めちゃ強八幡君のお話し   作:ブルーローズ

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寝る前に好きなキャラでテキトーにお話しつくるじゃん?
これはあの妄想を小説にしてみたものだから設定とか穴だらけだぞ。


始まり

俺の現実は虚しいものだ。

 

「…おや?こんな所に生きた人が来るとは、不思議な事もあるのですね」

 

俺の現実に、俺は要らない存在だった。

 

「ずっとここにいたい?それはダメですよ。」

 

俺の現実はとても脆くてすぐに壊れてしまう。

 

「では、こうしましょう。君がここにくる度に私がここから帰りたくなるほど大変な勉強をしてあげます。」

 

俺の現実は夢の中にあった

 

「大丈夫です、きっと無駄にはなりません。」

 

俺は-………………………「お兄ちゃん!!」

「ん、」

「初日に寝坊なんて、神さま仏さまお母さまが許してもこの小町が許さないよ!」

「…はぁ」

 

俺、こと比企谷 八幡は今年というか今日から高校2年生になる。

朝からかわいい妹の顔に起こされるのはお兄ちゃん名義につきるが、もう少し静かに起こしてほしいのが本音だ。そんなこと言えばもっと煩くなるのは分かりきってるから決して言わないのが賢いお兄ちゃん。

 

「もう、起きたから腹の上からどいてくれー」

「やーだ!この腹筋を愛でるのが小町の日課なんだからもう少し我慢して!」

「勘弁してくれよ…」

「小町悪くないもん!こんな素晴らしい筋肉してるお兄ちゃんが悪いだもん!」

 

やり始めたのはごく最近始めたフェチ全開の日課は寝坊した日にはやめてもらいたい。

小町が満足するまで待ってる間にウトウトしたから朝ごはんの前に顔を洗いに洗面台へ行く。鏡を見るといくら整えてもそこにいるアホ毛と、遺伝子がエラーでも起こしたんじゃないかってくらい死んだ目に似合わない身体があった。

 

「この身体が唯一の思い出か…」

 

夢の中で出会ったあの人…いや、人と言うには問題があるのかもしれない。

古代ギリシャの大賢者。多くの英雄を育てたケンタウロス。

俺は夢の中で彼に出会い多くを教わり、現代では無用な程に強く育てられた。

今はもう聞くことも調べることも出来ないが、昔の俺は夢として別の世界にでも行っていたようだが、この身体と思い出以外にそれを証明するものがない。

 

「…少し弛んだか?久しぶりに鍛えるか」

「え、嘘お兄ちゃんまだ鍛える気?頭おかしいんじゃないの?」

「…そういうとこ結構好きだぞ小町ィ」

「ちょっ、やめてあたまが割れちゃうよぉ!」

 

いつの間にか洗面所まで来てお兄ちゃんに素敵な言葉をかけてくれた妹の頭を撫でて上げると声を上げて喜んでくれた。やっぱり可愛いなぁウチノイモウトハ

 

 

 

 

 

 

_______________________________

 

「まずは自己紹介をしましょうか」

 

彼は優しく笑みを浮かべてこちらに語りかけてくれた。

 

「人が嫌いだから私も嫌い?フフ、私はそもそも人じゃないですし、私は基本的に初対面の人に嫌悪感は抱かないので安心してください。」

 

彼は優しく関係をつくるための選択肢をくれた。

 

「ここは…そうですね、君にわかりやすく言えば死後の世界でしょうか?いや、君は死んでるわけではないから少し違いますね。」

 

彼は優しく疑問を解いてくれた。

 

「単刀直入に言って君がここにいるのは異常な事です。なので、今後二度とここに来たくないと思うようにして意識から変えて見ましょう。」

 

彼は優しく突き放し続けてくれた。

 

 

_______________________________

 

 

 

「…懐かしい夢だ」

「そうかそれは良かったな。しかし、授業中に見るものではないだろう?うん?」

「……はい」

 

どうやら、授業中に眠ってしまったらしい。久しぶりの運動は思ってた以上に体に疲れを残していたようだ。

 

「やけに疲れているようだが運動でも始めたのか?体を動かすのは良いことだが、それを理由に学業を疎かにするのはいかんぞ?元々話したい事もあったからちょうどいい、放課後職員室に来るように。」

「わかりました」

 

周りからクスクスと笑い声が聞こえる。罵倒や嘲笑だけじゃなく俺が誰かと言っている奴らもいる。

人のことを言えないがクラスメイトの名前くらい覚えとけよ。

これがこのクラスでの俺の立ち位置であり俺の現実だ。どれだけ強い身体を持っていようが、かわいい妹が朝起こしに来てくれようがこの現実だけは変わらないし変える気は無い。

 

_______________________________

 

「喧嘩をした?」

 

俺は強くなった

 

「それはいけませんね。」

 

誰にも負ける気は無い

 

「少しお灸を据える必要があるようです。」

 

理由なんてなんでも良かった

 

「約束では無闇に力を奮わないはずでしたが?」

 

証明したかった

 

「フフ…やはり君はわかりやすいですね」

 

もう、十分強くなった

 

「さて、本気じゃないと私には勝てませんよ八幡君?」

「怪我しても知らないですよ、先生!!」

「やはり、これくらいの威勢があった方が私も殴りやすいですね」

「そんなこと言ってられるのも今のうちだけだァ!」

 

 

多分これがあの人との最後の思い出だ。

 

 

_______________________________

 

「奉仕部?」

「そうだ。君はいつもすぐに帰って暇だろう?」

「いや、勉強とか色々やってますよ。」

「ほぉ?なら、その意欲を部活に回して交友関係を広めてみたまえ」

「んな、理不尽な」

「教師とはそういうものだ。諦めたまえ」

 

この人…平塚先生は俺のクラスの担任だ。基本的には生徒思いの熱い教師だが、結婚どころか彼氏の1人もいない辺りこの性格が関係してるんだろう。

「何か言ったか?」

「いえ 何も!」

どうやらテレパシーを使えるらしい。

 

「さて、ここが奉仕部の部室だが…比企谷?」

「ん?どうしました?」

「やけに静かだが具合でも悪いのか?お前のことだから文句の1つでもあるんだろ?」

「まぁ実際暇ではありますし…入部届けもないんです絶対入れってわけでも無いんでしょ?」

「書類関係なら既にテキトーに用意したものがあるぞ」

「強引な女はモテないですよ?」

「これくらい我慢できない男とは付き合う気は無い。あと、次言ったら殺すぞ?」

「ヒェ…」

 

中に入ってみると奉仕部の部室は空き教室を適当に片付けたものだった。真ん中に机と椅子が一つずつありそこに一人の女学生が座っている。

 

(ああ…見たくなかった顔だな)

 

俺はこの女学生を知っている。高校入学初日に俺を轢いた車に乗っていたからだ。常人では見るどころか轢かれた時点で意識を失うか痛みで周りなんて見えてないだろうけどが、俺には見えたし普通に動けた。だから、知っているし気まずいから見たくなかった。

 

「あなたは…」

「お久しぶりです…?」

「二人は知り合いだったか?なら、ちょうどいい。雪ノ下、こいつは今日から奉仕部に入る比企谷 八幡だ。比企谷、あいつは現在奉仕部の唯一の部員であり部長の雪ノ下 雪乃だ。」

「先生、彼がこの部活に入るなら私はこの部を辞めます。」

「先生、こいつもこう言ってるのでやっぱり帰っていいですか?」

「二人とも却下だ」

 

多分だが先生は俺達の関係…と言うより事故を知っているのだろう。知っているなら俺達を会わせるどころか、同じ部に所属させようとは相当な度胸だ。

 

「…はぁ、二人共。私は別にいじわるでこんな事をしている訳では無いんだ。お互いの事を知っているなら嫌いあっていても不思議ではない。と言うか納得する。」

「おい」

「だがな?二人は面と向かって話をしたことはあるか?」

「彼と話せば蟠りが解けると?」

「知らん。だが、しないよりはマシだろう。」

 

謎の説得力があるが経験則か何かか?

 

「…分かりました」

「マジかよ」

「よし!では、後は若い二人に任せて私は職員室に帰らせてもらおう。」

「ちょっ「さらばだ!」」

 

何がよし、何だろうか。と言うよりもそこそこデリケートな問題なのにテキトーすぎやしないか?

 

「比企谷君…先に言っておくけどあの事故に関しては既に謝罪もしたし、それ相応の謝礼金も出したわ。」

「安心しろ。車自体そんなに早くはなかったし受身をうまくとれたから後遺症も何もない。」

「そう…」

「そうだよ…」

 

なんとなくだが今の一言で彼女の見え方が変わった。まさか、教室でのんびりしてたら昔怪我をさせた人が急に来たのだ。彼女も相当不安だったのだろう。それを押し殺しながら平然とした態度を保ちながら俺から距離を置こうとした。

彼女は強いと思っていたがこの様子だと中々に脆いようだが、それにしてももう少しこっちを見てくれてもいいんじゃないか?本の続きを早く読みたいなら申し訳ないが、話をする時くらいは目を合わすように教わらなかったのかね?

 

「……部長さん?」

「…呼び方に困るのなら雪ノ下でいいわ」

「じゃあお言葉にあまえて、雪ノ下?」

「はぁ…わざわざ呼び直してまでなんの用?正直私はあなたと話したくは無いわ。」

「それだ」

「え?」

「なんで俺を避けようとするんだ?別に事故に関しては何も思ってないし、こっちから何か仕返ししようとも考えてない。それなのになんで俺と目を合わせようとしない。それどころか手元の本から一切視線を動かさないんだ?」

「……これは話した方が楽になりそうね」

「は?」

「あなたと目を合わせようとすると吐き気がするのよ。」

 

ちょっと傷付いた。

 

「あなたのその目が私を見てる気がするのが嫌なの。」

「おい。さすがに目が死んでるだけでそこまで言われる筋合いはないぞ?」

「目が死んでるからという訳では無いわ…自覚は無いだろうけどあなたと私は一度目を合わせてるのよ?」

「おいおいこの学校で雪ノ下と会ったことなんてない……俺が轢かれた時か?」

「そうよ。車の前を飛んでく人が死んだ目でこちらをハッキリと見ていたのよ?正直トラウマものだったわ」

「すまんな、生まれつき目付き悪くて。」

 

思ってたよりも話してくれて嬉しいが…どうやらとんでもないことでトラウマを植え付けてたようだ。もう少し違うとこにトラウマ感じてほしいんだけどなぁ…人を轢いたとことか。

どうやら俺の身体は思ってたよりも変な所で人並み以上の働きをしているようだ。まさか轢かれた後にどんなやつが乗ってたのか記念に見とこうとしたらこんな事になるだなんてな。

 

「ふぅ、先生が言った通り話してみると少し楽になるわね」

「楽しくは無いがな。」

「私なんて傷口を広げられたのよ?少しは我慢して。」

「お?なんだもっと傷増やしてやろうか?」

「ちょっとそのキモイ顔でこっちを見ないでくれるかしら?トラウマが増えてしまいそうよ…」

 

_______________________________

 

あの日の事は今でも覚えている。

登校中車の前に子犬が飛び込んできた。

車のブレーキ音がけたたましく響いた。きっと間に合わない。

車の前に青年が飛び込んで来た。子犬を助けるためだった。

車が青年とぶつかった。青年は車の前へと飛ばされていった。

 

そこで青年と目が合った。

 

その目はまるでこっちを怨んでいるように濁りきっていた。

あの目を忘れられない。子犬が助かったことが唯一の私の心の支えとなった。子犬の飼い主に謝罪をする時に少し触らせてもらった。

あの目を忘れられそうだった。

 

 

「お久しぶりです…?」

 

ああ…見たくない人が来てしまった

 




キャラクター像は一二年前に読んだ原作を元にしてるから十中八九違うだろうから次出す時があるなら頑張って治す気ではいる。


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