転生したのはいい...けどなんでゼットン?しかもノイズ   作:蝙蝠男
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神々は知らなかった。自分たちは、踏んではいけない虎の尾を踏んだことを。


神々はゼットンに対してとんでもない事をやらかします。はっきり言うと胸糞悪くなるかもしれません。


滅びの扉

朝になり、ゼットンは何時もの寝床である岩場から起きて、背伸びをした。

 

よーし、今日も友だち探し頑張るぞー!

 

この世界にいるかもしれない誰かを探して、ゼットンは飛び立った。

 

友だちが出来たら何して遊ぼうかな〜。一緒に走ったりしたいし、石で何か作って遊んだりしたいな。今日こそは見つけるぞー!

 

その光景を神々は巨大な鏡で見ていた。

 

「滑稽だな。自分しかいない世界で友だちを見つけようなどと」

 

「そう言ってやるな。この後にコイツには友だちが出来るではないか。自分を殺すために生み出された友だちがな。ハハハハハ」

 

「しかしこの余興が終わったら久々に飲まんか?奴の死は最高の酒の肴にもってこいだとは思わぬかのう?」

 

その言葉に神々一同から笑い声があがる。そんな中、一人の神がラギュ・オ・ラギュラを作った神へ疑問を口にした。

 

「しかしだ。何故直ぐに殺さないのだ?」

 

「簡単な話ですよ。ゼットンにはラギュ・オ・ラギュラと友だちになってもらうのですよ。そして仲良くなったところを一撃。ゼットンは自分の友だちに殺されるという最悪な死に方をする。というわけなのですよ」

 

「それはそれは。中々に素晴らしい作戦ですな。成功すれば世界は平和に。我々は最高の酒の肴を手に入れられる。是非とも成功してほしいものですな」

 

もし、神々がラギュ・オ・ラギュラをゼットンを殺すための兵器ではなく、ただの友だちとして作り出しておけば神々は滅びの運命は、避けられた筈なのに...

 

「さてと、それでは皆さん。いよいよゼットンの元にラギュオ・ラ・ギュラを送り込みます」

 

「ほっほっほ、それは楽しみじゃのう。部下に酒の準備をさせておかねばなぁ」

 

そして、ゼットンの元にラギュ・オ・ラギュラが送り込まれた。

 

ゼットンはあれからずっと飛んでいた。きっと何処かを飛んでいれば誰かに出会えると信じて。それでも見つからず今日は諦めようかと考え始めた瞬間、気配を感じ取った。

 

もしかして、誰かいるの?

 

ゼットンは気配を感じた方向に向かうと、自分にそっくりな生き物を見つけた。

 

やっぱり誰かいたんだ!話しかけてみよう!

 

ゼットンは自分とそっくりな生き物に声をかける。

 

ねえねえ、君って何処から来たの?

 

ゼットンの質問にその生物、ラギュ・オ・ラギュラは答えた。

 

「私は別の世界から来ました。ラギュ・オ・ラギュラという名前です」  

 

ラギュ・オ・ラギュラ?不思議な名前だね。

 

「私からすればあなたの名前も不思議だと思いますけどね」

 

え〜そうかなぁ?ま、いいか。それよりもさ、一緒に遊ぼう?

 

「遊ぶ?何故ですか?」

 

僕は何でか知らないけどさ、ず〜っとここにいてさ。寂しかったんだ。誰もいないと思ってたけど君がいてくれて嬉しかったんだ!それでね、遊んでお友だちになれないかなって思ってるんだ。駄目かな?

 

まるで子供の様にはしゃぐゼットン。

 

「それでしたらいいでしょう。何をして遊びます?」

 

え〜っとね、かけっこ!

 

「かけっこ?そんなのでいいんですか?」

 

うん!この世界って岩とかそんくらいしかないからさ。だけど友だちと一緒に走るのって取っ手も楽しそうだからやろうよ!

 

もし、ゼットンが人の姿をしていれば満面の笑みを浮かべていただろう。

 

それからゼットンとラギュ・オ・ラギュラは荒野を走り回った。その後は近くにあった大きな岩で何か作って遊んだりと楽しい日を過ごした。

 

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神格世界では最初からずっと神々はゼットンとラギュ・オ・ラギュラの動向を見ていた。

 

「子供の様にはしゃぎおって。明日が自分の命日になるとも知らずに。全く呑気なもんじゃのう」

 

「それでは、最高のショーの開始といきましょう」

 

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ゼットンは昨日ラギュ・オ・ラギュラと一緒に作った自分たちの石像を眺めていた。

 

今日は何をして遊ぼうかな〜。

 

石像を眺めながらどんな遊びをしようか考えていると後ろから足音が聞こえた。

 

あ!ラギュくん!今日はなn

 

ゼットンの目に入ったのは自分に向かってくる拳だった。その拳は直撃し、ゼットンを大きく吹き飛ばした。

 

い、痛いよラギュくん...いきなりなにをするの?もしかして何か怒らせちゃった?だったら謝るかr

 

近寄ってくるゼットンをさらに殴り飛ばすラギュ・オ・ラギュラ。

 

や、やめてよラギュくん。痛いよ...

 

その光景を見ていた神々は、

 

「ハハハハハ、滅亡の邪神が無様なもんじゃのう。あのゼットンをここまで痛めつけられるとはな。見ているコッチもスカッとするもんじゃ」

 

「確かに、酒の肴としては最高峰のものですな。アレならば最高の酒も用意しなければなりませんなぁ」

 

「その点は問題ない。我が国秘伝の酒を用意させてもらうのでな」

 

「では、そろそろとどめを刺すとしましょう。この宇宙のために。我々のラギュ・オ・ラギュラに感謝を」

 

とどめを刺すためにラギュ・オ・ラギュラを作った神は指示を出す。

 

「そうですな。ではラギュ・オ・ラギュラよ。ゼットンにトドメを刺せ」  

 

指令を受けたラギュ・オ・ラギュラはゼットンにとどめを刺すために拳を振り下ろそうとする。

 

やめてよラギュくん。僕たちは友だちでしょ?

 

その言葉を聞いたラギュ・オ・ラギュラば拳を止める。その光景を見た神々は驚いていた。

 

「なんじゃ!何が起きてる!」

 

「ラギャ・オ・ラギュラ!何をやっている!早くゼットンにとどめを刺せ!ダメだ完全にこちらからの指示を受け付けない!」

 

「ではどうするというのだ?」

 

「アレを作ったのは私です。責任とって私が行きます。ついでに両方とも破棄してしまいましょう」

 

「おおそうか。では任せたぞ」

 

神はラギュ・オ・ラギュラの元へと転移した。

 

ラ、ラギュくん?

 

ゼットンはラギュ・オ・ラギュラの動きが停止した事に気づき駆け寄る。

 

どうしたの?やっぱり僕が何か怒らせちゃった?

 

「いえ、違います。私は作られた存在です。あなたを殺せという命令に従ってあなたの世界に来ただけです」

 

で、でも何で僕を殺すのをやめたの?

 

「それは...」

 

ラギュ・オ・ラギュラが理由を口にしようとした瞬間、声が聞こえてきた。

 

「何をやっているのだ。ラギュ・オ・ラギュラよ。私はゼットンを殺せと命令した筈だが?」

 

あ、あの人は?

 

「私を作った方。つまり私にとっては父親という立場にあります」

 

「質問しているのはこっちだ。答えろラギュ・オ・ラギュラ」

 

「確かにゼットンは私の抹殺対象です」

 

「ならば...」

 

「ですが!私にとっては初めての友だちです!ですから、そんな友人を...殺したくはありません...」

 

ラギュくん...

 

「そうか...もうよい」 

 

「え?」

 

「貴様は廃棄処分だ」

 

「そ、それはいっt」

ラギュ・オ・ラギュラが言い切る前に神はスイッチの様な物を押した。するとラギュ・オ・ラギュラが爆発した。

 

ラギュくん!

 

それを見た神はつまらそうに言った。

 

「道具の分際で創造主に逆らうとわな。まあ廃棄処分は決定していたから手間が省けたというのはまあ良いか」

 

ラギュくん!大丈夫!

 

「ゼ、ゼットンさん。何でそんなに悲しそうなのですか?私は...あなたを殺すために騙して近づいたのですよ?」

 

そんなの関係ないよ!たとえ僕を殺すためで騙したとしても、昨日一緒に遊んで楽しかったのは嘘じゃない!

 

「そ、そうですか...ふふふ。あなたとはもっと沢山遊びたかったですね」

 

諦めちゃダメだよ!絶対に助ける!だから生きてよ!

 

「さ、最後にお願いがあります」

 

最後なんて嫌だよ!ねぇ!もっと一緒に遊びたいよ!

 

「私を殺してください...」

 

そんなの嫌だよ!友だちを殺すことなんて出来ないよ!

 

「お願い...します。せめて、あなたの手で私を...」

 

う、うわあぁぁぁぁぁぁ!

 

ゼットンは自分の手を振り下ろした。それはラギュ・オ・ラギュラのコアを貫いた。

 

「ありがとう...あなたは最初で、最後の最高の友だちです」

 

そう言ってラギュ・オ・ラギュラは停止した。

 

「ふん、失敗作が。ゼットンを殺すどころか私の命令に逆らうとは。だが感謝するぞ。ゼットンを追い詰めたことには変わりないのだからな。私がとどめを刺してやろう」

 

すると、禍々しいオーラを感じ取った。

 

「なんだ?このオーラは...」

 

ユルサナイ

 

その声を聞いた瞬間、神の体を恐怖が一気に駆け巡った。その声が聞こえた方を向くと...

 

ユルサナイ...ゼッタイニユルサナイ...

 

ゼットンの体から紫色の炎と、どす黒いオーラが湧き出ていた。

 

 

 

滅びの扉は開かれた。希望は...ない。



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