魔法少年 ケンタ☆マグス 古の血を継ぐ者   作:マイスリッド

158 / 209
第8話

戦闘BGM「名を冠する者たち」ゼノブレイド

 

    「VS ネオマギウス幹部 天津岬」

 

元東城会四代目の会長である桐生一馬の働きでマギアユニオンの皆は驚きながらも敵を倒していく。

 

桐生「せぃやぁぁ!!」

 

構成員達「ぐわぁぁ!!」

 

郁美「あのおじさん、普通の人のはずなのに羽根達をどんどん吹き飛ばしてる・・・!」

 

令「観鳥さんたちに退けを取らない強さだよ!」

 

桐生は「堂島の龍」スタイルという我流技で構成員達を倒していく。

 

鶴乃「すごい!あのおじさんチョー強いよ!?」

 

健太「ああ、攻撃が半端ねぇな!!」

 

いろは「あのおじさんが後ろなら、健太さん!先に天津さんを!!」

 

健太「よし!任せろ!」

 

そのまま健太は岬に向かって走り出す。すると岬はロケットランチャーを構えた構成員を連れてきた。

 

岬「あのおじさんに邪魔されてるけど健太さえやればこっちのもんだよ!やっちゃえ〜!!」

 

岬が言い終わるのと同時にロケットランチャーが発射される。

 

壮介「健太ぁ!避けろぉ!」

 

そして健太は一瞬のうちにロケットランチャーの弾道をかわす。それを見た全員は驚いた。

 

いろは・うい・さな「ええええええ!!??」

 

俊「ロケットランチャーの弾をかわしたぁ!!?」

 

やちよ「嘘でしょ!!?」

 

みたま・みふゆ・天音姉妹「・・・・・・・」

 

十六夜「ロケットランチャーの弾を避けたぞ!?」

 

通「動体視力半端ないのぉ…!?」

 

悠太「俺でもあんな芸当は出来んな・・・。」

 

かえで「ふゆぅぅ!?健太さん、すごすぎだよぉ!!」

 

レナ「願いで視力も良くなったって思うくらい反射神経良すぎよ!!」

 

ももこ「あいつ、元々スポーツとか武道は得意だったけどまさかあそこまでやるとは思わなかったよ!」

 

最前線にいたやちよ達を他所に灯花達も驚きを隠せなかった。

 

灯花・ねむ「お兄様(お兄さん)凄すぎ・・・。」

 

宗雄「ふっ、さすがだな健太・・・!」

 

海斗「さすが、宗雄様が誇るだけあるな・・・。」

 

健太「どうしたネオマギウス共!ロケットランチャーだけか!?ならこっちも反撃させてもらうぜ!!ハァァァァァ!!!」

 

健太はネオマギウスに挑発したと同時に超青化(スーパーブルーモード)へ変化した。今回のスーパーブルーモードは十間の能力も相まってフェントホープの時よりも更に威力が上がっている。

 

健太「オラオラオラオラオラオラァ!!」

 

構成員達「ぎゃあああ!!」

 

岬「うううう!!なんで上手くいかないの!増援を呼んで!!」

 

構成員「それが、もう増援を呼ぶのは無理があると言われています!!」

 

岬「ええ!?じゃあこうなったらありったけの手榴弾を上げるわ!それそれぇ!!」

 

すると岬は手榴弾をあちらこちらに振らせ敵味方関係なく巻き込む。このチャンスを健太は逃さなかった。超スピードで岬の背後に回る。

 

岬「えっ?」

 

健太「慢心したな、間抜け!」ドゴォっ!

 

岬「きゃああ!」

 

健太の渾身の腹パンチにより岬は倒れた。

 

桐生「ふっ、じゃあな健太、一つ借りとくぜ。」

 

そして倒れたのを遠くからみた桐生は静かに一言言ってその場を去っていった。

 

健太「はぁ・・・終わりだ、天津岬。」

 

岬「うう・・・。」

 

健太は岬にそう言って宗雄の方へ向かう。すぐそばには由美も居た。だが岬は最後の抵抗をする。

 

岬「こっ・・・こんなの認めないわよぉ!!やぁああ!!」

 

健太「っ!?」

 

海斗「くそっ!」バンバンバン!

 

岬「きゃあ!」パリン!

 

岬は最後の抵抗で手榴弾を宗雄と由美めがけて放り投げ、海斗にソウルジェムごと撃たれて息を引き取る。

 

健太「まずい!おっちゃん!由美!」

 

由美「っ!?」

 

宗雄「っ!」

 

宗雄は由美を庇って手榴弾の爆発に巻き込まれた。

 

健太「くっ!?おっちゃん!由美ぃ!!」

 

いろは「宗雄さん!由美ちゃん!!」

 

爆風が晴れ、近づくとおっちゃんが由美を庇って大怪我を負った。

 

海斗「宗雄様!!」

 

宗雄「健太、由美は・・・無事だぜ・・・。」

 

由美「宗雄おじさん!!」

 

健太・ももこ「おっちゃん!!」

 

やちよ「師匠!!」

 

フェリシア「おいじーちゃん!しっかりしろよ!!」

 

通「救急車や!はよ救急車呼んでくれ!」

 

海斗「分かっている!!専属の救急隊を呼ぶ!!」

 

宗雄「あの女、手榴弾の中に・・・回復阻害の効果が着いた破片を、仕込んでいた・・・。」

 

健太「なにっ!?」

 

宗雄「大方・・・吉信が俺を殺すように・・・仕組んだんだろう・・・。」

 

健太「クソが!吉信の野郎!!」

 

宗雄「健太・・・。」

 

健太「なんだ、おっちゃん?」

 

宗雄「吉信は…この、世界を破滅に・・・導こうとしている・・・どうか・・・魔法少年少女達の、未来を頼む・・・。」

 

健太「ああ!分かっている!!魔法少年少女達の未来はしっかり守る!だから!死ぬなぁ!死ぬなおっちゃぁぁん!!」

 

健太は必死に涙を流しながら訴える。宗雄は最期にあることを伝えた。

 

宗雄「・・・ふっ・・・最期に、一つだけ言いたいことがある・・・。」

 

健太「なっ、何だ?」

 

宗雄「健太・・・通、由美・・・お前達の両親を殺して・・・すまなかった・・・。」

 

通・由美「っ!!」

 

宗雄「ももこ・・・十六夜、悠太・・・みふゆ、そしてみかづき荘の皆・・・健太の事を頼んだ・・・。」

 

健太「っ!!」

 

宗雄はそう言って目を瞑り、息を引き取る。

 

通「・・・・・・」

 

由美「お兄ちゃん・・・」

 

皆「・・・・・・」

 

健太「良いんだ・・・良いんだ・・・!!おっちゃん!!俺は、俺はぁ・・・!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

健太「うぁあああああああああああああああ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       −南凪海浜公園−

 

吉田宗雄の葬儀が終わった後、健太は一人この場所でベンチに持たれ、黄昏れていた。すると総乃助が現れた。

 

健太「・・・・・・」

 

総乃助「横、良いかな?」

 

健太「・・・ああ。」

 

総乃助「宗雄さんの事は、心中お察しするよ。まさか天津が道連れにするとは。」

 

健太「・・・・・・」

 

総乃助「・・・龍二君の事でここに来た。話は聞けるかい?」

 

健太「・・・ああ、龍二の話、聞かせてほしい。」

 

総乃助「分かった、龍二君が何故ああいった事をするかについて聞いてもらいたい。」

 

そう言って総乃助は龍二の過去を話し始めた。龍二の過去を事細かく聞いた健太は深く頷いた。

 

健太「龍二にも、姉がいたのか。」

 

総乃助「そう、彼にも姉はいたんだが、一族の定めによって殺されたんだ・・・。」

 

健太「俺も、あいつも、大切なもん失ってんだな・・・。」

 

総乃助「魔法少年少女の行く末は残酷な物だよ・・・特にこういった一族の名を背負ってしまったらね。」

 

健太「確かに親父やお袋も、おっちゃんもいずれは死んでしまう事を予知していたのかもな。」

 

総乃助「宗雄さんは最後の最期まで君の事を心配していたりしてたから君の両親を殺してしまった事に責任を感じていたんだろう。」

 

健太「・・・・・・」

 

総乃助「ただ、僕は全ての原因が吉信だと言う事は承知しているよ。吉信は真実を知った者は誰だろうが容赦なく屠る男だ。現に龍二君の姉代わりだった「松井夢乃」は実質吉信によって殺されたといっても過言じゃない。」

 

健太「えっ・・・どういう事っすか・・・?」

 

総乃助「夢乃さんは誠実な人でいつも兄の一族の方針に異論を言っていた。それでも強行突破する兄に不信感を抱いたんだろう。それでまだ情報屋として未熟だった僕に兄の裏を調査してもらうように接触してきたんだ。」

 

健太「それで、お兄さんの裏には何が…?」

 

総乃助「兄の政孝は吉信と裏で繋がっていて、真実が明るみに出る前に異論を唱える夢乃さんを殺害する事が分かったんだ。」

 

健太「マジか・・・」

 

総乃助「それでさっきも話した通り、すぐに夢乃さんを保護するために僕は夢乃さんに話し、分家側に来るよう懇願したが、彼女は「本家の人間が分家に行くことは出来ない」といって、本家に残り続け……。」

 

健太「松井一族の儀式によって生贄にされて殺された……。」

 

総乃助「ああ、だが、運悪くそこに龍二君もいて彼女の死をきっかけに彼の目に「輪廻義眼」が生まれ、龍二君は復讐の道に進んだ。」

 

健太「それじゃあ龍二は、吉信と一緒に目的を成そうとしているのか!!」

 

総乃助「いや、どうやら龍二君は吉信とは別に行動している。彼の行動も謎だが何かしらの意味はあるに違いない。」

 

健太「龍二・・・お前は、一体何がしたいんだ・・・?」

 

部下「総乃助様ぁ!!」

 

すると総乃助の部下が走って来た。

 

総乃助「どうしたんだい?」

 

部下「こちらの映像を!」

 

総乃助「っ!!健太くん!」

 

健太「えっ!?」

 

監視カメラの映像を見るとそこにネオマギウスの構成員達が別々の場所にいる灯花やねむらを囲んでいた。

そしてこの場所から一番近いのは通と由美、やちよとみふゆが囲まれていた場所である。

 

総乃助「これはマズい事態だ・・・!健太君!行けるか!?」

 

健太「んなもん間に合わせてみせますよ!ちぃっ・・・葬儀が終わったばかりだってのに!!」

 

総乃助「僕は他の子にも知らせるよ!」

 

健太「ありがとうございます!」

 

そう言って健太はやちよ達の元へ向かうと通達がネオマギウスの構成員達に囲まれていた。

 

健太「兄貴!由美!やちよさん!みふゆさん!」

 

通「健太!」

 

由美「お兄ちゃん!」

 

健太「援護しに来ましたよ!何があったんすか!?」

 

やちよ「歩いてたら急に背後から攻撃されたのよ…」

 

みふゆ「それでやっちゃんを守ってくれて、この状況に…。」

 

健太「なるほど、ったく、葬儀が終わったばかりだってのに・・・!」

 

通「来よるで!」

 

構成員達は健太達に容赦なく襲いかかるが健太達の猛攻にあっさり反撃を食らい全員が倒れた。

それをよそに健太はやちよ達に話しかける。

 

健太「皆大丈夫か?」

 

通「ワシは平気や。」

 

由美「私も大丈夫だよ!」

 

やちよ「私も大丈夫だけど、いろは達は大丈夫かしら・・・。」

 

健太「そういやあいつらもネオマギウスの構成員に襲われてるみたいだが・・・。」

 

みふゆ「っ!?健太くん!!」

 

健太「えっ?」

 

すると突然起き上がった構成員が銃を構えた。

 

構成員「死ねぇ!高坂健太ぁぁぁ!!」

 

 

 

 

構成員は健太に向かって銃の引き金を引いた。そしてその弾丸は・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

通「はぁ・・・はぁ・・・うぅっ・・・」ドサァ

 

やちよ「嘘・・・」

 

由美「そんな・・・!」

 

みふゆ「藤村くん!」

 

健太「兄貴ぃぃぃ!!」

 

通が健太の盾となり倒れそして構成員も気絶した。

 

健太「くそ!兄貴!」

 

由美「お兄ちゃん!!」

 

通「はぁはぁ・・・撃たれてしもたみたいやな・・・ワシとしたことがヘマやらかしたわ・・・」

 

やちよ「藤村君しっかりして!!」

 

みふゆ「まだ調整屋に急げば!」

 

通「無駄や・・・この感じ、俺も回復阻害弾を撃たれたみたいやな・・・。」

 

由美「そんな・・・!」

 

通「吉信の野郎・・・今度はマギウスから脱退した奴を殺すよう指示しよったみたいやな・・・。」

 

健太「なに・・・!?」

 

通「特に吉信と関係のあった・・・宗雄爺さんと俺を殺るように命令しよったんやな・・・。」

 

みふゆ「確かにマギウスの時、吉信と近かったですね。でも、それだけでどうして・・・!?」

 

通「吉信は、宗雄爺さんも言うとったが見られたらアカンもんを、見られた・・・から血眼になって・・・殺しに来よるんや・・・。」

 

由美「そんな・・・!!」

 

健太「くそぉ!!俺は認めねぇぞ!せっかく兄妹が揃ったってのに!!」

 

健太は必死になって撃たれた部分に手を押し当て無意味だと分かっていても兄を助けたいと思う気持ちがヒシヒシと伝わる。

 

健太「クソがぁ!なんでソウルジェムが無事なのに魔力が減ってくるんだぁ!!」

 

やちよ「健太君・・・。」

 

通「・・・健太。」

 

健太「待ってろ兄貴!今助けるからな!!」

 

通「・・・もう、ええ。」

 

健太「はぁ・・・はぁ・・・あっ?」

 

通「もう、ええんや・・・。」

 

健太「何弱音吐いてんだ兄貴!!」

 

通「俺は、健太に命を託したいんや・・・。」

 

健太「た、託す・・・?」

 

通「俺は、見ての通りもうここに・・・居れる時間は・・・ない・・・せやから親父やお袋、宗雄爺さんの・・・意志を継いでくれ・・・。」

 

健太「っ!!」

 

通「由美・・・ワシが見ぃひん内に、大きなったのぉ兄貴として嬉しいわ・・・。」

 

由美「お兄ちゃん・・・!!」

 

通「やっちゃん、みっちゃんすまんなぁ二人をおいて・・・二人に任せるようで悪いが・・・健太と由美の事を、頼む・・・。」

 

やちよ「ええ、私達が責任を持って守り抜くわ!」

 

みふゆ「私達に任せてください・・・!!」

 

通「その言葉が聞け・・・て良かっ・・・たで・・・健太・・・後は頼・・・む・・・。」

 

健太「兄貴ぃ・・・!」

 

通はそう言って目を瞑り、息をしなくなった。

 

通「・・・・・・・・・」

 

健太「兄貴?おい、兄貴!?」

 

由美「・・・・・・」

 

やちよ「・・・うぅっ、ふぅう・・・!!」

 

みふゆ「通さん・・・!!」

 

健太「なんでだ・・・なんでおっちゃんに続いて・・・兄貴まで・・・!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

健太「畜しょぉおおおおおおおおおおお!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

       第15章 事件の真相 完


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。