IS ~世界は私達4姉妹を中心に回っている~   作:とんこつラーメン
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もう止まりません。

どうなっても知らんぷり。

一度走りだしたら止まらない。

それがキアヌ・リーブスの『スピード』なのです。






金剛4姉妹 紅茶を飲む

 春も麗らかな午後。

 少女達はIS学園の生徒会室にて優雅なお茶会を催していた。

 

「ん~♡ やっぱり、榛名の淹れてくれた紅茶は最高デ~ス♡」

「お褒め頂いて光栄です! 金剛お姉さま!」

「この味は容易には真似出来ませんものね」

「桜が舞い散る様子を見ながら飲む紅茶も美味しいですね」

 

 女性だけが動かす事が出来るパワードスーツ『インフィニット・ストラトス』

 通称『IS』と呼ばれるソレの事を学ぶために設立された学園が、この『IS学園』であり、彼女達はそこに通っている生徒達であった。

 

 カタコトの日本語を話す長女の『小西金剛』

 活発なイメージの次女の『小西比叡』

 姉妹の中で一番お淑やかな三女の『小西榛名』

 四姉妹の中の頭脳とも言うべき四女の『小西霧島』

 

 全ての教師や生徒達から尊敬の眼差しを一身に集める彼女達の事を人は『金剛四姉妹』と呼ぶ。

 しかし、それはあくまで仮の姿。

 彼女達四人の真の姿は、また別に存在していた。

 

「って、どうして生徒会室で態々、お茶会を開くのよ!」

 

 そう叫んでいるのは、一年にして生徒会長を務めている『更識楯無』

 IS学園は実力主義な為、その気になれば一年生でも充分に生徒会長を務めることは可能なのだ。

 

「生徒会室から見える景色が一番綺麗なんですから、仕方がないネ~」

「だからと言って、ティーセットまで持ち込んでする事は無いじゃない……」

「別にいいじゃないでスか。アポも取らずに来てしまった詫びとして、こうして霧島が生徒会の仕事を手伝っているんだかラ」

 

 四女の霧島は、器用に紅茶を嗜みながら書類整理を行っていた。

 こんな芸当が出来るのは、この世界広しと言えども彼女だけだろう。

 

「なんだか申し訳ありません……」

「いえ、お気になさらず。金剛お姉さまの御命令とあれば、この霧島、マグマの海でもクロールをする覚悟です」

「命掛けすぎじゃないっ!?」

 

 霧島に対して申し訳さ無そうにしているのは、楯無の従者にして生徒会の書記を務めている二年の布仏虚。

 霧島と同じメガネキャラで、彼女とは同じ雰囲気を漂わせている。

 

「それにしても、今度の新入生達は、なんとも個性的ですネ~」

「全くよ。来年は私達も先生方も大変な一年を送る事になりそうね」

 

 書類の一部を手に取って眺めている金剛の視線が、ある部分でストップした。

 

「一年一組……。これまた、学園側は随分な事を仕出かしてますワね……」

「本当だ……。金剛お姉さま。これってアリなんですかね?」

「普通はoutでしょうけど、委員会がゴリ押ししたに決まってマ~ス」

「懲りない連中ですよね。ホント……まるで雑草みたいにしぶといんだから……」

 

 僅かに黒い部分を見せた榛名を無視して、金剛はジッと書類を凝視していく。

 ある生徒の名前を見ると、その口がニヤリとなった。

 

「これはまた……懐かしい顔がいますネ……」

「それって、例のイギリスの代表候補生の子? 確か、金剛ちゃん達四姉妹は前にイギリス留学していたのよね?」

「yes。と言っても、私達の場合は元々の生まれがイギリスなので、正確には里帰りに近かったデスね」

「そっか……」

 

 この四姉妹、実はイギリス生まれの帰国子女。

 そんな経緯もあって、昔から彼女達の人気は留まるところを知らない。

 

「それに……」

 

 ティーカップを口に運んでから、込み上げてきた笑いを必死に堪える。

 金剛の視線の先には、一人の『男子生徒』の名が記入してあった。

 

「織斑一夏……実に面白そうな玩具だと思いまセンか?」

「「「はい。金剛お姉さま」」」

 

 その男子の名前を見ても、彼女達は全く動揺なんてしていななかった。

 先程も言ったが、ISを動かす事が可能なのは女性のみ。

 であるにも関わらず、男子の名が載っている。

 普通に考えればおかしい事だが、四姉妹は彼が学園に来ることを予め知っていた。

 その理由は実にシンプルで、それは彼女達が所謂『転生者』だからだ。

 

 転生に至るまでの描写や転生時に神様に会った様子とか全く描かれていないが、間違いなく彼女達は転生者なのである。

 作者が言うのだから、例え読者に死に設定と言われようとも、これから先、転生に関する話題が全く出てこなくても、彼女達は転生者なのだ。

 これは覆しようのない事実だ。

 

 前世に置いて、彼女達は俗に言う不良男子だった。

 特に金剛は、全国的にも名が知れた存在で、数多くの猛者達が倒しに来たが、それを全て返り討ちにした挙句、誰もが一度は口にして、言った者には蔑みの笑いを送る『全国制覇』と言う目標を、本当に達成してしまったトンデモない奴だったりする。

 他の三人は、金剛につき従う鋼よりも熱い忠誠心と絆で結ばれた仲間達で、常日頃から金剛の事を支え続けた。

 死因は不明だが、四人は何らかの原因で死亡し、そして転生をする事になった。

 その時、転生を司る神が彼等四人の絆を見て(生きていた頃の所業は全く見ていなかった)感動し、四人を四つ子として転生させることにした。

 その時、神の気紛れ&趣味で四人はTSし、艦これに出てくる金剛型戦艦4姉妹の姿で第二の人生を歩むことになった。

 女になった事で恨み言に一つでも言うかと思いきや、そんな事は無く、四人は割と普通に自分達が女になった事を受け入れて、中身はそのまま、口調などは女にする事でこれまで生きてきた。

 実は今でも、知る人ぞ知る最強不良四姉妹でもあり、その美しい容姿とは裏腹に、その実力は元々の身体能力に加え、神から密かに与えられた転生特典(人間としてのリミッター解除、つまりはワンパンマンのサイタマ化)によって、とんでもない美少女集団となっていた。

 人呼んで、『IS学園四天王』

 

 前世で好き放題していたように、今世でも好き放題しているようで、中学の頃から全国を行脚して様々な学校を拳一つで制覇し、高校に上がってからは天下に名高いIS学園も手中に収めようと企み、割とあっけなく首席で入学してみせた。

 因みに、比叡、榛名、霧島が全く同じ点数で次席だったりする。

 楯無は四姉妹の丁度、下に位置していた。

 

 こうして長々と語っていると目が疲れて読者が離れていきそうだが、これはこれで必要な説明なので、どうかご容赦願いたい。

 

「にしても、まさか男の子がISを動かして、ここに入学する事になるとはね~……」

「そんなに驚くようなことでスか?」

「そりゃ驚くでしょ。だって、ISは女にしか動かせないのよ?」

「確かにそうデスが、何事にもirregularが存在します。それを否定していたら、科学の発展なんて望めないデスよ?」

「それもそうよね……。金剛ちゃんの言い分は普通に納得だからいいんだけど、問題は寮の部屋割りとかよね~……」

「先生方、苦労なさってそうですよね」

「特に織斑先生はね。なんたって、自分の弟が入学してくるんだもの。その心境は窺い知れないわ」

「織斑先生……デスか……」

 

 一瞬、金剛が悪い顔をしたが、本当に一瞬の出来事だったので妹達以外は誰も気が付かなかった。

 

「あら? 布仏先輩と同じ苗字の子がいますね。ご家族ですか?」

「はい。私の妹です」

「ワァ~オ! 虚のsisterですカ~! それはめでたいネ~!」

 

 この『めでたい』には複数の意味があるが、聞いただけでは誰も分からない。

 

「もうすぐ、私達も二年生。後輩が出来ますね」

「そうですね。今から楽しみです」

「間違いなく、波乱の年になるでしょうね」

 

 なにやら確信めいた事を言っているが、それもその筈。

 彼女達は転生者のお約束である『原作知識』を所有している。

 故に、先々に起きる事は愚か、文字通り『インフィニット・ストラトスと言う名の物語の真実』を知っていた。

 かと言って、それらをそのまま見逃すような間抜けはしないが。

 4人共、介入をして原作崩壊させる気満々だ。

 その結果、起きるであろうバタフライエフェクトなど知った事じゃない。

 この四姉妹は、それすらも全力で楽しむ。

 

「そんな事よりも、楯無は口より手を動かした方がいいんじゃナイ?」

「ちゃんと動かしてるわよ」

「楯無さん。紅茶でも飲んで少しリラックスしてください」

「ありがとう、榛名ちゃん。……この紅茶、虚ちゃんの淹れたものにも勝るとも劣らないわね……」

「榛名さんの腕前は本当に見事ですよ。私も勉強させて貰っています」

「そんな……。榛名なんてまだまだです……」

 

 恥ずかしそうに俯くが、本当に照れているわけじゃない。

 これは単なるキャラ作りだ。騙されてはいけない。

 幾ら見た目が美少女でも、中身はスーパーサイヤ人ゴッドなのだから。

 

「これが終わったら、また私の部屋でたっぷりと可愛がってあげますから、頑張ってくだサイね」

「ちょ……金剛ちゃん!」

「アハハ♡ 昨日もあんなに可愛らしく一杯喘いで、柄にもなく私も興奮しちゃいマシたネー!」

「うぅぅ……」

 

 この会話からも分かると思うが、既に楯無は金剛に堕とされている。

 学園内には他にも四姉妹に堕とされている少女達が数多く存在していて、中には教師もいたりする。

 楯無が金剛に堕とされているのなら、当然のように虚も堕とされているが、その相手は金剛ではない。

 

「あらあら、金剛お姉さまったら。私達も負けてられませんね、虚さん?」

「そ……そうですね……」

 

 この通り。

 虚は霧島によって見事に陥落されていた。

 後に登場する五反田弾にはご愁傷様と言っておこう。

 

「新入生の子達も、金剛ちゃん達の毒牙に掛かっちゃうのかしら……」

「人聞きの悪い事は言わないでほしいネ~。もしかして……嫉妬デスか?」

「違うわよ!」

 

 必死に否定しても、その真っ赤な顔が彼女の気持ちを肯定している。

 

「まぁでも……」

 

 ペラっとページを捲ると、そこにはまた別の新入生の名前が記載されていた。

 

「興味のある子ならいましたけどネ……」

 

 そこには『篠ノ之箒』と書かれている少女の顔写真がプリントされている。 

 

「あぁ……今から……入学式が待ち遠しいデスね……♡」

 

 金剛が一体何を企んでいるのか、それは妹達と作者しか知りえない。

 少なくとも、碌な事じゃないのは確実だ。

 

 




4000字ジャスト!

ミスタが見たら卒倒しそうな数字ですね。

まずは原作少し前からスタート。

入学式前なので、まだ楯無は一年生です。

金剛達四人は原作パートでは楯無と同じ二年生としています。

なので、大体の部分がオリジナルになると思います。

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