女だけどアムロ(女)になったから頑張って一年戦争する   作:めんつる
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敵の補給艦を叩く前にノーマルスーツを着ろ!

「はぁ~……」

 

 ガンダムから開放され、私は動くグリップを握り、廊下を移動する。

 宇宙船には標準装備なのか、あちこちにこれがついている。

 楽っちゃあ楽だが、運動不足にならないのかと心配だ。

 宇宙に出てからろくに足を動かしていないし。

 

「……」

 

 ガンダムは修理中、ブライトさんは休めって言ってた。

 ついでに私の部屋に荷物を置いてあるらしい、

 部屋にある荷物は全部私物として支給したから自由に使え、だと。

 

 使い方はまぁ、使っていけば分かるだろうけど……。

 

「あった……ここか」

 

 ご丁寧に英語で「アムロ・レイ」と書かれた個室があった。

 しかし、ドアノブもなければ、引き戸を引くための窪みもない。

 ……困った。網膜認証なのだろうか?と、扉の周りを調べると、

 ドアの近くの壁に開閉ボタンがあった。なるほど、そういうタイプか。

 

「ほいっ」

 

 ボタンを押すと、静かに扉が開いた。中々広い部屋だ。

 白に緑が混じった壁、オレンジ色の床。大きめのベッドに、机。

 部屋の中心には大きな箱、触ってみるとダンボールに似た素材だけど頑丈な箱だ。

 

「これが私物……?わわっ!」

 

 部屋に入った瞬間、ふわふわした感覚が途切れ、ストっと床に着地する。

 体が重い、とまでは行かないが、あれだ。プールから上がった直後のあの感じだ。

 妙な違和感を覚える。なるほど、私室には若干の重力があるのか。

 これならベッドで寝れるし物も置ける。体も軽いから壁伝いなら浮かべる。結構これ便利だ。

 

「っと……で、これが……私物っと」

 

 箱についている留め具を外し、バカっと箱を開ける。中には一枚のタブレット端末……と呼んでいいのか謎だが、板みたいな機械。

 それと衣服、試しにあてがうと、どこで調べたのか知らないけど私のサイズにピッタリ合う。無論下着もサイズぴったりだ。ちょっと怖い。

 

「……私物これだけ?」

 

 板みたいな端末を机に置き、衣服をクローゼットに放り込む。

 もう少し何かないかと箱を調べているとまた何か出てきた。

 白とピンクのノートパソコンのようなものだ。しかし普通のそれではない。

 軍用コンピュータというのか、分厚い。

 

「……パソコン?」

 

 ずいぶん使い込んであって、妙な懐かしさもある。

 アムロの使っていたパソコンだろうか?

 それを開くと、「同期中」と書かれた未来的な表示が出る。

 

「それ、アムロんちから持ってきたのよ」

「へ?あ、フラウ」

「それと、ほら、お友達を忘れちゃ駄目よ?」

 

 開きっぱなしの扉からフラウが私に声を掛ける。

 なるほど、アムロの家から私のパソコンを持ってきてくれたのか。

 つくづくいい子やでこの子……。

 

「友達」

『アムロ、フクキテル、フクキテル、ヒサシブリ』

「わわわっ!?」

 

 ななな……!?緑の玉が喋ってる!?まとわりついてる!?

 

「あ、ハロ、ね?」

「ハロ……?……!っごめんね。無事だったんだ」

『サンキュ。アムロ、ハロ、ゲンキ』

「良かったわねハロ。もう放しちゃ駄目よ?」

「うん、ありがと。フラウ」

 

 そ、そうだ。この子はハロ。市販のお喋りおもちゃだ。

 でもアムロが改造して手足付けてアレコレした。アムロの友達だ。

 ……フラウに怪しまれる前に思い出せてよかった……。

 

「じゃあ、私も休むわ、もう遅いから」

「あ、待ってフラウ」

「ん?」

 

 私はフラウを呼び止める。

 

「フラウ・ボゥ」

「どうしたの?アムロ」

「ありがとう」

 

 改めて、私はフラウに礼を言う。元のアムロはフラウに迷惑をかけっぱなしだったらしい。

 客観的にアムロの記憶を覗いて初めて知った。

 それなのにこの子は私を見捨てず、こうして世話を焼いてくれている。

 私は感謝せずにはいられなかった。

 

「?……変なアムロ」

 

 しかしフラウは首を傾げて部屋を出ていった。

 この子にとって無償の愛は当然のことなのか……。

 アムロが男だったら絶対結婚してるよ。

 ……そういえばアムロ、ガンダム終わった後何してたんだろう。

 

「……」

『アムロ、ドウシタ、アムロ』

「ハロ?」

『キョウハ、オシャベリダ』

「……そうなの?」

 

 人間は騙せても、機械は騙せないみたいだ……。

 ハロはコロコロと転がり、フラフラと左右に揺れる

 ……どんな技術なんだろう。

 

「……ねぇ、ハロ」

『ナンダ?』

 

 私はハロを持ち上げ、ハロの小さなLEDの目を見る。

 相変わらず初めて触ったのに妙な懐かしさを感じる。

 これもアムロの記憶の影響なのだろうか。

 

「私、これからどうなるのかな?」

『コレカラ?』

「うん、こうやって宇宙に行って、こんな怖い思いして」

『……』

「私、どうなっちゃうんだろう……」

『ゲンキダセ、アムロ』

 

 ハロが肩?か何だかわからない部分から手を出し、私の頭を撫でた。

 機械の手なのになぜか柔らかく、優しい撫で方だった。

 そしてその励ましすら、私の記憶にない懐かしさ……。

 

「ごめんハロ」

 

 無機質な声、無機質な撫で方、それなのに温かさを感じる。

 機械的な温かさという矛盾と、ハロの不思議な可愛さ。 

 なんだか辛い気持ちが和らぎ、私から笑顔が溢れた。

 

 フラウも優しいけど、アムロ的にはハロといるほうが癒やされるのかな?

 胸のモヤモヤがフラウといるときよりもスッキリした気がする。

 

『キニスルナ、アムロ、ノウハレベル、カイフク、エッヘン』

「ありがと」

『モウヤスメ…ツカレテル』

「うん、部屋は後で片付けるわね」

『……ヘンナアムロダ』

 

 え、何で?

 

 

 

 

 ★

 

 

 

 

「パプア補給艦を2隻?」

『そうだ、ザクは4機。3機はF型、1機はS型だ』

 

 信じられん、伸び切った戦線でさらに枯渇した物資だと言うのに4機もザクを渡すとは。

 それほどドズル中将はこの作戦の成否に敏感なのか。

 

「それで、人員は?」

『コム・スェル二等兵、ジョー・クロウ一等兵、ベッダ・クラウン伍長の3人だ』

 

 3人?じゃあS型は誰が乗るんだ?

 

「揃いも揃って新兵か……了解」

 

 少佐はわざとなのか、ドズル中将の前で毒を吐く。

 

『ファルメルは潰すなよ。だがザクはいくらでもくれてやる』

「はっ」

『シャア。連邦の機密を手に入れろ。それで戦争は終わる、いいな!』

「了解」

 

 俺も少佐の横で敬礼をする。「おう」とドズル中将が言うと、通信が途切れた。

 相変わらず図体がでかい上に横暴な人だ。

 

「ドレン、パプアとの合流地点は」

「パプアはすでに到着しております。両舷コンベアソケット、スタンバイOKです」

「良いだろう、到着次第すぐに補給作業を開始する」

 

 木馬と通称される連邦の艦艇、シャア少佐の目論見では既に奴はこちらにザクの残りがないことに気付かれているらしい。

 となると、補給の時間は20分も残されていないはずだ。

 ……その上で補給物資を搬入、しかもパプア二隻分……ん?待てよ、パプアが二隻でザクが4機?

 

「シャア少佐、妙です」

「どうした、ジーン」

「ドズル中将はパプア2隻にザクを4機しか用意しなかったのでありますか?」

「もう一隻のパプアには試作兵器を積み込ませてある。ドズル中将からのプレゼントさ」

「試作兵器……でありますか?」

 

 シャア少佐は、サブモニターを操作し、その図面を表示させる。

 巨大な……大砲?

 

「ソア・キャノン、M.I.Pが開発中だった施設用特殊兵器だが、途中で開発が頓挫したものだ」

「ソア・キャノン」

 

 俺は図面を確認する。長距離射程の実弾兵器……所謂巨大レールガンらしい。

 トリガーとグリップ、姿勢制御スラスターなどを装備し、MSでも使用可能になっている。

 エネルギーパイプを艦艇とMSに繋ぎ、エネルギーをチャージすることで初めて発射できる限定兵器だ。

 

 しかしその射程距離はゆうに10万キロを超え、完成時には地球から成層圏の敵を狙撃可能になるらしい。

 至近距離で直撃した場合は、マゼラン級戦艦を3隻貫けるほどの威力があるそうだ。

 

「……少佐」

「何だ」

「……これはちょっと過剰すぎやしませんか?」

「デメリットが山積みの無用の長物を押し付けられただけに過ぎん。しかし使えるものは使うさ」

 

 ……まぁ、開発が頓挫したのはそれなりの理由があってのことだろう。

 耐久性に関してはすべて秘匿されているようだ。

 いわくつきであることには間違いない。

 

「……どう使うつもりで?」

「その時が来たら貴様に使わせるつもりだ、発射方法を頭に叩き込んでおけ」

「はっ!」

 

 そう言って少佐は図面と同封の発射マニュアルを端末にコピーし、俺に渡す。

 俺は敬礼し、自室へと戻った。

 

「良いのですか?あの兵器は」

「手順を間違えなければいい。駄目ならそこまでの話だ」

 

 

 

 ★

 

 

 

 眠ってから何時間も経っていないというのに、叩き起こされた。

 私は今ホワイトベースのブリッジにいる。

 ブライトさんが遠くで何を言っているのか分からない言葉を喋っている。

 が、遠くだし、更に私は頭で船を漕いでいる。聞き取れる言葉も聞き取れない。

 

「ん~………………」

「ほれ!しっかりしろお嬢ちゃん!」

「ぴ!?」

 

 突然背中をドスンと叩かれて私はうたた寝状態から覚醒する。

 ビクッと反射的に後ろを振り向くと、そこにはいかにもな大男が立っていた。

 ……黄色いパツンパツンの宇宙服姿で。

 

「起きたか?」

「は、はひ……あなたは?」

「俺か?俺はリュウ・ホセイ。パイロット候補生の一人だ」

 

 パイロット候補生……?

 

「軍人さん?」

「そうよ、元々は戦闘機パイロットだったが、今回改めてガンタンクのパイロットとなった」

 

 リュウさんは、胸をドンと叩き私にウィンクをした。何だか頼りになりそうな人だ。

 でも……あの狭いコックピットに……これが……。入るのかなぁ……?

 

「……」

「これからはお前さんだけの戦場じゃないぜ。仲間との連携も、大切にな」

「は、はい。よろしくおねがいします!リュウさん」

「私語をするな!!」

 

 ブライトさんの怒鳴り声が響き、私は再びビクッとなる。

 気をつけをし、覚醒した意識でブライトさんの話を聞くことにした。

 

「……いいか?もう一度説明するぞ」

 

 有り難いです。

 

「現在シャアのムサイは、このルナツー近辺の隕石群の一つに補給艦を停泊させている」

 

 ブライトさんは、付近のモニターにその隕石と思われる図面を呼び出す。

 何ていうのか、作戦用の地図だろう。そこに変な形をした軍艦の左右に更に変な形の軍艦が止まっている図面が出てきた。

 

「ムサイが一隻……パプアが二隻か、こりゃ珍しい組み合わせだな」

 

 リュウさんが呟く。よくわからないが、これは珍しいらしい。

 私からすればこんな変な宇宙船が1個でもある時点で写真に収めたいくらいだが。

 ブライトさんがリュウさんを見てから、説明を続ける。

 

「恐らくザク以外の補給を行うはずだ。過去の事例でパプア二隻を使った補給は無い」

 

 パプア、と呼ばれる変な船の断面図をブライトさんは私に見せる。上から見たらカブトガニ。

 下から見てたらクジラのような宇宙船だ。補給艦、と呼ばれる部類の宇宙船らしい。

 その断面はザクが二股に別れた上の平べったい部分に2機ずつ突っ込まれている。

 余った部分にはコンテナを突っ込んでいるらしい。

 

「ムサイのザクの搭載数は4機が限度だ。恐らくシャアはガトル戦闘機を手放し、ザクを5機搭載するつもりだ」

「さらにもう一隻のパプアにはなにか別の補給物資が搭載されるはずだ。これも撃破しなければならない」

 

 もう一個のパプアに関しては何があるかわからないらしい。

 やばいものが載ってないことを祈るしか無いようだ

 

「それで、誰が何で出撃するのよ、ブライトさん」

 

 カイくん、いや、ダブリで私より年上らしいからカイさんが手を上げ、ブライトさんに質問する。

 

「今発表する」

 

 ブライトさんはそう言って、ファイル型のタブレットを見ながら私を指差した。

 

「アムロさん」

「は、はい!」

「君はガンダムで出撃だ。修理は完了している」

「マジ?……コホン、ありがとうございます!」

 

 父さんとホワイトベースの修理員さん凄い。

 事故起こした車みたいにボッコボコだったのにもう直したのか。

 

「次、カイ・シデン、ジョブ・ジョン軍曹、ハヤト・コバヤシ」

「はいよ」

「君達はガンキャノンに搭乗してもらう。いいな?」

 

 カイさん、ジョブジョンっていう金髪の人、それとハヤト君。

 彼らはガンキャノン……あの、赤いのに乗るらしい。

 三人はびしっと敬礼をした。 

 

「ダニエル・シェーンヴェルク伍長、リュウ・ホセイ曹長」

「はっ!」

「おう!」

「君たちはガンタンクで後方援護だ、任せたぞ」

 

 金髪のダニエルさんって人と、さっきのリュウさんが敬礼する。

 ……。

 

「あっ、忘れてた」

 

 私も敬礼した。

 ブライトさんが続ける。

 

「残りの戦闘員は各砲座で待機、作戦開始は1500とする」

「ひとごーまるまる……?」

「15時だよ、軍隊ではそう言うんだ」

 

 ハヤトくんが私に説明してくれた。ハヤトくんも小さな宇宙服を着ている。

 色はリュウさんと同じだ。それにカイさんも同じ様な服を着ていた。

 ……私が寝てる間、みんな訓練してたんだろうな。

 

「発進まで20分しかないが、事は一刻を争う。作戦開始まで各員準備するように。以上だ!」

「りょ、了解!」

「リュウ、アムロにノーマルスーツを用意してやれ。女性用だぞ」

「了解!アムロ、ついてこい」

 

 ブライトさんがリュウさんに指示するとリュウさんが私の手をグイッと引っ張る。

 

「わ、ちょ!?」

 

 凄まじい力で私はパイロットの部屋へと連れて行かれてしまった。

 誘拐される人ってこんな感じなんだろうな、とリュウさんに対して失礼なことを考えてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

「悪いなぁアムロ。俺に女性用って言われても分からなくてよ…」

「いえ、良いんです……あ、これぴったり……?」

 

 ノーマルスーツ、と呼ばれる宇宙服。シャアが着ていたのもそれらしい。

 私が今あてがっているのは白いノーマルスーツだ。

 

「ん、まぁ、とりあえず着てみたらいい、俺は外で」

 

 リュウさんは私にそれを渡すとそそくさと出ていった。

 ……まぁ、居てもらったら非常に困るけど。

 

「……んしょっ……」

 

 リュウさんの説明によると、ノーマルスーツを着る時は専用のインナーを着るらしい。

 人によっては下着、マニアックな人だと何も着ないらしいが、人によるそうだ。

 私は安全性とか色々考慮して、やっぱりその専用のインナーとやらを着ることにした。

 

 女性用のはスポーツブラと、何やら機能的なショーツだ。

 

「……何これ……ま、いいか」

 

 そのインナーを着用して、改めて白いノーマルスーツを着る。

 かなり薄手の宇宙服だ。上下が一体になっていて、着るのは割と簡単だ。

 ファスナーを締めると同時に体がきゅっと締まり、一気に体のラインが出る。

 

「うわぁ~……あ~……」

 

 痩せててよかった。 

 

「よ……変なとこないよね?」

 

 一通り着終えた私は、鏡の前に立ってくるりと一回転した。

 変な部分はないし、ダボついてる部分もない。

 ……体のラインが思い切り出るのは結構恥ずかしいが、仕方ない。

 出ないようにする方法もないだろうし、慣れれば大丈夫だろう。

 

「で、これがヘルメットっと」

 

 出口近くにヘルメットが大量にかけられていた。白、黄色、青、変な黄土色と分けられている。

 私は白のヘルメットを被り、リュウさんの元へと戻った。

 

 

 

 

 

「リュウさん!これでいいですか!?」

「お、戻ったか、どれどれ……?」

 

 リュウさんはまじまじと私のノーマルスーツを見つめる。 

 すると、リュウさんはすかさず首元のファスナーに手をかける。

 

「へ?」

「あー、やっぱり気密が保たれてないな。首の内側にもう一つファスナーがあるんだ」

「ん~?……えっと……あ、これ?」

「出撃前に内側のファスナーを締めにゃいかん、宇宙じゃ締められんからな」

 

 首元に指を入れ、ぐいっと引っ張る。内側のファスナーが確かに開いていた。

 

「よっと……」

 

 ギュッ、と今度こそしっかりとノーマルスーツを着て私はヘルメットを被った。

 するとヘルメットと首がしっかりと密着し、カチッと音が鳴る。

 

「よし、これでしっかり密閉された。外す時は顎の留め具をしっかり抑えて真上に引き上げれば取れるぞ」

「……こう?ぷぁっ……」

「そう。被る時もその留め具を意識して被ればいい」

「なるほど……ありがとうございますリュウさん」

 

 このヘルメット、通信機から宇宙での音認識機能、更に軽量化までされてるらしい。

 バイクのヘルメットよりも軽い。被り物なのに窮屈さも頭の重さも感じない。

 

「軽いですねこのヘルメット」

「軽さ重視したせいでもろくなっちまったらしいけどな」

「え、こわっ……」

 

 宇宙服のヘルメットが脆いのは問題じゃないの……?

 その疑問はブライトさんの出撃命令と一緒に消えてしまった。

 

『時間だ、アムロ、行けるか!?』

 

 壁のモニターにブライトさんの顔が映し出される。

 リュウさんは返答用のボタンを押した。

 

「アムロはオーケーだ!」

「はい!大丈夫です!着れました!」

『よし、他のパイロットは配置についている。すぐに搭乗しろ!後3分で発進だ!』

「了解!」

「わかりました!」

 

 リュウさんが親指を立てて私の背中を押す。

 私も笑顔を見せて親指を立てた。

 

 

 

「アムロ、遅いぞ。ノーマルスーツはどうだ?」

「父さん、ガンダム直ったんだ」

「ああ、ここのクルーは皆優秀でな。本来ならプロトタイプを出す予定だったが」

 

 そう言って父さんは私のヘルメットの右耳部分をかちっと動かす。

 するとヘルメットのバイザーっていうんだろうか?それが閉まった。 

 そうか、顔をカバーしないと。さっきの状態でうっかり宇宙に出たら窒息してしまう。

 緑色のバイザーだが、私からは色がなく、視界もクリアだ。

 

「ありがと、父さん。じゃあ行ってきます!」

「ちゃんと戻ってくるんだぞ」

 

 私はガンダムのコクピットに座り、シートベルトを締める。

 父さんが離れたことを確認してからハッチを閉め、ガンダムを起動させた。

 トンッという軽い音が鳴り、ブゥゥウウン……とエネルギーがガンダムに満ちる。

 

「よし……ガンダム起動しました!」

『よし!ハッチ開け!ガンダム発進後、ガンキャノン順次発進!』

『カタパルトへ!』

「了解!」

 

 私は整備士さんの通信を聞き、さっき使ったカタパルトっていうのに乗る。

 すると通信が入った。

 

『アムロ、聞こえて?』

「!あなたは……!?」

 

 コロニーに居た時、シャアに蹴っ飛ばされてた金髪の人だ。

 ヘッドホンとマイクを耳につけている。……指示する人になったのかな?

 ……オペレーターだっけ?

 

『今は驚かないで、いい?敵に近づいたら指示を待たずに攻撃なさい。時間との勝負よ』

「は、はい」

『ガンダムの武器をすべて活用しないとシャアに勝てないわ。冷静にね』

「わかりました!えっと……」

『セイラよ。詳しい自己紹介は帰ってからにしましょう』

 

 そう言ってセイラさんは「発進、どうぞ」と力強く言う。

 私はガンダムの重心を下げる。

 

「ガンダム……行きます!!」

 

 シャア……今度こそ勝つ……!今度こそ漏らさずに生き残る!!

 

 

 




今回のアムロの行動の結果

・シャア、MS用に小型化したソア・キャノンを受領

次回からガラッといろいろ変わります、多分







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