多くの力を借りて僕は英雄〈勇者〉を目指す(ゼルダの伝説×僕のヒーローアカデミア) 作:油揚げパン
ハイラル中央病院
夕方にハイラルの旧城下町にある。中央病院に到着し、中に入ると受付の人が声を掛けて来た
「あら!ルクスお嬢ちゃんじゃないですか。今日もミィスちゃんの所?」
「うん!リンク兄さんにお友達を紹介するの」
「どうも」
リンクは頭を下げた
「あらあら!最近の子は進んでるわね。行ってらっしゃい」
「行ってきます!」
そう言ってルクスは病院の中へ進んで行く
「…随分懐かれているのね」
「えっと?前は違ったのですか?」
「あの子個性が出る前は死んだ目をしてたからずっと心配してたのよね。個性が出てから少しづつ自信が出てお付きの人も困らせる事もあったわね…子供は元気が1番よ、あの子と一緒って事は役所のお手伝いでしょ? サポートしてあげてね」
そんな事を受付の人と話をしているとルクスにエレベーターの前で呼ばれた。
「リンクー!早くー!」
「あら?姫様が呼んでるわよ。行ってらっしゃいナイトさん」
「はい、今行くよルクス」
リンクはエレベーターに急ぐのだった
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エレベーター内
「サツキさん何だって?」
あの受付サツキさんって言うのか
「『姫をよろしくナイトさん』…だって」
「………」
「どうしたの?」
「ねぇ、リンクは巫女候補だから優しくしてくれるの?」
「う〜ん…どうだろう?」
「って言うと?」
「ボクは困っている人に手を指し伸ばしているだけだよ。そこに身分は無いし、もしルクスが普通の人で、助けが欲しいなら手を差し伸べるよ。それが全ての種族の思いを背負う者、『勇者』の理想だからね。だから…」
リンクは膝を曲げ、ルクスの視線に合わせて言葉を続けた
「まだ弱いボクだけど、ルクスが本当に助けて欲しい時、どんなに離れてても、時間が掛かっても必ず助けに行くよ」
ポーン
エレベーターが付いた音がした。
どうやら最上階の様だ
フロアに入ると、景色は一変した。大理石の床に高価そうな装飾品、廊下にはシャンデリア…マーライオンまでいる
「ルクスお嬢サマ?病院なのにホテルみたいなの?」
「?別に普通でしょ、あそこの部屋よ」
…改めて住む世界が違う事を認識したリンクでした。
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リンクルサイドー市役所内職員出口付近
しっかりメイクを決めたリンクルとラナの2人組は帰ろうとしていると
「ね…ねぇ、リンクル」
他の職員がリンクルに話しかけて来た。
「ハセベじゃない、仕事は終わったの?」
「さっき、牧場くんだっけ?お嬢様を受付の前でお嬢様に説教してたわよ」
「「…はぁ!!?」」
以前、ルクスを説教をした女性職員が不倫してる事がバレ、しかも不倫相手が上司だった事から人事移動されているのでリンクルは肝を冷やした様に青ざめている
ルクスのカバンにあるキャラ物のメモ帳にはそれぞれ[ネーリ]と歩き周った職員の情報がぎっしり詰まっており、気にいらないと色んな意味で大変な事になってしまう悪魔の手帳と職員の中では有名で、パワハラは勿論、サボり、実績の低下、職員と来訪者への対応での問題等多くの事が書かれている。
そしてその情報はゼルダ市長へルクスの気まぐれで報告されて、ボーナス等に大きく響く時があったりする
ルクスの行動で市役所の業務効率が向上してるので、ゼルダ市長は寧ろ推進しており、ルクスは事実上小さな監視員となっていた
「で!?お嬢様はどうだった!?どうだったの!!?」
リンクルの情報はリンクの師匠って事でルクスは市長に黙ってはいるが、リンクル自身は積み重なったサボりでクビが飛びかねないと必死になっている。
「それが…素直に聴いてたのよね〜。牧場くんとルクスって何かなあるのかなって、気になったんでリンクルに聞いてみたんだけど、その様子じゃ知らなそうね。」
「…あの子が人の話を聞いたの!?前は睨みつけて無視して物を投げつけて来たりして手を付けられなかったじゃない!…合コン行くのが不安になってきた…」
不安に駆られるリンクル
「リンクが気にいったんじゃないの?気にする必要無いわよ」
「だといいんだけどね」