多くの力を借りて僕は英雄〈勇者〉を目指す(ゼルダの伝説×僕のヒーローアカデミア) 作:油揚げパン
ハイラル駅
夜になってしまったので、ハイラル駅にあるクリミア弁当屋にて食事をする事にした。
「まだやってるといいけど…」
店の前に来たが何か何時もと雰囲気が違った。弁当の品数メニューが減ったのもそうだが、前より…言い方は悪いがボロくなっていた。
「すみません、まだやってますか?」
「えぇ、もうこれしか…って!!牧場クン!何時帰ったの!?」
「今さっきハイラルに入ったばかりですが…どうしたの?」
店にいたのはクリミアさんでも、手伝いでのマヤでもなく普段新聞記者をしているロマニオバさんだった。
「あれ?なんでロマニさんが店番してるの?」
「き…救済者キターーーー!!!」
「な!ちょっと!?」
思いっきり肩を掴まれるリンク
「お願い!これ以上は持たないの!!!牧場クン!!力を貸して!!!!!」
「痛い痛い痛い!ちょっと!離して…」
「離すもんですか!これで[ガン!!]」ドザ…
突然倒れたと思ったら、ロマニさんの後ろに広辞苑を持ったマヤがいた
「…たく、急ぎすぎなのよオバさんは…」
「…○んで無いよね?」
「安心して、いつもの事よ」
とりあえず事情を聞くことにしたリンクでした。
「え〜…私達家族は倒産の危機にオチテイマス」
ロマニさんは重い事情を話始めた
「どうして?」
リンクは聴いてみた
「ここ3ヶ月牛乳の配送で同業者が強盗や営業妨害…仕舞いには牛乳回収していたクリミア姉が、『独占禁止法に違反した』って言って札幌に連れて行かれたわ」
「…なんで?」
クリミアさんがそんな事する訳が無い
「解らないわ、ただ2週間後に帰って来る事は分かっているんだけど…4日後が牛乳納品業者の期限で城下町にある農協に納品出来ないと権利が剥奪されちゃう」
おう、それってウチにも影響あるな
「私達が牧場クンの家に回収に行ければ良いのだけれど…クリミア姉しか牧場クンのお家に行けないのよね…」
「…マヤには何度か教えなかったっけ?」
「行くたんびに遭難仕掛けてるの忘れてない?」
そう言えばそうだった
「マヤは方向音痴だもんな」
「アンタの家がある場所が特殊なのよ!!」
「つまり、『1回家に溜まっているだろう牛乳を回収したいけど道が解らないからどうにか手伝って』って事で良い?」
「えぇ、お願いします!出ないと路頭に迷ってしまう…ついでにその配達状況を取材させて下さい!」
マヤも困った顔をしている
「わかりました。父さんに話して明日の朝に森の外に迎えに行くから、それで良いですか?」
「お願いします!!」
「本当にゴメンね」
「別に良いよ、マヤのお願いでもあるし…とりあえずお腹減ったからお弁当無い?」
「……あるにはあるけど…ねぇ」
「……あんまりオススメしないわ」
ロマニさんは渋い顔をし、マヤは真顔で答えた。
「とりあえずエネルギー欲しいし、お願い」
「わかったわ…」
そう言ってロマニさんから渡されたのは、何時ものクリミア弁当だった。
『ハイラル発ロックタウン経由トアル村行きが間もなく到着します。…』
「お、汽車が来た、ありがとねー!」
ロマニさんが、冷や汗をかいているが…まあいいか
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汽車内
何時ものクリミア弁当を食べる事にしたリンク
「じゃあ、いただきま………こ…これは…」
弁当の蓋を開けると、妖気が溢れて来る物体Xな印象だった
通常のクリミア弁当には、ご飯、ごま塩、梅、オカズにはひと口クリームコロッケと唐揚げ、筑前煮、ポテトサラダが入っているが…
ビチャっとしたご飯に恐らく低温で油に投入してしまったであろうギトギト揚げ物…しかも慌てて温度を上げたせいか黒焦げ、めっちゃ生臭い筑前煮、何故か砂糖を食べてる様な超甘いポテトサラダが入っていた…ポテトサラダも半生で歯ごたえヤバい
…これは潰れるよ…ロマニさん料理できなかったのね
リンクはマヤの食生活を心配しつつ食べないと体が持たないと分かっていたので無理矢理胃の中へ流し込んだが、お腹を壊してしまったので電車の中にあるトイレに籠もっていた