健太達が孤島へ向かい、壮介達は神浜に残った。
総乃助「行ったようだね。」
壮介「ええ、あいつは絶対に由美を連れて帰ってくるでしょう。」
鶴乃「じゃあ私達がマギアユニオンの代理だね!頑張るぞー!」
フェリシア「おー!」
俊「でも、少し気になることがあるんです・・・。」
壮介「ん?どうした俊?」
俊「龍二さんの率いているネオマギウスの行動がやけに静かだなって思いまして・・・。」
壮介「そういや、やけに静かだよな・・・前みたいに幹部集が動いてるならまだしも兵隊もあまり見ないというか・・・。」
さな「まるで鬼のいぬ間を狙ってるみたいです・・・。」
いろは「健太さんがいない間に何もないといいんですが・・・。」
総乃助「その点に関しては逐一君達に伝えるつもりだよ。一応監視カメラを使って神浜全面に目は光らすから大丈夫だよ。」
壮介「ありがとうございます。」
総乃助「さて、そろそろ自分も場所に戻るとs・・・ん?」
すると総乃助の電話が鳴りそれに出る。しばらく話していると急に慌て始めそして電話を切って壮介達にある事を話した。
総乃助「君達に伝えなければならないことが起きた。」
壮介「どうしたんすか?」
総乃助「・・・どうやらネオマギウスが本格的に動き始めたようだ。」
壮介「どういう事っっすか!?」
総乃助「今日朝方に参京院教育学園に通う男女の魔法少年少女がネオマギウスの構成員に銃撃されたそうだ。」
壮介「何っ!?」
−数時間前−
男子生徒「今日どこで昼飯食おうか?」
女子生徒「あっ、ならあそこにしない?最近美味しそうなタピオカ店が出来たの!」
男子生徒「おっ!ならそこに行ってm・・・ん?」
女子生徒「どうしたの?」
男子生徒「何だあれ?」
参京院教育学園の魔法少年少女は偶々お昼で外食をするために外にでており、魔法少年少女の目の前にある人物が立っていた。
吉信「・・・ソウルジェムを当てない程度に・・・」
吉信「・・・撃ちなさい。」
バァンバァンバァンバァン!!
男子生徒「なっ!?うわぁ!?」
女子生徒「きゃあ!?」
壮介「その子らは無事なのか!?」
総乃助「命に別状は無いそうだ、幸いソウルジェムが狙われなかったのが幸運だったな。」
いろは「でも、どうして吉信さんが・・・!?」
総乃助「吉信はネオマギウスの中では龍二の次に偉い。つまり龍二が吉信に任せていれば兵隊に指示を出せるのは吉信本人でも可能というわけだ。」
俊「吉信は一体何を考えているんでしょうか・・・。」
総乃助「分からない・・・ただ、前回のワルプルギスといいエンブリオ・イブといい、恐らく今回も裏で糸を引いているのは間違いなく吉信だ。しかも本格的に動き出したネオマギウスの中でアリナも関わってる。」
壮介「だろうな、とにかく他の仲間達にネオマギウスが動き出した事を伝えないと!」
総乃助「僕はとりあえずネオマギウスを今動かしているアリナの居場所を特定する。それにどうも動いた訳はマギアユニオンを攻撃するだけじゃなく、キモチにまで攻撃したみたいだね。」
俊「キモチですか?」
総乃助「君達が一度戦っていた相手だよ。ほら、数日前のあれ。」
壮介「・・・・・・あっ!」
総乃助「思い出したみたいだね。」
壮介「(そうだ・・・あのとき、確かに魔女でもなくウワサでもない化け物と戦っていたな。あれがキモチという化け物なのか・・・!)」
総乃助「キモチというのは恐らくウワサみたいに人工的に生み出された訳ではなくその場所に住み着いた神様の魔力の「カケラ」という説があるんだ。だからこそ、僕はある引っ掛かりを感じることがある。」
鶴乃「引っかかること?」
総乃助「前に一度、柊ねむ君と合った際僕はこんな事を聞いたんだ。」
−数日前−
ねむ「九尾のウワサについて?」
総乃助「ああ、彼、高坂健太君はかつて君が作ったとされるウワサを健太君に憑依させたんだってね。だからその九尾ウワサもとい十間の事を知りたいんだ。」
ねむ「・・・・・・」
総乃助「どうしたんだい?」
ねむ「実は、あの本の中に入っていた九尾のウワサ、実はボクが作り出したものじゃないんだよ。」
総乃助「?どういう事だい?」
ねむ「本の中にいるウワサはボクが命を削って作るものなんだけど健太お兄さんに渡した十間は僕の魔力の何万倍もの魔力を持ってるからぼくは作れないよ。」
総乃助「なるほど、つまりその本にはかつて使っていた前任者がいたということかい?」
ねむ「そういうことになるね。それにこのウワサの本は元々キュゥべぇの話では神様が所有していたらしいけど。」
総乃助「神様・・・?」
ねむ「神浜神話の「八龍仙人」と呼ばれた神様だそうだよ。」
−現在−
壮介「じゃあという事は、九尾のウワサの十間はウワサじゃなく、キモチという化け物と一緒って事か!?」
いろは「しかも、八龍仙人って・・・?」
壮介「神浜神話の伝説上の仙人だ。なんでも八龍仙人には兄弟に「アサマ」という神様と「アスハ」という神様がいて兄の「アサマ」がこの神浜の基礎を作ったって言い伝えがある。」
総乃助「その通りだ壮介君。それを踏まえてキモチをくまなく調べると、どうやら「キモチ」という存在は神浜の東西南北を守る役割があるらしい。」
さな「じゃあネオマギウスの目的は・・・!」
総乃助「・・・この神浜を崩壊させる気だろうね。ましてや一度神浜を自分のアートと称したアリナなら、尚更の事だ。」
壮介「だとしたらかなりまずいな、早くアリナを食い止めないと!」
フェリシア「でもよ、そいつ居場所がわかんねーだろ?だったらこの兄ちゃんに調べて貰えよ!」
壮介「いや、ここまでしてもらって恩着せがましいだろ・・・。」
総乃助「大丈夫だよ、情報は僕の役割さ。ついといで」
壮介「総乃助さん・・・ありがとうございます。アリナといい、ネオマギウスは録なのがいねぇぜ・・・。」
壮介達は総乃助についていき壮介はある事を聞いた。
壮介「そういや、総乃助さんに聞いてみたいことがあったんですが・・・。」
総乃助「ん?」
壮介「総乃助さんはどうやってこんなサイバー能力を?」
総乃助「自分で言うのも何だが経歴はかなり特殊でね、僕は兄の正孝に族長の座を譲った後に関西まで飛んだんだ。」
俊「関西まで・・・?一体どうして」
総乃助「元々自分は機械工学とかに興味があってね、今でもサイバー関連の犯罪を取り締まる「京都府警」に在席してたんだよ。」
いろは「京都府警!?総乃助さんお巡りさんだったんですか!?」
総乃助「お巡りさんといってもそんな表には出られない裏方ではあったけどね。そこで6年位だったかな・・・それくらいの年月をかけてそういったサイバー関連の能力を取得できたんだ。正孝もあの世で頭が冷えただろうね。」
さな「サイバーの能力を得るきっかけをその正孝って人が何か言ったんですか?」
総乃助「そりゃあもう、小さいときから毎回事あるごとに僕を馬鹿にしては最後に「何の能力も持ち合わせない非力な役立たず」なんて言われた位だからね。」
鶴乃「ひどいよ・・・これだけ努力して今に至るのに・・・」
総乃助「まぁある意味兄には感謝だよ。だって兄がそう言ってくれなければこういう職につくことも無かっただろうし、もしかしたら君達とも出会えなかったかも知れないからね。」
壮介「人間、人生どうなるか分かんないっすからね・・・。」
総乃助「全くだよ。」
部下「総乃助様!アリナの居場所を特定致しました!」
総乃助「どこにいる?」
部下「アリナは北養区の山中、旧ホテルフェントホープがあった場所にいるようです!」
壮介「フェントホープだと・・・?」
いろは「どうしてそんな場所にアリナさんが?」
総乃助「理由は分からないが恐らくアリナの事だ。良くない事を考えているに違いない。途中でネオマギウスの羽根達に妨害される可能性も高い。」
壮介「だろうな・・・一応健太にも連絡しておかないと。・・・もしもし!今話せるか!?」
健太『どうした?緊急事態か?』
壮介「ああ!健太達が孤島に行ったのを見計らってネオマギウスが総攻撃してきやがったんだ!」
健太『何っ!?それでみんなは無事なのか!?』
壮介「今の所はな、けど他の仲間からは被害を受けた報告も来てる。総乃助さんの話ではリーダー格はアリナらしい。」
健太『アリナが・・・!?』
壮介「しかも、なによりやべぇのが前に戦ったキモチって奴を覚えてるか?」
健太『ああ、覚えてる。あの魔女でもなくてウワサでもない化物だな?』
壮介「そうだ、そのキモチを狙って俺達の妨害をしてるらしい。」
健太『そのキモチってやつを狙って・・・』
壮介「健太。」
健太『ん?』
壮介「アリナは俺達に任せてお前は由美ちゃんの救出に専念しろ。」
健太『壮介・・・お前・・・』
壮介「安心しろよ、俺達は伊達に衰えちゃいない。だからこっちは俺達に任せてくれ。」
健太『わかった。アリナの事は頼んだ。アリナがいるという事はかりんも何かしら動くかも知れない。』
壮介「ああ、それじゃ。・・・さて、健太達が帰ってくる前に俺達で解決するぞ!」
俊「なんとしても、アリナの目を覚まさせましょう!」
いろは「そのためにかりんちゃんにも協力してもらいましょう!」
壮介「ああ!この時間帯ならかりんは学校にいるな!なら栄総合に向かおう!」
そう言って壮介達は栄総合学園へと向かう。
−栄総合学園 美術室−
壮介達は栄総合の教職員に許可をとって学園内に入って美術室に向かう。
壮介「かりんちゃん!」
かりん「っ!?壮介さんに皆!?どうしたの!?」
いろは「壮介さんがかりんちゃんに伝えたいことがあって来たんだよ!」
かりん「え?」
壮介「かりん、アリナの居場所を突き止めた。」
かりん「っ!?本当なの!?」
壮介「ああ、俺は君の意志を尊重するからこそ君に腹を括って貰いたい。」
かりん「・・・・・・」
壮介「かりんちゃんも知っての通りだが、アリナは今ネオマギウスという組織にいる。その中にいるアリナは、君が思い描いているかつてのアリナとは変わってしまっているかも知れない。」
かりん「アリナ先輩・・・」
壮介「アリナに会う会わないかを決めるのはかりん次第だ。チャンスは今しかない。これを逃せばもう二度と会えない可能性もある。どうする?」
かりん「決まってるの・・・アリナ先輩に会いに行きたいの!」
壮介「・・・そう来ると思ってたぜ。」
かりん「たとえ性格が変わっていてもアリナ先輩なのに変わりないの!だからかりん、アリナ先輩の目を覚ますの!」
壮介「よし、ならぜひ俺達に協力してほしい!」
かりん「もちろんなの!」
鶴乃「うおぉっ!頼もしい仲間が揃ったね!」
壮介「ああ、かりんもいればいけるぜ!」
壮介達はかりんを仲間にし北養へと向かう。北養の山の付近につくと既にネオマギウスの構成員が辺りいた。
壮介「おぅてめえらぁ!わざわざこっちから来てやったぞ!歓迎しろやコラァ!」
構成員「あっ!マギアユニオン達だ!こっちにいるぞ!」
壮介「来やがった!皆武器を構えろ!来るぞ!」
戦闘BGM「get over it」−龍が如く極−
「アリナの元へ向かえ!」
壮介達は第一陣の羽根達を倒していく。第一陣を突破し、次に向かいその中で羽根達も必死で妨害してくる。
鶴乃「羽根達も本気で妨害してきてるね!でも最強の由比鶴乃の前に怖いもの無しだよ!!チャラアア!!」
俊「雑魚に構ってる暇はありません!突破口を開いたらすぐに行きましょう!」
そう言って構成員を蹴散らしながら包囲網を突破していく。そして・・・
壮介「はぁ・・・はぁ・・・ようやく見つけたぜ!アリナぁ!!」
そこにいたのは、紛れもなくアリナ本人がそこにいた。