「ゴース君海に返すの手伝ってくれよな〜頼むよ〜」
目の前でこうのたまうのは頭に人形の帽子だけを被り、背中に仕掛け武器の爆発金槌だけを背負う変態筋肉狩人だ。
困ったことに最近は狩人の助けがないせいか同じ人とよく『共鳴する小さな鐘』で一緒に狩ることが多々ある。
目の前の筋肉変態もその例で、もはや顔見知りであり、名前はサイトと言うやつである。
「は?…嫌です(共鳴破りの空砲)」
「ファッ!? ちょっとまってくださいよ〜」
右手に構えた『共鳴破りの空砲』を獲物を狙うが如く野獣のように素早く奪い取ろうとしてきたので、右にステップで避けそのまま顔面に回し蹴りを叩き込む。
サイトは「オォン!(痛み)」と、クッソ汚い悲鳴を上げながら雨で濡れた木の床を転げ回る。
「アーイキソ(激痛)」
ホコリまみれになり、もともと黒ずんでいた汚い体がさらに醜くなりサイトから少し距離を離す。
「あのなぁ、俺は何度も言ったよな。銃はもうこの際諦めるとして…せめて服は着ろ(迫真)」
共鳴破りの空砲を咄嗟に取り出した訳はある。この目の前の汚物は自分の筋肉に物言えぬ絶対的な自信と埃(笑)を持ち、頑なに銃と服は着ない。もともとは仕掛け武器も持っていなかったが流石に心が折れたのかいつの間にかルドウイークの聖剣を背負っていた。
そして何度めかの『服を着ろ』と最低限のお願いをするが帰ってきたのはこれまた何度も聞いた問い返しだった。
「嫌です(狩人の風格)」
「ハァ~~(クソでか溜息)……あ ほ く さ……(共鳴破りの空砲)」
「ファッ!?(二度目)」
ちなみにこのやり取りは今ので19回目だ…。
クソ汚いカイトにしょうがなく♂目線を合わせる。カイトはまるでこちらを野獣の如き眼光で睨みつけて来たのでつい反射的に空砲に手が伸びたが、その気持ちをぐっと抑え込んでカイトのただすべきことを伝える。
「いいかカイト、すでにお前は4周目に入ってるんだ。一周目なら体力に振ればゴースの一撃は耐えれなくもない…が、お前そもそもよく死ぬからレベルすら上がってないだろ?」
「ハァイ(生返事)」
「…チッ、で?、今のレベルはなんぼなん?」
「114です」
「114?うせやろ?はーつっかえ!」
「筋肉カンストしたからね、しょうがないね(淫)」
どうやらこの男は筋力がカンストしたからか、他のステータスを上げるのをやらなくなったそうだ。よくここまでこれたなこいつ。
しかしこれ以上言っても無駄だろうと思いさっさとゴースのところに行って早く帰ろう(諦め)
「もうめんどいし早く行くぞ」
狩人の装束を翻し、カイトの先を歩き出す。カイトは待ってましたと言わんばかりに「しょうがねえなぁ(悟空)」と、まるで自分が手伝わされる立場だと言わんばかりに歩き出す。
まぁ…結局カイトはミンチにされたけどね。
ん?俺かい?…俺は遠くから見てたよ(手伝わない人間の屑)
1000文字ちょっと超えた。次は…ナオキです。