女だけどアムロ(女)になったから頑張って一年戦争する   作:めんつる
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シャー・アズナブル

「これが、がん、何だっけ……」

 

 赤いモビルスーツの残骸を専用の搬入口らしい所に運ぶ。

 殆どが壊れているものの、直せば使えそう、な気がしないでもないものばかりだ。

 あのザクがバカスカ撃ちまくっていたのはどこを撃っていたんだろう。

 パイロットが下手っぴなのか、それともガン戦車やガン……なんとかが頑丈なのか。

 

「これで、全部かな?あ、まだあった」

 

 工場かなんだかよくわかならない所、搬入口の中にもう一つでっかい台車に乗っているモビルスーツがあった。

 ガンダム……の別バージョンかな?黒と白の男の子が好きそうな色のガンダムだ。

 

「これも、持っていこうかな……でも入るかな?その……ホワイトソース?とかいうのに」

『アムロ、何か見つけたか?』

「あ、父さん。黒いガンダムが新品の状態で置いてあるんだけど……」

『プロトタイプか!』

「ぷろ?……それで、どうすればいいの?」

『今すぐそれも運びなさい!そうか、1号機が駄目でもプロトタイプがあれば!』

 

 なんだかよくわからないけど、1号機は無くなっちゃったらしい。

 って事はこれは、何だろう?これは「試しに作ってみたガンダム」って事かな。

 試しにも何も、まんまガンダムだけど。試しに作ったら割と理想的だったのかしら。

 

「よっこらせっと……」

 

 とりあえず、ガンダムがガンダムを背負うなんてことはできないので、

 このガンダムを乗っけている台車を……ゆっくり……

 つま先で……あ、右に曲がっちゃった。なんだろう、石蹴りを思い出す。

 

「……これも操縦練習……練習……」

 

 みみっちい……。

 

「てい!あ、やば」

 

 台車を蹴飛ばし、搬入口にガンダムを押し込んだ。

 ガシャーン!!とちょっとヤバそうな音が聞こえたが、うまい具合にガンダムを運び入れることに成功した。

 あれが試しに作ったガンダムって事は私のガンダムはガンダム2号なのかな?

 

「父さん、入れたけど……」

『よし、運び入れるものはこれで全部だ』

「良かった……これで全部……ふぅ~、汗かいたぁ……」

『休んでいる暇はないぞアムロ、すぐにホワイトベースに乗りなさい』

「えっと、軍艦?」

『そうだ。サイド7の機密処理プログラムが生きている。これを作動させると』

「爆発でもするの?」

『そういうことだ』

 

 マジ?

 

「でも、いいの?死んじゃった人とかも爆発するんじゃないの?」

『……これは戦争だ。遺体の回収よりも機密保持を優先させなければならない』

「うーん……まぁ回収する時間もないし……火葬だと思えばまぁ」

『納得せざるを得ない。さぁ、急ぐんだアムロ』

「分かった!どこから乗るの?」

『北西……お前から見て左側前方、32番ゲートから入るんだ』

「……32?」

 

 32と描かれたリフト状の台。その上にまた32と描かれたどでかい扉があった。

 リフトに乗ると、またしても自動でリフトが昇った。一体どうやってこんな技術を……。

 リフトから良くわからない、薄暗い施設に入り、私の乗っているリフトはそのまま進み続ける。

 

「!」

 

 その直後、下から突き上げるような振動と、くぐもった轟音がコックピット内に響き渡った。

 

「あ……」

 

 父さんがあの周辺を爆発させたんだろう。残ったパーツと一緒に死んだ人も。

 私は少し目を瞑り、せめてもの哀悼の意を示した。

 

 

 

 ★

 

 

 

「レイ主任……あの子は」

「アムロ・レイです。私の娘のね。さっき見せた子だよ」

 

 テム・レイ大尉。技術開発主任。

 地球連邦軍のモビルスーツ、RX-78「ガンダム」を手がけた技術者。

 更にサイド7現地でRCX-76、RTX-65を完成させ、改めてRX-77「ガンキャノン」、RX-75「ガンタンク」を作り上げた。

 技術者としてはまさに鬼才と言える人間だが、愛娘をモビルスーツに乗せるとは……。

 いささか人間性に問題があるとみえる。

 

 彼は今、ガンダムに乗っている大尉の娘と連絡を取りながら、手元の図面に手を加えている。

 ガンダムのビームライフルの何処が気に入らないのか知らないが彼は非常時でも手を休めない。

 ぶつぶつと「これでは取り回しが」などとつぶやき続けている。

 

「アムロ・レイ……」

 

 更にアムロ……男の名前を女の子に付けるとは。

 

「ブライト君、パイロットはどれほど残っているかね?」

「はっ……現時点では、全滅です……」

「そうか……」

 

 78-02パイロット、ウィリアム・ケンプ中尉は搭乗途中にザクの攻撃を受け戦死。

 01のルーグ・ヴェルツ大尉も同じく戦死している。

 プロトタイプガンダムのパイロット予定のファレル・イーハ少尉はジャブローにて待機だ。

 現状ガンダムを操縦できるパイロットは存在しない。

 

 更に新装ガンキャノン、ガンタンクのテストはジャブローで行う予定だったのだ。

 艦長は緊急時のパイロットを現地のケンプ中尉、ヴェルツ大尉に任せるつもりでいた。

 今回の想定外の事象によってその二人が戦死したとなると。

 

「レイ大尉、どちらへ!?」

「艦長に具申しなければならない、アムロにガンダムを任せるとな」

「えぇ!?」

「緊急事態なんだよ!」

 

 自分の都合で日常と異常を使い分けるな……!

 

 齢19にして、頭の毛が後退しそうな思いになる。

 その時、モニターに映った少女、アムロ・レイが目に映った。

 あの父親とは似ても似つかないあどけない少女だ。慣れないモビルスーツを一生懸命に動かしている。

 哀れな子だ。戦乱に巻き込まれ、軍事機密とはいえガンダムを駆り、サイド7を守ったというのに、

 実の父親にこき使われ、未だガンダムを降りられないでいるとは。

 

 そう考えていると、少女の目が突然見開き、通信が入る。

 

『父さん!!なんか赤い人がすぃ~って通ってったけど!?』

「何!?赤い人だと!?」

『え……?だ……誰?』

「地球連邦軍士官、ブライト・ノア少尉だ!赤い人とは何だ!?」

『え?えと……何でしょう、赤い宇宙服で、えらくピッチリした服で……』

「……ノーマルスーツか!」

 

 赤いノーマルスーツを着た兵士…ホワイトベースのノーマルスーツに赤色はない……。

 ……!まさか……。

 

「っ!何故皆気付かなかった……!アムロさん!すぐに搬入作業を中断するんだ!敵が侵入した!」

『敵!?ロボ……えっと、モビルスーツ?じゃないんですか!?』

「敵はモビルスーツ以外でも来る!すぐにサイド7に戻り敵を捕捉するんだ!機密情報を渡すな!」

『は、はい!?』

 

 まさか白兵戦覚悟で、しかもこの監視網をくぐり抜けて潜入するとは…。

 俺はすぐにホワイトベースのブリッジへ上がり、パオロ艦長へ報告する。

 敵兵撃退後、すぐに出港することとなった。

 

「一体何だって言うんだ!畜生!」

 

 

 

 ★

 

 

 

「一体何だってぇのよもう!!」

 

 あっちに行けと言われたりこっちに行けと言われたり!

 せっかくリフトに乗って、宇宙みたいなふわふわ感楽しんでたのにまたとんぼ返り。

 そろそろ眠いんだけど……。

 

「……どこ~?」

 

 先程の焼け野原へと降り、例の赤い人を探す。こんな何もない所になんの用があるんだろうか。

 プロトタイプ?とか言うガンダムも、バラッバラのガンダムとその他の部品も運び込んだ。

 あるのは……黒焦げの死体だけだ。

 

「……ん?」

『ここまで何もかも処分されるとなると……わざわざここに来た意味がないな……』

『偵察を指示した私のミスか、それとも殲滅に失敗したジーンの責任か……』

『待ちなさい!!』

『ん……』

『ヘルメットを取りなさい!後ろを向き、手を上げなさい!』

『勇敢だな、兵士でもゲリラとも言えん』

 

 ガンダムが声を拾ってくれた。そこら辺のテレビのマイクより高性能だ。ガンダムのマイクは。

 男の独り言のような声が聞こえたと思ったら、今度は女の怒鳴り声が聞こえた。

 私はガンダムの首と私の首を動かしてその声を探す。

 

 見つけた。かなり遠い位置、焼け野原と化してクレーターとなった場所の影だ。

 車が一台止まっている。赤い人を追いかけたのかな。

 

『早く取りなさい!』

『……従おう』

 

 リフトがさっさと降りてくれないせいで現地に向かうことが出来ない。

 さっきの赤い人が敵だって言うなら、女の人が殺されてしまうかもしれない。

 

『……似ている!』

『…兄さん…!?』 

 

 リフトが止まり、焼け野原へと足を踏み入れる。

 ガンダム独特の足音を響かせ、上から見えたクレーターへとガンダムを走らせた。

 ガシャシィーンッ、ガシャシーンッとかなりうるさい足音だ。赤い人を刺激しなければいいけど。

 

『……ほう、わざわざ来てくれたか』

『……モビルスーツ!』

『っ……ッ!!』

『あっ!』

 

 えっちらおっちらとガンダムを走らせると、案外あっという間に現場に着いた。

 目の当たりにしたのはヘルメットを持った赤い人が女の人を蹴っ飛ばしている瞬間。

 思わず私は蹴っ飛ばした赤い人に向かってパンチを繰り出す。しかし避けられた。

 

 それにしてもさっきから男の声……どう聞いてライバルの声に聞こえる。

 こればっかりはガンダムを知らなくても名前を知っている。アムロのライバル。

 

「シャー!!」

『何……!?』

『シャア……!』

 

 思わずマイクをONにしてその名前を叫ぶ。

 貫禄のある声「育毛か植毛か」そんな感じのCMでも聞いた声だった気がする。

 この人がやっぱりシャーなのか。赤い人でこの声でガンダムに出てるとなると。

 シャーとしか考えられない。

 

『…………』

「……あ、あの、お姉さん?」

『あ……あ、ありがとう……女の子?』

「え、ええ。アムロ。アムロ……えと、レイです」

『……アムロ、変わった名前ね』

「よく言われます。ここは危険です、手に乗ってください!」

『えぇ、ありがとう……』

 

 女の人を乗せるため、膝立ちになって手を差し出す。さっきから色々運んでるせいで手の動きはマスターした。

 金髪で、さっきのシャー?よりもストレートな金髪だ。

 きっちりカットされているが、髪質がふわっとしていて、風で靡くその髪が妬まし……もとい美しい。

 

『上手なのね、モビルスーツの扱い』

「え、えぇ……今日乗ったばっかりですけど」

 

 女の人は物憂げな顔をしてガンダムの手に寝そべる。それを優しく掴み、ゆっくりと手を閉じる。

 

「どっか挟んだりしてませんか?」

『大丈夫よ。ありがとう』

「じゃあ、行きますね」

『ええ。レイちゃん』

 

 ……父さん、なんでアムロなんて名前つけたんだろう。

 名字がレイだから良かったものの。これじゃアムロちゃんって呼ばれるじゃないの。

 

 少し複雑な気分になりながら、私は元の32番ゲートに戻った。

 あそこ妙にふわふわするからしっかりこの人を押さえておかないと。

 

 

 

 ★

 

 

 

 女性を助けてさぁやっと降りられると思ったら間髪入れずにブライトっておじさんから連絡が来た。

 今度は宇宙で戦えとのことだ。

 流石に勘弁してと拒否するも、ホワイトベースとかいう宇宙船の船長さんからの命令らしい。

 

「これで、ガンダムの説明はだいたい終わりだ。質問は?」

「んー……いろいろ言いたいことは山ほどあるけど、次で休める……よね?」

「それは……どうだろう。済まないアムロ」

「いいよ父さん。それにしても、宇宙……ねぇ」

「コロニーの半重力区域とは違う。本当の無重力だ。動かし方はさっきのシミュレーションと同じだ、いいな?」

 

 いろいろわちゃわちゃしている空間で、私と父さんはコクピットの中で話し合う。

 ここはホワイトベースのロボット倉庫のようなところだ。

 さっき私が運び込んだ黒いガンダムと数体のガンキャノンっていう赤いロボット。そして戦車がある。

 床のまとめられたところには綺麗に整頓された灰色のガンダムのパーツと、普通のガンダムのパーツが並べられている。

 

 父さんの話から察するに私はもう地球の外にいるみたいだ。さっきの筒みたいな世界がころにー?っていう所で

 そこの外に出ると宇宙はすぐそこだったらしい。そして私は宇宙船ホワイトベースを警備するために外に出る。

 ホワイトベースには少なくはない数の避難民も乗っているらしい。私の、というよりアムロの友達も一緒に乗っているそうだ。

 地味に責任重大だ。

 

「で、さっきの銃は……」

「ビームライフルだ。教えたとおり15発しか撃てない。改善の余地があるが、我慢してくれ」

「うん。……レーザーガンとは違うのよね?」

「あぁ。レーザーガンと言うよりは、水平に飛ぶ水鉄砲というのが正しい」

「ふぅん……」

 

 ガンダムの銃、ビームライフル。ビームなのに水鉄砲らしい。

 そもそもビームとレーザーの違いがよくわからないけど、とにかく強いらしい。

 

「で、ビームサーベル?」

「近接、つまり近い敵を倒す時に使うんだ。もう手で殴るんじゃないぞ」

「は、はい」

 

 で、ビームサーベル。これは知っている。スターウォーズの剣のガンダム版だ。

 光の剣で相手を溶かして斬る。一番単純な武器かもしれない。

 

「頭部バルカン砲も有効に使うんだ」

「頭のマシンガンね。習ったから大丈夫」

「よし……アムロ。必ず生きて帰るんだぞ」

「分かってるわ。父さんも守らないといけないしね」

 

 私は離れていく父さんに親指を立て、ガンダムのコクピットに座る。宇宙服を着る時間はないらしい。

 シートベルトをしっかり締めて、ガンダムを起動させる。父さんのレクチャーはわかりやすかった。

 いや、これは多分アムロの頭の良さもあるのだろう。私の元の姿だとチンプンカンプンだったはずだ。

 

『アムロさん』

「へ?あ、はい」

 

 突然モニターが映り、さっき私に命令したブライトさんの顔が映った。

 

『敵艦の動きにも注意してほしい。例の潜入の際、敵艦は何の動きも見せなかった』

「……?……と言いますと?」

『ホワイトベースを待ち伏せしている可能性が高い、という事だ』

「……なるほど。分かりました。気をつけます」

 

 何だかよくわからないが、軍人さんが言うんだからそうなんだろう。

 起動したガンダムを操作し、倉庫の壁にかけられている大きな銃を右手に。

 ガンダムの体がすっぽり入る大きさの盾を左手の腕に取り付ける。

 手で持つことも出来るけど、左手が塞がるから取り付けとけと父さんに言われた。

 

『ガンダム02、戦闘装備完了』

『各部スラスター推進剤確認終了』

『全システム診断。オールグリーン』

『ハッチオープン、ガンダム発進してください!』

 

 薄い明かりがついていた倉庫の明かりが消え、忙しそうに働いていた人たちが全員捌ける。

 それと同時に目の前、かなり遠くにあった大きな扉がゆっくりと大きな音を立てて開いた。

 その瞬間、体に妙な浮遊感を覚え、モニターに「Space Combat mode」と表示される。

 これが宇宙空間……。はじめての感覚だ。

 

『カタパルト、接続』

 

 さっき父さんにレクチャーしてもらった方法を試す。

 両足をあれに乗せて、体をかがめるんだっけ。

 

「……よっこいしょ」

 

 ふわふわする感覚を抑え、ガンダムの両足をカタパルトっていうのに乗せる。

 

『カタパルト接続終了、アムロちゃん、舌を噛むなよ!』

「は、はい!」

 

 ……ん?この感じ、アムロがガンダムで宇宙に出るってことは……言わないといけない?

 ……そうだ!アムロと言えばこのセリフ!

 

『発進どうぞ!!』

「アムロ!行きまーす!!」

 

 なるほど、これは言いたくなるわけだ。

 ジェットコースターのように体が締め付けられるけどこの言葉のお陰か気合が入る。

 最初にこれを考えた人は天才かもしれない。

 

 

 ★

 

 

「よし、行くわよ……」

 

 宇宙空間に人生初めて飛び出した私は、ホワイトベースが後ろにあることを確認し、

 そのホワイトベースを振り向いて確認する。

 大きな船で、真っ白だ。宇宙空間でこの色はわかりやすい。初心者向けの船かもしれない。

 ホワイトベースの頂上にはいろいろな人がこちらを見ている。

 正面で舵をとっているのは……誰だろう。この人も私と同じで軍人じゃないのかもしれない。

 

『接近する機体あります!』

「え?」

『数は3。2機はザクです!』

 

 私は急いで正面を向く。宇宙の操作は当然だけど地面とぜんぜん違う。

 ある程度オートで動くとは言え……操作を間違えると体が回る!

 

「ザク……?」

 

 ホワイトベースの正面を向き、目を凝らして遠くを見る。

 

『もう一機は何だ!』

『不明です!こんな速度で接近する機体なんて……!』

『一機の機体は、ザクの……はっ!来ます!!』

 

「え?うっ……!?」

 

 突然目の前が大きく揺れた。画面が大きく乱れ、ベルトが体に締め付けられる。

 吐き気をもよおすような揺れと回転をなんとか制御し、何が起きたのかを確認する。

 

『ザク!?』

『シャア……だ!赤い彗星だ……!!』

「っはぁ……!?ッゲホッゴホッ……しゃ、シャー……!?」

 

 通信の誰かわからない人たちがいろいろ騒いでいる。

 頭をブンブンと振り、さっき私が居たところを見る。

 たしかにそこには赤いザクが居た。そうだ、シャーは赤いザクに乗っている人だ。

 しばらくすると、二台の普通のザクが遅れてやって来た。

 

【見せてもらおうか、連邦軍のモビルスーツの性能とやらを】

 

『赤い……モビルスーツ……まさかあの時の!?』

「父さん……?」

『アムロ!逃げるんだ!そいつは!』

『シャア・アズナブル……アムロ!奴は赤い彗星だ!』

「父さん、ブライトさん……だっけ?分かってます!アイツは敵ですね!」

 

 私はビームライフルを構える。シャーに狙いを定めて、操縦桿のボタンを押す。

 バシヒュゥーーーン!!!と、どこかで聞いたことがある音が響き、シャーのザクを

 

【遅い!……はっ!デニム!】

 

 見事に外し

 

【しょ、しょうさあぁあああああ!!!!】

 

 隣のザクの股間に直撃した。

 

「あれ?」

 

 風穴が空いたザクは、しばらくバチバチとスパークし、突然大爆発を起こした。

 ……思わぬ大当たりだが、シャーの撃破には至っていない。

 というか……ザクって爆発したらこんなでかい爆発が起きるのか。気をつけないと私も吹っ飛びそうだ。

 

【一撃で……ザクを一撃で撃破するのか……!?】

「つ、強っ……もう一丁!」

 

 ビームライフルの強さに少し感動しながらも、気を引き締める。

 が、シャーはもう容赦しないと言わんばかりにこちらに突っ込んできた。

 

「き、来た!!」

 

 ガンダムのカメラはシャーのザクの足を映し出す。

 明らかに私に向かって飛び蹴りをしてくる感じだ。

 そんなもんに当たる私では

 

「ぐぇ!?」

 

 ある。

 

【……!……馬鹿な……直撃のはずだ!】

「ぐ……げほっ……胸が絞まるっ……こんのぉ!!」

 

 吹っ飛ぶガンダムを無理やり止め、私はガンダムをシャーのザクに突っ込ませる。

 しかしあっさり避けられ、すれ違いざまにコクピットに肘打ちを受ける。

 

「うぶっ!?吐く……っ……」

【パイロットは素人か?】

「んなろぉ!!」

 

 

 

 

 

 それからというものの、私はあらゆる手段を尽くしてシャーに立ち向かうが軽くあしらわれる。

 ビームライフルを乱射したり、足蹴りを繰り出し返したり盾を振り回したりと、色々頑張った。

 が……駄目だった。

 

「だ、駄目……!」

【……運動性も驚異的……ザクの今の火力では撃破不能……か】

 

 ガンダムはあらゆる箇所がヘコみ、さっきまでなっていなかった警告音が響いている。

 アンテナが壊れたのか、通信の声も上手く聞こえなくなっている。銃ではなく、殴られ蹴られの攻撃で蹂躙されている。

 

 私じゃ倒せない……でもガンダムのパイロットは私しか居ない。

 

「う……!くぅ!!」

 

 悪あがきでもう一発だけビームライフルを撃つ。

 しかしやはり当たらない。

 

【よし!スレンダー!帰還するぞ!!】

【了解です!データは十分取れました、受け取りましたか!?】

【受け取った、よくやった。遅れるな!】

 

「っ…………?」

 

 ザクたちが私に背を向ける。そしてシャーのザクがものすごいスピードで私から離れる。

 それに遅れて普通のザクもついていくように離れる……。

 

『……ク2機、撤退し……いき……す!』

「……逃げた……?」

 

 ……違う。見逃してくれたんだ、全くの素人の私でもそれは分かる。

 初めて戦ったシャー……いや、シャア。ものすごく強く、ものすごく怖かった。

 すべての攻撃を避け、あしらい、攻める時は恐怖で漏らすほど恐ろしい攻め方。

 

「……はあ……!はぁ……怖かった……」

 

 震える手で、ガンダムのビームライフルを、遠ざかっていく光に向けて最後の一発を放つ。

 すると、大きな爆発の光が見えた。

 

【す、スレンダー!】

 

「……?」

 

 

 

  




今回のアムロの行動の結果

・プロトタイプガンダム、G-3ガンダム(パーツ)、ホワイトベース搬入
・サイド7、軍事機密完全処分
・シャア、アムロを警戒(名前を知っていることがバレた為)
・デニム曹長、宇宙で戦死

以上の歴史改変となりました。







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