吉信「まさかあれほどの地遁天星の塊を破壊するとは・・・しかし・・・」
辺りを砂煙が覆い、煙が晴れると目から血を流して倒れている俊の姿があった。さなと悠太はすぐに駆けつける。
さな「俊君・・・!!」
悠太「俊!!」
さな「俊君!俊君!!」
悠太「くっ健太に続いて俊まで・・・!」
吉信「もういい加減、諦めたらどうです?これ以上戦っていても犠牲者を増やすばかり・・・。」
悠太「っ・・・」
モキュべぇ「モッキュ!!」
悠太・さな「っ!!」
いろは「モキュべぇ!?」
吉信「むっ?キュゥべえのなり損ないですか。」
モキュべぇ「モッキュゥ!」
吉信「はぁ、くだらないですね。」
モキュべぇ「モキュッ!?」
モキュべぇは果敢にも吉信に飛び込むが、払いのけられてしまう。
モキュべぇ「モッギュゥゥゥ・・・!!」
吉信「キュゥべえのなり損ないのくせに中々しぶといですね。」
モキュべぇは何度も何度も吉信に飛び付こうとするが返り討ちに合う。
いろは「モキュべぇ!もう止めて!!」
モキュべぇ「モッキュゥゥゥ・・・」
吉信「何度飛び付こうが私には通用しませんよなり損ないが!貴方はキュゥべえの中では失敗作なんですから!」
モキュべぇ「モキュゥゥ・・・!」
すると突如モキュべぇの目の前が真っ白な空間に変わる。そして目の前に本物のキュゥべえが現れる。
キュゥべえ「やぁ、僕。君の事はしっかりと見ていたよ。」
モキュべぇ「モキュゥ?」
キュゥべえ「何が起きたのか分からない顔をしているね。その通りだと思うよ。僕は、今の君に一つだけ、願いを叶えてあげる。」
モキュべぇ「・・・・・・」
モキュべぇは考える。かつて願いを叶えていた側が今、誰かを助けたいが為に願いを叶えてほしい側になる。そしてモキュべぇはキュゥべえに返事をする。
キュゥべえ「それが、君の望む願い、何だね?分かった。叶えてあげよう。」
その瞬間、辺りを白い光が包む。そして現実世界では吉信が俊に近付く。
吉信「さて、これ以上苦しまない為に、あの世に送ってあげましょう。」
悠太「させん!ぐぅっ!?」
吉信「邪魔、ですよ。」
吉信は攻撃しようとした悠太を吹き飛ばす。
吉信「フッ、高坂健太の元についたのが、仇となりましたね・・・では・・・」
そう言って吉信は背の玉を先端が鋭く尖った棒に変化させ、俊のソウルジェム目掛けて振り下ろす。
吉信「さらばです!」
悠太「止めろぉ!!」
さな「俊君!!」
するとモキュべぇの身体が光だし、吉信も一時動きを止める。
吉信「っ!?」
さな「きゃっ!?」
悠太「なんだ!?」
モキュべぇの身体が光だしその姿はどんどん人の型となりその姿はういといろはが合体したような姿となった。
吉信「っ!なんだ!?あれはさっきのキュゥべえのなり損ないか!?」
いろは・さな「「モキュべぇ・・・!?」」
悠太「お前はさっきの・・・モキュべぇか?」
モキュべぇは静かに頷き、吉信の前に立つ。
吉信「貴方が相手ですか・・・ならば染谷俊を殺す前に、あなたを殺して差し上げましょう!!」
そう言って吉信はモキュべぇと交戦を開始する。
戦闘BGM「メインテーマ」Fe無双 風花雪月
「VS 八龍吉信」
吉信「貴方は、俊の時間稼ぎでもするつもりで?」
モキュべぇは少しでも俊が回復するために時間稼ぎで交戦する。特例でキュウべぇと契約し人へ覚醒したモキュべぇの機動力は凄まじくその速度は健太の十間モード時の速度と同じであり吉信はそれについていけず苦戦を強いられる。
吉信「くぅっこの感じ・・・環姉妹だけではなく高坂健太の魔力も・・・インキュベーター・・・やはり貴方は侮れない生物・・・!!」
モキュべぇ「(・・・俊さんどうか・・・目を覚まして・・・!)」
俊「・・・ん・・・ここは・・・?」
俊が目を覚ますとそこは白い無の空間だった。俊は体を起こし、辺りを見渡す。
俊「もしかして僕・・・本当に死んじゃった・・・?」
「いいえ、貴方は死んではいませんよ。」
俊「っ!貴方は・・・!」
突然俊は声を掛けられ振り向くとそこにいたのは俊やさなにとってかけがえのない「ウワサ」がいた。
アイ「お久しぶりです、染谷さん。」
俊「アイさん!どうしてここに・・・?」
アイ「私は貴方の魔力を介してずっとさなや貴方の事を見守っていました。そして私がここに来た訳はあなたに力を貸すためです。」
俊「僕に力を・・・?」
アイ「はい、今この場所はあなたの・・・いわば生死の狭間といった場所にいるんです。」
俊「生死の狭間・・・」
アイ「それにあなたが再び復活するまでいろはさんの側にいた小さなキュゥべえさんが人の形となって吉信と戦っています。さなもあなたが目を覚ますのを信じて回復に専念しているんです。」
俊「さなちゃん・・・」
アイ「だから、さなを・・・そして神浜の人々を助けるために立ち上がりましょう染谷さん。」
俊「はい・・・!」
そして俊はアイが差し伸べた手をにぎる。その瞬間光が二人を包み込む。
吉信「どうしました!?先程までの勢いが足りませんよ!?」
現実世界ではモキュべぇが吉信と交戦を続けていたが今度はモキュべぇが追い詰められていた。
吉信「隙が生じた!これで終わりです!!」
モキュべぇ「っ!!」
モキュべぇに隙が生じ絶対絶命になった。だが、その瞬間に空間に穴が空き、そこから何者かが吉信を蹴り落とす。
吉信「ぐぅっ!?」
モキュべぇ「っ!」
そしてその空間から降りてきたのは、アイを憑依させウワサとなった「ウワサの俊」が吉信の前に立つ。
BGM「Counter attack」ゼノブレイド2
俊「ごめんねモキュべぇ、世話をかけたみたい。」
さな「俊君・・・!?」
俊「ああ、紛れもなく正真正銘の僕だよ。」
悠太「俊・・・その姿は!?」
俊「実は今、アイさんの力を借りているんです。生死の狭間で僕に力を貸してくれたんですよ。」
さな「アイちゃんが!?」
俊「モキュべぇ、ありがとう。後は僕に任せて。」
吉信「ちぃ、次から次へとこの死に損ない共が・・・ウワサの力を借りた所で今の私に勝てるわけがありませんよ!」
俊「勝てる勝てないの問題じゃない、あなたに示さないといけないのは・・・」ブゥン!
吉信「なっ!?」
俊「僕等が持つ絆の強さだぁ!!」ガキィン!
吉信「ウワサの力で電脳空間を利用してワープ出来るのか!?うっとおしい!」
吉信は武器を振るうが俊はかわし空間を介して吉信の背後に回る。俊はかつて使っていたシールドから攻撃よりになった事で電磁波を元にした剣で応戦する。
吉信「マギアユニオンはしぶとさだけは認めましょう!しかし、八龍仙人の力を持つ私にそんなものを宿した所で勝てるわけがない!」
俊「だとしても僕らはあなたに勝たなければならない!先の未来の平和のために・・・!行きます!!」
戦闘BGM「Counter attack」−ゼノブレイド2−
吉信「全く・・・あなたや他の者が抗った所で意味は無いんですよ、これ以上戦い続けて今度こそ本当に死ぬかもしれませんよ?」
俊「なら、僕の夢を言います。将来の夢は「自衛隊員」になる事なんです。僕はその夢を達成するために絶対に死ぬわけにはいかないんだ!その夢は、あなたの言う夢の中ではなくしっかりと現実で達成して、多くの人達を守るんです!」
吉信「何なんだ・・・あの少年に宿る力は・・・」
俊「普通に戦っていても埒が明かない・・・!それにこれ以上長引けば健太さんが死んでしまう・・・なら「時空転移」!」
すると俊は悠太、影信以外を異空間に転送しモキュべぇにレイゴウから奪ったキモチを渡す。
俊「モキュべぇ、健太さんを頼んだ・・・!」
吉信「私が油断した隙に異空間に転送しましたか・・・が、今この場にいるのはあなた方だけ・・・今更抗った所で・・・」
俊「僕達だけ?違いますよ、もうすぐ・・・」
すると突然吉信の目の前に砂煙が覆い、晴れるとそこにいたのは壮介と織莉子が現れた。
俊「良いタイミングです!壮介さん、織莉子さん!」
壮介「なんとか間に合ったな!」
織莉子「ええ、後は彼ね!」