

ちらっ、と食堂を覗く。よく見えないし聞こえない。こっそり入ってキッチンまで近づくと、立花は笑いを堪えるのに必死になった。

「ああっこら貴様!そのクッキーに手をつけるな!また作る量が増えたじゃないか!!」

「いいじゃねえかよみみっちい。どうせあの腹ペコ王とそのお付きの騎士がほぼ食うだろ。」

「そういう事を言っているんじゃない!全くお前は!」

狗って言わないだけ良かった…とかそれどころじゃない。立花が笑いを堪えるのに必死になったのは会話ではない。格好だ。エミヤはピンクの、猫のプリントがされているエプロン。赤い三角巾も完全装備である。調理実習中の小学生が着るような可愛らしい物だ。クー・フーリン─ランサーだった─が身に着けているのは割烹着。三角巾は白。もっと他にあっただろうに、何故か昔ながらの給食のおばちゃんスタイルで喧嘩中だ。非常にシュール、その一言しか出ない。

「っ…っく、ふふっ…」

ついに立花は決壊した。

 

「…まさか見られていたとは…。」

「ッチ、不覚だったか」

「うん、エミヤめっちゃ似合ってたよぶふぉっ」

「笑うのか貶すのかどっちだマスター!仕方ないだろうあれしか無かったんだ…後私に残された選択肢は割烹着と給食着しか無かったんだ…!」

「だからランサーが割烹着…似合…ってたようん」

「やっぱりマスター俺の事馬鹿にしてるよな!?」

せっかくなんだから割烹着のエミヤでも面白かったんじゃないか、とは言わないでおく。しかし作られた物を見ると違和感が凄い。クッキーとマカロン。もう一度、クッキーとマカロンである。前の椅子にエミヤがエプロンをかけ、ふーっ、とため息を吐いてから、椅子に座った。遅れてランサーがやってくる。いつか見たお盆に乗っているティーポットとティーカップ。

「え、ランサー紅茶も淹れれるの…?」

「あ?喧嘩売ってんのかマスター?」

…俺が知ってるクー・フーリン、絶対こんなんじゃなかったよ。しかも紅茶を淹れる手つきが妙にこなれている。ソーサラーに乗せられて置かれた紅茶の入ったカップを持ち、口につける。

「…!?…!?」

一口飲むと、爽やかな香りと微かな渋みが口中に残り、その香りは立花を少し優雅な気分にしてくれた。紅茶に砂糖を入れずともこんなに美味しく飲めるものだったとは。クッキーとマカロンに手を出す。さくっ、と音を立てて、崩れる様に口の中に転がり込むマカロン。皮の甘さに合わせたのか、クリームの甘さは控えめでくどくない。

「…美味しい」

ポツリ、と立花は呟いて、また一口マカロンを頬張る。綺麗に形作られたマカロン達は次々と姿を消していった。

「おいおいマスター、そんなに急いで食ってもマカロンは逃げねえから安心しな。」

そう言われてやっと紅茶を一口飲んだ。

「お、美味しい、これ、エミヤは分かるけどランサーも!?」

「だからマスター、馬鹿にしてるよな!?」

「マスター、良いことを教えてあげよう。細かい作業が苦手な脳筋は肉体労働に利用すれば良いのさ。」

「エミヤも十分酷いこと言うね!」

すると、ランサーはきゅ、と眉間にシワを寄せた。

「後で覚えてろ…」

ふふっ、と笑うとランサーに笑うんじゃねぇと怒られた。だがその声には怒りではなく呆れが含まれている。クッキーを食べよう。手を伸ばしてつまみ、口に入れる。サクサクで優しい甘さが口の中に広がり、よく紅茶に合う味だ。つい足がパタパタと動いていたらしく、ランサーに笑われた。

「…喜んでもらえた様で何よりだ。」

エミヤも苦笑している。顔を羞恥で真っ赤にしながら、立花はほぼマカロンを平らげてしまったとさ。




マカロンは別々にして食べる生姜鍋です。紅茶はダージリン想定です。温くないと飲めない猫舌です…次はたぶん流血するかもしれません…







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