ここは王都。
その中心部にある、王国の騎士達が互いの剣をぶつけ合う闘技場。
「それで…戦績は?」
「10戦で5勝5敗、OK…行くぜ!」
「あぁ…来い!」
「ここに!ユリウス・ユークリウス対カンナギ・ツバキの第11私闘を始める!」
場面は進んで、少し離れた王都内のロズワール邸支部。
「くっそぉぉぉぉが!!!」
「今回は私の勝ちだな、ツバキ」
結果として、負けた。いいとこまでは行ったけど普通に負けた。
自力の戦いだとどっこいどっこいだけど、剣技はまだまだだな俺は。
「だがやはり、君は型を持つよりは我流を貫いた方がいい」
「勝者の的確なアドバイスありがとう…」
くっそこいつめっちゃ勝ち誇ってやがる腹立つな…!。
「まぁ、兄ちゃんの詰めが甘かった言うことやな。途中まで兄ちゃん有利やったのに」
「あー…ん?」
そうやってたわいのない会話をしているとあっという間に時間は過ぎていき。
「それでは私とリカードは別任務に当たる、それではまたしばらく」
「俺もまたちょっと本邸とロズワール邸のどっちかに戻らなきゃいけないらしいからな…」
「おう、そいじゃな、兄ちゃん」
「おう、待たな」
さて…それじゃ行くか、迎えに。
あれから…4年の月日が経った。
俺は23歳、この世界に来た時は17歳だった事を考えるとなんだか凄いことな気がして過ぎていくのはあっという間だなとしみじみ思う。
あの後は、色々な事があった。エミリア様が王選で負けたけど、クルシュ様の指名で副大臣を担う事になったり、ベアトリスが禁書庫が出てスバルと契約したり、王選が終わった直後からロズワールがめっきり姿を現さなかったとか、他にも山ほどあった。ちなみに言うと、何故かあの一件の後各地で魔女教徒が死亡しているのが相次いで発見された。フェリスによると教徒は全員、怠惰の者だったためこれで恐らく怠惰の軍団は全て消え去ったらしい。
けどまぁ、色々あったのは…。
ここは、王都の郊外にある丘。
ここは、先代の剣聖と剣鬼がかつて剣を交えた場所とされている。周りの草原には花が咲いていて現在の季節が春であることを感じさせてくれる。
取り残された瓦礫の壁にもたれて空を眺める、雲ひとつない晴れやかな空だった。
すると、足に何かが抱きつく感触がした。そちらへ視線を向けると幼い少女がこちらを見上げる。抱っこしろと言わんばかりに両手をこちらへ向けている、抱き上げて正面を見るとメイド服姿のラムがいた。
「なんかますます良く似合うようになってきたな、ラム」
「そうかしら?」
本人はあっけらかんとしてるが、絶対自分でも思ってる。自尊心の塊だからな、ラムって実際。歳を重ねるにつれて大人っぽさとか、それこそ未発達だったm…いでで!?。
「あら?なにか失礼なことを思われたのかしら?」
「ちょっと待ってなんでレナが…いてて!!」
抱っこしているレナが物凄い勢いで顔を抓ってくる、2歳児でしょなんでこんな攻撃的なの誰の遺伝なの…あっ…(察し)。
「全く誰に似たのかしら…」
「誰だろうな…ほんとに」
まぁ、でもほんとにこの数年でラムとレムは見違えるように大人っぽくなった。今はいないけどレムは今頃支部に戻って夕飯の支度をしているのだろうか。
「ほらそれより、早く行くわよ?」
「あぁ、そうだな」
そう、今日はみんなで集まる日だ。エミリア様が久々にオフが取れた(スバルが無理やり取った)という事でみんなで集まれる機会!という事でみんなで集まるらしい。
ラムから差し出された手を取り歩き出す。
懐かしいな…この背中。
最初、ラムに手を引かれて掃除へ連れていかれたあの時の事を思い出した。
「どうしたの?」
ラムがこちらを振り返り、首を傾げる。
「少し、昔を思い出してただけだよ」
再び歩み出す、きっとその先には希望がある。
途中で絶望があってもゴールにはきっとそれを覆すほどの希望が待っている。
おしまい
今までありがとうございました、この作品は色々と序盤が酷いことに定評がある作品ですので次のfateでは最初からちゃんと作りこんでやりたいと思っておりますので。
一年弱付き合って頂きました、本当にありがとうございました。
気分が向いたらまたなにか作るかもしれないのでよろしくお願いします。
ではまた。
ovaは作って欲しい?作るとしたら?
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ラム afterstory
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お酒タイム ラム編
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お酒タイム レム編
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作らずにfateはよ