ソードアート・オンライン Alter Heaven   作:留確惨
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久しぶりの更新!!
ちょっとゴマモンガラ書きすぎました!


四天王との戦いー後半

「はぁ、はぁ、これ・・・・・・まだ続くの?」

「リンゴとにんじん残ってんだろ。アイツら見逃してくれんのかァ?」

「ありえねー、むしろ各個撃破させてもらってるだけありがたいな」

 

三者三葉のコメントを残しながらボクたちは荒い息をつく。

激戦だった。ブドウのパワーは滅茶苦茶に強力だったしキュウリも隙のない打撃戦を仕掛け、この装備では3人気協力しないと倒せない敵ばかりだった。

イヴリースのけがは途中でフィーネが治したけれどもそれでも体力的消耗は激しい。

アルファルドだってキュウリとのスパーリングがかなり堪えてる。

そしてキュウリを倒した1分後、ボクらの小休止を待たずに今度は羽根つきリンゴが飛び出してきた。

 

「さあ、くるよ!みんな構えて!」

 

もはや手になじんできたまである丸太を構えてリンゴへと向ける。

リンゴは高く跳躍し、その翼をはばたかせて空中を旋回する。

 

「やべえぜ、高所を取られた。どうすんだアル!」

「全員背中合わせになれ!そんで突っ込んできたら迎撃!あの高さじゃ向こうもそうそう止まれない!」

 

アルファルドの指示通り背中合わせの陣形を作り、斜め前に丸太を突き出して対空防御の構えをとる。

リンゴは飛べないヒトをあざ笑うかのようにボクらの頭上を旋回して飛び回る。

こういう時ALOでは即飛んで倒しに行くのにこういう時は不便だ。

 

「何やってんだアイツ?」

 

イヴリースはただ回り続けるリンゴの挙動に違和感を感じていた。

奴がカウンター狙いを警戒しているのは理解できる。だがこのように休む時間を与えてしまったら消耗したボクらに休憩時間を与えてしまう。

事実1分間も旋回し続けているリンゴは変わらず頭上のままだしこういった持久戦になれているのかアルファルドなんて携帯食料を食べているありさまだ。

 

「ぜーんぜんわかんないよ。ホントに何やってんだろ?」

「いや、()()()()()()()()()()。竜巻でも起こすのか?」

 

最後のはセンスのないジョークだったが注意してみると確かに速くなってる。

中空をぐるぐる回る羽根つきリンゴは十分に加速したのち、飛行機の着地の如く旋回しながら高速で降下してきた。

相手が陣形を組んで迎撃に回るなら誰を狙っているのかわからないようにすればいい。リンゴの戦術は単純だが、有効なものだった。

リンゴはアルファルドに空中からドロップキックを狙って突っ込んでいき、アルファルドの丸太がそれを迎撃する。

その丸太に着地したリンゴはそのままバク宙で地面に降り、丸太を手落としたアルファルドに迫る。

しかし迫るリンゴはヘルプに入ったイヴリースとボクの蹴りを同時にお見舞いされる。

 

「Apooooooooooooo!」

 

と珍妙な声が響いてリンゴは後ずさり、その隙にアルファルドがCQCみたいな武術で乱暴かつ俊敏にリンゴを投げる。

地に叩きつけられたリンゴは必死に羽を使って逃げようとするが、その両翼をボクとイヴリースが丸太で叩き潰す。

機動力のなくなったリンゴはそのまま3人がかりで囲んでボコって殴り倒した結果すぐに動かなくなった。

 

「今回は割と楽勝だったねー。やっぱ四天王って3番目が一番不遇なのかな?」

「ありゃ連携が取れてきた証拠だ。だから戦いが楽になったんだよ」

 

なるほど。たしかに3人で戦うのは初めてだったし先の戦いではバラバラに戦っていた。

VRゲームではよく姉ちゃんやシウネーに「突撃しすぎ」といわれていたボクだけどなんだかんだ渡ってきた仮想世界やヒンノムで成長できている気がする。

 

「そんじゃ次はこっちから仕掛けようじゃねェか。迎撃ばっかじゃ詰まんねェだろ。」

「「乗った!」」

 

イヴリースの提案にユニゾンして同意し、ラスボスたるにんじんに突撃する。

にんじんは翼をはばたかせて地面の10cmほど上をホバリングし、ファイティングポーズをとる。

相も変わらず間抜け面で戦意を失せさせる弱体(デバフ)を振り切って距離を詰める。

このイヴリースの丸太が中段から突き出されてにんじんの顔面に迫り、にんじんは体を傾けて軽くそれを躱すとカウンターパンチを繰り出す。

キュウリと同じボクサースタイルだ。アルファルドはカウンターのストレートを蹴り上げて上に逸らしてイヴリースを守る。

その隙に左サイドに回り込んで丸太で打ちこむ。開いた左手で丸太をガードされるがその隙をイヴリースの蹴りがにんじんに当たる。

 

「Caaaaaaaaa、Kyaaaaaaaaaaaaa!!」

 

にんじんは苦悶の声を上げながら腕とを前にクロスしてボクのほうに突っ込み、タックルしてくる。

アルファルドの回し蹴りでも勢いが止まらずにボクは巨大なにんじんに撥ねられて倒れる。

ただし、ただでは倒れない。最初の戦いで使ったソードスキル『弦月』、左足がソードスキルの輝きに包まれ、前傾したにんじんの顔面にサマーソルトキックが迫る。

完全にヒットしたと思ったそれはクロスした腕に掴まれ、引っ張り上げられる。

 

「「ユウキ!!」」

「うわうわうわうわああああ————!!」

 

視界がひっくり返って空に上がる、上がる。

唯一の救いは今のボクが戦闘用の革製のズボンを履いていることで村の普段着のスカートだったら中身が見えていた。

視界が見る見るうちに上昇する。

 

「怖っ!!高っ!!」

 

下にいるアルファルドとイヴリースが小さくなっていく。

遊園地のアトラクションみたいで楽しいのではあるが、安全装置もなく、空を飛ぶ翼もない今のボクではただただ危険なだけ。

 

「助けて助けて————!!ちょっとこれは反則過ぎるよ!!」

「待ってろ!すぐ助ける!」

 

みっともなく悲鳴を上げるが空を飛べない二人は何の手も出せない。このまま手を離されるだけで頭から落下死する。

そう思った時、イヴリースはとんでもない方法で()()()()()

二人は丸太を十字に組んで即席のシーソーを作り、イヴリースは浮いている丸太に乗る。

体重の重いアルファルドが思いっきりシーソーの逆側に飛び乗り、てこに従って丸太が跳ね上がって小柄なイヴリースが射出され、翼を持たぬものは入ることすら許されない中空に土足で踏み込む。

 

「やっちまえイヴ!!」

「放しやがれコラア!!」

 

中空にいたことで油断していたにんじんにイヴリースの渾身のフックが決まる。

一撃、弐撃、参撃、俗にいう『デンプシーロール』と言われる全力パンチの連撃。踏ん張りの利かない空中のはずなのに一撃一撃が必殺の打撃の蹂躙にバランスを崩したにんじんはひ飛行能力を失う。

 

「オラァ!オラァ!安全に墜ちやがれ!」

 

チャンスだ。ボクは足を掴んでいた手を掴んで握力を失ったクラッチを外し、にんじんのの首を掴まれた左足で、右足と両腕で翼と手足をを固定しエビ反りになるように締め上げる。

 

「これで、終わり!」

 

その後、続けざまに相手と背中合わせの姿勢で手足を固定し、相手の頭と体を地面に叩きつけるように落下する。

落下の力とクラッチで衝撃の逃げ場を奪われたにんじんは真っ二つに折れ、断末魔すら上げずに沈黙した。

すさまじい衝撃に技をかけた腰にギクッと音が鳴る。人間の関節可動の限界まで再現しているなんて律儀すぎる仮想世界だ。

 

「痛ったあ~~~~腰がぁまだ若いのに腰がすごく痛いよぉ~~~」

 

発熱による骨病みはしょっちゅうだったけど、こんなに物理的に腰が痛くなるのは初めてでクラッチを解いて草原に寝っ転がる。

丈の短い草が鼻をくすぐり、春風が通り過ぎるが空を飛んだ挙句腰を強く痛めたボクには何の関係もない。

 

「お疲れというか何というか・・・・・・大丈夫か?」

 

見かねてアルファルドが声をかけてくれる。

 

「う~~~大丈夫に見える?」

「わかった。村まで背負ってくからしばらくここで休んでろ。すぐフィーネ呼んでくるから」

 

そう言ってアルファルドは踵を返そうとする。

 

「待って。一緒に・・・・・・居て。」

 

口から思わず出たのはアルファルドを引き留める言葉だった。本当は引き留める気は無かった、それなのに何故かつい出てしまった。

アルファルドは困ったように微笑むとボクの隣に座り、頭をなでてくれた。

武骨で豆がいくつも潰れて堅くなった掌が長い髪をわしゃわしゃとかき回す。

正直子ども扱いは不服ではあったけれどなんだか嬉しかった。

 

「ありがとな、ユウキ。お前を誘って、お前がいてくれてよかったよ」

 

アルファルドの視線はボクではなく草原の向こうの夕日に向いていた。

 




お気づきかと思いますが決め技はマッスルス〇ークです。
デンプシーロール系ヒロインとマッス〇スパーク系ヒロイン・・・・・・!!


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