三十路ニートエリーチカの居酒屋飲み歩き日記   作:おうかわりん
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鹿角理亞ルート 26

「今の小説投稿サイトの読者の偏差値は10」

 

 これはヒナが誰かから聞いた話だと言うし、

 私自身もヒナから聞いた話であるので、

 この話を聞いている人も話半分で聞いて欲しいと願う。

 ――その誰かがどのような意図で言ったかは不明。 

 もしかすれば私が考えるほど深い話ではない可能性がある。

 

 

 迂闊な発言で大炎上する芸能人であったり、

 クリエイターであったり、有名人で呼ばれる人たちに、

 人格面においての優秀さが求められて久しい昨今。

 有名人の発言の是非を問い炎上させるひとに人格は求められないのか、

 というそもそも論は存在するのだけれど。

 優れたクリエイターというのはたいてい人格が破綻している。

 破綻していると言うとネガティブに捉えられてしまうであろうし、

 実際に破綻しているのが露出してしまっているクリエイターも何人か存在するけど、

 だいたいの人間はまっとうに生きている(ように見える)

 声優として第一線を走ってきた真姫も

 一部のトップの人たちはちょっとおかしいと言うし、

 星空凛なんかも綺羅ツバサや私を見ながら、

 優れた才能を持っているとどこかおかしくなると言う。

 否定したくはあるし、ツバサと私を一緒にしないで欲しいと

 是非にもお願いしたところであるのに、

 綺羅ツバサも絢瀬絵里といっしょにしないでと懇願する。

 なお、私も声優(18禁)として活躍する還暦の人を見ながら、

 ああいうのが本当に化物クラスの天才であるのだろうなあ

 と、思わずにはいられない。

 

 

 日々の生活で人がまっとうに過ごしていくために必要な余暇時間とか、

 気分転換であるとか、お風呂とか食事とか睡眠とかを供物として捧げ、

 日夜作品作りに邁進していけば多少は人格面で破綻する。

 とあるブラックなバードさんは、ファンと名乗る服飾の勉強をしたことがない素人の方から、

 自身のデザインに際して、ああしたほうがいいこうしたほうがいい――そんな強気にマウントを取ってくる意見によくキレている。

 園田のSeaさんも自身が書いた歌詞に関して、こういう言葉の使い方をすればいい、ここはこう変えたほうがいい、そのようなご意見を頂くこともありよくキレている。

 なぜか根拠もなくクリエイターに対してマウントを取ってくる方には申し訳ないけど、仮にあなたが好きなものの世界で完成されたもののレベルが落ちているのならば、それは作った人間の責任ではなく見る側に少々の責任があると覚えておいて頂きたい。

 某小説投稿サイトの読者のレベルを偏差値10と暴言かましている人をチラホラと見かけるけれども、一部は真実を捉えていると思う。なんで私がこんな事を言っているのかと言うと、彼女たちの愚痴はすべて絢瀬絵里に直撃してしまうからである――勘弁して欲しい。

 

 理亞ちゃんとのデートの最中に他の女の子の話題を思い出しながら、

 絢瀬絵里はお土産を手にヒナプロジェクトへ向かっている。

 ヒナプロジェクトに向かうのに小説投稿サイトの話題を出す時点で、何かしら深い意図があるのかもしれないが私には分からない。そのうち魔法を使うだけですっごーいとサーバルちゃんみたいな反応をされる可能性があるけど、私は知らない。

 

「絵里先輩、やっぱり私の作ったお菓子をお土産に含めるべきです」

 

 道中にファミリーマートに寄り、

 彼女が常に推しているファミチキを食べる。

 いつしかファミマの商品にもずいぶんと詳しくなり、

 津南や霧島や安曇野といったプライベートブランドの天然水の方に親しみを込められるようになった。

 黒澤家の長姉さんも是非にも内浦にファミリーマートをと懇願しているものの希望は恐らく叶えられることはないと思われる。

 淡島ホテルの地下にでもと出店を願い、小原家で一番偉い鞠莉ちゃんがうるせえ! と怒鳴りつけた件は果南さんの愚痴と一緒に私に伝えられた、愚痴集計所みたいだな私。

 

「あのね理亞ちゃん、とても残念だけど

 人類に理亞ちゃんのお菓子は早すぎる存在なのよ」

 

 綺羅ツバサにさえある程度のダメージを与える彼女のお菓子は、

 残念なことに私以外には食べ物として認識されない。

 星空凛、優木せつ菜、鹿角理亞の世界三大劇物作成者は

 作ったものを私が処理しているから少しばかり感謝して欲しい。

 花陽だって凛が作ったものに際して

 凛ちゃんが真心を込めて絵里ちゃんに作ったものだから

 と言って私に全部押し付けてくるのよ? あの優しい花陽がよ?

 

「でもクリエイターなんてみんな人間やめてるじゃないですか」

「否定はできないわね……」

 

 いつ寝ているの? みたいなクリエイターは多数存在し、

 その中でも一部の人は聖人君子みたいに性格も良好。

 睡眠時間を削り髪みたいな作成物を提供し、人徳もあり

 誰からも好かれているような人間が多少なりとも存在する。

 みんなが人間やめているかと言われればそうではないと否定するけれど、

 一部のクリエイターは人間じゃないよねと言われれば構わずに首肯してしまう私がいる。

 人間、自分がかなわないと思った相手に関してはズルをしていて欲しいと願うものである。何かしらチート能力を得ているんだろ、神様から加護を得ているんだろ、ズルいことをしていれば容赦なく叩くことができるし、していなくてもズルしてるからすごいと思ってれば心も安寧。

 

「じゃあ、今度ベルちゃんに理亞ちゃんのお菓子食べさせてみようか?」

「始祖の悪魔でしたっけ? 悪魔に私のお菓子の味がわかるんですか?」

 

 美食を食べすぎてファーストフードに一時期ハマり、

 ○ックのハンバーガーは世界で一番食べられているから世界で一番美味しい食べ物であるみたいなことを言い、しばらく主張を続けたけど、飽きるとともに意見は取り下げられた――できれば人間みたいな飽きっぽさは披露しないで頂きたい、がっかりしちゃう。

 おそらくではあるけれど、悪魔であろうが過去に大災害を引き起こすに至ったガチな悪魔であろうが、理亞ちゃんのお菓子は食べたら酷いことになるかもしれない、凛の料理を人間が食べるものじゃないと警告を受けたにもかかわらず警戒もせずに食べ、その夏は冷夏になった、勘弁して欲しい。

 



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