何回も転生した奴が名もない世界に転生しました。   作:オット
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学園

翌日、寝ぼけている2人を尻目に大剣を背負う。

 

外套を着込んで夜の内に学園に向かう事にした。

 

「・・・森とは、やっぱり違うな。」

 

流石にもうすぐ朝とはいえまだまだ暗い、それでもカルトの加護がある俺は昼のように暗闇の細部が見える。

 

門の前に着くと門番が訝しそうに見てきた。

 

「通れないか?」

 

「なんでこんな夜中に来た。」

 

「学園に用があるんだ。」

 

「何の用だ。」

 

「フロックスのギルドマスターから学園への非常勤講師としての移動を命じられた、事前に報告しておいた方が何かと楽だろう。」

 

「・・・まぁ、理解できないことも無いが、こんな早くから行くこともないと思うが?」

 

「夜に出歩くのは慣れてる、問題無いさ。」

 

「・・・そうか。」

 

門横の扉を開けてくれた。

 

「良い旅を。」

 

「ありがとう。」

 

門から出て草原を歩いた。

 

「くぁ・・・よし、ちょっと走るか。」

 

身体強化を発動して走る、草原を走っていると魔物にも会うのだが、魔物が俺を攻撃するよりも早く俺は遥か彼方へと移動している。

 

立ち塞がったやつは蹴り砕いたり叩き斬ったので問題無い。

 

その調子で走っていると日の出が出た辺りで学園に着いた。

 

学園には門番は居らず、5メートルほどのゴーレムが二体、向かい合わせに設置されていた。

 

試しに門をくぐろうとすると背中から大剣を持ち出してきて俺に向かって叩きつけてきた。

 

「・・・石の大剣で助かったな。」

 

大剣を受け止めながらそう呟く程度には攻撃が重かった。

 

だが。

 

「動くな、不審者。」

 

背後から剣を突きつけられちゃうと何も出来ないよね。

 

「・・・好奇心のつもりだったんだが、こんな夜更けに起きている人が居るとは思わなかったな。」

 

「無駄な話はよせ、用件を聞こうか。」

 

「フロックスのギルドマスターから学園への非常勤講師としての移動を命じられた、今回は受け入れのために時間があった方がいいだろうと思い、連絡に来た。」

 

「・・・来るのはフロックスのギルドマスターの筈だが?」

 

「フロックスのギルドマスターは先のオークの襲撃でオークロードと戦い片腕を失った、俺はその代わりだ。」

 

「何?あいつが?」

 

知り合いか、ギルドマスターってもしかしてこの学園の生徒だったのか?

 

「あと、もうそろそろこの二体収めてくれないですかね、流石に二体分の大剣を受け止めるのはそろそろきつくなってきてるんですけど。」

 

「学園長に報告する、少し待て。」

 

「あっちょっと待って!拘束してもいいから!抵抗しないから!何ならどっかの部屋に閉じ込めてていいからさ!こいつら何とかしてくれ!キッツイ!」

 

「悪いな、私にはその権限が無いんだ。」

 

「じゃあ壊してもいい?」

 

「何?」

 

クッソ振り向けないから相手の感情がほとんど読めねぇ!

 

「出来るものならやってみろ。」

 

「・・・了解。」

 

黒化(ニグレド)を発動する、大剣から手を離し二つの大剣の間に入り込む。

 

片方の大剣を足場にして一体のゴーレムの顔面に向かって蹴りを入れる。

 

俺が蹴りを入れたゴーレムは吹き飛び、その間に俺は大剣を背中から引き抜いた。

 

・・・少し試す価値はあるか。

 

この状態なら出来るかもしれん。

 

ゴーレムは大剣を振りかぶって迫ってくる。

 

「・・・幻影剣『双牙』」

 

技名とか呟いたけどその場で考えた。

 

やる事は至極単純、ほぼ同時に上と下から斬るだけ。

 

まぁそれをするには大剣だと身体能力以前にほとんど出来ないんだが、この黒化(ニグレド)を使用しているならば出来るかもしれないと思ったからやった。

 

ゴーレムは一瞬にしてXの様な斬撃を食らった後、4等分に切り分けられた。

 

「・・・もう少し威力は上げられそうだ。」

 

俺がそう呟くと俺が蹴り飛ばしたゴーレムが壊れた大剣を投げつけてきた。

 

俺は上へとジャンプして上から状況を見る。

 

俺に剣を突きつけていたのであろう人物は女性で耳が長い人だった、エルフか。

 

ゴーレムは俺をずっと補足していたのか上へと頭部を向ける。

 

「嘘!?」

 

そして着地地点に向かって突進してきた。

 

俺は自由落下を止めることも出来ずゴーレムの突進に直撃した。

 

「やっぱり空中にはそんなに出るべきじゃねぇなあ!」

 

まぁ直撃しても相殺くらいはできたのが救いか。じゃなきゃ死んでた。

 

ゴーレムは相殺されて勢いを無くし、俺は相殺する為に使った大剣が何処かへ吹っ飛んでいった。

 

ゴーレムは背後へ飛び、また突進するための態勢に入った。

 

「正面突破だ、吹きとべ。」

 

突進して来るゴーレムを身体強化で受け止め、片方の拳を振りかぶる。

 

「終わりだ。」

 

思いっきり振りかぶってゴーレムを殴る。

 

ゴーレムは粉々に砕かれ、再生する事もなく沈黙した。

 

「ハッハッハ!やっぱ思いっきり暴れられるってのは楽だ!」

 

学園に着いたのは朝方であり、この世界では朝にはほとんどの人間が起きている事を俺は完全に忘れていた。

 

「ハッハッ・・・あっ。」

 

ゴーレムはこの学園において対外的にはかなり強い部類の防衛装置に値する、少なくとも、B、Aランクの冒険者などであれば問題無く対処出来るが逆に言えば、ゴーレムを倒せるような強者は学園において最大限警戒する相手であるのは自明であった。

 

つまり

 

「あの人何?犯罪者?」

 

「ゴーレム倒された、化け物だ。」

 

生徒達が起きていたのである。

 

そして、ゴーレムとの戦闘を見ていた生徒達は既に怯えきっている。

 

「・・・来てもらうぞ。」

 

エルフの女性から呆れた様な様子でそう言われる。

 

「・・・はい。」

 

かなりハイになっていたのは間違いないので素直についていった。

 

・・・やっちまったなぁ。




そろそろありふれたも更新したいところ。




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