ソードアート・オンライン Alter Heaven   作:留確惨
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帰り道

アジトからの帰り道、フィーネとユウキとアルファルド、そして表向きは捕虜のランファルの4人で森を歩く。

ハーフのランファルとフィーネが同席しているせいで行きより空気が重い。

静寂の森の中足音だけが響いている。

それに耐えられずに、フィーネに声をかけてみる。

 

「ねぇ、このあとアルファルドに何をお願いするの?」

「ふぇ!、え、えっと・・・どうしましょうかね・・・」

 

妙な考え事をしていたのか挙動不審なリアクションが返ってくる。

本当にどんな要求をしようとしたのだろうか。

 

「本当に大丈夫なお願いなんだよね・・・」

 

うすうす彼女のアルファルドへの好意に気づいているがゆえに心配になる。

 

「大丈夫です!私、修道女ですから!そんなふしだらなお願いはしません!ええ!」

「ふしだらなお願いなんてボク一言も言ってないんだけどな・・・」

 

この人、ちょっとアレかもしれない。

ますます気になってくると同時に現在進行形でアルファルドと同棲している身分としては不安になってくる。

彼にとっては役得だろうけど。

 

「まぁそこまで言うなら聞かないよ。ってか聞いちゃいけない感じがするし・・・」

「いえ、そんなんじゃないんですよ。もう決めてありますから秘密ですよ。」

 

フィーネは顔を近づけて耳打ちしようとする。

その女性っぽい仕草に同棲ながらドキッとする。いいなぁ、アルファルド。

 

「────────────────」

 

答えはなんてことのないものだった。

 

「えー!?そんなんでいいの?もったいない。」

「これでいいんですよ。これも私の望みでしたし。」

「もうちょっと欲張ってもいいんじゃない?アルファルドは数を指定してなかったんだし。」

 

いじらしくなってちょっといたずらする。後で彼がどうなるか楽しみだ。

 

「そうですね。二つ目も考えますか。ユウキさんは何がいいと思います?」

「そうだなぁ、デートの約束とかは?アルファルドは今フリーみたいだし。」

「そそそそそそんなぁ!私にはとてもとても!」

「大丈夫、大丈夫。ほら、こういうのは実行あるのみだよ!」

「そ、そうなんですか?」

「そうだよそうだよ!ほら、勇気だして!」

 

 

そんな姦しいガールズトークをアルファルドは全力で記憶から抹消しようと努力していた。

 

 

エルナ村に到着した後に家にランファルを(表向きのポーズではあるが)縛り付けた後、フィーネをイヴリースの下に送っていった。

イヴリースの傷は深く、ヒーラーのフィーネがいなかったため自宅療養中の上、彼女を例の作戦に同行させるのはできないが、それでも大事な仲間だ。

玄関の呼び鈴を鳴らして待つとすぐにイヴリースが出迎えた。

 

「はいよー全くなんだこんな時間に・・・」

 

相変わらず受付嬢とは思えない態度でドアを開けたイヴリースはドアを開けきる前にフリーズした。

 

「────────────────」

「えっと・・・ただいま?姉さん」

 

30秒という無駄に長いフリーズから解放されたイヴリースはこの時間に発しては公害になるほどの叫びをあげた。

 

「ふぃいいいいいいいいいねええええええええええええ!!!じんばいしだんだよおおおおお!」

 

何を言いたいのかは解るが何を言っているのかはわからない言葉とともにフィーネに抱き着くイヴリース。

途中で「ゔっ」という(傷が開いたのかもしれない)音が聞こえた気がする。

勢いあまってフィーネごとボクに倒れこんでくる。

 

「大丈夫?ケガしてない?連中になんかヤなことされてない?ああ、でもフィーネの体に我慢できる男なんて・・・!」

 

そこにいつものやさぐれヤンキー受付嬢の面影はなく、一人の姉の姿がいた。

が、その後の彼女の心配はエスカレートした。

傷の痛みや周りの状況をを完全に無視して今度はフィーネの服がはぎとられていく。

ハーフの一族がやっていなかったえげつない行為がよりにもよって実の姉によって行われていく。

問題なのは同行しているアルファルドだ。振り向くとさすがに空気を読んだのかそっぽを向いているものの、わずかに顔が赤い。

 

「ちょっと姉さん、いまアルファルドさんいますから!」

「やめなよイヴさん、アルファルドいるんだし。」

 

ふたりがかりのユニゾンした静止が効いたのか動きを止めて自分の行動を振り返るイヴリース。

途端、暗闇でもわかるくらい赤面する。

 

「す、すまねぇ。アル、ユウキ、上がってくか?」

「残念ながら遠慮しておくよ。お前らも疲れただろ。」

 

取り繕おうとするイヴリースの誘いをやんわりと断りアルファルドはさっきのことは見ていなかったとばかりに踵を返す。

 

「それじゃあな。おやすみ、リー姉妹。」

 

後ろ手に手を振りながら帰還するアルファルドに続く。

 

「それじゃあね!おやすみ!」

「「おやすみ」」

 

二人仲良く揃って別れの挨拶が返ってくる。

姉妹っていいな。この世界にきて知り合いがいなくて不安だったが、このしまいを見るとほっこりする。

関係と性格は真逆だけど姉ちゃんがいたころを思い出すのか、結構親近感がわく。

この二人とはかなり長い付き合いになりそうな予感がした。



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