ネオマギウスとの戦いから翌日、いつも通りの朝を迎えた健太は由美を助けたい思いで総乃助から連絡を待っていた。
健太「・・・・・・」
壮介「携帯にすげぇ睨み合ってんな・・・。」
俊「総乃助さんから連絡待ってるんでしょうか・・・。」
やちよ「まぁ気持ちは分かるわ。船が用意できるまでかなり時間がかかってる可能性があるわね。」
鶴乃「でも由美ちゃんの居場所がフェントホープから小笠原諸島の孤島に移されてるって・・・」
さな「健太さんの妹さんを孤島に移して何をする気なんでしょうか?」
壮介「分からねぇ・・・でも恐らく裏で吉信が関わってるのは確かだな。龍二は分からねぇが・・・。」
やちよ「今だに音沙汰が無いのが気になるわね・・・」
フェリシア「でも健太の妹だろ?大丈夫だと思うぞ?」
俊「どうしてそう思うんですか?」
フェリシア「健太がつえーから妹もつえーだろ!にゃははは!」
俊「えぇ・・・」
うい「俊さん反応に困ってる・・・」
俊「あはは・・・なんて言えば良いんだろ・・・」
健太「・・・・・・」
いろは「健太さん。」
健太「ん?」
いろは「私も、ういがいない時はホントに心苦しい思いがたくさんありました。由美ちゃんはきっと大丈夫だと思います。」
健太「俺もそう信じたいんだがな・・・。」
いろは「はい・・・あっ!」
健太「っ!」
すると健太のスマホの電話が鳴り連絡主は総乃助本人からですぐさま電話を手に取る。
健太「もしもし!」
総乃助『おはよう健太君。昨日言っていた船が用意出来た。今からでも小笠原諸島に向かえる準備の手筈は整っているよ。』
健太「ホントですか!?」
総乃助『ああ、一応君の兄の通君と宇佐美君にもこの事は伝えてあるから気にせずに南凪区の埠頭に来てくれ。ただ・・・』
健太「ただ・・・なんすか?」
総乃助『船には人数制限があって君達の内の5人しか乗れない。だから来る際は誰が向かうかを決めてきてほしい。』
健太「分かりました。何から何までありがとうございます。」
総乃助『気にしなくていいよ。こういうのは僕の仕事でもあるからね。それじゃ。』
壮介「なんて言ってた?」
健太「船の準備が出来たらしい。でも人数制限があってだな。」
いろは「人数制限ですか。」
健太「ああ。」
壮介「人数は何人までなんだ?」
健太「一応5人までなんだか悠太さんと兄貴がサポートに来てくれるらしいから3人だな。」
うい「・・・・・・」
いろは「うい?」
うい「健太お兄ちゃん。私がお姉ちゃんの代わりに行かせて!」
健太「え?」
いろは「うい!?」
うい「私がイブに閉じ込められてる間にお姉ちゃんとお兄ちゃんはいっぱい戦って・・・今度は私が行きたい!お願いお兄ちゃん!」
健太「うい、お前・・・」
いろは「うい、大丈夫・・・?」
うい「うん!私は大丈夫!」
やちよ「なら、私もついていくわ。悠太君と通君がいるなら大丈夫だろうけど一応年長者が三人いれば健太君とういちゃんをサポート出来るわ。」
いろは「やちよさん・・・」
健太「いろは、大丈夫だ。ういに傷一つつけやしねえよ。だから安心して待っててくれ。」
いろは「・・・はい!」
壮介「よし!なら俺らは見送りだ。マギアユニオンの代理は任せとけ!」
健太「ああ、頼むぜ壮介。」
壮介「おう!」
健太「よし、なら行くか!待ってろ由美!必ず救ってやるからな!」
そう言って、健太達は南凪区の埠頭へ向かう。南凪区の埠頭につくと、海上に中型のボートが停泊しており、そこに総乃助達がいた。
通「お、来よったな。」
健太「兄貴達が早かったみたいだな。」
通「まぁな、それよりもう総乃助はんから聞いとるやろが由美が居る孤島の場所を特定出来たそうや。」
総乃助「君達の中で宇佐美君と藤村君と一緒に向かう人は誰かな?」
健太「俺とやちよさんとういが向かいます。」
悠太「いろはの妹が向かうのか。」
うい「はい!よろしくお願いします!」
悠太「ああよろしくな。」
いろは「うい、分かっているとは思うけど、絶対に無茶は駄目だよ。」
うい「うん!」
総乃助「由美ちゃんの居る孤島はどうやら数年前に吉信が多額の金を積んで購入した孤島、つまりその孤島は第2のネオマギウスの本拠地に足を踏み入れる事になる。僕から言えることは一つ、必ず生きて帰ってきて下さい。」
健太「分かってますよ、俺はまだまだ死ぬつもりは無いですから!」
悠太「俺もあんな絶海の孤島でくたばる訳にはいかんからな。ましてや帰る人がいるのにそれを無視してくたばりはしない。」
やちよ「そういえば、孤島という事は何かしらの仕掛けとかはないの?」
総乃助「一応念の為調べてはみたんですが、防空システムや海上地雷等のものは見当たりませんでしたね。ですが、孤島の隅々までは把握できていないので陸に上がった時はもしかしたら何かしらの仕掛けが施されている可能性は高いですね。」
通「多分やが、ワシらが陸に上がったらネオマギウスの構成員がなだれ込んでくるのは確かやろな。」
健太「そう言う時は十間の力も使うほかないかもな。」
総乃助「かもね。よし、なら船の運転は宇佐美さんがしてくれるのかな?」
悠太「ああ、任せろ。」
健太「悠太さん船運転できるんすか?」
悠太「昔俺の親父が船好きでな、その際に船を運転するための基礎は叩き込まれたわけだ。」
通「なら安心やのぅ。孤島につくまで気楽に出来るわ。」
健太「そう言って油断するなよ兄貴?由美の命運がかかってんだからな?」
悠太「健太の言うとおりだぞ。」
通「んなもんわかっとるわ!ほら、はよ行くで!」
悠太「はぁ、いつも通りだな。」
総乃助「宇佐美さん、これが孤島へのルートです。この建物が見えたらそこに上陸してください。」
悠太「わかった。よし、少し揺れるぞ。」
健太「待っとけよみんな!壮介!後は頼むぜ!」
そう言って健太達5人は孤島へ向かった。
−小笠原諸島近海 孤島付近−
悠太「そろそろルート的にこの辺りだろう。」
目的の孤島付近に近づくにつれ孤島は壮大に健太達を迎え入れる様に現れる。
健太「これが由美のいる孤島・・・」
悠太「確かに建物が立っているな。」
通「こんな太平洋側に面してる孤島で何しとるんやネオマギウスは・・・。」
やちよ「上陸してみたら全て分かると思うわ。あの孤島からは嫌な魔力しか感知しないから。」
健太「気づいてましたかやちよさん。」
やちよ「えぇ、多分船に乗ってる皆は気づいていると思うけど。」
通「せやな、この島からは悪い魔力しか感知せぇへんわ。よっしゃ、戦の準備や!」
悠太「そろそろ上陸するぞ、準備しておけよ。」
悠太はそう言って船着き場に船を停泊させ、健太達が降りると孤島の入り口からどこか物々しい雰囲気が漂っていた。
健太「まだ昼間だってのにどこか不気味だな。」
うい「うん・・・なんだかお化けが出そうな雰囲気・・・」
通「安心せぇういちゃん、ワシらが付いとる。」
悠太「今回はういを守りながら健太の妹を救出する事だ。」
やちよ「あなたには傷一つ付けさせないわ。」
うい「みんな・・・ありがとう。」
健太「よし、なら行くぞ!」
戦闘BGM「Recapture serenade」−龍が如く6−
健太達は警戒しながら進んで行くと道の先に複数人の姿があった。そして健太達を見るや戦闘態勢に入った。
構成員1「連中が来たぞ!」
構成員2「迎え撃て!!」
うい「お兄ちゃん!来るよ!」
健太「ああ!みんな、行くぞぉぉ!」