多くの力を借りて僕は英雄〈勇者〉を目指す(ゼルダの伝説×僕のヒーローアカデミア)   作:油揚げパン

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出港と誤算

 ウオトリ漁港の漁協で乗船手続きをとり、リンクとラインバックは出港した。

 

 流氷が来る前に海底の調査とマーカーを打つのが今回の仕事だ。

 

 海底にある調査対象にGPSを打ち込み、流氷のシーズンが終わったらそのGPSを追いかけ、春になり流氷がなくなったら調査を本格的にする事前調査だ

 

 「準備はいいかボウズ?それじゃ出港!」

 

 「おーー!」

 

 リンクはラインバックの古い船で出港したのだった。

 

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 ハイラル市役所内ー市長室

 

 ルクスはインターンでリンクがココに来るのを楽しみにしていた。

 

 秘書の補助は点数が割高に設定されているのでそれなりに人気があり、補助の最初の頃はルクスのお世話だからだ。

 目の引く所に置いて、新入職員は効率の良い物を選ぶはずだし、ルクスは市役所の中では良い意味でも、悪い意味でも有名である。

 

 離職勧告の権限を行使出来る小学生で、下手に関わるとヤバいのはわかっているので、誰も火中の栗は拾うまいと言う考えと、事情を知らないリンクが得点が高いのに余っている奴をほっとかないと思ったのであった。なので時間が無くなれば無くなるほどリンクが来る可能性は十分にあった。

 

 しかし、どうせなら長くいたいルクスは依頼書の管理部にちょっと色々と布石を打っていたのだが…

 

 「…ルクス、何かまた企んでない?」

 

 「そんな事はありませんわ、お母様♪」

 

 「…まぁいいわ。それとルクス、今度新しい世話役が来るからちゃんと仲良くしなさい。」

 

 「!…どんな方ですの?」

 

 ルクスはキタ!っと思った。

 

 「えっと、東京の…」

 

 「…………」

 

 ルクスは心の中で祈っている。

 

 「…法学部出身のコね。…へぇ、教育免許持っているのね…」

 

 「ズル!………」

 

 ルクスはその事を聞いてリンクじゃない人が来る事に焦った。

 

 「…お…お母様、他にもいらっしゃるのですか?」

 

 「いいえ、今の所は1人よ」

 

 「………ちょっと出て来ます。」

 

 ルクスは部屋を出て、依頼書の管理をしている部署にある職員全体のスケジュール表を見に行ってリンクはしばらく戻らない上に、ノルマの点数を得るのが宝くじレベルの上に何故か新人が受ける事が出来ないBランク(プロヒーロー10人でクリア出来るレベル)の依頼書を受けてる事を知り、顔を青くするルクスだった。

 

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 リンクは稚内市から東北に50㎞の所で嵐の様な波に揺れていた。

 

 「おおう!結構揺れるな…」

 

 「…ウップ」

 

 「わは〜」

 

 「…露に行くでありますか?」

 

 「シベリアは無理ッスよきっと」

 

 「♪〜」

 

 船の傾斜は30度をたまに超えるがラインバックは今までの経験で波をかき分けながらすすんでいる。

 

 リンクは栄養補給も兼ねて厨房でオニギリと味噌汁を作っていた。

 

 味噌汁もお椀ではなく蓋付の幅広カップを使っている。お椀では船の傾斜に耐えられず溢れてしまうからだ。

 

 ナビィは船酔いしてるが他の妖精達は元気に窓の外を眺めてる…

 

 

 

 

 

 

 

 


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