多くの力を借りて僕は英雄〈勇者〉を目指す(ゼルダの伝説×僕のヒーローアカデミア) 作:油揚げパン
12月初旬ーアライアンス
東京に来て初めての冬、あまりの雪の降らなさに驚いていた
「雪だーーーー!!」
「心頭滅却!乾布で摩擦!」
「雪で濡れますわよ」
切島が服を脱ぎながら走って行くのを八百万さんが声をかけている
「早く扉閉めて!梅雨ちゃんが動かなくなった!」
「わーゴメン梅雨ちゃん」
ソファーに座っていた麗日さんが蛙吹さんの介抱に入り、耳郎さんが扉を閉めに入った
リンクはサポート科に出かけようとしていた
「ちょっとラヴィオ先輩の所に行って来る」
「あら?如何いたしましたの?」
八百万さんが声を掛けて来た
「もう盾がボロボロでね…メンテナンスに行こうと思ってね」
そう言ってバネが壊れ、溶け、銃弾でヒビが入った盾を見せた
「あら…随分傷んでますわね」
「…大分お世話になったからね」(  ̄- ̄)
数々の攻撃(味方も含む)を受けてきた盾、たまにはしっかりメンテナンスして労ってやらなきゃな
「なあ!たまには別のメーカー使って見たらどうだ?」
上鳴がテレビを見ながら聞いてきた
「う~ん…いい奴なら使ってみたいけど…」
「ほら…これとか」
「ん?」
テレビを見るとCMが流れていた
『4本腕が艶やかな女性、立派な毛並みの老紳士、ゼリーの様なプルプルお肌の少年…かつて彼等の様な人間はマイノリティだったそうです。
しかし、超常は加速度的に進みあっという間に彼等の時代…ここで産業革命以降、膨張を続けた大量生産・大量消費文化に待ったが掛かったのです。
気付いた時にはもう遅い、規格はバラバラ、日用品すら合うのも探しに奔走する日々"皆が違う"これだけの事で多くの方々が苦労された冬の時代
そのような過去の歴史を忘れる事なく、お客様の一人一人に寄り添ったモノ作りを歩んで参りました。
個人単位でのデザインを3日以内でスピード提供!独自開発の技術とシステムで業界No.1へと駆け上がり!そして、いよいよヒーロー社会へ!これからのデトネラット社にご期待下さい!』
オデコを気にしてそうなオッサンが語っているCMだった
「流石にクラシカルな牧場には難しいかもだけど、試して見たら?」
「…でもこれなら八百万さんが作った盾の方が信頼出来そう」
「リンクさん…でしたら新しい盾を…」
八百万さんは嬉しそうに新しい盾を作ろうとするが…
「まあ、技術はラヴィオ先輩が一番信頼出来るから、じゃあ行って来る」
そう言って出ていった
「あ…く…」プルプル…
八百万さんは悔しそうにしている
「あ~…なんかすまねぇ、ヤオモモ」
「いいえ…上鳴さんは気にしなくていいですわ」
こうしてリンクは盾とサポートアイテムのメンテナンスに向かうのだった