ミカエル推しが激しいからどうしたのかと思ったけどそう言えばモン玉ミカエルだったゾ。よし!じゃあぶち込んでやるぜ!
人は嫌いだ。期待をすぐに裏切るから、自分の評価のために平気で人を利用するから。
だから俺は極力人と関わるのをやめた。もう二度と騙されないように。
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「起きろー!」
「うっ……。」
赤い髪の少女が俺の寝ているベッドに飛び込んでくる。
「ミカエル……。」
「マスター!学校行くぞ!学校!」
「今日は創立記念日で休みだよ……。」
「えっ⁉︎」
「…………。」
「あはは…。」
ミカエルがベッドに乗ったまま布団をかぶる。
「寝不足なんだから寝かしてくれよ……。」
「まぁいいや!出かけよ!」
ミカエルが俺のベッドの布団をひっぺがした。
「やめてくれよ…。」
「ほら!早く起きて!」
寝起きと運動不足のせいで足がガクガクする。
「早く出かけよ!」
いつもミカエルに流されている気がする。優柔不断な自分にうんざりする。
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「眩しい…。」
「どこ行こうか?」
「考えてなかったのか……。」
赤いガントレットをつけた手で俺の手を持ちブンブンと振ってくる。肩こりがあるから千切れそうなほど痛い。
ミカエルは昔から家にいた。何故だかは知らない。
彼女はじっとしているのが苦手で俺をいろんな手を使って連れ出そうとしてくる。
「それで何するか決まったの?」
「う〜ん。公園に行こう!」
「またか…。」
予定がないといつも公園だった。ミカエルは公園にいる子供達と遊びに行き、俺はベンチに座ってそれを眺めていた。
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ミカエルと初めてあった時、やっぱりいつの時代にも当たりハズレはあるんだなと思った。
当たりハズレというのは人間性のことだ。ミカエルは明るい性格で口上手、いろんな人が彼女のもとへ寄っていく。
対して俺は口下手で暗い性格、周りから『どうしてミカエルはこんな奴と一緒にいるんだろう』と言われたことがある。
(まぁいいや。人と付き合うだけ無駄だ。どうせ学年変わったら話さなくなるんだし。)
俺だってもともとこんな性格じゃなかったはずだ。誰だって話したいと思うことはあるし、人気者になりたいという願望はある。
しかしいつからだったか。急に誰も俺に話しかけてこなくなった。
そうすると自然と心もすさんでいくわけで、俗に言う隠キャの出来上がり。
正直、ミカエルみたいな明るい性格の奴がこういう真反対の性格の奴といて悪影響ではないのかと考えるようになった。
「マスター!帰ろ!」
いつのまにか公園の出入口でミカエルが呼んでいた。
まぁいいか。ミカエルがいるなら話し相手は十分だし、見捨てられても大丈夫だろう。
「今行く。」
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マスターがまた何か考え事をしてる。
僕以外の女のことかな?
やだなぁ……
汚い人間のくせにマスターをたぶらかさないでよ。綺麗なマスターを汚さないでよ。
初めて会った時、僕はマスターほど綺麗な人は見たことなかった。
人を信じない目が、態度が、全身全霊で人を信じないと心に誓ったような顔が。僕には綺麗に見えて仕方がなかった。
上っ面を並べるだけの他の人間とは違う。この世の闇を知ったかのような目。マスターの父親と母親は無理にでもマスターを他人と関わらせようとする。僕はそれを勿体無いと思った。
このままの綺麗なマスターを守ってあげたい。誰にも関わらせず、僕だけのものにしたいなぁ…。
そう思ってマスターと話していた人間たちにお願いしたら素直に聞いてくれた。
そしたらマスターはもっともっと綺麗になってくれた。
嬉しい。僕の理想のマスターにどんどん染まっていってくれる。もっともっと綺麗にしてあげたい。
だから僕はマスターを綺麗にしようとした。他の人間と話すのは嫌だったけど、マスターが僕の思い通りになっていってくれると考えれば我慢できた。
もっともっと僕の色に染まって…。僕だけを頼って僕だけと話して僕だけを見て僕だけにあなたを守らせて。
絶対に離さないよ。たとえどんなに誰かに助けを求めたって、僕が全部壊してあげる。マスターは僕だけのお人形さんなんだから。
誰にも触らせない。誰にも見せない。誰にも意識させない。誰にも話しをさせない。
もっともっと苦しんで、死にたくなってしまうほどに……。
これはヤンデレなのか?これもうわかんねぇなぁ…。
一体何がいけなかったんでしょうかねぇ〜(出雲のことしか考えてない)