遊戯王GX 沈黙の使者   作:サイレント=フリート

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第027話 闇

(ラー)vs矛盾の闇!』

 

闇の中を進む。立ち止まることは許されないし負けることも許されない。相手が誰であろうと求める者のために前に進むしかない。すると、目の前には凄惨な光景が繰り広げられていた。

 

人々の魂が拷問を受けていた。あらゆる拷問だ。肉体は傷つき魂は解放されることすら許されず阿鼻叫喚

 

「くくく、次の生贄が来たようだな」

 

「……っ!テメエは!」

 

俺はこいつを知っている。原作遊戯王を知っている者ならば知らない者はいないと言えるほどの人物……バトルシティのラスボス……通称『闇マリク』

 

「へへへへ、どうやら俺のことを知ってるようだな」

 

こいつは殆ど俺と連斗の関係に違いない。意思を持った闇の存在。違うのは俺が善で優しき闇ならばこいつは純粋悪で破壊や破滅を好む闇

 

「……ここは闇の世界……つまり、テメエがいてもおかしくはねえってか」

 

「その通りだ!ふはっははっはは!そして、貴様を倒せばその魂を乗っ取ることが出来る!」

 

狂ったように笑う。本当に不気味な奴だ。顔芸も凄いがこいつのデッキはロックバーンで相手をじわじわと追い詰め時間稼ぎを終えた後、神『ラー』でワンショットキルを狙うもの。しかも、ロックバーンの狙いはそれだけじゃない。

 

「さあ、闇のゲームの始まりだ!」

 

そう。こいつは闇のゲームで起きたダメージをリアルになることを利用して相手をいたぶり倒すことも目的としている。

 

「……はっ、いいぜ!俺は未来を救うために……愛しい人を救うために来た!テメエを倒す必要があるなら遠慮なくぶっ倒す!」

 

「くくく、それでこそ壊し甲斐があるというものだ!負けたらどちらかの存在が消えるルール!フェアな戦いだ!」

 

「「デュエル!」」

 

百夜:8000

闇マリク:8000

 

「俺のターン!【ニュードリュア】を召喚!」

 

ニュードリュア:星4/闇属性/悪魔族/攻/守1200/800

効果モンスター

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

フィールド上に存在するモンスター1体を破壊する。

 

「気を付けな……こいつは戦闘破壊をされるとフィールドのカードを巻き込む能力を持ってるからよ」

 

「そうかい」

 

「カード2枚伏せターンエンド」

 

――――△

―――■■:2

 

「俺のターン、ドロー!【コール・リゾネーター】を発動!」

 

コール・リゾネーター

通常魔法

(1):デッキから「リゾネーター」モンスター1体を手札に加える。

 

「このカードはデッキから【リゾネーター】モンスターを手札に加えるカード!【ダーク・リゾネーター】を手札に加える!」

 

「へへへ、知ってるぜ……闇から得た情報の一つ、シンクロだろ?けど、そんなものが俺に通用するかね?」

 

「ならば遠慮なくやる!相手フィールドにモンスターが存在し俺の場にいない場合【バイス・ドラゴン】を攻守半減させて特殊召喚!」

 

バイス・ドラゴン:攻/守1000/1200

 

「【ダーク・リゾネーター】を召喚!レベル5の闇属性モンスター【バイス・ドラゴン】にレベル3の【ダーク・リゾネーター】をチューニング!シンクロ召喚!【ダークエンド・ドラゴン】!」

 

「シンクロモンスター……」

 

「【ダークエンド・ドラゴン】の効果!このカードの攻撃力と守備力を500下げることで相手モンスターを一体墓地へ送る!闇に沈め!ダーク・イヴァポレイション!」

 

黒い闇が【ニュードリュア】を引き摺りこみ消滅させた。

 

ダークエンド・ドラゴン:攻/守2100/1600

 

「バトル!【ダークエンド・ドラゴン】でダイレクトアタック!ダーク・フォッグ!」

 

「させるかよ!永続罠【拷問車輪】!」

 

拷問車輪

永続罠

相手フィールドのモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。

(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、

対象のモンスターは攻撃できず、表示形式の変更もできない。

そのモンスターがフィールドから離れた時にこのカードは破壊される。

(2):自分スタンバイフェイズに発動する。

相手に500ダメージを与える。

この効果は対象のモンスターがモンスターゾーンに存在する場合に発動と処理を行う

 

「相手フィールドのモンスターを選択する!対象モンスターは攻撃できず表示形式の変更も出来ないぜ!」

 

「そういった罠か……カードを伏せてターンエンド」

 

――――△

――――■:3

 

「俺のターン、ドロー!気持ちいいよ……敵が罠に嵌った瞬間はな!ハハァ!自分のスタンバイフェイズ時、【拷問車輪】の効果で相手に500ポイントのダメージを与える!さあ、苦しめ!」

 

【ダークエンド・ドラゴン】の体が両方引っ張られ激痛が走る。それはつまりモンスターと繋がっている俺の体にも激痛が走るということだ。理由はそれだけじゃないが……

 

「ぐっ!」

 

だが、この程度の痛みはなんてことない。あの時の……朽ちかけた連斗の体の時と比べれば全然マシだ!

 

「づっ!」

 

「どうやらその【ダークエンド・ドラゴン】がいる限りモンスターを召喚しても意味は無い様だな……だから、こうさせてもらうぜ!【ファイヤー・トルーパー】を召喚!」

 

「そいつは……」

 

「このカードが召喚に成功した時、こいつを墓地へ送って相手に1000ポイントのダメージを与える!」

 

「ぐっ!」

 

百夜:6500

 

体に炎が包まれる。だが、俺は腕を振りかぶって炎をかき消す。

 

「俺を舐めんな!」

 

「くくく、しぶといしぶとい……そのしぶとさがいつまで持つかな?これでターンエンドだ」

 

―――――

―――■□:2

 

「俺のターン、ドロー!」

 

よし、さっき手に入れたモンスターを使ってみるか!

 

「【レッド・リゾネーター】を召喚!」

 

レッド・リゾネーター:星2/炎属性/悪魔族/攻/守600/200

効果モンスター・チューナー

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。

手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する。

(2):このカードが特殊召喚に成功した時、

フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターの攻撃力分だけ自分はLPを回復する。

 

「このカードが召喚に成功した時、手札からレベル4以下のモンスターを特殊召喚する!【終末の騎士】を召喚!効果発動!このカードが召喚に成功した時、デッキから闇属性を墓地へ送る!【ネクロフェイス】を墓地へ!」

 

「合計レベルは……6」

 

「レベル4の【終末の騎士】にレベル2悪魔族チューナー【レッド・リゾネーター】をチューニング!紅き竜よ、えん魔を呼び起こす道を照らし出せ!シンクロ召喚!【レッド・ライジング・ドラゴン】!」

 

レッド・ライジング・ドラゴン:星6/闇属性/ドラゴン族/攻/守2100/1600

シンクロ・効果モンスター

(1):このカードがS召喚に成功した時、

自分の墓地の「リゾネーター」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを特殊召喚する。

この効果を発動するターン、

自分はドラゴン族・闇属性Sモンスターしかエクストラデッキから特殊召喚できない。

(2):墓地のこのカードを除外し、

自分の墓地のレベル1の「リゾネーター」モンスター2体を対象として発動できる。

そのモンスター2体を特殊召喚する。

この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

 

「効果発動!【レッド・ライジング・ドラゴン】がシンクロ召喚に成功した時、墓地の【リゾネーター】を特殊召喚する!来い【レッド・リゾネーター】!【レッド・リゾネーター】の効果を発動!このカードが特殊召喚に成功した時、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力分だけ自分はLPを回復する!【レッド・ライジング・ドラゴン】を選択してその攻撃力分ライフを回復!」

 

百夜:8600

 

「レベル6の【レッド・ライジング・ドラゴン】にレベル2の【レッド・リゾネーター】をチューニング!絶対なる闇の王者よ、どんな恐怖が来ようが俺の意思は、俺の誓いは変わらない!俺について来い!恐怖を焼き尽くせ!シンクロン召喚、新たなる闇の太陽!【えん魔竜レッド・デーモン】!」

 

「攻撃力3000のモンスターか……」

 

(ここで効果を発動させて【ダークエンド・ドラゴン】を破壊するか?だが、あのセットカードが【メタル・リフレクト・スライム】の可能性もある)

 

メタル・リフレクト・スライム

永続罠

(1):このカードは発動後、効果モンスター(水族・水・星10・攻0/守3000)となり、

モンスターゾーンに守備表示で特殊召喚する。

このカードは罠カードとしても扱う。

(2):このカードの効果で特殊召喚されたこのカードは攻撃できない。

 

「(そうなれば俺の攻撃が届かない。その可能性を考えればいつでも破壊でき効果発動が出来る【ダークエンド・ドラゴン】を残した方が良いか……)バトル!【レッド・デーモン】でダイレクトアタック!」

 

「手札から【バトルフェーダー】を特殊召喚!このバトルフェイズを強制終了させる!」

 

「終了させられたか……ターンエンドだ!」

 

―――△△

――――■:2

 

「俺のターン、ドロー!自分のスタンバイフェイズ時、【拷問車輪】の効果で相手に500ポイントのダメージを与える!」

 

「ぐ」

 

百夜;8100

 

だが、どれだけの苦痛だろうと百夜は怯みはしない。

 

「貴様の場のモンスター2体を生贄にして貴様のしもべとなるのさ!」

 

「何!?その召喚条件ということは」

 

「その通り【溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム】!」

 

溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム:星8/炎属性/悪魔族/攻/守3000/2500

効果モンスター

このカードは通常召喚できない。

相手フィールドのモンスター2体をリリースした場合に相手フィールドに特殊召喚できる。

このカードを特殊召喚するターン、自分は通常召喚できない。

(1):自分スタンバイフェイズに発動する。

自分は1000ダメージを受ける。

 

このカードはどれだけ耐性効果を持っていようとリリースして除去する厄介なモンスター。攻撃力も奴のデッキならばさほど問題じゃない。

 

「くくく、喜べよ……攻撃力3000のモンスターが貴様のしもべになったからさ!カードを伏せターンエンド!」

 

――――□

――■■□:0

 

冗談。明らかに伏せカードに攻撃を封じる罠を伏せてるだろ

 

「俺のターン、ドロー!」

 

「この瞬間、【ラヴァ・ゴーレム】の効果により貴様のスタンバイフェイズにライフ1000のダメージを受けるぜ」

 

「あちちち!」

 

百夜:7100

 

しかも、引いたカードはこれ……動けねえな……

 

「カードを2枚伏せモンスターをセット」

 

でも、【拷問車輪】はこのままターンエンドしても発動できるんだよな

 

「分かりきっているが、攻撃してやるぜ!」

 

「くくく、俺の可愛いペットである【ラヴァ・ゴーレム】の攻撃名はゴーレム・ボルケーノ……高らかに叫んでくれ」

 

「……それはフリだな。よし、乗ってやる!行け【ラヴァ・ゴーレム】の攻撃!百夜ファイアー!!」

 

闇マリクはお前もかという顔をしているがはっきり言えばそれはやってくれと言ってるようなものだ

 

「……まあいいさ。永続罠【拷問車輪】!」

 

「分かってたさ、こんちくしょうめ!ターンエンド!」

 

―――■△

――■■■:0

 

「俺のターン、ドロー!【拷問車輪】の効果を発動!」

 

百夜:6600

 

「くくく、こっちも遠慮なく攻撃させてもらうぜ!【バトルフェーダー】を生贄に捧げ【地獄詩人ヘルポエマー】を召喚!」

 

地獄詩人ヘルポエマー:星5/闇属性/悪魔族/攻/守2000/1400

効果モンスター

このカードは墓地からの特殊召喚はできない。

(1):戦闘で破壊されたこのカードが墓地に存在する場合、

相手バトルフェイズ終了時に発動する。

このカードが墓地に存在する場合、相手の手札をランダムに1枚選んで捨てる。

 

「バトル!【地獄詩人ヘルポエマー】でセットモンスターを攻撃!」

 

「セットモンスターは【メタモルポット】!手札を全て捨てお互い5枚ドロー!」

 

「くくく、カードを2枚伏せターンエンド」

 

――――△

■■■□□:3

 

「俺のターン、ドロー!」

 

「【ラヴァ・ゴーレム】の効果により貴様のスタンバイフェイズにライフ1000のダメージを受けるぜ」

 

百夜:5600

 

「手札から魔法発動!【ハーピィの羽根箒】!」

 

「なんだと!?」

 

「その効果でお前の魔法・罠カードを全て破壊する!」

 

伏せていたカードは【拷問車輪】【メタル・リフレクト・スライム】【聖なるバリア -ミラーフォース-】だった。

 

「これで【拷問車輪】はもうねえ!【ラヴァ・ゴーレム】をリリース!【ガイウス】をアドバンス召喚!【ガイウス】がアドバンス召喚に成功した時、相手のカードを除外できる!俺が除外するカードは当然【地獄詩人ヘルポエマー】!」

 

「何!?これでは【ヘルポエマー】の効果が発動できない!?」

 

「さっきからチクチクとダメージを与えた仕返しをする!【ガイウス】の効果で除外したカードが闇属性の場合、相手に1000ポイントのダメージを与える!」

 

「ぐああああ!」

 

闇マリク:7000

 

「【闇の誘惑】を発動!デッキからカードを2枚ドローしその後、手札から闇属性モンスターを除外する!俺が除外するのは【黒き森ウィッチ】!バトル!【ガイウス】でダイレクトアタック!」

 

「ぐあああ!」

 

闇マリク:4600

 

「トラップ発動!【闇次元の解放】!除外されている【黒き森ウィッチ】を特殊召喚!」

 

「このために除外したのか!?」

 

「バトル!【黒き森ウィッチ】でダイレクトアタック!」

 

「ぐううう」

 

闇マリク:3500

 

「まだだ!手札から速攻魔法【マスク・チェンジ・セカンド】!手札を1枚捨て【黒き森ウィッチ】を墓地へ送る……変身【M・HEROダーク・ロウ】!」

 

「何!?さらなる連続攻撃だと!?」

 

「【黒き森ウィッチ】の効果で守備力1500以下のモンスター【ダーク・アームド・ドラゴン】を手札に加える!【ダーク・ロウ】でダイレクトアタック!ダークネス・クロス!」

 

「ぐああああああ!」

 

闇マリク:1100

 

「くくく、ふふっへへへ!やはり、楽しいな!これこそ闇のゲームの醍醐味だ!」

 

「言っておくが【ダーク・ロウ】がいる限り相手が墓地へ送られるカードは墓地へ行かず除外される!ターンエンド!」

 

―――△△

――■■□:3

 

「ならば、こうするまでだ!俺のターン、ドロー!貴様の場のモンスター2体を生贄にして【溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム】を貴様のフィールドに召喚!」

 

「またか!?」

 

「さらにカードを伏せ【手札抹殺】を発動!」

 

「【手札抹殺】!?」

 

「お互いの手札を全て捨てその枚数分ドローする!」

 

(くっ【ダーク・アームド・ドラゴン】……)

 

相棒が墓地へ送られてしまったか

 

「ターンエンドだ!」

 

―――――

――――■:1

 

「俺のターン、ドロー!」

 

「【ラヴァ・ゴーレム】の効果により貴様のスタンバイフェイズにライフ1000のダメージを受けるぜ」

 

百夜:4600

 

「ぐっ!【終末の騎士】を召喚!効果により【バイス・ドラゴン】を捨てる……バトル!【ラヴァ・ゴーレム】の攻撃!百夜ファイアー!」

 

「永続罠【メタル・リフレクト・スライム】!発動後、このカードはモンスターとなり守備表示になる!」

 

「攻撃力と守備力は互角か……ターンエンド」

 

―――△△

――■■□:3

 

「俺のターン、ドロー!……誤算だったよ」

 

「何?」

 

「まさか【ラー】の姿を拝ませることになるとはね、百夜、お前を褒めてやるよ」

 

「……神!?馬鹿な!?神は武藤遊戯が手に入れてる筈だろ!?」

 

「確かにな。だがここは“何でもありの闇の世界”!」

 

「“何でもありの闇の世界”?」

 

「ここに落ちた闇の存在は忠誠を誓えば何でも思い通りにできる!この地獄を俺自身が作ることも!神を再び俺の手元に入ることも可能なのだ!」

 

だからこそ、あの機械人形も俺の知らないカードを使うことが出来たってわけか……にしても何でもありの世界……俺が狙っているのもここにあるのは間違いない!

 

「【メタル・リフレクト・スライム】をリリース!融合デッキから【神・スライム】を特殊召喚!」

 

神・スライム:星10/水属性/水族/攻/守3000/3000

融合・効果モンスター

星10/水属性/水族/攻3000/守3000

水族モンスター+水属性・レベル10モンスター

このカードは融合召喚及び以下の方法でのみEXデッキから特殊召喚できる。

●自分フィールドの攻撃力0の水族・レベル10モンスター1体を

リリースした場合にEXデッキから特殊召喚できる。

(1):モンスターをアドバンス召喚する場合、

このカードは3体分のリリースにできる。

(2):このカードは戦闘では破壊されず、

相手は「神・スライム」以外の自分フィールドのモンスターを、

攻撃対象に選択できず、効果の対象にもできない。

 

「【神・スライム】は俺の場の攻撃力0のレベル10モンスターを生贄に捧げることで召喚できる。そして、このカードは1体で3体分の生贄になれるのさ!」

 

「何!?」

 

「いでよ【ラーの翼神竜-球体形】」

 

ラーの翼神竜-球体形:星10/神属性/幻神獣族/攻/守?/?

効果モンスター

このカードは特殊召喚できない。

このカードを通常召喚する場合、

自分フィールドのモンスター3体をリリースして自分フィールドに召喚、

または相手フィールドのモンスター3体をリリースして相手フィールドに召喚しなければならず、

召喚したこのカードのコントロールは次のターンのエンドフェイズに元々の持ち主に戻る。

(1):このカードは攻撃できず、相手の攻撃・効果の対象にならない。

(2):このカードをリリースして発動できる。

手札・デッキから「ラーの翼神竜」1体を、

召喚条件を無視し、攻撃力・守備力を4000にして特殊召喚する。

 

「【ラーの翼神竜】の待機モード!」

 

こいつ、本気で神を呼び出す気か!?まずはこいつを倒さないと次に繋ぐことは出来ない!

 

「このカードは生贄を捧げることで【ラーの翼神竜】を召喚条件を無視し、攻撃力・守備力を4000にして特殊召喚するのさ!」

 

そして、闇マリクは唱える。神をバトルモードにさせるための古代神官文字を……

 

「いでよ【ラー】よ!」

 

ラーの翼神竜:攻/守4000/4000

 

【ラー】が俺に向け咆哮を上げる。それは俺に今までの敵と破格が違うと肌で感じるほどの威圧感を放っていた。小細工なしの紛れもない神だ。

 

「【ラー】の効果!1000ライフを払い、フィールドのモンスター1体を対象として発動できる!そのモンスターを破壊する!このゲームは闇のゲーム……モンスターとプレイヤーは繋がっている!」

 

「っ!」

 

「【ラヴァ・ゴーレム】を破壊する!ゴッドフェニックス!ふはははははは!灼熱の翼で死の抱擁を受けな!」

 

【ラー】が不死鳥となり俺のモンスターを焼き尽くす。それは同時に俺の体も神の炎に焼かれると同じ意味を持つ。

 

「ぐあああああああああああああああ!!!!!!!!!」

 

燃える。体が燃える。いや、体じゃない魂だ……この闇に体はない……魂だけ……それでも今まで受けたこと痛みを遥かに超える。そう、あの時、朽ちた連斗の肉体の痛み以上の苦痛

 

「まだだ!苦痛にもがけ、あがけ、その度に全身に快感が走るぜぇ、うへぁぁぁ!【ラーの翼神竜】で【終末の騎士】に攻撃!ゴッド・ブレイズ・キャノン!!」

 

「があああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!」

 

炎に焼かれどのくらい経つのだろう……一分?十分?一時間?わからない……実はもっと短い時間かも知れない。だが、どちらにせよこの神の炎の中で俺が燃え尽きるのを待つように苦しんだ。

 

百夜:2000

 

「くくく、フフフフ……十分だ、舞い戻れ、不死鳥よ!ターンエンド!」

 

【ラー】は黙って百夜の攻撃を止めマリクの元に戻る。

 

――――△

―――――:1

 

「フフ……奴の魂が、一筋の煙となって天に消えていくのが見える」

 

「……それは願望か?」

 

「……な!?」

 

マリクの予想に反して百夜は鋭い目でマリクを睨みつける。以前の城之内とは違い途中で倒れる気配も感じさせない。

 

「何ぃ!?バ、バカな!奴がまだ生きているだと?!」

 

しかも、神を前にして怯みも恐怖も無い。熱い炎が確かに瞳に宿っている。

 

「俺のターン、ドロー!」

 

「ぐ……な、なぜだ!神の攻撃を、百夜の精神力が上回ったとでもいうのか!?」

 

「はっ!舐めんじゃねえ!俺が何のために仲間を裏切ってまでここに来たか知らねえのか!?神をぶっ倒し大切な者を救うために来たんだぜ!神の攻撃を受けるのも最上級の苦しみも既に覚悟済みよ!」

 

「え、えぇ……?ありえない……!」

 

「ありえないだあぁ!?だったら耳を掻っ穿ってよく聞きやがれ!限界でつまずき倒れても絶望に打ちのめされても魂に信念を宿すのなら、遥か彼方先に待っているのは彼女の笑顔!!不屈の闘志をこの胸に燃やし、全ての理、限界をも突き抜けて!!明るい未来を届かせて見せよう漢意義!俺を誰だと思ってやがる!俺は矛盾の闇!!それが『百夜』様だ!!」

 

「ぐっ!だ、だが俺の場には攻撃力の4000の【ラー】がいる!如何なるモンスターだろうと」

 

「無茶だと笑われようと諦めろと命令しようと意地が支えの漢道!奪う者はぶっ倒して奪い返す!例え神が相手でも信念を貫き通す!血潮が炎として燃える!闇召喚!【闇王プロメティス】!こいつと俺を誰だと思ってやがるっ!!」

 

威風堂々と闇の王が神に喧嘩を売る!

 

「【闇王プロメティス】の効果!墓地の闇属性モンスターを任意の枚数まで除外!俺が除外するのは16体の闇だ!」

 

その中には【レッド・デーモン】【ダーク・アームド・ドラゴン】の力も吸収している。

 

「そして、除外した闇1枚につき攻撃力400ポイントアップする!」

 

「何っ!?」

 

「除外した闇は16!よって攻撃力は6400ポイントアップ!!!!!」

 

闇王プロメティス:攻/守7600/800

 

「除外された【ネクロフェイス】の効果でデッキトップ5枚を除外」

 

「くっ……!」

 

除外されたカードは全て闇だったがここまでくれば単なるおまけだ。

 

「バ……バカなっ!」

 

「人間やその覚悟、気合を舐めんじゃねえよ!そのことを地獄に落ちても覚えておきやがれ!【闇王プロメティス】で【ラーの翼神竜】を攻撃!必殺!闇の鎮魂歌(ダーク・レクイエム)!」

 

【闇王プロメティス】の攻撃が【ラーの翼神竜】の反撃の炎を貫き胴体をぶち抜いた。

 

「ぐあああああああ!」

 

闇マリク:0

 

そして、闇マリクも消滅し奴によって囚われていた魂達は解放された。

 

「さてと……」

 

白いカードに闇の残照を吸収させる。すると、カードはさらに別のカードとなった。

 

「“何でもありの闇の世界”……ここで能力を手に入れれば美紀を救うことが出来るかもしれない」

 

百夜の孤独の闇の旅はまだ始まったばかりである。

 




「今日の最強カードは【闇王プロメティス】」

闇王プロメティス:星4/闇属性/悪魔族/攻/守1200/800
効果モンスター
(1):このカードが召喚に成功した場合に発動する。
自分の墓地の闇属性モンスターを任意の数だけ選んで除外する。
このカードの攻撃力はターン終了時まで、除外した数×400アップする。

墓地の闇を除外する度に強くなるモンスターだ。
十代のマイフェイバリットカードが【フレイム・ウィングマン】なら百夜のマイフェイバリットカードはこのモンスターだな

「カッコいいじゃねえか。【闇王】だし」

百夜のデッキとも特に相棒である【ダーク・アームド・ドラゴン】と相性は抜群だしな。墓地に闇属性モンスターがどれだけ肥えようとこのカードがあれば一気に召喚できるからな

「このカードと【ダーク・アームド・ドラゴン】、【終焉の精霊】は俺の中の三種の神器だ。にしても俺のマイフェイバリットカードが神を倒すなんてな」

この構図、実は最初から決めていた。

「そうなのか?」

うん。少なくとも百夜が一人で戦うと決めた時から決まっていた対戦カード

「そうだったのか。基本的に連斗が活躍するしさ……で、その連斗がラスボスに負けたが大丈夫なのか?」

大丈夫。ここまでくれれば最後まで書き切ってやる。

「……まあ、ぬ~べ~も書いてるしオリジナル小説も書いてるしな」

ちゃんとオリジナル小説も進んでいるよ。それと読んでくれてる方、お気に入りに登録をしている方、本当にありがとうございます。心の励みになります。

「ここでは次回予告はしないが最後の言葉を言うぞ」

「俺が最後の切り札だ」

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