クリスマスに休みを取ることができた風鳴翼とマリア・カデンツァヴナ・イヴ。
 二人が過ごす平成最後のクリスマスのお話。

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どうも、アーニャです。
つばマリがクリスマスに休暇を取り、イチャイチャする話です。
ちょっとエッチな描写があるので気を付けてください。


クリスマスはイチャつきたい

 12月25日。クリスマス。

 とあるマンションの一室で、風鳴翼はテレビを見ていた。

 世間はクリスマスで盛り上がり、年の瀬の慌ただしさも合わせてやって来る時期であるが、久し振りに休暇を手に入れた翼はのんびりと自室で過ごしていた。

 テレビでは、クリスマス用の特番が組まれ、様々な芸能人がトークや演技、歌などに勤しんでいる。その中には翼が見知った顔もあった。

 

「なんだか不思議な気分ね。何度も現場で会った人のことをテレビで見てるだけなんて」

 

 ふと、翼の隣に座っていた人物が呟く。翼が顔を向けるとその人物ーーマリア・カデンツァヴナ・イヴがさらに続ける。

 

「私達だって、いつもならあそこにいるから」

 

 そう言ってマリアはミカンを一切れ口に含む。それに答えるために翼も口を開く。

 

「確かにそうだな。このような時期に休みが取れたことなど、滅多にない」

 

 翼もマリアも、表向きは歌手として活動している。例年通りなら二人もテレビ出演のオファーが殺到して、とても休むことなど出来なかっただろう。

 だが、今年は上手く仕事を調整し休暇を取ることができた。

 

「これも緒川さんが尽力してくれたおかげだな。今度お礼をしなければ」

「そうね、二人で何か送りましょうか」

 

 二人の仕事を調整してくれた功労者に感謝しながら、揃ってみかんを口に含む。

 しばらくそのまま過ごしていると、インターホンが鳴り出した。

 

「私が出てこよう」

「お願いね」

 

 翼が立ち上がり、玄関の方へと向かう。

 数分後、小さなダンボール箱を持って戻って来た。

 

「なにそれ?」

「前に世話になったプロデューサーからの荷物だ。わざわざ送ってくれるとは親切な方だな」

 

 そう言って、翼は箱をテーブルに置き、マリアの後ろに回って二人羽織のように抱きつく。

 

「ちょ、どうしたのよ急に」

「廊下が寒くてな。暖めてくれ」

「なら暖房の前にいればいいじゃない……」

「マリアの体温で暖まりたいんだ。ダメか?」

「……ダメじゃないけど」

 

 前に回された翼の手を、マリアの手が包み込む。

 優しく包み込んでくれる感覚に、翼の表情が緩む。そのまま顔をマリアの髪に埋める。

 仄かに甘い香りが漂い、翼はより深く嗅ごうと顔を動かす。しかし、マリアが逃げたことで失敗した。

 

「もう、いきなりそういうことするのは良くないわよ」

「……すまない」

 

 注意されて表情が沈む翼。それを見て、マリアはため息を吐く。

 

「まあ良いわ。それより今何時かしら?」

 

 マリアが時計を見ると、針は午後六時半を指していた。

 

「もうこんな時間なのね。そろそろお風呂に入る?」

「……入る」

 

 そう言うと、翼は立ち上がり着替えを持って風呂場へと向かう。が、途中でマリアの方へ振り返る。

 

「一緒に入らないのか?」

「いや、二人で入ったら狭いでしょう」

「別に私は構わん」

「私が気にするんだけど」

 

 頑なな態度に翼は軽く顔をしかめる。それを見てマリアは再びため息を吐き。

 

「分かったわよ。一緒に入ればいいんでしょ。入る、入るわよ」

 

 マリアの言葉に、翼は笑顔になる。そして喜びを隠すことなく風呂場へと向かっていった。

 

「ったく、仕方ない子なんだから」

 

 そう言うマリアの顔も、笑顔が浮かんでいた。

 

 ★

 

 体を洗い終え、二人は湯船につかっていた。湯船は大人二人が入ってもなんとか動ける程度の大きさがあったため、共に入ることができた。

 

「ふう~……やっぱりお風呂は良いわね……」

「そうだな、体が楽になるよ」

 

 二人は向き合い体を伸ばす。翼の引き締まった細身の体、マリアの豊かに育った体、双方に違った魅力を持ち輝いていた。

 

「しかし、やはり大きいなマリアは」

「そう? まあ確かにそれなりに大きいとは思うけど。でも私からすれば貴女くらいの大きさの方が良いわ。動きやすそうだし、面倒な視線も向けられないじゃない」

「まあ、不便に思ったことはないな」

 

 お互いの体に視線を向けて、感想を言い合う二人。そのうち翼が手招きするように手を動かす。

 

「何?」

「少しこちらに来てくれないか」

「えっ? 狭いし熱いから嫌よ」

「そこをなんとか。少しだけだから」

「……しょうがないわね」

 

 マリアは一度立ち上がり、ゆっくり翼の方へと移動する。近くまで行くとその場に座り背中を翼に向ける。

 

「こんな感じ?」

「ああ、ありがとう」

 

 礼を言うと、翼はいきなりマリアの胸を揉み始めた。90センチを超える果実が、形を変えて大きく揺れる。

 

「ひゃあ!? い、いきなり何!?」

「すまない、ずっと目の前にあったから我慢できなくて」

「だ、だからってこんな……ひゃう!」

「だって、いつもはこんな風に揉ませてくれないじゃないか!」

「そ、それは、恥ずかしいから……」

 

 言い合いが始まっても、翼は胸を揉むことをやめない。柔らかさを堪能するように、縦に横にと揉み続ける。

 そんな風に何度も揉まれることで、マリアの体は段々と火照ってくる。首筋や耳が赤く染まり、息も荒くなる。

 

「はあ……はあ……翼、本当にやめ……」

「嫌だ、まだ終わらないぞ」

「ひゃう!?」

 

 懇願するマリアをよそに、翼は首筋を甘噛みした。軽く噛むことで刺激を与え、同じ部分をゆっくり舐めていく。痛みと舐められている感覚を交互に受けて、マリアの体が小刻みに震える。 

 

「マリアの胸、本当に柔らかくて吸い込まれるようだな。首も良い味がする。ずっと舐めていたいくらいだ」

「な、なんか貴女、変態みたいよ……」

「変態とは失礼な。私は真剣に感想を述べているだけだ」

 

 言いながら耳まで舐め始める翼に、マリアはますます追い詰められる。やがて、目に涙を浮かべながら懇願する。

 

「お、お願いだから、そろそろやめて……」

「まだ満足していないと言ったろ、私は」

「それも分かってるけど……」

「言うことを聞けないのなら――」

 

 翼の手が少しずつ前へと進んでいく。その先には硬くなりつつある突起が存在していた。それを察したマリアは、急いで叫ぶ。

 

「わ、分かった! 好きにしていいからせめてお風呂から出させて!」

 

 涙目になりながらの叫び。それを聞いて翼も手を止める。しかしその顔には、意地の悪い笑みを浮かべていた。

 

「言ったな? では、さっさと上がるとしよう」

 

 そう言って翼は、マリアを抱えて風呂から出ていくのだった。

 

 ★

 

「はあ……」

 

 パジャマに着替えてベッドに転がるマリア。体の火照りは収まらず、汗も流している。そんなマリアを見かねて、翼が水の入ったコップを持ってきた。

 

「大丈夫か? ほら、水だ」

「ありがとう……って、貴女のせいだからね?」

 

 差し出されたコップを受け取り、水を一口含む。火照った体には程良く染み渡り、マリアはほっと息を吐いた。

 

「全く、なんで今日はいつになく積極的なのよ……」

「だって、せっかくのクリスマスだからな。何も無いまま終わるのは寂しいだろう?」

「だからってあんなことまでしなくてもいいじゃない。言ってくれれば良かったのに……」

「すまない、我慢ができなくてな」

 

 そう言うと、翼はコップを取り上げテーブルに置く。キョトンとするマリアだったが、すぐに何が起こるのかを察して慌ててベッドから降りようとする。しかし、これも先んじて読んでいた翼が素早く押し倒した。

 

「逃げるのは酷いぞマリア。先程はしても良いと言っていただろ?」

「誰だって押さえつけられながらされたくないと思うんですけど!?」

「すまない、マリアが可愛くてつい押し倒したくなる」

「かわっ……!? なんでそういうことをこういう時に言うのよ……!」

 

 なんと脱出しようともがくマリアだったが、翼の方が力が強く、全く振り解けない。

 そうしている内に翼が顔を近付けてくる。いつの間にか息がかかるほどの距離まで接近していた。

 

「どうだマリア、ここまでしても本当に嫌なのか?」

「……これ以上抵抗しても無意味みたいね。いいわよ、観念するわ」

 

 はあ、と息を吐き力を抜くマリア。しかし、その表情は苦悶や恐怖ではなく、優し気な雰囲気に溢れていた。どうやらマリアもすること自体に嫌悪は無かったようだ。翼のやり方があまりに不器用で強引だったために、反感を買ったらしい。

 それを察した翼は、ばつの悪そうな顔で微笑む。

 

「すまない、どうやら私は逸りすぎたようだ」

「いいわよもう。気持ちは分かるから」

「そう言ってもらえるとありがたい。さて、早速始め――」

「もう、そういうところが早いのよ。今日が何の日か忘れたの? 先に言うことがあるでしょ?」

 

 マリアに諭されて、翼はまた自分が焦っていたことに気付く。苦笑しながらマリアの目を見つめ、言うべき言葉を口にする。マリアもそれに合わせ、口を開く。

 

「マリア――」

「翼――」

 

「「メリークリスマス」」

 

 

 



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