新・メリオダスになって異世界を渡る   作:エルナ

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 約束を守れてホッとしてるどうも私です。

 いや〜今日で平成も終わりですね。
 令和になって1番にやることは決まっています。
 マガポケで七つの大罪の次話を見る(キリッ
 令和始めが水曜日なのがいけない。

 そういえばRPGツクールで「盾の勇者の成り上がり」のゲームが出たみたいですけど皆さんはやりましたか?
 私はまだやっていないんですけど面白そうですよねぇ。
 あれってアニメ準拠なのかな?

 あ、ちなみに今回平成最後ではありますが原作と大して変わりません。
 最近オリジナルの展開を入れるんじゃなくて原作を変えないと面白くないと言われたんですけどどうしますかね?
 この先はメリオダスがいるのでそれに合わせて敵を増やしたり、味方が増えたり、ナオフミ達が強化されたりしますが大筋は変わりません。

 メリオダスじゃどう足掻いてもラスボスを倒せないんですよね。
 かといって原作を知らないメリオダスが四霊結界を発動させようとするのもおかしな話ですし。
 メリオダスの本来の魔力の詳細が分かれば何とかなる可能性はありますが……。

 原作をぶち壊すだけなら前にチラ見せした女神族の転生者を使えば簡単なんですけどね。
 タクトのそばに居る竜帝の女をペテンの光(チートホープ)で洗脳して応竜を復活させるだけで大きく原作と変わりますよね。
 それを三馬鹿勇者が霊亀を復活させた時にやって、世界が混乱している隙に鳳凰と麒麟を復活させて、最後に四霊が人を殺しまくっているのを尻目に女神族の転生者がメリオダスを抑えれば四霊結界が発動して世界救済完了!
 霊亀が復活した時期ってナオフミ達以外にまともな戦力がないのでメリオダスさえ抑えれば簡単ですね。
 まあ、完全にバットエンドな上に誰が主人公か分からなくなるので原作から変えるにしてもやりませんけど。
 そうしなくても女神族の転生者を暴れさせるだけでも結構原作と変わりますよね。
 原作と大きく変えると矛盾が出そうで怖いんですよね。

 いつの間にか追加されてたアンケート機能で変えるかそのままにするかご意見をください。

 それでは平成最後の話をどうぞ!


第26話 モトヤス(バカ)の尻拭い

 あれから俺達の行商に何故かアクセサリー商が同行していた。

 乗車賃はもらっているのでナオフミは文句は言わないが、こいつの行動理由がわからない。

 どうにも盗賊の一件で偉くナオフミを気に入ったのか、アクセサリー商の奴、自身の身分を明かして、降りるまでずっとナオフミにレクチャーするとか言い出した。

 

 

 何でも、この辺りを荒らしている行商の顔を覚え、釘を刺すために乗り込んだのが目的だったらしい。商人組合の刺客って奴だったみたいだ。

 それがナオフミの資質を見出し、磨きたくなったとか……。

 しかも組合内でかなり権力を持っているアクセサリー商で、表面上は優しいけど、弟子とかに教えるような事をする人じゃないと有名だったと、後に知り合った商人仲間にナオフミが愚痴られてた。

 

 

 教えられた内容は、まずは宝石等の付与に使う物の調達、これはこのアクセサリー商の知り合いが居る採掘場を斡旋してくれた。

 次に貴金属をアクセサリーに加工する作業。色々と凝ったデザインが今は受けるらしい。絵はナオフミがオタクだから多少心得があるので、なんとなくそれっぽいのを作ったら気に入られた。

 

 

 そして加工するための道具を安く売ってくれた。

 この世界にしか無い魔法道具で燃料は石炭に似た魔法石という物だ。

 俺の世界で言う、研磨機という奴やバーナーみたいなのが数点ある。これを使ってアクセサリーを作る。

 鉄とかの硬い金属の加工は製鉄所に金型を作って持っていくのが当たり前なのだとか。

 

 

 そして、魔力付与という作業。

 これはやはり魔法が使えなければいけない。

 ナオフミは魔法を使えなかったのだが、アクセサリー商に借りた鉱石で魔力を感じ取れるようになり、無事魔法を習得出来たようだ。

 そしてそのままアクセサリー商に教えられるまま、ナオフミは魔力付与を覚えた。

 難しいものとなると、別の宝石の力を混合させたり、別の、例えば薬から魔力を吸い出して付与する事だって出来るらしい。

 

 

 そして、そこまで教えるとアクセサリー商は馬車を降りていったのだった。

 こうしてナオフミは薬の調合以外に細工技術も覚えることが出来たのだった。

 

 

 前回のノゲノラの世界で首飾りと腕輪を作った俺としてはかなり興味深かった。

 その時はろくに知識も道具もなかったのでこの身体(メリオダス)のスペックをフルに使った力技で作ったからなぁ。

 

 

 ちなみにこの世界、宝石自体の価値は低いらしい。

 出るところでは畑を耕すようにそこらの地面を掘るだけでゴロゴロ出てくるらしい。

 まあ、地表に近い場所だと魔力的に質が悪いがらしいんだが。

 どれだけ流行に乗った斬新なデザインかに値打ちがあるとか。些か矛盾した題材だ。

 なんでも今はそういうブームらしい。異世界でも流行って奴があるみたいだ。

 

 

 そんな感じで行商の日々を続けていたある日。

 丁度、南方の街へ寄った時の事。

 とある信頼できる筋……アクセサリー商からの斡旋で、除草剤を大量に欲している地方があるという情報を耳に入れた。

 なんでも速度からして間に合うのは神鳥……フィーロ達位なものらしい。

 死の商人ではないが大金が手に入るならと、俺達は南西にあるという村へ急行した。

 

 


 

 

 大量の除草剤を欲していると聞き、急いでその村へ向かった俺達だが……。

 フィーロ達の足が早い事もあり数日で該当の地域に近付いていた。

 

 

「うわぁ……」

 

 

 そこでは道を埋め尽くさんと蔓のような植物が蠢いていた。

 進行は遅いが少しずつ、確実に植物の支配領域は増えて行っている。

 きっとこの侵食する蔓を駆除する為に欲しているんだろう。

 なるほど、あれならアクセサリー商が大金になると断言したのも頷ける。

 

 

「な、なんだぁ!?」

 

 

 馬車から顔を出したナオフミがこの光景に声を上げた。

 

 

 辺りを確認すると難民キャンプみたいに人が寄り集まっている所を発見した。

 俺達はそこへ向かって馬車を走らせた。

 

 

 俺達はキャンプをしている所に辿り着き、馬車から降りて、事情を尋ねる。

 ちなみにナオフミの盾はブックシールドに変えている。そして腕の裏側に回して本を持っている行商人の振りをしている。

 目立つ盾が無ければ盾の勇者だと気付かれないからだ。

 

 

「除草剤を高く買い取ってくれると聞いてやってきた者だが」

 

 

 キャンプの中で偉そうな装飾をしている人にナオフミが尋ねる。

 

 

「おお……行商の方ですか。助かります」

 

 

 待っていたとばかりに答えられる。

 

 

「しかし、一体どうしたんだこれは?」

 

 

 ナオフミは植物が侵食する大地の方を見ながら呟く。

 

 

「その……私達の村は飢饉だったのです」

 

 

 ああ、そういえばそんな噂があったな。

 でもあれはモトヤスが解決したんじゃなかったのか?

 

 

「ですが槍の勇者様の来訪によって古に封印された奇跡の種を入手し、飢饉は解消されたのですが……」

 

 

「まさかその奇跡の種が?」

 

 

 俺はナオフミの侵食する蔓の方を見る。よく見ると様々な果物や野菜が蔓から生えていた。

 このキャンプの連中も食料には困っていないようで、炊き出しとかは行われていない。根っこからは芋が取れるようで、農民が侵食する蔓の方へ行って、土を掘っている。

 つまり、植物から食べ物は得られるが繁殖のし過ぎで自分達の住処を追われたという事か……。

 アホくさ

 

 

 よくよく考えてみれば封印されているにはそれ相応の理由があるよな。問題が無ければ残っているはずだし。

 あの馬鹿は、何を思ってこんな真似をしたんだ。

 

 

「しかも外周はまだ問題が無いのですが、村の方へ行きますと植物が魔物化しておりまして」

 

 

 変異性の植物って奴か。

 まさしくファンタジーだな。

 

 

「だから除草剤が欲しいと?」

 

 

「はい」

 

 

 農民とかなら植物の駆除方法とかを熟知していそうなものだが……。

 

 

「最初は豊かでみんな喜んでいたんです。ですけど、畑から家にまで生えてきて……がんばって村中で刈り取っていたのですが、それも追いつかなくなり……」

 

 

「ちなみに……何時からだ?」

 

 

「勇者様が去った後、2週間は問題なかったのです。ですが半月ほど前から……」

 

 

「へぇ。国には申告したのか?」

 

 

「はい。ですがお忙しい勇者様が来るのにもうしばらく掛かる様で、除草剤でこれ以上の侵食を抑えている状況です」

 

 

 そこまで聞いてナオフミは思わずといった様子で溜息を吐く。

 ぶっちゃけ俺も似たような気持ちだ。

 

 

「火で焼き払えば良いのではないですか?」

 

 

「考えうる全てを試したのですが……」

 

 

「ああ、既にやったわけね」

 

 

 おそらく、冒険者にも駆除を頼んでいたのだろう。

 周りを見ると村人ではない、武器などを持った連中も見かける。

 

 

「うわぁああああああああああああ!」

 

 

 村のある方向から叫び声が聞こえてくる。

 

 

「なんだ!?」

 

 

「冒険者がLv上げに行くと止めたのにも関わらず入って行きましたので、その声かと」

 

 

 半ば諦めたかのように村人は答える。

 

 

「チッ! フィーロ!」

 

 

「はーい!」

 

 

 ナオフミは村の方を指差すと、植物から実った食べ物を頬張っていたフィーロが走り出す。……食い意地張りすぎだろ。

 植物地帯を高速で駆け抜けて、フィーロは三人のボロボロの冒険者を担いで持ってくる。

 

 

「村のほうはどうだった?」

 

 

「えっとね。植物の魔物がぐねぐねと動いてたよ。毒とか酸とか吐いてくる面白いのもいたの。弱いのにあんな所へ行くなんてバカだねー」

 

 

「最後の一言は余計だ」

 

 

「はーい!」

 

 

 案外毒吐くよなこいつ。

 フィーロが流暢に喋るので村人は驚いている。

 

 

「あ、アナタは最近噂になっている神鳥の馬車に乗る聖人様ですか?」

 

 

 今更になって村人はナオフミに手を合わせて尋ねる。

 

 

「まあ……聖人かどうかは知らんが、馬車と鳥の持ち主だな」

 

 

「お願いします! どうか、私達をお救いください! ここには植物に侵食された者もいるのです!」

 

 

「寄生能力まで持っているのかよ……」

 

 

 なんでもアリなとんでも植物だな。

 

 

 俺達は治療薬と除草剤を片手に案内されたテントに入る。

 するとそこには体の半分が植物になっている人が数名、横になっていた。

 

 

「治るかわからないからな。後、俺は慈善家じゃないから治療費は寄越せよ」

 

 

「はい……」

 

 

 人々がそれぞれ、槍の勇者が来なければこんなことには……と、小さく嘆く声が聞こえ、若干ナオフミの機嫌がいい。気持ちは分かる。

 

 

 ナオフミはまず一番近くに居た息苦しそうに寝ている子供に近づき、治療薬を飲ませた。

 淡い光が宿り、子供の呼吸が大人しくなる。そして除草剤を患部に撒いた。

 子供はしばらく苦しんだが、植物が枯れて、ハラハラと落ち、見た感じ全快した。

 

 

「おお……」

 

 

「さすが聖人様だ」

 

 

 感嘆の声が漏れる。

 続けて、他の患者にも同様に薬を飲ませて撒く。

 全員の治療が終わった所で、何故かキャンプ中の雰囲気が明るくなっている。

 まあ、多少なりとも改善の兆しがあれば明るくもなるか。

 

 

「ありがとうございます! ありがとうございます!」

 

 

 人々がナオフミに礼を述べる。

 

 

「まずは治療費だ」

 

 

 ナオフミは相場より若干高めの金銭を要求した。

 しかし、村の連中は笑顔でナオフミに金を渡した。

 

 

「さて、じゃあ後は除草剤を売るから買ってくれ、そしたら、もうここには用が無い」

 

 

「あの……聖人様、どうかこの村を救って頂けないでしょうか?」

 

 

「ああ!? 国の勇者に頼むんだろ?」

 

 

「その……」

 

 

 なんか村人の奴、全員が集まってナオフミに祈るように懇願してきている。

 

 

「断る」

 

 

 しかし、ナオフミはばっさりと断った。

 そんなことをする義理はないし、ここに長居すると依頼を受けた勇者達が来る可能性があるからな。そうなるとめんどそうだ。

 

 

「お願いします。お金ならどうにか工面するので」

 

 

「……先払いだぞ、後……何があっても後から不満は聞かないからな。他に槍の勇者が解いた封印の概要とかを知ってる範囲で答えろ」

 

 

 しかし、ナオフミは村人の言葉を聞いて受けることにしたらしい。

 さっきの冒険者を助けさせた時といい、ナオフミはやっぱり優しいよな。金は取ってるけど。

 

 

 ナオフミの返答に村人の連中は自らの懐から寄付を募り、財産を集める。その間にナオフミは情報を最大限集めた。

 

 

 話によると近くの遺跡に封印されていた植物の種子で、堅牢な守護者が守っていたらしい。

 そんな守護者が守っていた種なら何か問題があったのではないかとか疑わなかったのだろうか。

 で、槍の勇者……モトヤスからの話はそれ以外無かったそうだ。

 村人の調査によると、大昔にこの辺りを根城にしていた錬金術師が作った傑作の一つだったのだけど、封印された物だと言う。

 記述では一時期、この近隣が植物によって支配されていたとか……。

 

 

「そんな伝承があるのなら封印を解くなよ! 誰も気付かなかったのか?」

 

 

 ナオフミの鋭いツッコミに皆一斉に視線を逸らした。

 勇者が持ってきたから安全な物とでも思っていたのだろう。

 

 

 これ以外の情報は見つかっていないらしい。

 で、しばらく話していると寄付金が集まった。

 ……結構な金額だ。

 先払いなら、ナオフミの正体を知っても逃げ切れるな。

 

 

「分かった。じゃあやってみるとするか」

 

 

 そう言ってナオフミは盾を戦闘用に変化させた。

 

 

「た、盾の勇者!?」

 

 

 村人達の声を無視して俺達は受け取った金のたっぷり入った袋を腰に下げて、植物が侵食する大地に歩いて行く。

 

 




 平成最後の回がこんなで本当に申し訳ありません。
 次回も早めに投稿したいなと思っています。

 ここまでこの作品を応援してくださった方々ありがとうございました。
 令和でも「新・メリオダスになって異世界を渡る」をよろしくお願いします。

 それでは第27話もお楽しみに。
 アンケートもよろしくお願いします。

第2章の話を原作沿いにするか否か

  • 原作沿いでOK!
  • 原作沿いじゃつまらねぇ!
  • 勝手にせぇや

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