プリキュアde恋愛!   作:suryu-
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 四日おきの投稿のはずが、日にちが空いてたでござる。な、何を言っているか(以下略)

 どうも、suryu-にございます。

 今回はえりかが頑張ってるお話ですが、自分が書いている中で、どんどんえりかを好きなキャラとして見られるように。
 あれですね、やっぱり書くと魅力が分かるってやつですよね。なんて、前にも話したような。デジャブ?
 で、やっぱりこうしてえりかをヒロインにして、良かったな。なんて思うのは、普段色物でも、ふとした時に見える魅力って、可愛いよなって思うことですかね。

 とりあえず、語ると長くなってしまうので、ここまで。今回もごゆるりとなさってくださいな!


来海えりかが付き合うまで 〜その3〜

■【来海えりか】■

 

 

 

「初恋だった、人?」

 

「ええ、そうです。あくまでも……だった。ですが」

 

 裕一さんの顔は、なんだか遠い昔を見ている。あたしはそんな気がするけど、多分間違ってない。だって、今を見ていない。そこだけは、確信できる。

 じゃあ、どういうことなんだろうか。想像をすると、なんとなく暗いものがあるんじゃないか。なんて、あたしなりに考えた。その答えは、多分外れてない。

 

「もう、会えないってこと?」

 

「……そうです。彼女はもう死んでいるんです。私達が、幼い頃に」

 

「死んでる……」

 

 やっぱり、そういう理由だったんだ。考えた答えが当たっていても、嬉しくない。むしろ、それをずっと抱えていたんだと思うと、それがどれだけ辛いか。私は分からないかもだけど、とても苦しんだんじゃないかと思う。

 いい頃合いなんだろう。そう思ったのか、ベンチにゆっくりと腰掛けた裕一さんは、ゆっくりと語りだした。

 

「そうですね、それはまだ私とりょうと、もう一人。不動アスカという旧友三人が、幼い頃の事でした。私とりょうと、アスカはとても仲が良くて、私達はよく遊んでいました」

 

「幼なじみ、なんだよね。裕一さん達は」

 

「ええ、そうですね。もう長い付き合いです」

 

 それは、聞いているし、見ていたら分かるから、なんとなくそう思っていた。まだまだ話は続くだろうし、あたしは再び聞くように戻る。

 

「アスカには姉がいましてね。その姉が、私の初恋の相手だったんです。不動ユウナという、とても優しい人でした。そんなユウナさんと私は、いつの間にか惹かれ合う。そんな時です」

 

「っ……」

 

 そこで、裕一さんはあたしの見たことの無い、とっても哀しそうな、それでいて暗い顔をしていた。

 

「ユウナさんが、突如襲われ、私たちの目の前で、殺されたんです。私とりょう。アスカの三人で、撃退したんですが……りょうと私とアスカはやられ、そのまま、ユウナさんを持っていかれてしまいました」

 

「そんな、事が……」

 

「そして、そいつはアスカと私に言ったんです。恨むなら……光に連なる家系を恨めって」

 

「光に連なる……?」

 

 光に連なる。なんていうのは、あたしにはよく分からない。でも、その言葉は意味があるものだと思った。裕一さんの話は、まだ続く。だから、しっかりと聞かなきゃ。

 

「りょうはそのあと色々あって、闇爺の修行を受ける事になり北海道へ。その過程で、闇の王を目指すことになった。アスカは、事件を忘れない為に自分を鍛えた。そして、私は復讐の為に剣を振るい続けていた。はずなんですけどね」

 

 そこで、いつものような、それでいて哀しさを感じさせる笑みと、なんとなく、あたしに期待か何かを向けているような、そんな目線を受けて、あたしは。

 

「……えりかさん。貴方と会ってから、復讐よりも貴方と居ることを望むようになった。これは……悪い事なのでしょうか。それとも」

 

「悪いなんて言わない。むしろ、そんな大事なことを抱えてて、それでもあたしなんかと居たいって言われて。それは、とっても嬉しいよ。でも……一人で抱え込まないで」

 

「抱え込む……」

 

「……今の裕一さん。とても辛そうだよ。あたしで癒せるか、分からないくらい。それでも、あたしは支えたい」

 

 辛そう。支えたい。その言葉に裕一さんは何を思ったかわからないけど、でも、少しでもあたしが裕一さんを助けられるのなら。その光にについてや襲った人を、恨んでいるからなのか、それとも。それでも私は、裕一さんを癒せたら。あたしと居ることを望むのなら、あたしは。

 

「……えりかさんは、優しいですね。このような私にですら、情を下さるんですから」

 

「……裕一さん」

 

 やっぱり、裕一さんの顔は、幾らか暗い。優しい笑みの筈なのに、いつもの裕一さんらしさがない。だから、あたしは。

 

「……えりかさん?」

 

「大丈夫。大丈夫だから。裕一さん」

 

 あたしは、裕一さんを抱きしめる。そうする事で、少しでも暗い気持ちを払えるなら。だって、あたしは。あたしは。

 

「裕一さんの事、それでもあたしは。好きだから」

 

「……えりかさん」

 

 この言葉が、告白とされても別にいい。裕一さんの心が晴れるなら、それであたしはいいの。裕一さんには、笑っていて欲しいの。だって、あたしはそれほど裕一さんの事が好きなんだ。そう気づいたからには、寄り添う覚悟があたしにはある。

 

「ふぅん、綺麗な馴れ合いだね。壊したくなる」

 

「っ!」

 

「だ、誰!?」

 

 そんな時。見覚えのない誰かがいきなり、あたし達の前に現れた。でも、この感覚だけは分かる。まるで、あたしや、つぼみ達と一緒に倒した。

 

「デザトリアンにも近いし、他の敵にも近いし……」

 

「さて、僕が何者なのかなんてどうでもいいじゃないか。闇爺しか知らないし」

 

「闇爺……? それに、貴方は、あの時の……!」

 

「え? あの時って、それってまさか……」

 

 裕一さんが、険しい顔をしている。ここまで怒りを見せる裕一さんは、初めて見た。けど、冷静にならないと、多分あいつからは逃げられない。だったら。

 

「裕一さん、落ち着いて。ここは逃げなきゃ!」

 

「……それは出来ません。仇ですから」

 

 駄目だ、完全に頭に血が上ってる。このままじゃ、あたしも変身できないし、裕一さんを守れない。どうしよう、どうしよう? 気づいたら周りに人は居ないし、誰か頼れる人は。

 

「下がれ裕一!」

 

「りょう……?」

 

 一人居た。ほのかさんの、彼氏さん。漣りょうさんは、騎士として覚醒したんだって、聞いていた。剣を振るえば、風の刃が名前も知らない敵に飛んでいく。でも、敵の男もそれじゃあびくともしない。

 

「ほのかが援軍を呼んでくるまで少しかかる! 今は俺が時間を稼ぐから、早く行け!」

 

「……りょう。貴方なら分かるはずです。私の想いが」

 

「分かるから言ってんだよ、馬鹿野郎! 今は一度退け!」

 

「ですが……え、えりかさん?」

 

 そんなやりとりをしている二人を見て、あたしは行動に移す。裕一さんの手を引っ張って、少し離れた路地の裏まで連れていこうとする。心配なんだ。裕一さんの事が。だから、早く連れていかないと。そう思って、路地裏に連れ込む。

 

「バカ。裕一さんは死にたいの!?」

 

「……えりかさん」

 

 その目が語っている。なんで、自分を連れてきたんだって。本当に、本当に戦うつもりだったらしい。だから、あたしは。

 

「私は、奴を倒さなければならないんです。仇討ちの為にも、そして、私の為にも。それなら、死んでも……」

 

”パァン!”

 

「っあ!?」

 

 裕一さんを一発ひっぱたいて、そのまま目を見た。あたしは、死なせない。死なせたくない。守りたい。支えたい。だから、絶対に。

 

「ダメ、裕一さんは死んだら嫌。あたしは裕一さんが好きなのよ。いつも優しそうに笑って、あたしと一緒にいてくれて、一緒に夢を語って。そんな裕一さんのことが、大好きなのよ」

 

「……それは」

 

「言っておくけど、友情じゃないわ。恋愛的な意味でよ。それにさっきも言ったでしょ、一人で抱えないでって」

 

「……えりかさん」

 

「だから、裕一さん……ん」

 

 だから、あたしは精一杯背伸びする。裕一さんにゆっくりと顔を近づけて、そのままキスした。すると、だけど。

 

「え? え?」

 

「この、光と力は……?」

 

 あたり一面に光が広がって、気づいたら私はプリキュアの姿になっていた。そして、裕一さんも鎧に紅いマント。まるで騎士のような姿に。そして、手にしているのは剣。これってもしかして、もしかしてだけど。

 

「裕一さんも、光の騎士ってこと?」

 

「……私が、騎士? そしてえりかさんがプリキュア?」

 

 裕一さんは困惑してるけど、あたしは状況が飲み込めた。これなら、これなら大丈夫。だって、今なら戦えるもの。

 

「裕一さん。これなら大丈夫……一緒に行こう。危なくなったら、あたしが止めるから」

 

「……ありがとうございます。不思議と、力が溢れてきます。今なら」

 

 裕一さんも、ようやく状況を飲み込めたみたい。此処からは、とあたし。そして、裕一さんも戦える。だから、あたし達は飛びだした。

 

「海風に揺れる一輪の花! キュアマリン!」

 

「燃え盛る業火の騎士! フレアナイト!」

 

「海より広いあたしの心も、我慢の限界よ!」

 

「今ここに、貴方を裁く!」

 

 あたしと裕一さんの口上を聞いて、りょうさんは驚くと同時に、くつくつと笑った。多分、あたし達のことを見て、戦えると判断したのかもしれない。

 

「ふぅん? 二人追加した所で、僕を止められると思う?」

 

「おっと、二人じゃあないぞ。四人だ」

 

「遅れたわね、マリン」

 

 そこに、ブレイドナイトとムーンライトもやってくる。ほのかさんの援軍って、そういうことだったのね。でも、このメンバーが揃えば。

 

「なら、こいつを倒してみせなよ。ウザイナー!」

 

 そこで、出てきたのはウザイナーという名前の敵。どこかで聞いたような気もする。というか、さっき考えた他の敵だけど、なんで。とか考える前に、とにかく倒すことを優先する。

 

「先ずは拳でってかったぁ!?」

 

「なるほどな、強化版か。燃えるぜ。な、ブレイドナイト」

 

「おう、りょう……いや、リップルナイト。だったか? 俺達もやるとするか!」

 

 そんな硬い敵を、平然と斬って傷を与えるりょうさんとブレイドナイト。相変わらず頭おかしい……って、うわ、ムーンライトも、打撃を与えてる。やっぱり戦闘狂って凄い。

 

「……なら、私も。せやァッ!!」

 

「わ、わわ!?」

 

 そこで裕一さんも剣で、ウザイナーに斬撃を飛ばす。斬れ味の鋭い一撃は、ウザイナーにダメージを与えた。なら、あたしも負けてられない。

 

「てぇりゃあ!」

 

「ウ、ウザイナァ!?」

 

 とりあえず掴んで、投げ飛ばす! こうすれば打撃よりもダメージが入る! これであとは、必殺技を決めるだけ! だから!

 

「やるっしゅ! 花よ煌け! ブルーフォルテウェイブ!」

 

 そして。その技の先には裕一さんが、剣を構えている。剣にあたしの技が吸収されて、そして、裕一さんは、ふっと笑った。多分、必殺技だ。

 

「煉獄の炎と、母なる海の力を一つに! ナイトフォース・ウェイブフレアバースト!」

 

 そして、その必殺技はついに、ウザイナーに飛んで行った。青と赤の螺旋を描きながら、ウザイナーに当たると、浄化が始まって。

 

「う、ウザイナ……」

 

「……ふぅん、強化したウザイナーを倒した、か。やるね」

 

「これくらい、容易いことです。鍛錬を続けていたのですから」

 

「あたしだって、プリキュアやってるんだから、これくらい!」

 

 消滅したウザイナーを背に、謎の男の人はやれやれと言った顔で歩き出した。多分、帰っていくんだと思う。もう、戦う気はあたしが見た限り無かった。

 

「それじゃあ、また来るよ……今日はここまでだ。またね」

 

「待ちなさい! ……って、もう消えてしまいましたか」

 

「……終わったね」

 

 謎の男の人は、どこかに行っちゃったけど、とりあえず一安心。変身を解くと、裕一さんはあたしの頭を撫でた。なんだか、暖かい。そんな気がする。なんとなく、安心する。裕一さんの手は、あたしを和ませてくれた。

 

「ありがとうございます。えりかさん。大事なもの、見失うところでした」

 

「ふふ、良いのよ。あたしに出来ることだから」

 

 そこで、裕一さんはあたしのことを見て、少しばかり照れくさそうにしている。なにかしたっけ? なんて惚けられるだろうけど、裕一さんは忘れてない。多分。

 

「……それと、さっきのは、告白で良いんですか?」

 

「あー、やっぱり覚えてた……ん、そうだよ。裕一さん」

 

 本当はもっとムードのある時に、言いたかったんだけど。でも、ああやって伝えるのがいいと思ったから、そうした。そんなあたしを裕一さんは抱きしめて……えっ?

 

「ふふ、私も好きですよ。えりかさん」

 

「うぇ? あ、ちょ。えっ!?」

 

 そんな混乱しているあたしと、優しげな裕一さんを、りょうさん。ゆりさん。ほのかさん。明さんはみんな暖かい目でこっちを見ている。なんだか、恥ずかしくなる。けど。

 

「……裕一さん。これからも、よろしくね」

 

「こちらこそ。えりかさん」

 

 それでも、幸せが手に入るなら、それでいいよねっ。

 

「裕一さん。大好きっ!」






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