破壊力:A
スピード:A
射程距離:C
精密動作性:B
持続力:B
成長性:A
丈作がヘドロ・ヴィランを倒した後、丈作は少年と共にヒーローの御叱りを受けていた。
ヒーローでもない彼らがヴィランと戦うのは非常に危険であり、個性の無断使用は法に引っ掛かってしまうのだ。
尤も、この二人は無個性である為に後者の心配は無い。
しかし一番問題だったのは丈作である。
彼は無個性ではあるものの、確かに個性とは違う何かが、つまりスタンドがある。
だがスタンドは同じスタンド使いにしか見えないのである。だからヘドロ・ヴィランと丈作の戦いを見ていた人達は何が起こっていたのかさっぱり分かってはいない。
彼らが分かっているのは丈作が一撃でヘドロ・ヴィランの腕を殴り飛ばした事と、丈作にはパワー系の個性があるという事だけである。
まぁ丈作は正真正銘無個性なのだが、彼等ヒーローには今は知るよしはない。
因みにアリスはスタンドについては丈作から話を聞いており、その能力や丈作が無個性であることも知っているためスタンドについては信じている。
「だから俺に個性はないっつーの」
「信じられるか!じゃあなんであのヴィランは姿が変わっている!それに君がヘドロ・ヴィランの腕を殴り飛ばしたのを我々は見ていたんだ!無個性であんな事が出来るか!」
「無個性は無個性なりに体鍛え上げてんだよ。個性が無いからってヴィランが倒せねぇなんて決めつけんじゃあねぇぜ」
「それじゃあ君が言っていたスタンドとはなんだ?それが君の個性じゃないのか!」
「ありゃ個性なんかじゃあねぇよ。個性なんかと比べんじゃねぇ。もういいよな?こっちはまだ晩飯の買い物してねぇし、連れも待ってんだ。あばよ」
「あ、待ちなさい!」
ヒーローが丈作の腕を掴もうとした瞬間、その手が何者かによって弾かれた。しかしヒーローの目には丈作以外何も写っておらず、丈作は何事もなかったかのように歩き去っていった。
「おい、大丈夫か?」
「なんなんだ……腕が弾かれた……?」
「皆!大変だ!ヘドロ・ヴィランの姿が戻っていくぞ!」
「なんだと!?すぐに袋に積めてやれ!!」
丈作が現場から離れるとアリスが小走りで駆け寄っていく。丈作がヒーローに説教されている時からずっと民衆に紛れてタイミングを見計らっていたのだ。
「おかえり丈作。ケガは?」
「ねぇよ。それよりもさっさと食材調達しねぇとな」
「ふふ、そうね。でもその前に一回自宅に寄って良いかしら?この子を持ったままだと買い物出来ないし」
「あいよ」
二人は一度アリスの自宅に寄り、アリスは自室に黒猫のヌイグルミを置くとダイニングからエコバッグを持って丈作と合流する。
「お待たせ。行きましょ?」
「あぁ」
丈作とアリスはスーパーへと向かう道中、ずっと無言で並んで歩いていた。
丈作は少し考え事を、アリスはチラチラと横目で丈作の様子を伺っていたのである。
「……さっきから何をチラチラと見てやがる」
「言ったの?スタンドのこと」
「少しだけな。まぁ連中に分かる筈はねぇから問題ねぇだろ」
「そう。丈作が良いなら気にしないわ。それで、能力の方はどうだったの?」
「あぁ、やっぱ全然だ。あれなら数分もすれば元に戻るだろうよ」
そう、実はグレイト・リクリエイターズで作り替えた個性は一定時間経つと元に戻るのである。
本人曰く、目に見える物を作り替えるのは簡単だが見えないものは作り替えるのが難しいらしい。
しかし丈作がそれを理解しているのなら作り替える事が出来る。故にヘドロという個性を理解した丈作がヴィランを殴ることによって、自分が理解している無個性へと作り替える事が出来たのである。ただし制限時間付きではあるが。
因みに、物体を作り替えた際は制限時間は無い。
「やっぱりスタンドって大変なのね。その分強力みたいだけど」
「否定はしねぇ。なんでこんなもんが俺にあるのかも分からねぇが、使えるもんなら使わせてもらうさ」
「人助けの為に?」
アリスの問いに丈作は少しアリスを睨み付けるが、アリスは可愛らしく小首を傾げて丈作を見上げているだけである。
丈作はプイッと前を向いてしまう。
「……手の届く範囲のな」
「?なんて言ったの?」
「何でもねぇよ。おら、さっさと歩け」
「あ、ちょっと!歩幅違うんだからスピード落としてよ!」
唐突に歩くスピードを上げた丈作に、アリスは慌てて小走りで丈作の後ろをついていくのだった。
同時刻。
丈作と同じ無個性の少年がNo.1ヒーローから個性を受け継いでいた事を、その少年が丈作に憧れを抱いた事をまだ誰も知らない。
そして丈作の戦いを見ていたヒーロー達が丈作に目をつけたことも、丈作の知るよしはない。
→To be continued!
スタンドが登場した次回の前書きにスタンドのステータス書けば分かりやすいかな?
取り敢えず実践してみた( ;´・ω・`)