カードファイト!!ヴァンガードG 歌姫のハーモナイズ   作:奏梅莉愛

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TURN1 日常

 ──宮地学園中等科の、とある教室。

 

 「……すぅ…」

 

 何処にでも一人はいるであろう、授業中に気持ち良さそうにスヤスヤと眠っている生徒。学校規定の学ランにパーカーを着て、フードを被り突っ伏して寝ているが、教壇からは地味に目立っているのである。

 

 「……東海林カズハ、この問題を解いてみろ」

 

 「んぇ?ふぁーい……」

 

 当てられるのもベタな落ちである。だがこの生徒──東海林(しょうじ)カズハは、寝ていたにも拘わらず、黒板に書かれた問題をスラスラと難なく解いていく。つまるところ、漫画とかではよくいる『こいつ寝てたのに解けるのかよ。天才か』みたいな人物である。その通りなのだか。

 

 

 

 

 

 

 「起立、礼」

 

 「「「ありがとうございました」」」

 

 全ての授業と帰りのHRを終え、部活のない生徒は速やかに(さっさと)下校していく。学ランにパーカーを着てフードを被った生徒──東海林(しょうじ)カズハもその一人。だがそのまま家に帰るのではなく、あるところに寄り道していく。その場所とは、カードゲームショップ。

 宮地学園と言うエリート学校に通うカズハも、学校を出ればただの中学生。遊びたいお年頃なのだ。

 行きつけのカードゲームショップで、カードゲームをして帰る。それがカズハの日常であった。

 

 

 

 

 

 

 

 「こんにちわーっす」

 

 「いらっしゃい。今日も来たんだね」

 

 いつもの、行きつけのカードゲームショップ──その名は、『カードキャピタル』。かつて日本を制し、アジアを制したヴァンガードのチーム──『チームQ4』。その聖地とされる1号店が、カズハの行きつけだった。

 

 「来ましたよー、ミサキ先輩。学校から近いんでねー」

 

 「あんたの家の近くに、2号店が出来たんだけどね」

 

 「学校帰りに寄るならこっちのが近いんすよー」

 

 カウンターに座る女性は、『戸倉ミサキ』。

 あの『チームQ4』の一人にして、カズハの通う学校『宮地学園』の先輩兼OGなのである。それ故に、カズハは親しみと敬意の表われとして『ミサキ先輩』と呼んでいる。

 

 「ま、客が来てくれてるのは大歓迎だけどね」

 

 「あはー、ファイトするにはうってつけの人たっくさんいますからねー!」

 

 「おー、カズハー!来たんなら早速ファイトすんぞー!!」

 

 大声でカズハを呼んだのは『三和タイシ』。

 ノリは軽いが、ファイトはそれなりに「オイコラー」結構強いヴァンガードファイターの一人。『チームQ4』の櫂トシキさんの同級生らしいので、『三和さん』とさん付けで呼んでいる。ノリだけならまだ高校生で行けると思われる男性である。

 

 「はいよー、待ってろ三和さん!すぐに叩きのめして仕事に戻してやるー!」

 

 「生意気だなガキンチョめ!返り討ちにしてくれるー!」

 

 二人して子供のような(片やまだ中学生だが)挑発をしあいながら、ファイトテーブルにつく。

 

 「さぁ来いカズハ!今日は俺が勝つ!」

 

 「今日も僕が勝って、三和さんに連勝してやる!」

 

 「「スタンドアップ・ヴァンガード!!」」

 

 ──ヴァンガード。それが『東海林(しょうじ)カズハ』という人物を構成する要素の一つとして成り立つ、カードゲームの事である。




名前:東海林(しょうじ)カズハ

学校:宮地学園中等科(つまり中学生)

概要:カードキャピタル1号店の常連のファイター。
いつも学ランにパーカーを着ており、フードを被っている為、顔が隠れている。ミサキ・三和等1号店関係者とは仲がいい様子。三和とは軽口を言い合う位に仲がいい。三和とやりあえるらしく、ヴァンガードでもそれなりの強さを誇っている様子。

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