第1話
高坂健太達が天童達と交戦していたその頃・・・・・・
−小笠原諸島近海の孤島−
孤島に佇む巨大な建物の一室にカプセルの中で静かに眠る少女を見る謎の男がいた。
男「・・・・・・」
男の名は「老鬼(ラオグウェイ)」かつて東城会の堂島組という極道組織にいた殺し屋で大陸系の裏社会ではかなり有名な殺し屋で大陸系で一番金がかかるとまで言われるほどの男である。そして部屋に吉信が入ってきた。
吉信「失礼します、お待たせして申し訳ありません。」
老鬼「・・・・・・」
吉信「さて、私も長話は好きではないので単刀直入に言います。貴方に仕事を提供したい。」
老鬼「・・・奖励是什么?」
翻訳「・・・報酬は?」
吉信「もちろんありますよ。貴方を雇った前金一千万に更に上乗せして四千万・・・悪くはないと思われますが?」
老鬼「你的职业是什么?」
翻訳「仕事の内容は?」
吉信「受けていただけるのですね、ありがとうございます。では早速仕事の内容ですが・・・。」
吉信は後ろの少女が眠るカプセルに指を指した。
吉信「あなたにはこのカプセルを守って頂きたい。」
老鬼「什么?这就是全部?」
翻訳「なに?それだけなのか?」
吉信「私の敵対組織がこのカプセルの少女を取り返しに来ます。その組織は本土の神浜市で活動していて中々手強いのですよ。ですので、このカプセルを守る為ならどんな手を使っても構いません。殺すことも許可致しますよ。受けて頂けますね?」
吉信の問いに老鬼は静かに頷く。老鬼の瞳には黒い炎が静かにうねりを上げている。
吉信「ありがとうございます。あなたに多額の金を積んでまであの暗い「拷問部屋」から助けたかいがありましたよ。」
老鬼は堂島組に雇われていた時、堂島組組長「堂島宗平」が東城会三代目会長の座に付くための協力者として暗躍したが「嶋野の狂犬」と呼ばれた男に敗北し拷問部屋「穴倉」へ送られたが堂島組や東城会三代目会長が立ち上げた「日挟連」が無くなった事と吉信が多額の金を積んで買収し、奇跡的に穴倉から開放された。
吉信「貴方の殺しの腕は大陸一と聞いています。頼みましたよ。」
吉信はそう言ってこの部屋を後にする。吉信が部屋から出ると巧が待っていた。
レイゴウ「ずいぶん長いお話してたじゃないか。」
吉信「ええ、彼から信用を得るためにはこのくらいしないといけませんから。」
レイゴウ「お前も流石に焦ってるのか?四千万積んであの殺し屋を雇うなんてな。」
吉信「正直マギアユニオンがここまでの抵抗を見せるのは予想外でした。しかし、まだ私には策はたくさんあります。まぁ焦る事はありませんよ。」
レイゴウ「だな、ところでカプセルに入っていたあいつはどうする?」
吉信「最初は処分も検討していましたが・・・敢えて生かしておくことにしました。」
レイゴウ「マギアユニオンの連中を釣るためか?」
吉信「そのとおりです。特に彼女は「高坂健太」の妹ですから真っ先に大将格を潰したほうが効率は良いでしょうし。」
レイゴウ「なるほどな。」
吉信「ふふ、彼らはどうするのでしょうねぇ。」
不敵な笑みを浮かべながら吉信と巧は闇に消えていった。