魔法少年 ケンタ☆マグス 古の血を継ぐ者   作:マイスリッド

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第4話

別の戦場ではゆきか、隆史、恵一は龍二を助けるために向かっていた。しかし途中で邪魔が入り、行く手を阻まれる。

 

ゆきか「邪魔しないでください!早く龍二さんの元に行きたいんです!!」

 

一派構成員1「そう言われてもねぇ〜、吉信様に誰も近づけるなって言われてんだよ俺ら。」

 

一派構成員2「それに、龍二だっけ?諦めろよもう死んでるって。」

 

ゆきか「いいからどいてください!!」

 

恵一「(ゆきかの慌てよう・・・龍二さんに何かあったのは間違いないな・・・。)」

 

そう言って恵一は前に出る。

 

恵一「隆史、ゆきかを先に行かすために隙を作るぞ。手を貸せ。」

 

隆史「仕方ねぇな、やってやらぁ!!」

 

 戦闘BGM「foot of the divine tree」ナルスト4

 

      「VS 吉信一派構成員 」

 

 

構成員1「うわわ!?なんだよいきなり!?」

 

恵一「怪我をしたくないならさっさとどけ!」

 

構成員2「お前ら俺達を倒して先に行くつもりか?」

 

構成員1「あはは!無理無理!そんなことさせやしねぇって!吉信様の命令を無視して行かせたらどんなお仕置きが来るかわかったもんじゃないよ!」

 

隆史「なら吉信と俺ら、どっちが怒らせたら怖いかやってやろうか!」

 

そう言って二人はひたすら攻撃を浴びせる。

 

隆史「ちっ、あいつらの攻撃自体は大したことないが中々防御が硬いな!」

 

恵一「多分奴ら吉信一派の中でも精鋭中の精鋭だろう。吉信についているだけあってよく分からん薬物なんかも投与されてそうだがな。」

 

隆史「所謂「洗脳薬」みたいなもんか・・・質悪いな。」

 

構成員2「何ごちゃごちゃ言ってやがんだ?さっさとしろよ!」 

 

隆史「言われなくてもそのつもりだよコラァ!」

 

そう言って再び交戦し合う。そしてある程度交戦し構成員側に隙が生じる。

 

恵一「隙ができた!ゆきか、今だ!ここは任せて龍二さんの元に向かえ!!」

 

ゆきか「はい!」

 

構成員1「おぉっと!通さないよ!」

 

ゆきか「わぁっ!?」

 

構成員1「だから言ったでしょ?誰も逃さないっtぐへぇっ!?」

 

ゆきか「隆史さん!」

 

隆史「早くいけ!てめぇの相手は俺だろうが!!」

 

ゆきか「隆史さんありがとうございます!」

 

そう言ってゆきかは一人で龍二の元へ向かう。残された二人は構成員二人と交戦する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆきか「・・・・・・っ!」

 

ゆきかが現場につくと龍二はその場に倒れていた。だがゆきかは龍二の魔力が減少していないことに気づく。

 

ゆきか「龍二さんの魔力が減っていない、寧ろ逆に回復してきてる?なら好都合です!早く治療しないと・・・!」

 

そう言ってゆきかは龍二の治療を始める。そして龍二の魔力とソウルジェムは静かに回復していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠太「(あれは・・・健太か・・・!?)」

 

別の場所では健太が吉信と対峙する。それを悠太は見ていた。

 

吉信「あの少年がいませんね・・・消し炭となって消えましたか。」

 

健太「いや、壮介なら俺が助けた。」

 

吉信「助けた?どういう事です?」

 

健太「自分でも不思議に思う・・・今なら、全部変えられそうだ!」

 

そう言って健太は自分の拳を握る。健太の拳には太陽の印が記されていた。

 

吉信「何かが起きたようですね・・・貴方に・・・しかし、結局は何も変わらない。貴方は私を倒せない、私は八龍のー」

 

健太「馬鹿が、俺がお前を倒すんじゃねぇ・・・!」

 

吉信「っ!」

 

そう言って健太が力を込めると、前の十間モードと姿が変わり、吉信の背の玉と同じ物を背負っていた。そこに龍二も降り立つ。

 

健太「俺達で倒すんだよ!!」

 

龍二「貴様をな、吉信・・・!!」

 

龍二も復活し、手には月の印が記されていた。そして目はかつての輪廻義眼に加え、もう一つの目には真・万華鏡義眼が開眼していた。

 

吉信「(まさか・・・あなたも・・・何なのです彼らは・・・何故、ここまでの力を!?)」

 

吉信は二人の圧倒的な力に気圧される。二人が力を得る数時間前に遡る。

 

 

 

 

 

 

        健太の精神世界

 

 

 

健太「・・・ここは・・・俺は死んだ・・・のか・・・?」

 

健太は辺りを見渡す。すると突然何者かに声を掛けられる。

 

「お主は死んだわけではない。」

 

健太「っ!?」

 

「ここはお前の精神世界、今は現とあの世の間にいると思えばいい。」

 

健太「・・・何モンだ?爺さん・・・?」

 

アサマ「ワシは魔力だけでこの世を漂い、世代を超えて魔法少年少女の行く末を見届けてきた僧侶・・・名を「天之人アサマ」そして魔法少年少女の開祖にして「八龍仙人」ともいう。」

 

健太に声を掛けたのは、魔法少年少女の開祖にして八龍仙人と言う名で伝説となった「天之人アサマ」である。

 

 

 

   「魔法少年少女の開祖 天之人アサマ」

 

 

 

健太「えっ・・・えぇっ!?確かだいぶ前に図書館で読んだあの!?あっ!なら聞きたいことが山程あるんだが!」

 

アサマ「質問は後だ、まずはワシの話を聞いてもらおう。いや、お主は聞かねばならぬ。それが「イザナミ」の転生者であるお主の義務である。」

 

健太「はっ?イ・・・ザナ・・・ミ?一体何のことだよ!?」

 

アサマ「とにかく、一から話す。ワシの息子と娘、そして「母」についても・・・」

 

そう言ってアサマは杖を地面に一叩く。すると地面にアサマが母と言った人物が現れる。

 

アサマ「ワシの母である「天之人ヒミコ」は太古の昔この地に生える神樹の実を見つけた。お前達もこの戦争で見たあの神樹、魔力の実だ。ヒミコはその実を喰らい、力を得た。だが、ただ力を得たわけではない、お前達が契約したキュゥべえと名乗る生命体が母に接触し、魔法少女の契約を施した。」

 

健太「キュゥべえはそんな昔から・・・・・・」

 

アサマ「だが、あの生命体の正体は「インキュベーター」そしてヒミコは魔法少女の第一人者だ。」

 

健太「爺さんの母親が、一番最初の魔法少女!?」

 

アサマ「そうだ、その後、更なる力を得たヒミコは力でこの地を治めた。だが、強すぎる力は軋轢を生み、母は「悪魔」だの「鬼」だのと呼び崇め恐れた。」

 

健太「・・・・・・・」

 

アサマ「そしてある時、ヒミコは二人の子を産んだ。その一人が、ワシだ。ワシにもインキュベーターが接触しワシは魔法少年の第一人者となった。」

 

健太「爺さんが、魔法少年の開祖か。」

 

アサマ「ワシら兄弟は、母の残した罪を贖うために神樹の化身である「外道魔獣」と戦った。実を取られた神樹は取り返そうとして暴れていった。」

 

健太「そんな古い時代から戦いがあったんだな・・・」

 

アサマ「激しい戦いであった…傷つきながら辛くも勝利を手にし魔獣を己に封印することが出来た…。そして時は立ち、ワシも二人の子を授かった。兄を「イザナギ」妹を「イザナミ」と名付け、「道」を教えた。」

 

健太「・・・・・・」

 

アサマ「二人共ワシの子ではあるが、そこに大きな違いがあった。ワシの強い遺伝子と、そうでもない遺伝子・・・兄イザナギは本当の天才だった。何でも一人でやり抜く事ができ己が他人とは違う「特別な存在」だと自負していた。」

 

そう言ってアサマは健太を見て妹イザナミの事を話す。

 

アサマ「逆にイザナミは何をやっても上手くいかず一人では何も出来なかった。それ故に努力を惜しまず、仲間に力を扇いだ。周りもイザナミに答えそこに「和」が生まれた。ワシは…イザナミの生き方に新たな可能性を見た気がし、イザナミを後見人にすることに決めた。しかしそれをイザナギが許さず、ここから何百年に渡る兄妹の戦いが始まったのだ。健太よ、ワシは先ほどお主を「イザナミの転生者」と言った。つまりは、そう言う事だ。そして「イザナギの転生者」それが・・・・・・」

 

健太「龍二か。」

 

アサマ「その通り、イザナギの魔力は龍二に宿っている。影信達前任者から息子と娘の魔力はお前達へと宿り、何百年たった今でも兄妹の争いは終わっていない。」

 

健太「・・・爺さんはずっと、子供の喧嘩を見てきたって事か。」

 

アサマ「まぁ、そうなるな。」

 

健太「そうか・・・・・・」

 

アサマ「母ヒミコは魔力を個一つのために用い、力によって世を束ねた。力による統治はただの暴走・・・故に母は恐怖の対象となってしまった。その行いは今の吉信に通ずるものがある。このまま奴が更なる力を手に入れてしまえばいずれ・・・ワシはお前に吉信を止めてほしいと思っている。そしてお前の可能性にかけてみたい。」

 

「その賭け、俺は既にのってるぜ。」

 

健太「っ!?十間!天部も!なんで!?」

 

天部「薄緑の魔法少年がレイゴウと吉信から俺達の魔力の切れ端を奪い取ったんだ!」

 

十間「約束の時が来たようだな。」

 

するとアサマと健太を中心に全てのキモチがこの場に揃った。

 

アサマ「健太よ、やはりお前には皆の協力を得る魅力があるようだな。さて、今一度問う、お前はこの戦いの果てに何を望む?お前の正直な答えが聞きたい。」

 

健太「イザナミの転生者がどうとか、馬鹿だから分からねぇが・・・仲間がどういうものかは知ってるぜ。」

 

そして場所は変わり、アサマは龍二にも同じ問を投げかけていた。

 

アサマ「それが、お前の答えか。」

 

龍二「ああ・・・」

 

アサマ「かつて、妹イザナミに全てを託したが為、それが災いの根源となってしまった。だが、此度は兄イザナギの転生者であるお前にも、ワシの力を貸そう。これから先どうなるかは健太と龍二・・・お前達次第だ。」

 

健太「俺と龍二は、本当の兄弟じゃねぇが仲直りはできるはずさ。かなりの「ダチ」だから!」

 

アサマ「フッ、さぁ、利き腕を出せ。」

 

アサマがそう言って健太と龍二は利き腕を差し出し健太は左手に陽の印、龍二は右腕に陰(月)の印が現れる。そして新たに八龍の力を得て健太は「八龍仙人モード」を発動し、龍二は「八龍輪廻万華鏡義眼」を開眼した。


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