とある世界の絶対氷結(アブソリュート・フリーズ) 作:宇宙戦争
西暦2024年 7月18日 第7学区 セブンスミスト
「ごめんなさいね、垣根さん。買い物に付き合わせて」
「気にしてねぇよ。・・・白井に後で何て言うか考えるのが少々面倒だけどな」
第7学区セブンスミストの店内を
しかし、何故
それは簡単に言えば、
もっとも、垣根の場合は少し違うが。
(たくっ。あの野郎、俺を囮にしやがって)
垣根は心の内で
今回起きる
ユウキはその首謀者である介旅初矢の事前(既に被害は幾つか出ていたが)の摘発を目論んでいた。
だが、万が一、補足に失敗した場合に備えて、垣根を保険兼囮にして、原作で標的であった初春飾利の護衛を行わせようと考え、垣根にそれを頼んだのだ。
「大丈夫ですよぉ。白井さんなら自分でどうにかしてくれますし、いざとなったら、何事も無かったかのように戻れば良いんですからぁ」
微妙に黒い事を言う初春。
その言葉を聞いた垣根は
垣根としても、あの
一応、垣根は
理由は垣根の能力は唯一無二と言っても良いものの為、それ以外だとレベル5の第二位だという事がすぐにバレてしまうし、垣根は
だが、そのせいで
(まっ。精々後処理頑張れよ。ツインテ)
垣根はそう思いながら、初春や佐天と共に
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同日 第7学区 路地裏
ドッガアアアァァン!!
第7学区の路地裏に爆発音が響く。
それを至近距離で、尚且つ常人の人間が食らえば、吹っ飛ばされて、良くて意識不明の重体、悪ければ死んでいるだろう。
だが──
「なんなんだよ!!お前は!!!」
上条当間はその常人のベクトルには入らない。
常に
だが、そんな事など、当然の事ながら介旅初矢は知らない。
彼にあるのは、自分の能力による攻撃をかわした上条に対する恐怖と怒りのみである。
しかし、上条からすれば介旅初矢がどう思っていようが、はっきり言えば関係ない。
ただただ仕事を実行するのみである。
上条は再び攻撃しようとしている介旅に向かって突進すると、介旅の腹部に向かって裏拳を放つ。
それをもろに食らった介旅は1メートル程後退り、意識を失った。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・えっ。もう終わり?」
上条はあまりにも呆気ない勝利に、逆に拍子抜けしたのだった。
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第7学区 某所
「そうか。終わったか」
ユウキは上条からの連絡を受けてそう言った。
拍子抜けした上条とは違い、ユウキは上条が介旅にあっさりと勝ったのは想定内であった。
介旅初矢はレベルアッパーを使用して、
しかも、原作から、能力による
つまり、
少なくとも、ユウキはそう考えていたのだ。
「では、“例の場所”に運んでおけ。くれぐれも気づかれるなよ?」
ユウキは上条にそう命令した。
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第7学区 路地裏
「大将、秋島はなんだって?」
いつの間にかこの場に来ていた金髪の少年の名は浜面仕上。
見ての通り、不良っぽい風貌をしているが、それもその筈。
浜面は元スキルアウトだからである。
一応、アウローラにも所属している少年だが、基本的な仕事は雑用。
端から見たら、とてもではないが大物には見えない。
だが、去年の冬にとある事件でアウローラと暗部組織の1つ、アイテムが衝突した際、学園都市
その実績を考えれば、これだけでも大物と判断されるには十分な理由だ。
何故なら、この学園都市には、
「“例の場所”に連れていけってさ」
「その後は?」
「おそらく、“記憶改竄”をして
上条は浜面の問いにそう答える。
元々、事前に立案した計画では、介旅初矢の殺害計画など存在しない。
だが、ある事情で
そして、利用した後に介旅初矢を
「さて、と。それじゃあ、一汗流しますか!」
上条はそう言いながら、再び気合いを入れた。
その後、セブンスミストにて爆破事件は起きず、
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西暦2024年 7月19日 第7学区 某所 深夜
セブンスミスト爆破“未遂”事件から1日経った7月19日。
この日も後一時間ほどで終わろうとしていたが、ユウキは休む間もなく働いていた。
何故なら、明日は科学と魔術が本格的に交わる事になる日であり、それと平行して“もう1つの計画”を進めなければならないユウキとしては、こんなところで休んでいる暇など無かった。
「魔術方面は上条に任せていれば大丈夫だろう」
魔術方面は原作通りに上条に任せる予定だった。
上条の強さなら、ステイルクラスなら余裕で倒せる。
問題はもう1人の神裂であったが、これははっきり言ってユウキにも分からなかった。
何故なら、ユウキは神裂どころか、聖人とすら未だ戦った事が無いからだ。
アークで解析しようにも、元となるデータが無ければどうにもならない。
「・・・やはり、念の為に
ユウキはそうも考えた。
が、そこまで考えたところでユウキはその考えを切り捨てる。
(いや、駄目だ。そんな事をしたら、イギリス清教との戦争になってしまう)
確かに戦闘面だけを考えれば、
だが、政治的に考えると、それは不味い選択肢である。
学園都市最強の能力者をイギリス清教の迎撃に出す。
これでは勝ったとしても、イギリス清教に学園都市への敵対心を植え付けてしまう事になる。
それは不味い。
今の段階ではイギリス清教との戦闘準備など整っていないので、早くて11月、遅くて原作通りの12月まで待って欲しいというのがユウキの本音だった。
「まあ、魔術サイドの方はそれで良いとして、問題は
明日、7月20日は科学と魔術が交差する日であると同時に、
「確か明日は佐天涙子がレベルアッパーを手に入れる日だったな」
ユウキは原作を思い出す。
世間では未だ
原作では
ちなみに御坂美事に至っては未だに
事実、今日は原作では御坂美琴が
おそらく、御坂美琴を含む
とは言っても、
ここからの
その間に自分達は“もう1つの計画”を発動し、アウローラ最大の宿敵たる“木原”に攻勢を掛ける。
「明日は忙しくなるな」
ユウキはそう思った。
こうして、7月19日の夜はふけていく。