ソードアート・オンライン Alter Heaven   作:留確惨
<< 前の話 次の話 >>

32 / 39
こっから書きたかった日常パート。
正直エルナ村強襲で終わらせておけば良かったと思わなくはなかったり・・・


断章、丸太祭り
天使の強襲


()()()()()()()()()

数分前には白い太陽が昇り青く雲も少なかった空はいま黄昏に染まっていた。本来なら遊びから帰宅する子供たちが笑いながら玄関をくぐっているはずの空模様だが、それに異物というには大きすぎる物が紛れ込んでいる。

空からは荘厳さと禍々しさ、相反するはずの属性を併せ持ったラッパの音が鳴り響き、鳥たちはいち早く異常を察したのか一斉に鳴き声を上げながら群れを成して飛び去って行く。

天使のラッパ。

至る所に聖書に関するエッセンスが存在するこの世界でこの音は絶対によくない何かであることは容易に連想できた。

ヨハネの黙示録1~6節に登場するラッパの裁き。

世界に最終的な終末が訪れる天使のラッパ。黙示録において、悪魔は神との戦いに敗れ、神に選ばれなかったすべての人々が死ぬことになる最悪の終末兵器。

クリスチャンの家の生まれだとこういう時にイヤな想像ばかりすることが呪わしい。

だが逆に次どうなるかの予測を立てられる。

たしか第一のラッパの場合は────────────────

 

「おい!何だアレは!」

 

つい先日後輩となったイヴリースの声が思考の海に沈んだボクの意識を引き上げる。

 

振り向いた先には黄色に染まる空から星が墜落し、青い透明な光の柱が天を衝くようにそびえ立つ。

その柱の中に巨大な()使()()()()()()

ここから2キロは離れているにもかかわらずすぐ近くにいるかに思えるほどの圧倒的な巨躯と存在感。

ヒトと同じように四肢がついているはずなのに異形としか表現できないその外見は見る物の腹部にダメージを与えるほどの重圧を見るものに与えている。

黄昏の空に舞い落ちる純白の羽と背から生えている巨大な両翼は神話にを刻んだ宗教画からそのまま出てきたような神々しい燐光に濡れている。

焦点の定まらない黒く大きな瞳は一体どこを見ているのやら検討もつかない。

頭部と胴体の境界は曖昧で緋色の体が青い光の中で最も強烈な閃光を放つベツレヘムの星となって赫く妖しい輝きを放つ。

円錐状の胴体は表面はボコボコとしていてまるでにんじんのような・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

ん?にんじん?

 

『それ』まるで子供の落書きのような異形。

揚力を無視してゆっくりとはばたく異形の翼と緋色のにんじんから生える手足がただひたすらシュールな正体不明の化け物がゆっくりと降臨し、その威光と異香を濃密に周囲に知らしめる。

 

 

 

「って!なにあれ────────────────!!!」

 

異形のにんじん天使に全力突っ込みをかましたと思ったら見慣れたベッドから飛び起きていた。

恥ずかしい。まるでマンガのような見事な夢落ちだ。

落胆なのか安心なのかどちらに起因するかよくわからないため息をつくと後ろから聞きなれた声がした。

 

「おう、朝から元気だなァ。しっかしどんな変な夢見ればそんな起床ができるんだ?」

 

枕元にはつい最近できた後輩にしてエルナ村ギルド看板受付嬢(スタッフは彼女しかいない)のイヴリース・リーが立っていた。

 

「あれ?イヴどうしてここに?それにいつからいたの?」

「ちょうど今来たとこ。朝飯できたから起こしに来たらお前が『う~ん、にんじんが~~~』って寝言言ってたわけ。にんじん苦手なのか?」

「ううん、全然苦手じゃないよ。ただ夢に巨大な翼と手足が生えたにんじんが出てきて・・・」

 

あの一目見たら忘れられない強烈なインパクトはたとえ夢だろうと克明に思い出せる。

ただでさえ脳にしみこむ見た目なのにそれが神々しい演出とオーラを放って天から降臨したのだ。笑わないわけがない。

 

「アッハッハッハwww」

 

腹を抱えて笑われる。彼女は面白いだろうけどこちらはバカみたいな寝起きに立ち会われてかなり恥ずかしい。

 

「なんだそりゃオメー、どんな想像力したらそんなん夢に見れるんだよ。天才かよマジで。」

「ボクだって見たくて見たわけじゃないのに・・・」

「ワリィワリィ。ほら、行こうぜ。朝飯できてっからさ。」

 

イヴリースに連れられて眠気なまこをこすり寝間着のままドアを開けてリビングに出る。

今日も一日が始まる。

 




天使の元ネタはセンター試験のアレです。
皆さんの世代はどんな問題が出ましたか?
ちなみに私は生きてるカニにビビる人とめちゃくちゃ玉ネギが嫌いな人に腹筋をダイレクトアタックされて死にそうになりました。
実際点数も爆死。
これで年代が特定されてしまう・・・


※この小説はログインせずに感想を書き込むことが可能です。ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。