「ゴホンゴホン、えー、これからサイト████管理官、ジャック・ブライトによるレミリア・スカーレット嬢へのインタビューを行います。」
「ねえ、それは必ずしないといけないの?知り合いの文屋を連想して腹が立つんだけど。」
「済まない、これもこちらの規則でね。」
「(溜息)まあいいわ、その程度で目くじら立てるのも莫迦らしいし。」
「我々とてこのような争いは望んじゃいない。ただ、外の世界の秩序を守りたいだけなのだよ。」
「外の世界に其処までの価値があるとでも?」
「あぁ、あるさ。少なくとも我々はそう考えている。貴方達化物がこの箱庭を守るように、我等凡人も、向こうの世界を守らねばならないのだよ。そう、貴様等のようなモノからな。」
(控えていたメイドがブライト博士の首にナイフを当てる)
(同時に護衛のエージェントが彼女らに法儀礼済み銃弾を込めた小銃を向ける)
「待て!ストップ!撃つな!……よし、よし、お前ら、銃を降ろせ、ゆっくりとだ、そう、俺は大丈夫だ、よし、そうだ。」
「……咲夜、下がりなさい。」
「済まない、うちの職員が。ちょっと今ピリピリしていてね。敏感になっているんだ。」
「そのような玩具で私達を倒せるとでも?」
「倒せはしない。が、痛手を与えること位はできると自負している。それは貴方方が一番感じていることじゃないか?」
「……呆れた。さて、本題に入りましょうか。」
「オーケー。この件についての落としどころとして、貴方方の要求は?」
「そうね……私達は吸血鬼だということは知っているわね?」
「勿論。」
「ここのルールのせいで、最近人間の生き血を飲む機会がめっきり減ってるのよ。だから、日に1リットル。月に30リットルの血液を貴方達に要求する。これでどう?」
「承知した。此方は月に40リットル、10人の職員をそちらへ引き渡すことを約束しようじゃないか。」
「……何だか拍子抜けね。もっと粘るのだと思ってたのだけど。」
「何、そのような条件でこことの平和が確約されるのならば、安い買い物さ。」
「まだ幻想郷の主は納得していないようだけど?」
「彼女へはまた再度出向いて交渉するさ。それに今この瞬間、首と胴が離れてないって事は我々が行動を起こすことに彼女もある程度は黙認してくれているのではないかな?」
(真っ二つに割れる机)
「そうでもないみたいよ?」
「そうだな、これで次の交渉先が決まったよ。」
「ご愁傷様。彼女、かなりの食わせ者よ?」
「知っているさ。此処へ来るときも散々無茶をしたものだ。」
「あらそう。」
「さて、そろそろお暇するか。契約内容の締結、及び履行はまた後日でいいかね?」
「勿論。我々は何時でも貴方方を歓迎するわ。”化物”博士?」
「仕事柄、それはまた褒め言葉にもなり得るのだよ、スカーレット嬢。ではまた。」
こんな真面目なブライト見たくなかった