あとあなたの番です見てる人、西野七瀬もとい、黒島ちゃん可愛い、異論は認めん。
森に、雷の柱が出現した。
その雷の柱は、周囲一帯の草木を薙ぎ倒す程の強風と、天まで届くほどの雷の衝撃がロズワール領全域へと響いた。
「…レム!」
「アル・ヒューマ!」
千里眼で状況を把握したラムが、レムに指示を出し瞬時に判断したレムが厚く、硬い氷の壁を作る。衝撃を受けた氷の壁は、ひび割れて辺りに飛び散った。
「今のは…ツバキくん?」
「いえ…今のはツバキでは無いわ、別の…もっと違う何か」
そう、ツバキはこのように辺りに多大なる被害を及ぼすような魔法は絶対に使わない。
「だとしたら…」
嫌な予感が頭をよぎった。
先ほどの精霊騎士が言っていた、暴走…それが起こっているとしてもし精霊騎士が最悪の手段をとるとしたら。
「急ぐわよ」
「はい!」
冷や汗が滲む、もう…一刻の猶予もなかった。
「全員無事か?」
「こっちはなんとか…ユリウスは?」
「こっちも問題ない、結界を張ってなんとか防ぎ切った形だ」
数秒前、とてつもない雷の衝撃がユリウスとフェリス達を襲った。比較的衝撃の中心地に近かった事もあり衝撃の度合いは凄まじかったがそこは王国近衛騎士団だ。
「見て、ユリウス、柱が消えてる…」
「あの柱が出来る直前、あの場所で精霊らしき何かと何者かが争っている気配を感じた。傍目で見れば柱はツバキが出したものに感じるかもしれないが、あれは恐らく精霊が出したものだ」
「とにかく…行ってみよう、近づいてこの目で見なきゃ何も分からない」
「そうだな…っ!」
ユリウスが…いや、その場にいる全員が、近づいてくる異質な気配を感じた。
「総員警戒!」
一歩、また一歩それが近づいてくる。
だが…その中にある何かをユリウスは感じ取った。
「アル…」
「ユリウス…?」
フェリスが突然魔法を放とうとしたユリウスに問掛ける。そのフェリスにユリウスが下がれと視線で訴えかける。
「…」
そこ数秒して、次の瞬間だった。
黒い狂気に満ちた巨大な雷撃がユリウス目がけて飛来した。
「クラリスタ!」
精霊の力を借りた魔力攻撃でそれを打ち消そうと真っ向から剣を振る。そしてそれはユリウスの攻撃によって虚空へと消えた。
そして…それは、姿を現した。
「なるほど、今のを受け切るとは…よっぽどの使い手ようだ」
「ツバキ…きゅん?」
「いいや…違う」
「あぁ、そうさ…違う」
「フェリス、下がれ…周囲から魔獣達が集まって来ている」
「ユリウスは?」
「アイツを止める…残りの者は魔獣への対処に当たれ」
「…勝算は…あるの?」
「…」
その沈黙が答えだった。
でも…この場においての最適解は恐らくそれだった。
「へぇ…一人でやるつもりか」
「不満か?」
「いいや…そっちの方が都合がいい」
「置いてきた事を後悔させるぐらい、ズタボロに引き裂いて返してやるよ!」
「ならば…私が勝って、我が友を返してもらう!」
「っ…」
「朝起きて早々、頭を抱えて…どうしたというの?」
「いやちょっと…耳鳴りが」
「ただでさえ使えないツバキが体調不良になってしまえば困るわ、今日は休んで…」
「やんわりと罵倒するのやめてね、にしても…ひっどいな」
先程からキーンという耳鳴りが止まない上に、何か変な声が聞こえるという幻聴も付いている。耳鳴りもするし、頭も痛い。
あ…やばい、意識が飛ぶ。
「ちょっと…横になりなさい」
「悪い…助かる」
「とりあえず、今日はいいわ、レムとふたりで回すからゆっくりしてなさい」
「…悪いな」
『~~~~~!!!』
誰かが、俺を呼んでいる。
『~~~~~!!!』
誰だ…お前は。
『~~~~~!!!』
教えてくれ、おまえは一体…
『お兄ちゃん!』
「…っ、夢か」
耳鳴りは止んでいた。
惜しかった、あとちよっとだった…。あと一歩、踏み出す勇気がなかった。出来てあと一回が限度…でも二回は行ける。
タイミングを図らなければならない、あいつがこっちに気を回すことがなく、他の事に気を向けていればきっと行けるはずだ。
「絶対…諦めない」
絶対…助ける。
そこに近づく、すると不思議な事にそれの存在を感知することが出来た。感じる何かは、自分が知っているものと何ら変わりないというのに、纏っている気配は全くの別物だ。分かってはいる、ここまで来れば。
先程から激しい戦闘音が聞こえてくる、恐らくもう既に戦いが始まっているのだ。戦っているのは、恐らくツバキとあの騎士だろう。
最初はだいぶ気の抜けたおかしな人だと思った、でもそれは違ってここぞって時は頼りになってどうでもいい事で笑いあえて、昔に帰ったみたいにレムと3人で笑い合えた。あれ以来、自分もレムも笑わなくなった、自分とレムの心にある深い傷をツバキは拙く下手だったけど治してくれた。
気づけば惹かれていた、常に考えるようになった。
いつだって…隣にいた、居ないことなんて考えられないくらい居てくれた。だから、それだけで充分だ。私はツバキの隣に居たい。
だから今度は私が助ける…。
私は最初、彼のことを認めていなかった。姉に寄り付く不届き者で自覚のない匂いを振りまいて…。
でもそれは全部自分の感覚だった、自分の空想だった。そして私は過ちをおかした、許されないと思った。あんなに優しい人なのに、自分は傷つけてしまった。
でも、彼はそれを笑って許してくれた。それからもずっと自分は助けられてばかりで…。
でも、今彼はいなくて…誰かがやらなければ彼は消えてしまうかもしれない。
今度は、私がツバキくんを助ける。いつか、そういった気がする。
だから、私が彼を助ける。
もうあの時とは違う、全てを失うのは1度で充分だ。
「…ここは」
あの後、またしても症状が悪化し意識を失ったツバキは寝ていた。だがそこはベッドではなく辺り一面、白い空間だった。
そして、自分は何かに頭を乗せている感覚も同時にあった。
「やっと起きた」
左側より、声が聞こえた。横を向いて寝ていたので正確には上の方からだが。顔を起こし、頭上を見上げる。
するとそこには可憐な少女が居た、白いカッターシャツに黒いスカート、パッと見中学校のセーラー服だろうか。年齢も顔つきから見て相応だろうし。
「ほんとに苦労させてくれるよね」
「何の話を…」
「まぁいっか、それより早くやる事やらないと…」
「というかまずお前は…」
誰だ、そう聞こうとした時、俺の中の何かが目覚めた。
「誰…だ」
頭の中に流れ込んでくる数々の目の前の少女との記憶と思い出。
「だ…れ…だ」
頭が爆発しそうだ、膨大な記憶、語り尽くせないほどに大きかった、目の前の少女の存在。
そしてそれを死なせてしまった自分。
何も気づけなかった自分。
そうして頭は混乱し、意識を再び手放そうとしたその時目の前の少女の手が優しく包み込んだ。
「落ち着いて…お願い、もう少しだから」
視界がグラついて目前にいる少女があの少女なのかは定かではないが、俺は不思議な安心感に包まれた。
「…どうだった?」
「体調はこの上なく悪い…」
すこぶる快調なようで良かった、やっている最中は彼の為とはいえめちゃくちゃ辛かった。
とにかくこれで第一関門通過、向こうの精霊騎士が随分と奮闘しているようだ。戦闘が続く限りこの精神干渉はバレることは無いだろう。
とはいえ、時間が無いのは事実、事を急がなければならない。
「今見たものを君は信じる?」
「君とか言うな…玲奈」
思い出した、彼女の…妹の名を。
「正解、やっと言ってくれた」
そんでもう1つ。
「相変わらずどっか抜けてんな…、ハーク?」
「…何のこと?」
目の前の少女は…露骨に目を逸らした
どうやぁぁぁん!!!!!!
ovaは作って欲しい?作るとしたら?
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ラム afterstory
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お酒タイム ラム編
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お酒タイム レム編
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作らずにfateはよ