【戦闘妖精雪風×ストライクウィッチーズ】妖風の魔女 Re:boot   作:ブネーネ
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妖風の魔女の再編版です。


ウィッチとの遭遇 前編

人類は進化と成長を繰り返しながら地球上の各地で繁栄し、この世界の覇者と言うべき存在となった。

しかし1936年に突如として現れた謎の生命体【ネウロイ】は前触れなく人類に牙を剥き、大地を貪り、踏み荒らし、汚染しながら人類を迫害しその版図を大きく広げていった。

人類史に再び争いの歴史が刻まれ、安寧の時から叩き起こされた人類は悪夢の中で再び武器を手に立ち上がった。

 

後に長く長く語られる事となる、第二次ネウロイ大戦である。

 

 

 

 

ロマーニャジョルナーレ紙 1945年2月某日発行

 

人類連合軍総司令部直属の統合戦闘航空団(JFW)の一つ、ロマーニャ及び周辺国の防衛を任務とする第504JFW「アルダーウィッチーズ」が先頭に立ち、各国から選出された魔女十数名と総勢千人近くから構成される三つの運営群をもってヴェネツェア――現実のイタリア北東部に相当する国――を占領している【ネウロイの巣】に対してコンタクト、および対話を試みる【トラヤヌス作戦】を決行した。

しかし突如として発生した()()()()()()により前線の判断を以て作戦を放棄。

ヴェネツェア一帯の住人を全て避難させ、504JFWは殿を務めて撤退の援護にあたった。

避難完了と同時に504JFW及び前線司令部は前進基地を放棄、しかしその後の撤退戦により各構成群は中破、504JFWに至っては半壊、ウィッチからも重軽傷者出るという凄惨な結果に終わった。

しかしこれを補うべく人類初となるガリア―人類は進化と成長を繰り返しながら地球上の各地で繁栄し、この世界の覇者と言うべき存在となった。

しかし1936年に突如として現れた謎の生命体【ネウロイ】は前触れなく人類に牙を剥き、大地を貪り、踏み荒らし、汚染しながら人類を迫害しその版図を大きく広げていった。

人類史に再び争いの歴史が刻まれ、安寧の時から叩き起こされた人類は悪夢の中で再び武器を手に立ち上がった。

 

後に長く長く語られる事となる、第二次ネウロイ大戦である。

 

 

 

 

ロマーニャジョルナーレ紙 1945年2月某日発行

 

人類連合軍総司令部直属の統合戦闘航空団(JFW)の一つ、ロマーニャ及び周辺国の防衛を任務とする第504JFW「アルダーウィッチーズ」が先頭に立ち、各国から選出された魔女十数名と総勢千人近くから構成される三つの運営群をもってヴェネツェア――現実のイタリア北東部に相当する国――を占領している【ネウロイの巣】に対してコンタクト、および対話を試みる【トラヤヌス作戦】を決行した。

しかし突如として発生した()()()()()()により前線の判断を以て作戦を放棄。

ヴェネツェア一帯の住人を全て避難させ、504JFWは殿を務めて撤退の援護にあたった。

避難完了と同時に504JFW及び前線司令部は前進基地を放棄、しかしその後の撤退戦により各構成群は中破、504JFWに至っては半壊、ウィッチからも重軽傷者出るという凄惨な結果に終わった。

しかしこれを補うべく人類初となるガリア――現実のフランスに相当する国――を占領していたネウロイの巣の破壊を成し遂げた実績をもつ第501JFW「ストライクウィッチーズ」が再結成される事により暫定的にこの近辺の地域の防衛に当たる事が連合軍によって決定した。

これによりロマーニャ及び周辺国ではこの件に関して――――――

 

 

 

 

 

―――1945年3月某日。

 

ロマーニャの海に面している古代ウィッチの遺跡を流用して新たに設立された501JFWロマーニャ基地へ扶桑製大型飛行艇・二式大艇が向かっていた。

「やっとロマーニャ基地かぁ…そろそろ地面が恋しくなってきたところです」

「この程度の航行で音を上げるとはやわになったものだな宮藤。これは訓練のやり直しだな、期待しておけ」

「ええええ!!!?」

私の直属の上官である坂本美緒少佐がこちらを半目で睨む、扶桑を発ち既に一週間、各所を経由しながら向かっているのだから大目に見てほしい。

 

坂本少佐は私の父と縁が深い人で、私の事を父の忘れ形見としてよく面倒を見てもらっている。

かつて扶桑はネウロイ戦争の初期に起きたネウロイによる大規模進攻――後に扶桑海事変と呼ばれている――を受け、その際にストライカーユニットの研究者だった私の父【宮藤一郎】は行方不明となった。

決して少なくない犠牲と被害を受けながらも一斉攻勢を跳ねのけ粗方事態が落ち着いた時、当時父が開発に携わっていた新型ストライカーユニットのテストパイロットを務めていた坂本少佐の手によって訃報が届けられたのだった。

幼い心に傷を残したまま大きくなった私は、自分の中で人一倍に膨れ上がっていく空を飛びたい衝動を日々抑えきれなくなっていた。

 

空を飛ぶには二種類の方法がある。パイロットになって飛行機に乗るか、軍属のウィッチとなってストライカーを履くかだ。

 

ウィッチとは魔力という力を操る素質を持ち、それを用いることが出来る極限られた未成年の女子のみを指す異名であり主に軍に属する兵士の括りである。

日に日に私を駆り立てるその衝動に身を任せた私は母の反対の声を振り切って即座に家を飛び出した、私がまだ11才の頃だった。

今にして思えば父の背中を、かつての面影を追っていただけだと分かる、さらに幼い頃は訃報を信じず自分が父を連れ戻すのだと意気込んでいた時期もあった。

訓練所に駆け込んだ私は持前の素養で難なく通過しウィッチの卵になった。

周りから『あの宮藤だ』と好奇の目に晒されながらも座学と幾度かの実技演習を挟んでついにストライカーを実際に履いて行う飛行訓練にまで漕ぎつけた。

当時の教官であった坂本少佐との二度目の対面では大層驚かれたが、そこから長い付き合いが始まった。

訓練期間を終えて卒業し、遣欧部隊に配属後のある日、坂本少佐が欧州にて多大なる戦果上げた事に起因して人類連合軍から直々に501JFWの戦闘隊長――千人強を統括する組織の中で事実上のNo.2――に推薦されると、少佐は私を原隊から501JFWへ異動させる事を条件に承諾したのだった。

 

 

 

世界各国のエースと思惑を集めた501JFWにておんぶにだっこで任務をこなしていたが、去年の八月にネウロイのコアを転用した無人可変戦闘機・ウォーロックの暴走に伴うガリアのネウロイの巣消滅()()は「宮藤芳佳」の名前を世界中に知らしめる大事件となってしまった。

当時謹慎中にも拘らずこれを破り、命令無視の独断先行は厳密的にはガリアのネウロイの巣が消滅した事と関係はなく、赤城を取り込み暴走を続けたウォーロックを撃墜して決着を付けても余りある罪状が残った。

その責任を取って私は不名誉除隊になったが、常識外れの固有魔法とウォーロックに関するの緘口令の監視の為に坂本少佐の預かりという条件で原隊に復帰となった、なんだかんだでウィッチは貴重であった。

今更実家に帰る事も出来ずに治癒魔法を活かして欧州の各地を巡っていたが再び辞令を受け501JFW異動して今に至る。

 

 

 

 

―――少佐、正面より未確認機接近、数は1、大きい、これは…

その声を断ち切るように突如赤い一条の光線が二式大艇の傍を掠めて行く、この見慣れた色の光はネウロイの光線!!

―――第一エンジン被弾!!

―――ネウロイ反応を補足、大型ネウロイと断定!!

「急降下して一度やりすごせ!私が直接出る!」

―――了解!!なんとかやってみます!

少佐の指示に従い二式大艇が降下を始める、肉眼で捉えたそのネウロイは確かに大型ネウロイと呼べるサイズだった。

「…雲に隠れていたか」

「坂本さん!下を見て下さい、あれヴェネツェアの軍艦ですよ!ネウロイに砲塔を向けてます!」

「何!?…おい待て、護衛の魔女の姿が見当たらないぞ!宮藤!至急出撃だ!!」

そう話している間にもベネツェアの艦隊がネウロイとの交戦を今にも開戦しようとしていた。

確かにベネツェアはネウロイによって大打撃を受けウィッチを含む戦力は減少している、しかし魔女なしで出撃するなんて無謀にも程がある。

ネウロイにはウィッチの持つ魔力でしか対抗出来ないのが絶対の共通認識だ、これが最悪な状況であるのは間違いない。ネウロイにとってはまさに鎧袖一触に過ぎないだろう。

「あの装備で大型ネウロイが落とせるか!ロマーニャのウィッチは!!?」

―――ロマーニャ軍からは航続距離不足との回答です!!

坂本少佐はストライカー発進促進システム(SSPS)に搭載された己の扶桑製新型ストライカー【紫電改】のエンジンに火を入れる。

「…ユニットトラブル!エンジンが始動しない!至急点検を急げ!2分で起動させろ!!」

―――り、了解!!

「坂本さん!私が先行してネウロイの足止めをします!!!」

ネウロイにも様々な区分があるが基本的なネウロイ討伐にはまずウロイを構成する源である「コア」の位置を探し出し、これを砕くことが重要である。

大型ネウロイは基本的にとにかく硬く攻撃も激しい、通常はウィッチが複数人必要になってくるが、幸いここはロマーニャに近く基地に先行している501JFWの援軍も期待できるだろう。

「…私か501の援軍が到着するまで耐え忍べ。そして絶対に生きて帰ってこい、これは命令だ」

「了解!!!」

 

 

 

 

20世紀、人類が唯一手に入れた脅威に立ち向かう為の力、現代ウィッチの新たな魔法の箒【ストライカーユニット】

第一次ネウロイ戦争を終え、いずれ来る災厄に対して戦力が必要とされていた時代には未だ旧式のストライカーユニットが主流であった。

大腿の中程から下を覆う様に直接装着する飛行ユニットとそれなりの重量のある魔道エンジンを背負わなければならず、別々に配置された分嵩張るばかりか魔力増幅能も気休め程度と涙が出るような装備であった。

しかしそれは私の父、【宮藤一郎】が新たに提唱した【宮藤理論】によって革新的な進歩を遂げた。

未成年の少女にのみ宿る【魔法力】を【魔導エンジン】にて増幅させるところは旧式と同じだが、装着部分を異空間へ逃がす事により軽量化と省スペース化に成功。

増幅能も比較にならないほどの向上をみせ、ストライカーユニット自体に魔力運用を補助する機能を搭載した事で操作の簡略化と汎用性を得ながら強力な推進力を手に入れた人類の希望の翼だ。

昇降機が上がりきり、SSPSに載せられた私に与えられた空戦型ストライカー【零式艦上戦闘脚二二型甲】――通称、零戦――の魔導エンジンに火を入れる。

 

エンジン始動―――回転数異常なし、始動機をパージ。

燃料噴射装置、異常なし。

クラッチ動作確認、異常なし

魔導エンジン、異常なし

魔法力混合停止位置、圧力・温度正常

コンパス、ジャイロスコープ、高度計、気圧計、確認。異常なし

 

 

何百回と繰り返した手順を滞りなく済ませ、SSPSから離陸補助用の魔法陣を展開してストライカーの離陸に必要な推進力を稼ぐ。

「安全装置解除」

ストライカーを支える固定具が外れ末節部から噴き出す飛行術式が大気中のエーテルと衝突して渦を描き、強大な推進力が芳佳の体をゆるりと空へと抱き上げる。

後はいつもの様に風と飛ぶ感覚に身を任せてこの空を飛ぶだけだ。

私はストライカーが大好きだ、私を空に連れていく無限と自由の象徴、私はこのマシンがどうしようもなく好きだ。

 

――――父は死んだ、この翼だけを残して

 

「宮藤芳佳軍曹、発進します」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴェネツェア海軍に休みはない。トラヤヌス作戦で多くの魔女が傷つき苦しんでいる今でこそ犠牲を払おうとも戦わなければ、我々は愛国心の基に国民を守らねばならない。

現在504JFWが離れ、501JFWが正式に着任するまでの間の最も警戒すべき時にその大型ネウロイは突如として現れた。

「艦長、大型ネウロイを射程に捉えました」

「…全艦、第三戦速!!進路、大型ネウロイ!対空戦闘用意!!」

ヴェネツェア艦隊の艦長レオナルド・ロレダン大佐は航海長ジョバンニ・コッラルト中佐からの報告を受け瞼を開く。

既にお互いに存在を認め総鑑撤退は間に合わない、ならば皆、鬨の声を挙げよ。

 

「全艦、撃ち方初め!」

―――「全艦、撃ち方ああああああああああああ!」

 

ヴェネツェア艦隊ザラ級重巡洋艦の20.3cm 53口径連装砲、次いで放たれる各艦の砲塔から放たれたのは採用試験中の対ネウロイ用の試製焼夷弾だ。

ネウロイは人類に対して無敵ではない。そもそも性質なのかとにかく水に弱いし、コアを砕く事が出来れば爆弾でも砲弾でもそれこそ岩でもいい。

しかし、それでも未だに魔女が希望である所以はネウロイの修復能力に依る、とにかく修復が速いのだ。コアさえ残っていれば外装が木端微塵になろうと即座に修復されてしまう。

それに対して魔女の魔法力は最たる特徴である固有魔法、シールド、肉体環境や武装の強化の三つに加えてネウロイの修復能力の阻害に働く性質がある。

人類も魔法力に頼らない人材、戦術、武装、兵器の開発を急いでいるのだがそれでも未だ生身の人間より魔女の方が戦果や生還率が高い。

今日も魔女はマルチロールかつファイターとして戦場を飛び回り、結果どうあがいても損耗が激しい最前線に送られることが常である。

 

―――煙が晴れます!!ネウロイ、依然健在!!

「…効果…認められず、…足止めすらも叶わぬか」

 

次の瞬間、赤い閃光が二条放たれ海を割り仲間の軍艦が爆散する。

 

―――「駆逐艦ベニエル他2隻大破!航行不能!」

―――「機関出力急速に低下!このままでは足が止まります!!」

 

海軍帽を深く被りこれから思案する、無力すぎる我々の価値とは一体何かと自問もした。

これがまだ中型ネウロイ程度であれば対抗手段もあったが既に勝敗は決した、相手が悪すぎた、我々は敗北した。

総員退艦の命を告げる為にと吸息したその時の事だった。

 

―――「…艦長!ウィッチです!!」

―――「ウィッチが来てくれた!!」

―――「あの白地に月と太陽のシンボル…扶桑の魔女だ!」

 

「扶桑の魔女…お前は、お前の価値はどれ程だ!」

それは国を愛する者の、軍人の、男の、叫びだ。自分達こそが「アレ」と戦うべきだと、何よりも悔しく歯がゆく、情けなかったのだ。

「我、扶桑皇国海軍、遣欧艦隊第24航空戦隊288航空隊所属 宮藤芳佳軍曹。ネウロイ撃墜の為支援を求む」

「…勿論だとも、好きなだけ持っていけ!全艦、舵そのまま!これより扶桑の魔女を援護する!」

しかし彼女もまた軍人だ、大の男が『お嬢さん』の前で泣き喚くような真似が出来るわけもなし、生き延びてこそ、なのだから。

「ネウロイの外装をとにかく削り取れ!あとは魔女がとどめを刺す!」

息を吹き返したように残存する艦から放たれる支援砲撃がネウロイの肌に着弾していく。

対ネウロイ用焼夷弾をに以て削った箇所を修復されないように20ミリ機銃を撃ち続けるもネウロイのコアは一向に姿を見せない。

「…坂本少佐、聞こえますか。あの大型ネウロイのコアが見えますか?」

一部の魔女にはそれぞれ『固有魔法』と呼ばれる特長的な能力を持っている。

例えば宮藤は【治癒魔法】であり、坂本は【魔眼】と呼ばれる望遠、コアの探査能力だ。

〈…宮藤、コアがネウロイの体内を縦横無尽に移動している、同時多重攻撃が必要だ〉

「反則、反則ですよそんなの!!」

〈こっちはストライカーユニット復帰の目途が付いた、なるべくネウロイの注意を引き付けろ!!〉

「…了解!!」

とは言えども凄まじい速度と自在な軌道で相手を屠るネウロイのビームからベネツェア艦隊を守りながら攻めに入るのは無理だ。

かと言って現状を打破できる援護は望めず、シールドを張りながらの防戦は魔力をいたずらに消費するだけならば────全ての防御を捨てる。

「ワレ扶桑の二番…吶喊します!!」

扶桑の魔女は伝統的な武器として扶桑刀を振るう、無銘の扶桑刀を下段に構えて大型ネウロイの下を潜るように抜けた宮藤をビームが空を、海を切り裂きながら追っていく。

しかしそれを意にも介さず纏う速度をそのまま急上昇に変換してネウロイの間合いの内に入る。

宮藤はかつて同じ念動系の固有魔法持ちであり、坂本少佐の先輩であった黒江大尉から固有魔法とは違う、奥義の手解きを受けている。

天空を引き裂き大地を貫く雷の如きその魔剣の名は「雲耀」

「はああぁアアアアアアアアッ――――!!!!」

溢れんばかりの魔力が込められた無銘の扶桑刀は脅威的な剛性と切れ味を発揮する、慣性を乗せた脇構えからの切り上げはネウロイの横っ腹を見事に割ってみせた。

しかし外した、不意打ち気味な一撃は有効であったがコアは依然として逃げ続けている。

大型ネウロイの攻撃は一層苛烈となって二度と接近はさせてくれそうにない。

それを超える無理を通すべきか悩んだその時―――――空で人が羽ばたいた

「よくやったぞ宮藤!!」

魔法力が失われる年齢の壁、既にシールドすらも使えない人間が扶桑刀一振りだけでネウロイの上を取った二式大艇から飛び降りた。

「烈風…斬―――――!!!!」

それは坂本独自の理論からこの世に黄泉帰った、魔法力を用いた扶桑に伝わる二の太刀要らずの一の太刀、その名を 烈風斬。

元になったのは宮藤と同じ雲耀だが、裂帛の気合から放たれるのその刀身を余り越して伸びる魔法力の刃は空を裂き、葬りさる無情の一撃であった。

見事、大型ネウロイを飲み込む魔力の刃はコアを粉砕しその鋼鉄の身体は塵芥と消えた。

烈風斬は大型ネウロイですらも一撃で葬り去る、名だたるウィッチの中でも個人クラスでは最大火力と言える一太刀だ。

しかし代償も大きい、成人に近い坂本少佐の数少ないウィッチ生命をこの刃は吸い尽くすだろう。

「坂本さん!…何故烈風斬を使ったんですか」

重力に捕らわれ落ちていく坂本少佐を横抱きに拾い上げると、少佐の曇りない瞳がこちらを捉えていた。

「勘違いするな。お前が堕とし損ねたから私がネウロイを撃破しただけであって、それに付随する結果は結果でしかない」

「…はい」

「だが…よくやったよお前は」

そういって気絶するように眠りに落ちた坂本少佐を二式大艇まで運んだ後、耳に嵌めたインカムでベネツェア艦隊と交信する。

「…扶桑の二番よりヴェネツェア艦隊へ戦闘終了、援護感謝します」

『艦長のレオナルド・ロレダン大佐だ。扶桑のお嬢さん――フソウナデシコと言うのか?――、本当に助かったよ』

「当然の事です、ウィッチですから」

『何か助けになれる事があれば私達を呼んでくれ、君達が救ってくれた命だからな、君達に報いたい』

「えぇ!?…それじゃあ機会があればでお願いします!それでは任務に戻りますので!!ご武運を!!」

ベネツェア艦隊と別れて二式大艇は針路を元のコースへ戻す、燃料はロマーニャまで持つだろう。

ユニットの補助なしで急激な魔力を消費した反動によって深く眠る坂本少佐を横目で一瞥した後、欠伸を堪えて口の端から漏らす。

もうしばらくはネウロイの襲撃はないだろうと踏んで、私も疲れたので眠ってしまおうと決めた。

私は瞼を閉じて深呼吸を一つ、そしてもう一つで私の意識は薄れ、次第に深く落ちていった。

 

 

 

 

 

 




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