魔法少年 ケンタ☆マグス 古の血を継ぐ者   作:マイスリッド

154 / 209
第4話

壱隆斎と会話した後宗雄は影信の元へ行く。

 

影信「あっ、宗雄さん。」

 

宗雄「よぉ影信、今時間あるか?」

 

影信「ええ、大丈夫ですよ。どうしたんですか?」

 

宗雄「近々だが、俺はここを離れようと思っている。これ以上あんなクズみたいな当主の元に居てもデメリットしかない。」

 

影信「そうなんですか・・・じゃあ話ってのは?」

 

宗雄「ああ、もし良かったらお前も一緒に来る気は無いか?」

 

影信「良いんすか?あっ、なら恵理子も連れて行って良いですか?」

 

宗雄「構わん。いずれは恵理子にも話をしないといけなかったから、お前が話してくれると助かる。」

 

影信「出るのは良いんすけど・・・行く宛はあるんですか?」

 

宗雄「神浜から約一時間くらい離れた場所に見滝原市と呼ばれた街があってな、そこでお前と恵理子と共に住もう。」

 

影信「そうっすね・・・」

 

影信もまたこの高坂一族に疑問を抱いていた。だからこそ宗雄の言葉に賛同した。

 

宗雄「俺の知り合いが数日後に車を回してくれる。そのときに俺の魔力を介してお前に話しかける。その時まで準備しておいてくれ。決行時間は一族の者達が寝静まった深夜に行う。」

 

影信「分かりました。覚えておきます。」

 

宗雄「ああ、頼んだぞ。」

 

影信「一族から離れるって事は本家に離反するという事になるか・・・。上等だ、こんな人道もクソもねぇ一族に用はねぇ・・・俺は恵理子さえ居てくれたらそれで良いんだ。」

 

影信は密かに恵理子を守るという決意を固めた。そして影信は恵理子にこの事を伝えた。

 

恵理子「えっ?一族を離れるの?」

 

影信「ああ、こんなクソみたいな一族に未練はねぇ。宗雄さんも一族を離反する。どうだ?一緒に来ないか?」

 

恵理子「・・・もちろん影信さん。私も両方の一族にはうんざりしていた所よ。」

 

影信「その言葉が聞けて感謝する。宗雄さんが言うには数日後に車を回してくれるらしい。そのときに魔力を介して俺に連絡をするそうだ。」

 

恵理子「分かったわ、詳しい日付を聞いたら教えてね影信さん。」

 

そう返事して数日後まで待つ。そして数日たった日、宗雄さんから連絡が来た。因みに、この時代の連絡手段は「ポケベル」か公衆電話以外に連絡する以外ないのである。魔法少年少女なら魔力を介して繋がるという手段はあるがそれは一定距離を保たないといけないので遠く離れていれば意味はない。

 

そしてポケベルから通知が来る。

 

         −数日後−

 

影信「ポケベルからか。宗雄さんからだな。」

 

ポケベルに書かれた数字を見る。数字は「4949」と書かれていた。これは語呂合わせによる数字言葉で4949は文字に直すと「至急至急」となる。

 

影信「宗雄に何か進展があったか…。部屋に行ってみるか。」

 

影信は宗雄の部屋に向かう。

 

宗雄「来たな影信。」

 

影信「何か、進展があったんですね?」

 

宗雄「ああ、今日の深夜にここを出る。」

 

影信「今日ですか・・・急っすね。」

 

宗雄「さっき別の場所であることを聞いてな、すぐにでも出なければならない事態になったんだ。」

 

影信「何なんですか?」

 

宗雄「一族の上層部が、松井一族との同盟を破棄し戦争の準備をするそうだ。」

 

影信「なっ!?戦争!?」

 

宗雄「上層部はこれ以上松井一族をのさばらせる訳にはいかないらしい。しかも知り合いの吉信という男に聞いた所、松井一族もこれを待ってたかのように戦争の準備をしているそうだ。」

 

影信「マジかよ・・・それで他の人達は?」

 

宗雄「上層部や俺以外にはこの話はしていない。しかも奴隷に関しては松井一族に返却の形で行くらしいがな。」

 

影信「そんな!?」

 

宗雄「だからだ。だからこそ今日の深夜に決行する事になった。吉信も日付を合わしてくれた。戦争が起きる前になんとしてもお前と恵理子を神浜市外へ出すことが優先だ。」

 

影信「そういう事だったんすね・・・。」

 

宗雄「お前たちのような今後の未来を生きていく魔法少年少女をくだらん老害共の口実で消させるわけには行かない、それでだ。」

 

影信「ん?」

 

宗雄「お前と恵理子には今日同じ部屋で寝てもらうぞ。」

 

影信「・・・・・・ん?んんんんん????」

 

宗雄が言った事に影信は理解が出来ないでいた。

影信はまだ12歳の年頃の少年、恵理子は10歳、そんな二人が一つ屋根の下で寝ることは影信にとってある意味まずい状況になる。

 

宗雄「どうした?」

 

影信「いや、その・・・何で一緒に?」

 

宗雄「お前たちは恋人だろう、なにか不満でもあるのか?」

 

影信「いや、違うんです!不満とかじゃないんすけど・・・何か恥ずかしいというか・・・。」

 

宗雄「全く、今更恥ずかしがる事はないだろ。それに一つ屋根の下で寝てもらえれば俺は助かるんだ。仮にポケベルの通知がなれば二人に連絡が行くのと同じだ。」

 

影信「まぁそうですけど・・・これまだ恵理子には話してませんよね?」

 

宗雄「既に話はしているぞ。」

 

影信「いやしてんのかい!!?」

 

影信は関西人みたくツッコミを入れた。

 

影信「で、恵理子はなんて?」

 

宗雄「あっさり承諾したぞ。」

 

影信「したのか・・・。」

 

宗雄「とにかく今日の深夜に吉信が車を回してくれる。恐らく警備もいる可能性があるから回潜って「東門」へ向かってくれ。」

 

影信「分かりましたよ・・・んじゃ今日の深夜に東門ですね。」

 

宗雄「ああ、頼むぞ。」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。