多くの力を借りて僕は英雄〈勇者〉を目指す(ゼルダの伝説×僕のヒーローアカデミア)   作:油揚げパン

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箱の中身

 吹き出されたリンクは、周囲を見渡すと難破船が沢山ある大きな窪みの端っこだった。

 

 南西方向にさっき入った入口が見える

 

「…出て来たのか…厄災ってなんだ?」

 

 リンクは気になったが取り敢えず、さっきつけた発信機の固定を確認してから1回浮上しようと思い、入口の船に近付いた。

 

 船首にしっかり固定されてるのを確認したリンクは、ぎゃしゃんって音にビク!っとなった。

 

 後ろを見たら難破船の扉が倒れていた。

 

 中が見えたので覗いて見ると泥に埋まった木箱が沢山あったのでお土産に1個持ち帰って見よう。

 

 ーーーーーーーーーーーーーー

 

 リンクは箱を持ったまま浮上する。

 

 「ぷはぁ!…あれ?意外と近かったんだな。」

 

 顔を出して周囲を見ると少し離れた所にラインバックの船が見えたのでお土産を持って船に近づくと、顔を真っ青にして具合の悪そうなラインバックが船の縁でグダってた。

 

 「…大丈夫?」

 

 「……ってリンク…戻ったのか…ウップ

 

 「船酔い?幻の海の男が?」

 

 「テメェ…こっちがどれだけ苦労したと…そうだ!ボウズ!あの建物の近くに発信機つけたよな!?」

 

 「急に元気になった。…映像で見れたならわかると思うけど、近くの大きな難破船に発信機つけたよ」

 

 「よし!!…流氷のシーズンが終わったらゆっくり調べに来るさ!…所でその箱はなんだ?」

 

 「これ?発信機をつけた難破船が積んでた箱、似たようなのが泥の中身にいっぱいあったよ」

 

 「ほう!…開けて見るか」

 

 箱をバールで無理矢理開けて見ると中身は牡蠣とか貝類がいっぱい付いた瓶だった。

 

 「……空き瓶?」

 

 「いや蠟で口がしっかりされてるから中身は無事みてえだな…ちょっと待ってろ」

 

 ラインバックはナイフで瓶の横を削ると形が完全に酒瓶だった。

 

 「……ロシア系の酒瓶だな」

 

 「なんであそこに?」

 

 「昔は商船の航路だったんだろ?…えっと?ひぃ、ふぅ、みぃ、…無事なのは15本位か、1回調べてもらうさ。漁港戻るぞ」

 

 「は〜い。腹減ったな…」

 

 そしてリンクは今回の海底調査が終わったのだった。

 

 ーーーーーーーーーーーーーー

 

 次の日、朝に帰港し、酒瓶の調査を保健所にして貰ってその日に結果がわかった。

 

 「蜜酒?」

 

 「やっぱり酒か…」

 

 ラインバックとリンクは首をかしげていると、保健所の人が話してくれた。

 

 「ロシアの酒で最も古い酒と言われてて、最低でも40年寝かせるって酒になります。これはもっと詳しく調べないとですが最低…15世紀から16世紀に作られた一般的なお酒です。一応ロシア大使館に一本持って行って資料と確認出来ました。」

 

 「…お酒かぁ。」

 

 「未成年ダカラ飲ンジャダメヨ!」

 

 「いやいや、そんな古いの飲めないだろう」

 

 「飲めますよ?オークションにかけた方がお金にはなりますが…海底で冷たい低温で長年かけてゆっくり熟成したのでアルコール度数39%とかなり高いですが、泥で一切太陽や空気に触れなかったのが良かったんだと思います。…ロシア大使館に一本、検査で開けたのが一本あります。ラインバックさん運転されないなら一口飲んでみます?」

 

 「…じゃあ一口…!!!……甘い…芳醇な薫りでアルコールがたしかに強いが…サラって飲める…へぇ〜こんないい酒だったんか!」

 

 「健康にも良いですし…「町田さん!」」

 

 「おい、今お客様と話中…」

 

 「そのお酒の事です!今、ロシア大使館からまだあるなら譲ってほしいと…あと発見者のラインバックさんと交渉したいようです。」

 

 「…500年前の酒でしかも飲めるとか存在自体が奇跡です。前に300年前のワインで430万でしたから…これは良い値段行きますよ」

 

 「ラインバックさん?」

 

 ラインバックは状況が固まっている。しかしそろそろ戻らないと電車が無くなるリンクは取り敢えず依頼書にサインがほしかった。

 

 「ラインバックさん、任務達成したよね?」

 

 リンクはアホみたいな口を開けっ放しにしているラインバックの脇腹を突っつきサインを催促した。

 

 「あ…あぁ、依頼金は後で振り込むって伝えてくれ。…ボウズ、お前の取り分だ」カキカキ…

 

 そう言って依頼書と一緒に4本蜂蜜酒をもらった。

 

 「いいの?」

 

 「…いいも何もお前が見つけたんだからお前のもんだろ!成人するまで親にでも保管してもらえ、冷蔵庫で良いだろ…それにあの場所にはまだ沢山…グヘヘ…笑いが止まらねぇ」

 

 どうしよう、凄く悪い大人の顔をしているラインバックさんをみて若干不安になったリンクだった。

 

 「…あれ?キャップ達は?」

 

 ナビィはいるのに他の奴らがいない…

 

 「…まさか!」

 

 リンクは保健所の中に急いで入った。そして保健所の人達が騒がしい方向に向かった

 

 「……やっぱり」

 

 想像した通りの光景があった

 

 「リンクどのがいっぱいッス〜…///」

 

 「スヤ〜…///」

 

 「ぐび…ぐび…フヘヘ…まいう〜て///」

 

 「グヘヘ…パンツはこうやって…グヘヘ…」

 

 

 そこには試験用に封印を開けた蜜酒に酔っ払いになったキャップ、シィ、ショット、ライがいた。

 

 「迷惑かけないでよ〜!!」

 

 リンクは酒臭い酔っ払い妖精共をシーカーストーンに押し込んだ。

 

 

 

 


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