黄金の御髪のフォーリナーが、何か違う件   作:雨在新人
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その名はK(キントキ)!黄金の戦士現る Aパート

「話しかけて来ないね、誰も」

 ルルハワの街を歩きながら、立香はそうぼやいた

 

 誰か、彼を知ってる人が居るかもしれない。例えば、葛飾北斎は漫画という作品形態の資料として一冊買っていたのどし、パラケルススは子供のサーヴァント達に絵本を読んでいる姿を見かけたことがある。案外最近は現代をエンジョイしている者も多かったのだ

 その為、本を持ってこの作品を知ってるか聞いて回る勢と、見れば分かるだろうと当人をつれ回す勢と、二つに別れてルルハワにサバ☆フェスの為に集まったサーヴァント達に聞き込みを始めた

 

 人の内訳はこう

 まず、BBは仕事が忙しいと抜け、マシュはカルデア本体と連絡が取れない為、学んだ通信スキルを生かして後方待機。実際に戦ってみたのが大きいのか(そもそも、水着を着たサーヴァント達は一蹴していて、戦ったと思ってないらしい)北斎の言うことは割と素直に受け入れてくれる為、孫悟空と葛飾北斎を組ませ、立香もそこに入る。残りのサーヴァント達、ロビン・フッドとジャンヌオルタが本を持っての聞き込み組

 

 『漫画になってるって聞いた時には、この星ではオラもサタンみたいな扱いになってるんかと思ったけど、あんまりオラの地球と変わらねぇ』

 「そのサタンって人、凄いの?」

 『実力はそうでもねぇんだけんど、人望はすげぇんだ

 オラの息子が大都市の学校通ってたんだけんど、その都市にサタンシティっちゅう名前が付いてるぐれぇには有名人でよ』

 『知り合いなんで?』

 『サタンが居なかったら、本当に世界は終わってたかもしんねぇ。強くはねぇのに強いふりでカッコつけてっけど、そんでも間違いなくヒーローだった

 ある意味、おめぇと似てっかもな』

 「そうなの?」

 少年顔に似つかわしくない微笑を浮かべ、懐かしむような少年に、立香はそう聞き返した

 

 『そうだ

 おめぇの話で、時間神殿っちゅうのがあっただろ?』

 とりあえずの此方側の事情として、カルデアという組織の基本、サーヴァントとして最低限の仕組みなんかは話をした。立香も元一般人、しっかりとした説明は出来ず、通信越しの後輩(マシュ・キリエライト)に頼りきってはしまったが。その中で、確かに時間神殿の話を軽くした事はした

 『おめぇの声があったから、皆が手ぇ貸したんだ

 サタンも同じさ。有名で、世界をセルから救ったって事になってる世界チャンピオンのミスター・サタンが叫んだから、皆手を貸した

 

 力は無くても、皆が手ぇ貸してくれるなにかがある。同じだろ?』

 「そうかも

 でも、弱いのに強いふりしてるんだよね?」

 『ますたあ、ますたあ。おれは見たことねぇが、黄金の王ぎるがめっしゅてぇ金ぴかによると、ますたあはあの時間神殿で拳で語りに行ったて話聞いた

 ますたあも勝てない相手に向かっていく、これは、ある意味似た者同士サ』

 『流石に違うんじゃねぇか?』

 「いや、可笑しいっ……」

 横を向いて話していた立香は、横道から道路を向いて歩いてくる陰気そうな青年の姿に気が付かなかった

 ぶつかり、よろける

 

 『大丈夫かぁ?』

 「う、うん。此方は大丈夫」

 体勢を崩した青年に、立香は手を差し出す

 「大丈夫ですか?」

 『オレっちも前方不注意で……』

 ぺこぺこと、青年は謝る

 上2つのボタンが開けられたYシャツに、黒いズボン。目を隠すくらいの黒いぱっつん前髪に、妙にデカイ眼鏡。何というか、オタクっぽい

 

 「怪我はない?良かった」

 サーヴァントであるならば、コケた程度で怪我はしないだろう。一部居そうではあるけれども、それは例外

 見たことの無い陰気なサーヴァントでも、それはそこまで心配をしてはいない

 『それじゃあ大将、オレっちはこれで……』

 「あ、ちょっと待って」

 そそくさと去ろうとする青年へ右手を伸ばし、立香は袖をつかんで引き留める

 「少しだけ聞きたい事があるんだけど、良い?」

 『ちょっとなら』

 小さく青年は頷く

 「じゃあ、彼に見覚え無い?」

 一歩横に避け、青年と少年ー孫悟空の間を開ける

 『い、いや、知らな……』

 言いかけ、青年は大きな眼鏡の奥で眼をしばたかせる

 『おっす、オラ悟空』

 『あ、あ……』

 『おめぇ、この姿に覚えねぇか?』

 一瞬にして、少年の姿が変わる

 悟空曰く超サイヤ人。黄金の闘神の姿に。けれども、前に見た時と違い、特に揺れはない。本人は、ずっとこの状態で普段の生活出来るくらいに特訓したからパワーの調節くらい出来っぞ、と言っていた

 『マジ?』

 『本気と書いてマジさぁ!』

 北斎の声に、青年は眼を見開き……

 『こ、こいつは……』

 パチパチと、陰気そうな青年の周囲……というか主に髪にスパークが走る

 そうして、吹き上がるオーラは無くとも、黒髪が黄金に染まり逆立った

 『真面目(マジ)本気(マジ)でゴールデン……』

 その姿には、立香は見覚えがあった

 「Mr.ゴールデン(坂田金時)!?」

 『おう、そのゴールデンだ

 それで、大将。これはマジもののアレ?それとも、オレっちをからかう為のジョーク?』

 「知ってるのか、雷電を受けて輝く黄金(ゴールデン)!」

 『長ぇ!』

 『マジものってのは分からねぇけど、オラ孫悟空だ』

 『地球育ちのサイヤ人カカロットとかいう?』

 「そう、らしい」

 『何てこった!』

 ぐっと手を握り、青年ー坂田金時は叫ぶ。陰気っぽく見せてたー今や髪はキンキラに輝き、眼鏡は吹き飛び、ボタンが何故か開いていたYシャツは、その筋肉で盛り上がっている。ボタンを閉めていたら弾け飛んでいたかもしれない








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