魔法少年 ケンタ☆マグス 古の血を継ぐ者   作:マイスリッド

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第6話

健太と龍二は魔獣に合体技で盛大にダメージを与える。そして遠くで見ていたレイゴウはすぐさま魔獣の上部にワープする。

 

レイゴウ「これ以上は手は出させん、俺の力でこの魔獣の適合者となろう!」

 

するとレイゴウは両手で印を組むと魔獣がレイゴウの体に吸い取られる。

 

健太「あれは!?」

 

龍二「レイゴウのやつ、何をした・・・!?」

 

健太「分からねぇ・・・だが奴が今までのレイゴウじゃなくなるってのは確かだ!」

 

レイゴウは魔獣を吸い取り、体中全体が光ると、その姿が現れる。

 

健太「やつは外道魔獣の適合者になりやがった・・・!!」

 

その姿はもはや人というには程遠い姿となり更に背には球体が8つ浮かんでおり、赤い月を背におぞましい魔力を放出していた。

 

健太「やるぞ、龍二・・・」

 

龍二「待て。」

 

健太「ん?」

 

するとリズ、メリッサ、エリザ、影信が現れる。

 

健太「あれは、タルトさん達の・・・!」

 

龍二「三人でやる気か…?」

 

影信「ああ、まずはあの人達が分身で様子を探る。今俺達が出来るのは相手をしっかり分析することだ。」

 

リズ「行くわよ二人とも!」

 

エリザ・メリッサ「ええ!/はい!」

 

 戦闘BGM「the battle intensifies」−ナルスト4

     「VS 八龍レイゴウ」

 

エリザ「外道魔獣の適合者、どんな力を・・・」

 

リズ「絶対に気を抜いちゃだめよ!」

 

メリッサ「分かってます!!」 

 

レイゴウ「気を抜かずともどうにもならない。それほどの力を手に入れたんだ、俺は全ては吉信の為に・・・失敗の無い世界を作る為に・・・だが何故貴様らは否定する?」

 

メリッサ「それが幸せだとは限りません!人は考えて悩んで失敗して成長していくものなの!」

 

レイゴウ「ならば、その失敗の中で二度と取り戻せないモノがあるとすれば?この世界はそんな失敗は許されないんだ・・・」

 

エリザ「メリッサ、この男の考えてる事は私達とは離れていますわ。今は戦いに集中なさい!」

 

そう言って三人はひたすら八龍仙人モードとなったレイゴウに攻撃を当てる。だが、レイゴウはピンピンしている。

 

メリッサ「あれだけの攻撃を受けて平然と・・・!」

 

レイゴウ「そんなものか?お前ら死人に、未来を語る権利はない!お前らはただ・・・」

 

リズ・エリザ・メリッサ「っ!?」

 

リズ「まずい!」

 

レイゴウ「過去に眠っていろ!!」

 

レイゴウの後ろに浮いていた紫の玉が一瞬でリズ達の後ろに出現し一瞬で三人を消し飛ばした。

 

健太「黒いねーちゃん達が!?」

 

龍二「何なんだ今のは・・・!?」

 

リズ「やつの背にある玉を爆発的に拡大させたのよ。」

 

健太「黒いねーちゃん!」

 

リズ「安心しなさい、あれは全て分身よ。」

 

健太「え?あ、そうか・・・。」

 

リズ「けどあの男、中々厄介ね。」

 

レイゴウ「今の俺は、神の力を手にした!今までのお前らの常識では計れんぞ!」

 

影信「自分の力に溺れ、神の力にまで執着したかレイゴウ!」

 

レイゴウ「フン、失敗した道を突き進んだ貴様に言われる筋はないがな影信。」

 

影信「・・・・・・」

 

健太「親父を・・・馬鹿にすんじゃねぇぞレイゴウ!!」

 

影信「健太・・・」

 

健太「大丈夫だぜ親父、俺、親父が歩んできた道が失敗じゃねぇってな。」

 

影信「っ!」

 

健太「だから、やってやろうぜ親父!!」

 

影信「・・・・・・ああ!!」

 

そう言って二人は拳を合わせ、陰陽の十間が一つとなった瞬間である。父子とレイゴウの戦いが始まる。

 

 

  戦闘BGM「Risking the future」ナルスト4

 

     「VS 八龍レイゴウ」

 

 

 

レイゴウ「高坂健太…何故お前は現実を見ないんだ…八龍の力を得たこの俺に勝てるはずもないだろう。」

 

健太「誰がそんなこと決めた!?俺達は負けねぇ!!」

 

そう言って健太と影信は攻撃を浴びせる。レイゴウも攻撃を交わしつつ健太と影信に反撃する。

 

影信「(何故だろう・・・まるで恵理子と共に戦っている感じだ。)」

 

健太「へっ!いくら回復しようが無駄なんだよ!マギアユニオンの仲間達と力を合わせれば、どんな強い奴だって倒せんだ!!」

 

そう言って健太は自分の意志を見せつける。レイゴウは静かに睨む。

 

影信「大丈夫か?苦しいなら俺の後ろに下がり時間を・・・」

 

レイゴウ「そうやって貴様は何かを守るフリをするんだな。だが今度も何も救えない。己の妻を守る事が出来なかった貴様が、何を守る事ができる?健太、明日がなんの日か知っているな?そう、お前の父、影信の命日だ。たとえ夢を持っていたとしても死ねば終わりだ。この世は・・・」

 

健太「そうだな・・・なら、明日は俺の生まれた日だ。いいか?終わりじゃねぇ、俺がこの世にいる!」

 

レイゴウ「「俺がこの世にいる」か・・・ガキの苦しい言い訳にしか聴こえんがな。」

 

健太「へっ、今はガキで充分だ!だがな、俺もいずれは成長して大人になる。大人になんのはお前の言う夢の中でじゃない!お前を倒したあとの・・・先の未来でだ!!」

 

龍二「行くぞ!」

 

そう言って二人はレイゴウ目掛けて攻撃を仕掛ける。

 

レイゴウ「この世界にもはや道など存在しない!いい加減、諦めを覚えろ!」

 

健太「俺の頭ン中に「諦め」の二文字はねぇ!最後に勝つのは俺達だ!」

 

レイゴウ「チィ、うろちょろと!!」

 

レイゴウは苛立ちを浮かべながら健太と龍二と交戦する。

 

レイゴウ「こうなっては仕方ない…奴らの攻撃は大したことないが、このまま調子に乗らせるわけにはいかん。」

 

そう言ってレイゴウは空へ浮く。

 

龍二「何をする気だ・・・?」

 

レイゴウ「始めるとするか。」

 

そう言ってレイゴウは外道魔獣を放出する。魔獣はまた姿を変え、今度はまるで大樹となり徐々に生えていく。その根はマギアユニオンの構成員に襲いかかる。

 

構成員1「うわぁああああ!!」

 

構成員2「助けてくれぇええ!!」

 

構成員3「いやぁあ!死にたくないよぉおお!!」

 

その大樹は根で捕まえた人間の魔力を奪い、力を蓄える巨大な神樹「久々能智之樹」である。

 

恵一「龍二さん、無事だったか・・・」

 

龍二「ああ。」

 

そして健太はレイゴウに涙を流しながら睨む。

 

レイゴウ「そんなに睨んでも戦況は変わらん、もうこれ以上被害を出さないためにも、じっとしていろ。貴様らは充分生き様を示した。」

 

だが、龍二は革命のウワサで大樹の根を切り落とす。

 

レイゴウ「っ!?」

 

健太「っ!」

 

龍二「健太、もう終わりか?俺は行く。」

 

健太「(またあいつが一人で・・・違う、行かせねぇ・・・俺は色んな人の意志を託された・・・だから俺は後悔しない道を選ぶ…!あの時、やっときゃ良かったってなぁ!!)」

 

そして健太は遅れて龍二を援護しレイゴウに近づく。

 

健太「龍二ぃ!俺も行く!!」

 

龍二「フン。」

 

龍二は鼻で返事をし、自身に印を組むと龍二の魔力の力が大幅に上がる。それを見ていた隆史、恵一、ゆきかは話す。

 

ゆきか「龍二さんの魔力が上がりましたね。」

 

恵一「何をしたんだ?」

 

隆史「多分だが、龍二さんは仙術の魔力の印を組んだかもしれないな。」

 

ゆきか「どういう事ですか?」

 

隆史「実は吉信のアジトを探ってた際に興味のある書物を見つけてな。その中の一文にこんな文章が記載されていたんだ。「両一族は1000年に一度、産まれながらにして仙術の魔力を持つ一族の赤子が産まれる」ってな。」

 

恵一「つまり、あの二人は産まれた時からすでに魔法少年としての素質や仙術魔力を保持していたのか。」

 

隆史「可能性としてはあるだろうな、だから、龍二やレイゴウがその力を欲していたんだろうよ。二人からその力を奪うためにな。」

 

レイゴウ「まだ戦うか、後悔は先に立たんぞ?良いんだな?」

 

健太「確かに・・・後悔は先に立たないかもしれないけどな、やらずに終わったら残るのは後悔だけだ!」

 

龍二「やるぞ!」

 

健太「おう!」

 

 戦闘BGM「the battle intensifies」ナルスト4

 

     「VS 八龍レイゴウ」

 

レイゴウは自身の背から巨大な4つの黒い影の腕を出現させ、十間と革命のウワサと対等に戦う。

 

レイゴウ「何故そこまで抵抗するんだ・・・もう「夢幻術」発動まで時間の問題だ!お前達の戦いは、事実もう終わっているんだよ!」

 

健太「終わっただぁ?ふざけんな!まだ俺達がいる!」

 

十間「オラァ!」

 

十間はレイゴウに向け殴る。殴るといっても仙術魔力を付与した十間の拳をまともに喰らえばレイゴウも無事ではすまない。

 

レイゴウ「もうじき神樹のつぼみが開く、その時点で神浜だけではなくこの世界そのものが終わる!時間はもうないぞ!?」

 

龍二「フン、貴様を倒すには充分だ!」

 

そう言って龍二も仙術魔力が加わった弓を発射する。そうしながら攻防を続け、レイゴウも苛立ちを露わにする。

 

レイゴウ「いい加減にしろ貴様らぁ!俺の邪魔をするなぁ!!」

 

そう言ってレイゴウは巨大な玉をつくり出す。健太と龍二も策を作る。

 

龍二「健太、これで決着をつけるぞ!」

 

健太「おう!」

 

健太と龍二は互いに魔力を合体させ、十間に革命のウワサを着せることで「威装・革命ノ十間」となる。

 

健太「眠るのは明日!夢は自分で見る!」

 

レイゴウ「龍二のウワサを九尾に着せたか!だがな、そんなもので俺を止められると思うな!この世界はもう終わりだ!なのに、何故戦う!?」

 

健太「それが、俺の歩んできた「道」だからだ!真っ直ぐ、自分の言葉は曲げない!それが俺の筋道だ!」

 

レイゴウ「ほざけぇ!いくらそんな戯言を言おうが死ねば終わりだ!お前らでは俺に届かん!」

 

龍二「違うな…届かないのは貴様だ。」

 

健太「俺と龍二の力、舐めんなよ!?」

 

レイゴウ「ならばその力とやらを見せてもらおうか!」

 

レイゴウは背の玉を集め巨大化させた玉を二人めがけて落とす。十間はウワサの刀で玉を叩き切る。爆発の衝撃で三人がいた場所は巨大な穴が出来た。そしてレイゴウは最後の力を振り絞り、巨大な刀をつくり出す。

 

レイゴウ「この刀で、貴様らを切り捨ててやる!!」

 

健太「龍二!」

 

龍二「決めるぞ!」

 

そして三人の刀の先端がぶつかる。そして力は健太と龍二が上回る。

 

健太・龍二「うぉおおおおおおおお!!!」

 

レイゴウ「くそっ!馬鹿なぁ・・・!ぬぉああああああああ!!!」

 

二人の力はレイゴウの力を凌駕し、体を貫いた。そしてレイゴウの力となり魔獣に囚われていたキモチの魔力が出現する。

 

健太「出た!キモチ達の魔力だ!」

 

尾を手の形に変え、キモチ達の魔力を引っ張る。そして救出されたキモチ達は元の形に戻り、レイゴウは地面に落ちていった。

 

健太「やっ・・・たのか・・・?」

 

龍二「レイゴウの魔力は感知出来ない。どうやら息絶えたみたいだな。」

 

すると影信、悠太が現れる。

 

影信「お前ら無事だったか。」

 

健太「親父、悠太さん・・・。」

 

悠太「その様子じゃレイゴウはやったようだな。」

 

影信「俺達は一応援軍として来たんだが、必要は無かったみたいだ。」

 

健太「ああ、後は吉信だけだ。」

 

悠太「ここは俺達に任せて、吉信の方へ向かえ。」

 

健太「分かった、行くぞ龍二。」

 

龍二「ああ。」

 

そう言って二人は吉信の方へ飛んでいく。だが、このとき二人は気づいていなかった。レイゴウが「完全に死んでいない」事を・・・


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