Fate/Grand Order And Maskd Rider   作:ゆっくりシン
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え~っと、最初に謝っておきます。
二話にして主人公、津田響輝の出番が大幅に減ります。
ストーリーの関係上、主人公なのにしばらくサブキャラ的立ち位置になってます。
本当にごめんなさいm(_ _)m


2話 『特異点F』

「キュウ・・・・・・キュウ。フォウ・・・・・・フー、フォーウ・・・・・・」

聞いたことのある鳴き声がする。

とても怠い。

例えるなら長時間寝た時の感覚に近いと思う。

まだ夢うつつの中、とある少女の声も聞こえた。

「先輩。起きてください、先輩。・・・・・・起きません。ここは正式な敬称で呼びかけるべきでしょうか・・・・・・・―――マスター。マスター、起きてください。起きないと殺しますよ」

不穏な言葉を聞き、瞬時に覚醒する。

目の前には、声の主であるマシュがいた。

「いま、ころしますよ、とか言わなかった!?」

「・・・・・・言い間違えました。正しくは殺されますよ、でした。・・・・・・その、想定外のことばかりで混乱しています。落ち着きたいところですが、今は周りをご覧ください」

俺はマシュに言われるがまま辺りを見渡すと、

 

「Gi――――GAAAAAAAAAAAAA!」

 

化け物がいた。

ゲームでしか見たことないような骨の怪物―――スケルトンだった。

しかも複数いる。

しかも見える景色は火の海に廃墟(?)や瓦礫ばかり。

人の気配は一切しない。

マシュは、俺とスケルトンの間に立ち、

「―――言語による意思の疎通は不可能。―――適性生物と判断します。マスター、指示を。わたしと先輩の二人で、この事態を切り抜けます!」

と言ってスケルトンとの戦闘を開始した。

剣を振るって襲い掛かってくるスケルトン。マシュは持っていた大きな盾でそれを防ぎ、振り払うと同時に盾でスケルトンを殴る。盾で殴られると同時にバラバラになるスケルトン。

普通の生物なら仲間がやられたら怯んだりするが、スケルトンにはそういった感情が無いようだ。一切気にすることなく突撃してくる。

ほとんどのスケルトンをマシュが相手をしてくれているが、十体に一体マシュを無視してこちらに突撃してくるスケルトンがいた。

俺は瓦礫の中から手ごろな棒(鉄製)を拾い、スケルトンに攻撃を仕掛ける。

が、一切の戦闘経験のないへっぴり腰での攻撃ではダメージと言えるダメージはないらしく、ちょっとした牽制にしかなっていない。

「グェッ!」

しかも、予想外の攻撃を受けてしまった。

剣しか使わないと思ったらまさか蹴ってくるとは・・・・・・。

俺が腹を押さえて屈む。

そんな隙だらけな状態を見逃してくれるような敵ではない。

スケルトンは俺の頭めがけて剣を振りかぶる。

だが、それが振り下ろされることは無かった。間一髪のところで、マシュの盾がスケルトンを砕いたのだ。

「先輩、大丈夫ですか!」

「な、なんとか・・・・・・」

「下がっていてください。わたしがなんとかします」

マシュはそう言うと、スケルトンとの戦闘を再開した。

 

 

「ロマーン!」

俺は地下の発電所にいるロマンのところまでダッシュした。

目の前で起きた状況を整理してほしかったのだ。

弁解しておくが考えるのが面倒くさかったわけではない。一人の考えで決めつけるのはマズイと判断しただけだ。

「うわ!津田君!何でいるの!?逃げたんじゃ・・・」

「逃げ遅れた!そして立香が目の前から消えた!」

「え!?」

顔色が変わるロマン。

まあ、人が消えたと言われれば当たり前か。

「一体何があったんだ!」

「わからねェよ!だからアンタの意見も聞きたいンだ!俺が思うにレイシフトしたンだと思うンだが、あの状態でもレイシフトは可能なのか!!」

「・・・・・・わからない。可能ではあるけど、コフィンなしだと意味消失をしてしまう可能性の方が高い」

『意味消失』?

知らない言葉だ。後で聞くか。

「レイシフト先はわかるよな?」

「ああ、2004年の冬木・・・『特異点F』だね・・・・・・」

「だったら何とかして通信できないか?」

「・・・・・・多少時間があればシバを使ってできるけど」

「なら早くやれ。電源の接続は俺がやる」

俺たちはそれぞれのやるべきことを始めた。

ロマンはシバでの通信を、俺は電源の確保と生存者(軽傷者)の手当を。

 

 

襲い掛かってきた全てのスケルトンを(マシュが)撃破した。

「―――ふう。不安でしたが、なんとかなりました。お怪我はありませんか先輩。お腹が痛かったり腹部が重かったりしませんか?」

「今のは何だったんだ・・・・・・!?」

さっきはピンチだったため、考える時間が無かったが、戦闘が終わって考えてみるとあんなドラ〇エやマ〇クラとかでしか見ないような敵(スケルトン)なんて現実にいる方がおかしい。

「・・・わかりません。この時代はおろか、私たちの時代にも存在しないものでした。あれが特異点の下人・・・・・・のようなもの、と言っても差し違えはないような、あるような」

マシュがそう言って顎に手を当て悩んでいると、機械音がした。

それが通信音だと気づくのにはそんなに時間はいらなかった。

『ああ、やっと繋がった!もしもし、こちらカルデア管理室だ、聞こえるかい!?』

少し前に聞いたことのある声が聞こえる。

ドクターだ。

「こちらAチームメンバー、マシュ・キリエライトです。現在、特異点Fにシフト完了しました。同伴社は藤丸立香一名。心身共に問題ありません。レイシフト適応、マスター適応、ともに良好。藤丸立香を正式な調査員として登録してください」

『・・・やっぱり藤丸君もレイシフトに巻き込まれたのか・・・・・・。津田君の予想は当たっていたようだね。コフィンなしでよく意味消失に耐えてくれた。それは素直に嬉しい。それと、マシュ・・・・・・君が無事なのも嬉しいんだけど、その恰好はどういう事なんだい!?ハレンチすぎる!ぼくはそんな子に育てた覚えはないぞ!?』

たしかに、マシュの格好は体のラインがハッキリ分かるようなものになっっていて、ロマンの反応にも共感はできる。

「・・・・・・これは、変身したのです。カルデアの制服では先輩を守れなかったので」

『変身・・・・・・?変身って、なに言ってるんだマシュ?頭でも打ったのか?それともやっぱりさっきので・・・・・・』

マシュの心配をするドクター。だが、

「――――Dr.ロマン。ちょっと黙って」

マシュの子の反応は怒ってる。

何か(#^ω^)こんな感じになってるし。

「わたしの状態をチェックしてください。それで状況は理解していただけると思います」

『キミの身体状況を?お・・・・・・おお、おおおぉぉおおお!?身体能力、マシュ掴色、すべてが向上している!これじゃ人間というより―――』

「はい。サーヴァントそのものです。経緯は覚えていませんが、わたしはサーヴァントと融合した事で一命を取り留めたようです。今回、特異点Fの調査・解決のため、カルデアでは事前にサーヴァントが用意されていました。そのサーヴァントも先ほどの爆発でマスターを失い、消滅する運命にあった。ですがその直前、彼はわたしに契約をもちかけてきました。英霊としての能力と宝具を譲り渡す代わりに、この特異点の原因を排除してほしい、と」

『英霊と人間の融合・・・・・・デミ・サーヴァント。カルデア六つ目の実験だ。そうか。ようやく成功したのか。では、キミの中に英霊の意識があるのか?』

「・・・・・・いえ、彼はわたしに戦闘能力を託して消滅しました。最後まで真名を告げずに。ですので、わたしは自分がどの英霊なのか、自分が手にしたこの武器がどのような宝具なのか、現時点ではまるで判りません」

『・・・・・・そうなのか。だがまあ、不幸中の幸いだな。召喚したサーヴァントが協力的とはかぎらないからね。けどマシュがサーヴァントになったのなら話は早い。なにしろ全面的に信頼できる』

何か俺の分からない話を二人で進めちゃってる・・・。

どうすればいいんだろう?

『藤丸君。そちらに無事シフトできたのはキミだけのようだ』

やっと俺に話が振られた。

『そしてすまない。何も事情を説明しないままこんな事になってしまった。わからない事だらけだと思うが、どうか安心してほしい。キミは既に強力な武器がある。マシュという、人類最強の兵器がね』

・・・・・・兵器?

マシュが?

どういうことだ?

「・・・・・・最強というのは、どうかと。多分言いすぎです。後で責められるのはわたしです」

『まあまあ。サーヴァントはそういうものなんだって藤丸君に理解してもらえればいいんだ。ただし藤丸君、サーヴァントは頼もしい味方であると同時に、弱点もある。それは魔力の供給源となる人間・・・・・・マスターがいなければ消えてしまう、という点だ。現在データを解析中だが、これによるとマシュはキミのサーヴァントとして成立している。つまり、キミがマシュのマスターなんだ。キミが初めて契約した英霊が彼女、という事だね』

「自分がマシュの、マスター・・・・・・?」

『うん、当惑するのも無理はない。キミにはマスターとサーヴァントの説明さえしていなかったし。いい機会だ、詳しく説明しよう。今回のミッションには二つの新たな試みがあって・・・・・・』

ロマンがそこまで行ったところでマシュが口を挟む。

「ドクター、通信が乱れています。通信切断まで、あと十秒」

・・・長話するから・・・・・・。

『むっ、予備電源に替えたばかりでシバの出力が安定していないのか。津田君、なんとかなりそうかい?・・・わかった。仕方ない、説明は後ほど。二人とも、そこから2キロほど移動した先に霊脈の強いポイントがある。何とかそこまで辿り着いてくれ。そうすればこちらの通信も安定する。いいかな、くれぐれも無茶な行動は控えるように。こっちもできるかぎり早く電力を――――』

通信が切れる。

次、ドクターと話せるのはいつかわからない。

「・・・消えちゃったね、通信」

「まあ、ドクターのする事ですから。いつもここぞというところで頼りになりません」

酷い言われようだなー。

「キュ。フー、フォーウ!」

「そうでした。フォウさんもいてくれたんですね。応援、ありがとうございます。どうやらフォウさんは先輩と一緒にこちらにレイシフトしてしまったようです。・・・・・・あ。でも、ドクターには報告し忘れてしまいました・・・・・・」

「キュ。フォウ、キャーウ!」

フォウがマシュの前でピョンピョンと跳ねる。

「ドクターなんて気にするな、だってさ」

「そうですね。フォウさんの事はまた後で、タイミングを見て報告します。まずはドクターの言っていた座標を目指しましょう。そこまで行けばベースキャンプも作れるはずです」

俺とマシュはドクターの言っていた場所、2キロ先の霊脈の強いところへ移動することにした。

もちろん、徒歩だ。

 

 

ずいぶんと歩いた。

その間にも、何体かのスケルトンとの戦闘があったが、全てマシュが蹴散らしてくれた。

「先輩。もうじきドクターに指定されたポイントに到着します。しかし・・・・・・見渡すかぎりの炎ですね。資料にあるフユキとはまったく違います。資料では平均的な地方都市であり、2004年にこんな災害が起きた事はない筈ですが・・・・・・。大気中の魔力濃度も異常です。これではまるで古代の地球のような・・・・・・」

マシュがそこまで言ったところでその言葉が止まった。

当たり前だろう。なぜなら、誰かの悲鳴が聞こえたからだ。

「・・・・・・イヤな予感がするぞ」

「どう聞いても女性の悲鳴です。急ぎましょう、先輩!」

声のした方へ走る。

・・・・・・さっきの悲鳴、どこかで聞いたことのある声だったような?

気のせいか?

走ってすぐに、人影が複数見えてきた。

「何なの、何なのよコイツら!?なんだってわたしばっかりこんな目に遭わなくちゃいけないの!?もうイヤ、来て、助けてよレフ!いつだって貴方だけが助けてくれたじゃない!」

「オルガマリー所長・・・・・・!?」

そこにいたのは所長だった。

・・・・・・聞いたことあるわけだよ。

「あ、貴方たち!?ああもう、いったい何がどうなっているのよーーっ!」

マシュは所長に襲い掛かろうとしているスケルトンに盾をブチ当てる。

右から左へ振り切り、それにより生じる遠心力をそのまま盾を軸にし、盾をブチ当てたスケルトンとは別のスケルトンに蹴りを叩き込む。

蹴られ、倒れたスケルトンに盾を振り下ろす。

俺は、マシュに攻撃を仕掛けてきている敵の位置を知らせる。

「マシュ!右斜め後ろ!」

「はい!先輩!」

マシュは右斜め後ろから斬りかかってこようとしていたスケルトンに盾での一撃を加え、撃退する。

「戦闘、終了しました。お怪我はありませんか、所長」

「・・・・・・・・・・・・どういう事?」

険しい表情の所長。

「所長?・・・ああ、私の状況ですね。信じがたい事だとは思いますが、実は―――」

「サーヴァントとの融合、デミ・サーヴァントでしょ。そんなの見ればわかるわよ。私が訊きたいのは、どうして今になって成功したかって話よ!いえ、それ以上に貴方!貴方よ、わたしの演説に遅刻した一般人!」

「!?」

いきなり怒鳴られた。

怖い。何されるかがわからない分余計に怖い。

雰囲気から想像するに、「納得いかない説明したらただじゃおかない」と言われてるようにも感じる。

「なんでマスターになっているの!?サーヴァントと契約できるのは一流の魔術師だけ!アンタなんかがマスターになれるハズないじゃない!この子にどんな乱暴を働いて言いなりにしたの!?」

「誤解にも程がある!」

こっちだって詳しい事情はわからないんだ。

それなのに変な汚名を着せないでくれ。

「それは誤解です所長。強引に契約を結んだのは、むしろわたしの方です」

助け船!!

マシュ、なんて頼りになるんだ!

「なんですって?」

「経緯を説明します。その方がお互いの状況把握にも繋がるでしょう」

マシュが丁寧に説明を始める。

所長はその説明に一切口を挟まず、最後まで聞いてくれた。

「・・・・・・以上です。わたしたちはレイシフトに巻きこまれ、ここ冬木に転移してしまいました。他に転移したマスター適性者はいません。所長がこちらで合流できた唯一の人間です。でも希望ができました。所長がいらっしゃるなら、他にも転移に成功している適性者も・・・・・・」

「・・・・・・いないわよ。それはここまでで確認しているわ。・・・認めたくないけど、どうしてわたしとそいつが冬木にシフトしたのかわかったわ」

「生き残った理由に説明がつくのですか?」

「消去法・・・・・・いえ、共通項ね。わたしもあなたもそいつも、‘‘コフィンに入っていなかった‘‘」

その言葉を聞いたマシュの顔が何かに気が付いたような表情になる。

「生身のままのレイシフトは成功率は激減するけど、ゼロにはならない。一方コフィンにはブレーカーがあるの。シフトの成功率が95%を下回ると電源が落ちるのよ。だから彼等はレイシフトそのものを行っていない。ここにいるのはわたしたちだけよ」

「なるほど・・・・・・さすがです所長」

・・・・・・専門家みたいな推理の仕方だ。

実際、専門家だけど。

「落ち着けば頼りになる人なんですね」

俺は褒めるつもりでそう言った。

が、

「それどういう意味!?普段は落ち着いていないって言いたいワケ!?」

怒られた。

マズった。言葉の選択を誤った。

「・・・・・・フン、まあいいでしょう。状況は理解しました。藤丸立香。緊急事態という事で、あなたとキリエライトの契約を認めます。ここからはわたしの指示に従ってもらいます。・・・まずはベースキャンプの作成ね。いい?こういう時は霊脈のターミナル、魔力が収束する場所を探すのよ。そこならカルデアと連絡が取れるから、それで、この街の場合は・・・・・・」

これからの事を想定して先々を考えながらブツブツ言う所長。

それは日本人によくいる社畜にも見えた。

「このポイントです、所長。レイポイントは所長の足下だと報告します」

何その偶然。

「うぇ!?あ・・・・・・そ、そうね、そうみたい。わかってる、わかってたわよ、そんなコトは!」

ホントかな?

その割にはテンパっているような・・・・・・。

「マシュ。貴方の盾を地面に置きなさい。宝具を触媒にして召喚サークルを設置するから」

「・・・・・・だ、そうです。構いませんか、先輩?」

「いいよ、やってくれ」

それで何がどうなるのかは知らないけど。

「・・・・・・了解しました。それでは始めます」

マシュが盾を地面に置く。

瞬間、周りの景色が変わる。

「これは・・・カルデアにあった召喚実験場と同じ・・・・・・」

マシュがそう言うと同時に通信が入る。

『シーキュー、シーキュー。もしもーし!よし、通信が戻ったぞ!二人ともご苦労さま、空間固定に成功した。これで通信もできるようになったし、物資補給だって』

ドクターの声を聞いた所長が怒ったような表情になる。

「はあ!?なんで貴方が仕切っているのロマニ!?レフは?レフはどこ?レフを出しなさい!」

『うひゃあぁあ!?しょ、所長、生きていらしていたんですか!?あの爆発の中で!?しかも無傷!?どんだけ!?』

「どういう意味ですかっ!いいからレフはどこ!?医療セレクションのトップがなぜその席にいるの!?」

めっちゃ怒ってる。

怖い。

『・・・・・・なぜ、と言われるとボクも困る。自分でもこんな役目は向いていないと自覚しているし。でも他に人材がいないんですよ、オルガマリー。現在、生き残ったカルデアの正規スタッフはボクを入れて二十人に満たない。しかも大半が怪我人だ。ボクが作戦指揮を任されているのは、ボクより上の階級の生存者がいないためです。レフ教授は管理室でレイシフトの指揮をとっていた。あの爆発の中心にいた以上、生存は絶望的だ』

「そんな―――レフ、が・・・・・・?いえ、それより待って、待ちなさい、待ってよね、生き残ったのが二十人に満たない?じゃあマスター適性者は?コフィンはどうなったの!?」

所長の顔色が焦りに変わる。

・・・・・・それもそうか、カルデアの所長としては信じられない話だろう。

『・・・・・・47人、全員が危篤状態です。医療器具も足りません。何名かは助ける事ができても、全員は―――』

「ふざけないで、すぐに凍結保存に移行しなさい!蘇生方法は後回し、死なせないのが最優先よ!」

『ああ!そうか、コフィンにはその機能がありました!至急手配します!津田君、頼めるかい!?』

『あー、忙しいってのに!わかった!すぐにやる!!』

「驚きました。冷凍保存を本人の許諾なく行う事は犯罪行為です。なのに即座に英断するとは。所長として責任を負う事より、人命を優先したのですね」

所長の行いに関心を示すマシュ。だが、

「バカ言わないで!死んでさえいなければ後でいくらでも弁明できるからに決まってるでしょう!?」

責任を取りたくないだけか。

「だいたい47人分の命なんて、わたしに背負えるハズがないじゃない・・・!死なないでよ、たのむから・・・・・・!・・・・・・ああもう、こんな時レフがいてくれたら・・・!」

・・・・・・どれだけ頼りにされているんだろう、レフ教授。

それだけカルデアには欠かせない存在という事なのだろう。

ドクターが状況を報告する。

説明する傍ら響輝の大声の愚痴も聞こえてきたりもした。

当たり前だが、向こうも向こうで大変のようだ。

『・・・・・・報告は以上です。現在、カルデアはその機能の八割を失っています。残されたスタッフではできる事にかぎりがあります。なので、こちらの判断で人材はレイシフトの修理、カルデアス、シバの現状維持に割いています。外部との通信が回復次第、補給を要請してカルデア全体の立て直し・・・・・・というところですね』

「結構よ。わたしがそちらにいても同じ方針をとったでしょう。・・・・・・はあ。ロマニ・アーキマン。納得はいかないけど、わたしが戻るまでカルデアを任せます。レイシフトの修理を最優先で行いなさい。わたしたちはこちらでこの街・・・・・・特異点Fの調査を続けます」

『うぇ!?所長、そんな爆心地みたいな現場、怖くないんですか!?チキンのクセに!?』

上司にそこまで言うか。

「・・・・・・ほんっとう、一言多いわね貴方は」

あ、これは確実に怒ってる。雷が落ちる一歩手前・・・・・・イヤ、もう手遅れか。

「今すぐ戻りたいのは山々だけど、レイシフトの修理が終わるまで時間がかかるんでしょ。この街にいるのは低級な怪物だけだとわかったし、デミ・サーヴァント化したマシュがいれば安全よ。事故というトラブルはどうあれ、与えられた状況で最善を尽くすのがアニムスフィアの誇りです。これより藤丸立香、マシュ・キリエライト両名を探索員として特異点Fの調査を開始します。とはいえ、現在のスタッフが未熟なのでミッションはこの異常事態の原因、その発見にとどめます。解析・排除はカルデアの復興後、第二陣を送りこんでからの話になります。キミもそれでいいわね?」

「発見だけでいいのか・・・・・・?」

それは楽でいい。

『了解です。健闘を祈ります、所長。これからは短時間ですが通信も可能ですよ。緊急事態になったら遠慮なく連絡を』

「・・・・・・・・・ふん。SOSを送ったところで、誰も助けてくれないクセに」

『所長?』

「なんでもありません。通信を切ります。そちらはそちらの仕事をこなしなさい」

通信が切れる。

「・・・・・・所長、よろしいのですか?ここで救助を待つ、という案もありますが」

マシュがそう提案する。

たしかに、そう言った方法もある。

だが、

「そういう訳にはいかないのよ。・・・・・・カルデアに戻った後、次のチーム選抜にどれほどの時間がかかるか。人材集めも資金繰りも一ヶ月じゃきかないわ。その間、教会からどれほどの抗議があると思っていつの?最悪、今回の不始末としてカルデアは連中に取り上げられるでしょう。そんな事になったら破滅よ。手ぶらでは帰れない。わたしには連中を黙らせる結果がどうしても必要なの」

やはり、所長の立場上何もしないわけにはいかないようだ。

「・・・・・・悪いけど付き合ってもらうわよ。マシュ、藤丸。とにかくこの街を探索しましょう。この狂った歴史の原因がどこかにあるはずなんだから」

俺たちは所長に言われるがまま探索を開始することになった。

 

 

 




次回の投稿は二週間以内にする予定です。
それと、作者は最近、ガチャでギルガメッシュを出した結果、FGOユーザーのリア友数名に殺害予告を出されています。
もしも、二週間以上たっても投稿されなかったらそうなってしまったとお考え下さい。







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