元英雄が紡ぐ物語   作:因幡の黒兎。

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もうすぐクリスマス。大切な誰かへのプレゼントの準備は出来ていますか?

…まぁ、必要無いなら自分へ何か買いましょう。クリスマスだし。
あ、それだと『クルシミマス(苦しみます)』か…


それでは後編です。前編と同じで閲覧注意です。

…ちょっとおかしい(狂ってる)かもだけど、そこは『主人公はイカれてる』って事で納得してくださいね?



SS 黒猫と黒拳。月夜の執行人を添えて 後編

貸倉庫の一角で、三人は話をしていた。

 

 

アオイ「ふぅ。売買の詳細がわかった事だし、とっととグズリー商会を消し飛ばしますかねぇ!」

 

 

 

『グズリー商会』

最近、有名になって来つつある主に日用品扱う商会。

悪い意味では昔から有名。品質が悪く、押し付ける様な販売法は【ガネーシャ・ファミリア】等の正義のファミリアやギルドも問題視している。

 

 

アオイ「今まで決定的証拠が無かったせいで、逮捕が出来なかったが…」

 

ルノア「今は証拠が充分にある」

 

クロエ「Let's,制裁ニャ!」

 

アオイ「おぉー!」

 

ルノア「こらっ、夜なんだから大声出さないの」

 

二人『は~い…』

 

 

三人はまた夜の街に溶け込む…

 

 

アオイ「あ、その前に…」

 

 

…その前に、()()()をしなくちゃね。

 

 

 

 

これから少しして、ある貸倉庫が全焼すると言う事件が起きる。そこで二人分の死体と思われる人形の塊炭と、何故か燃えていなかった彼等の悪事が書かれた用紙が発見されるのだが…それはまた別のお話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

繁華街から少し離れた路地裏。その奥に、グズリー商会の倉庫がある。

 

 

アオイ「作戦はどうしようか?」

 

ルノア「真正面から突っ込んで、片っ端からぶん殴れば良いでしょ?」

 

クロエ「流石、能筋は考える事が違うニャァ~? 

 

ルノア「なんですってぇ! ならアンタの作戦はなんなのよ!」

 

クロエ「毒の霧で一網打尽ニャ!」

 

ルノア「それだと捕まってる女性達も危ないでしょうが!」

 

アオイ「おーい、大声出すなぁー。気付かれんぞー?」

 

 

喧嘩する程仲が良いって、こう言う事を指すんだろうなぁ。うんうん、仲が良いのは良いことだよね!

 

…まぁ、端から見たら只の口喧嘩だけど。

 

 

アオイ「提案なんだけどさぁ。ルノアが女性達を助けて、クロエが麻痺毒の霧で居る奴等を行動不能に、ボス的存在はパパっと俺が捕まえて来るから後は皆でサンドバック…これで良くね?」

 

ルノア「…」

 

クロエ「…」

 

アオイ「…」

 

 

…あ、あれ? 駄目でしたか?

 

 

ルノア「案があるなら早く言いなさいよ」

 

クロエ「ミャー達はアオイの提案なら全部引き受けるのニャ」

 

アオイ「仲良く喧嘩してたから、水を指す様な行動は控えようかと思いまして」

 

二人『仲良く無い!(ニャ!)』

 

アオイ「とか言いながら息ぴったしな件について」

 

 

漫才と思うだろうが、これから始まるのは駆逐戦。無慈悲で彼等にとっては遊びでしかない、暴力前の会話である。

 

 

アオイ「ふぅー。…さて、殺りますかね」

 

 

アオイは鎌を、クロエは猛毒の染み込んだ二本のナイフを、ルノアは使いなれたグローブを。それぞれの得物を構えて倉庫へと突入を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女性「んんっ! ンンーーッ!!!」

 

男D「ギャハハッ! おいおいおい、まだ逃げようなんぞ思ってんのかぁ!?」

 

男E「テメェ等は御偉いさんの所に売られて肉便器になるのがオチなんだからよぉ~、もう諦めろぉ?」

 

 

モンスターが閉じ込められるような檻の中、そこに何十人もの女性が囚われていた。

 

全員容姿は美しいのだが、暴力を受けたような痣や傷、泣いたせいで目元は赤く膨れていた。

 

 

男D「久しぶりにヤりてー」

 

男E「上玉は腐るほど居るんだけどな」

 

男D「…一人くらいヤっても良いか?」

 

男E「また拐って来いよ?」

 

男D「よっしゃ! さぁて、誰にしようかなぁー!!!」

 

 

檻の鍵を開け、下品に笑いながら女性達に近付く。

 

だが、女性達は逃げる事が出来ない。足を鎖で繋がれて居るからである。

 

 

男E「…だが、変だな。何でこんなに静か何だ?」

 

 

一度だけ、鉄が捩れるような大きな音がなったのを切っ掛けに、この倉庫の中は本当に静かだ。

 

そんな事を気にしていた時だった。

 

 

男F「ヴゥ…」

 

男E「!?」

 

 

急に扉が開かれたと思いきや、右腕の無い今にも死んでしまいそうな男が入ってきた。

 

 

男E「な、何があった!?」

 

男F「…し、に…がみ……に…ろ……」

 

男E「おい! しっかりしろ!」

 

 

声を掛けるがもうピクリとも動かない。死因は大量出血に全身打撲、毒による心臓麻痺。

 

 

男D「おーい、どうしたんだー?」

 

男E「大変だ! ここがバレた!!!」

 

男D「はぁ!?」

 

 

その言葉を信用出来なかったが、男に抱えられて息絶えている男を見れば嫌でも信じさせられるだろう。

 

 

男D「どう言う事だよ!?」

 

男E「情報が漏れたんだろ!」

 

 

男達はあたふたする。何をすれば良いのかわからないのだ。

 

 

?「残り三人…」

 

男DE「!?」

 

 

扉から入り込む紫の霧と共に、真っ黒なフードを被った男が入ってきた。

 

 

男D「誰だ!」

 

 

男二人は剣を構える。

 

男…いや、少年は顔を上げて言い放った。

 

 

?「執行人だよ~? 罪人さん♪」

 

 

フードを外すと、適当に書いたような黒い丸のような目が二つ、三角と逆三角で出来た口が描かれた仮面が現れた。

 

 

男D「執行人…?」

 

男E「そんな事はどうでも良いだろ! 早くぶっ殺すぞ!!!」

 

男D「あ、あぁ!」

 

 

恐怖と怒りが混ざったせいで逃げると言う行動が頭に浮かばなかった二人は、執行人と名乗った仮面の少年へと剣を向けて走り出す。

 

 

執行人「そんなので俺を殺せる訳無いだろ?」

 

 

執行人は鎌を横に振る。

 

こうして、二人の男は一瞬で命を鎌に命を喰われたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アオイ「ふぅ。【赤月の死神】じゃ無い時はキャラ作りしなくて良いから楽だなぁ~」

 

 

悪魔のような仮面を着けたアオイは背伸びをしながら新な黒歴史が出来なかった事に対して喜びを感じていた。

 

 

クロエ「雑魚処理終わったニャ!」

 

アオイ「うは、早えぇ~」

 

ルノア「と言うか、ちょっと前から終わってるわよ」

 

アオイ「そりゃ失礼しますた」

 

 

…一応説明しておくが、『しますた』の部分は態とである。

(稀に態と間違えてる箇所が誤字報告に来るんで一応…)

 

それじゃ、後は自分の家で呑気に寝てやがる会長さんの首を狩りに行きますかねぇ?

 

何故わかるかと言うと、操作画面(メニュー)地図(マップ)検索による物である。

 

逃げたとしても、執行人と死神からは絶対に逃げられないのだ。

 

 

アオイ「その前に捕まってる女をどうしようか」

 

 

檻の方を指差す。中の女性達は全員眠っている。

 

理由は、アオイが部屋に入って来た時に一緒に入って来た毒の霧によるものだ。本当は簡単に身体の自由を蝕み、心臓麻痺まで追いやる猛毒なのだが、発生源から一番遠い檻の中だと効果が薄れて精々意識を失う程になる。

 

 

ルノア「アオイはここで待っときなさい」

 

アオイ「え、何で?」

 

ルノア「何でって…」

 

 

檻の中の女性達は、服と言える物を着ていない。ボロ布を無理矢理巻かれたような格好で、陰部等がもろに見えるような格好だった。

 

 

アオイ「…ごめん。察したわ」

 

ルノア「クロエ、手伝いなさい」

 

クロエ「面倒ニャ…」

 

ルノア「良いから来なさい!」

 

 

記憶とか消しといた方が良いのかねぇ? でも、それだと証言者が居なくなるし…

 

 

アオイ「あるであろうギルドの事情徴集が終わったら、消しに行くか。…めんどー」

 

 

態々ここに居る全員の所に行って、記憶消すのかよ…。考えるだけでだりぃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

 

 

 

 

 

 

 

 

速攻で(アオイが持)持ってきた(持ってこされた)服を女性着せて、ギルドに『◉▷番地の倉庫の地下に、女性が監禁されている』と手紙を送ったアオイ達三人は『グズリー商会』会長の家にやって来た。

 

家にやって来たのだが…

 

 

クロエ「見るだけでお金持ちってわかるニャァ…」

 

ルノア「眩しいわね…」

 

アオイ「…趣味悪いな」

 

 

三人は気持ち悪い物を見るような目で、家だと思われる物を見ていた。

 

会長の家はビカビカとネオンの輝くライトアップが施されており、まるでラブホだった。

 

 

アオイ「切実に、入るのやだなぁ」

 

 

三人の願いが一致した瞬間だった。

 

 

アオイ「でも入んないと行けないんだよなぁ…」

 

ルノア「ほんと、鬱になりそうだわ…」

 

クロエ「マジでキモいニャ…」

 

 

愚痴を隠す事すらせずに三人はジャンプで家の屋根に乗り、通気口を蹴破る。

 

 

アオイ「…やっぱり彼処の窓から乗り込もう」

 

二人『そうね(にゃ)…』

 

 

通気口から侵入しない理由? その~、蜘蛛の巣が…ね。通れない訳では無いんだけど、別にルートが無い訳では無いから無理して通る必要は無いかと思うんだ。

 

…ア゛? おいコラ、誰だぁ、今文句言ったのはよぉ?

 

 

アオイ「ほんと、ワイヤーって便利だよねぇ」

 

 

ワイヤーを柱に巻き付け、壁に足を引っかけながら降りる。

 

よし、蹴破って二人をキャッチするかね。

 

 

アオイ「せい…ヤッ!」

 

 

ビシッ! と大音を立てて窓ガラスが砕け散る。

 

粉のように舞散るガラスの破片が月明かりで輝くのを見届けながら、屋根上の二人に手を振る。

 

 

ルノア「ほっと…」

 

クロエ「ニャッ」

 

 

飛び込む様に入ってきた二人を抱き抱える。

 

 

アオイ「さて、まずは雑魚狩りだよな」

 

 

大きな音を立てたのだ。この家に仕える存在がゾロゾロやって来た。

 

 

アオイ「俺さ、戦う時はやっぱり化粧って大事だと思うんだ」

 

クロエ「戦う時にニャ?」

 

ルノア「なんでよ」

 

アオイ「だって、格好いいだろ? ()()()ってさ♪」

 

ルノア「悪趣味ね…」

 

クロエ「でも格好いいニャ。血も滴る良い男…ってニャ♪」

 

 

こうして、またもや地獄絵図が辺り一面を染め上げた。

 

 

響く悲鳴、飛び散る血潮、そして―――

 

 

 

 

 

 

 

 

アオイ「さーて、全員分の悪事を書いた紙を死体に刺しといたし。それでは最後のお楽しみと行きますかね」

 

 

 

▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん゛ー!!! ん……んんッ!!!」

 

?「これ、煩いぞ。静かにせんか」

 

 

灰色の混じった金髪の老人、グズリー・アルジャンは下品な笑みを受けべながら、両手を縛られた女性の身体を厭らしい手付きで撫でる。

 

 

グズリー「やはり、熟れた女の柔肌は良いのぉ。…じゃが、たまには幼い女の肌も…げふふっ…」

 

 

下品に涎を滴ながら、妄想内の幼女を撫でるグズリー。

縛られた女性は嫌悪に染まりきった眼でグズリーを睨み付けていた。

 

 

グズリー「…なんじゃ。儂はお前の()()()じゃぞ? 何をそんな目を向けるのじゃ!!!」

 

 

平手打ちで乾いた音が部屋に響く。

 

 

グズリー「こやつにも飽きてきたのぉ」

 

 

胸部を握るように鷲掴みにし、ニタァと笑みを浮かべる。

 

 

グズリー「お主、まだ処女だったよのぉ? 楽しめるだけ楽しませ貰うとするかのぉ」

 

 

女性は口の中に布が詰められているせいで、叫び声をあげる事が出来ない。

 

そもそもこの部屋は防音設備が施されて居る為、もう女性は最悪の結末しか残っていない。

 

 

…だが、そんな『bad ending』は誰も望んでいない。

 

 

   ガンッッッ!!!

 

 

グズリー「なんじゃ、この音は?」

 

 

小さいが、鋼鉄の壁に凹みが一つ。そして…

 

 

ガンッ! ガンッ!! ガンッ!!!

 

 

何重にも重なる音と共に、壁に大きな凹みが増える。

 

 

グズリー「一体なんじゃ! 誰も居らんのか! …いや、声が聞こえんのか…」

 

 

ガンッ!!!ガンッ!!!!

 

 

 ギイィィイィッッッ!!!!!

 

 

グズリー「ヒィッ!?」

 

 

鉄の壁を破って、黒い刃が飛び出してきた。

 

弧を描く黒の刃がゆっくりと壁を裂き初め、グズリーは怯えながら女性から離れて裂け始めている壁の反対側まで転がる様に逃げた。

 

 

そんな中、破られた壁から入ってきた少年は…

 

 

アオイ「お兄さん、レイプはいけないと思うんだぁ~♪」

 

 

何かニコニコしながらそう言った。

 

 

ルノア「登場して早速何言ってるのよ…」

 

アオイ「だってそうだろ? 愛のあるセッk『自主規制』が一番だろ?」

 

ルノア「だから何を言ってるのよ!」

 

アオイ「和姦が一番だよッ!」

 

クロエ「アオイはイチャラブと言うよりも軽いSMニャ…」

 

 

何もわからないグズリーと女性は、何が何だか理解できずにポカンとしている。

 

 

アオイ「…さて。お茶目なジョークはここまでにしてと」

 

クロエ「お前がグズリーかニャ?」

 

グズリー「な、何なんだお前達は!」

 

アオイ「執行人で~す! 罪を犯しすぎたお前を無惨に殺しに来ました~♪」

 

 

あ、『変なおじさんです』って言った方が良かった? でも俺、まだまだ若い…こほん。永遠の17歳(要するに御高齢)だからさ。キラッ!

 

 

アオイ「お前だよな、オラリオで禁止されている奴隷売買グループのリーダーは?」

 

グズリー「な、何の事だか…」

 

アオイ「そもそもレイプしようとしてた時点で犯罪。あと、お前の犯罪歴は全部調べあげてるし」

 

 

え、いつの間にって? ふっふっふ。さっき殺した野郎共が命乞いにと話してくれましたよ。もちろん…

 

 

 

『私達は言われてこうして居たんです! そうでもしないと家族が…!』

 

グズリー「な…ッ!」

 

 

持っていた半透明の青い石から無数の声が聞こえる。『録音石』と言う物だ。

 

 

アオイ「可哀想だよねぇ。結局、コイツも犯罪やってた時点で執行対象だったけどね♪」

 

 

執行対象、要するに殺したのだ。

 

 

アオイ「自分の家族が危ないなら、ギルドなり『正義のファミリア』に相談すれば良かったろうにね。ガネーシャとかは絶対に動いたよ? 彼奴は【群衆の王】だしね」

 

 

そうすれば良かっただけだ。家族に監視が付けられていたらしいが、彼自身は信用されていたらしく監視が無かったらしい。

 

なら、相談が出来た筈だ。

 

 

アオイ「抗いもせずに、家族を巻き込んで、自身以外の人生を何十も奪ったんだ。…殺されたって文句は言えないだろぉ?」

 

 

クツクツと彼は小さくはにかむ。

 

俺の方が、人生以上に命を奪っているけどね。…でも、まだ死ぬ訳にはいかないんだよね~。目標が終われば…自身で命を絶つさ。

 

まぁ、()()()()()の話だが。

 

 

アオイ「さて、後はお前を殺すだけだね。お兄さん、寝たいんだよね。早くベットで休みたいなぁ~♪」

 

 

目を凝らして見てみると、アオイの頬にはベットリと赤い液体が付着していた。

 

それが、何十もの命を奪ったのだと言う事を物語っていた。

 

 

グズリー「お、お前の目的はなんなのだ!」

 

アオイ「何って、お前を殺す事だけど?」

 

グズリー「なぜだ!」

 

アオイ「馬鹿なの? 言ったじゃん。罪を犯しすぎたんだよ」

 

 

最近はわりと平和だったんだぜ? 大きな犯罪とか、災害が無かったからね。

 

でもさぁ、それを壊したんだよ。お前が。いや、お前()が。

 

 

アオイ「…こんな話をしてる間に女性を助ける二人に惚れるな(笑)」

 

グズリー「なにぃ!?」

 

クロエ「本当に気付かなかったのかニャ?」

 

ルノア「チッ。気付かれたらぶん殴ってたのに…」

 

アオイ「わぁ、怖い♪」

 

 

グズリー「(この隙に…!)」

 

 

グズリーはポケットの中に入れていた折り畳み式ナイフを取りだし、アオイへとその刃を向けて走る。

 

 

アオイ「あは、おっそ♪」

 

グズリー「えっ…?」

 

 

アオイの笑い声を聞きながら、グズリーは違和感を覚えた。

 

 

妙に腕が熱いのだ。「なぜだ?」そう思いながらその腕を見ると…

 

 

 

グズリー「ギャヤアアァアァァァアァァァ!!!?」

 

 

お察しの通り、アオイが目にも止まらぬ早さで切り落としたのだ。

 

腕から辺りに撒き散る鉄の異臭、紅に染められてゆく白磁のベット、それに喜ぶ一人の少年。

 

 

 

アオイ「あはは♪」

 

 

ここに他人が居れば、誰もがアオイの事を狂っていると言うだろう。

それも当たり前だ。血を浴びて喜んでいるだから。

 

 

アオイ「…く、ククッ……クククッ!!!」

 

 

まずは腕。

 

 

グズリー「ヒギイィイイィィィ!?」

 

 

次は煩いその口、喉を。

 

 

グズリー「―――――ッッッ!!!!?」

 

 

次に足、次にその醜い顔を。

 

 

「さぁーて。じゃ、執行の始まりだ――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――精々、醜く藻掻いてくれよ? ククッ♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 

 

 

 

 

 

 

 

アオイ「こうして、醜き人身売買の悲劇は終わりを告げたのでした~。ちゃんちゃん♪」

 

?「あのなぁ…」

 

アオイ「でも、しっかり理由があって殺したし、良いだろ? シャクティ?」

 

シャクティ「はぁ…頻繁に執行人が現れてどうする…」

 

アオイ「てへぺろ☆」

 

シャクティ「キモいぞ」

 

アオイ「酷ッ!?」

 

 

結局、『グズリー商会』は摘発された。…とは言え、もう裁かれる者が居ないのだが。

 

 

アオイ「でも大丈夫。猛毒を塗った鎌と【血液操作(ヴァンパイア)】で拷問の数倍の苦痛を与えながら殺したからよ」

 

 

【血液操作】で出血を押さえ、触れた場所から激痛を発する猛毒で更に痛め付ける。

 

気絶しては痛みで跳ね起き、また痛みで気絶。それを何度も繰り返す達磨の様は愚かで滑稽で、とても面白かったものだ。

 

 

アオイ「ついでに、囚われていた女性全員の記憶を改変したから。この事件はあったようで無かった、無かったようであった物に…矛盾な存在になったって感じかな?」

 

シャクティ「…この件については感謝している。が、少しやり過ぎだ」

 

アオイ「そうか?」

 

シャクティ「流石に皆殺しは無いだろ…」

 

アオイ「そう思って無いだろ?」

 

シャクティ「…私もお前と同じ事をしただろうからな」

 

 

話が合って何よりだ。

 

 

アオイ「さて。俺はもう行くな?」

 

シャクティ「そうか」

 

アオイ「あぁ。ちょっとした用事があるんだよ」

 

 

喫茶店の窓から飛び降り、屋根を駆ける。

 

 

俺には、明かりの下で生きる価値など無い。

 

それでも、俺は構わないと思っている。

 

 

俺にとっての正義は、『何時か自分が消える前に、彼女達の害悪を少しでも減らす事』だ。

 

その為ならば、俺は何度でも悪を成す。血を被り、狂気を演じよう。

 

 

ルノア「あ、やっときた!」

 

クロエ「十分の遅刻! 遅いニャ!」

 

アオイ「あー、ごめんごめん」

 

 

明かりの下で生きる価値など無い。

 

 

でも、闇の中でなら…

 

 

アオイ「さて、ご褒美デートと行きますかね」

 

 

そんな事を考える俺は、相当な甘えん坊なのだろう。

 

 

 

まぁ、それでもいっか。…彼女達の笑みが見られるのなら…

 

 

 

 

 

少し寂しそうに化け物は笑みを浮かべて――

 

 

 

 

 




アオイは一体何を考えて、何をしたいと思っているのだろうか?

…それを知るには、まだ早い…かな?


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