ソードアート・オンライン Alter Heaven   作:留確惨
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天使の名

教会はRPG的な荘厳なものではなくどちらかというと寺院のようなこじんまりとしたものだった。

村の家々やイヴリースのボロギルドと比べたら大きいものの、村中の人間を集められるほどの大きさも美しいステンドグラスも存在しない地味な建物だ。

軋みを上げない滑らかに動くドアを開けて中に入る。

 

「お邪魔しまーす!」

 

中に入ると赤毛のシスター服の少女が出迎えてくれた。

現実世界のものと通じるデザインのあるシスター服を着た少女で、楚々とした女の子らしい印象を受ける少女だ。

清らかな衣装を押し上げる双丘が女性的な印象を醸し出している。

スタイルはかなり良く、立ち振る舞いは楚々としていて教会を背景にすると彼女だけ別世界の住人のような感慨を抱いた。

 

「いらっしゃいませ。あら?見ない顔ですね。もしかして最近来たっていう。」

 

「あ、はい。ボク、ユウキです。はじめまして。よろしくお願いしまーす!」

 

流石田舎の村、情報が回るのが早い。

ボクがこの村に、アルファルドのお世話になっていることがもうそんなに知れ渡っているとは驚きだ。

 

「私はフィーネっていいます。一応この教会でシスターを務めさせてもらっています。すごいですね、ユウキさん。アルファルドさんが人を誘うことってなかなかないんですよ」

 

フィーネは豊満な胸に手を当てて簡単な自己紹介と気になることを言ってくる。

 

「それで、こちらには何をしに?アルさんの傍付きなら薬草でしょうか。」

「いや、ちょっとこの世界の歴史みたいなのを聞きにきたんだ。アルファルドに聞いたら『俺は詳しくないから教会に行ってくるといい』なんて言われてさ。」

 

早合点を訂正して応えるとフィーネは困ったような顔をして頬に手を当てる。

その姿もまた柔らかくてきれいな印象を受けてこっちが少しばかり気恥ずかしい。

 

「まったくアルファルドさんったら・・・記憶喪失の貴方になーんにも教えていないなんて・・・すいませんね。あとでお説教しておきます。それで、この世界についてでしたね。一般常識くらいのものですが————————」

 

フィーネ曰く、この世界は一柱の神、アルベリオンが原初の大地をを作り上たものらしい。

アルベリオンが世界を作り出す過程で原初の人間が誕生した。だが人間はアルベリオンにとってイレギュラーな創造物だった。

そこでアルベリオンはその手の10本の指を切り落とし、世界を任せる役目を持つものを作り上げた。

指はすべて天使となり、天界から世界を運営していた。

ところが天使のうち1人が自らを脅かしかねないアルベリオンを恐れ、だまし討ちの果てに神を殺害した。

神を殺した天使の名はリリス。リリスは神を殺した咎をほかの天使から糾弾され、戦争を起こした。

リリスは強大な天使だったが1対9では敵わず翼をもがれ天界から地上に墜とされた。最後の力を振り絞ったリリスは神の遺体を利用して自らの後継者を作り上げ、それがビースト、エルフになった。というものであった。

このあたりはよくある創世神話の一つだ。と納得できた。

だが問題はその次、残った天使の名前だった。

 

「————天使の名は、熾天使(セラフィム)智天使(ケルビム)主天使(ドミニオン)座天使(スローン)権天使(アルケー)力天使(ヴァーチェ)能天使(エクスシア)大天使(アークアンゲロイ)天使(アンゲロイ)といいます。」



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