インフィニット・ストラトス 桜踊りし希望の剣   作:神近 舞

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資格取得検定勉強...。

大変や...。


Chapter Ⅲ【003】恩恵

天使ちゃんが泣き出して10分ほど経った...のだろうか?

 

この空間、どうやら近くに時計らしきものないらしく、時間の経過がよく分からない。

 

そしてさっきから天使ちゃん...アルシエルだからアルちゃんでいいや...アルちゃんが頬を染め、視線を逸らしている。

 

どうやら、先程泣きじゃくっていたことに負い目を感じた挙げ句、そのことを恥ずかしがっているのだろう。

 

...うん、かわいい。

 

「うぅっ...先程は取り乱してしまいました...。 すいません...」

 

「別に構わないよ。 私は全然気にしていないから」

 

「お気遣い感謝します...」

 

...あれ?

 

なんだろう...何か大事なことを忘れているような...。

 

「......あっ、そうだ!? 私死んだんだよ! あのゲス野郎に殺されて!」

 

「あっ、そうでした!」

 

...アルちゃん...本題忘れちゃダメでしょ...。

 

 

 

 

 

「うーん、やっぱり死んでいたかぁ...」

 

「はい...申し訳ありません...」

 

「アルちゃんは悪くないでしょ? 」

 

「......はい」

 

「なら良し。 私の死の確認は終わり。 さっさと切り替えよう?」

 

アルちゃんがこれ以上気にする必要はない。

 

過ぎたことを考えていたところで、意味などないのだから。

 

「本題に入らせていただきます」

 

アルちゃんはそう言い、私を真剣な眼差しで見る。

 

「シャーロットさん。 貴女の魂はギリギリ輪廻の輪から外れずにいたため、他の魂と同様に、転生していただきます」

 

「うん」

 

「普通、人の魂は貴女のように、私達天使や、天神さまと対話をすることなく転生します。 しかし、私達のミスなどで命を落とした方、私達が注目していた方、自分たちの世界に対して一定以上の功績を残した方などは、こうして対話をし、次の人生に多少融通を利かせることが出来るのです」

 

「俗に言う、特典を持って転生する...ってこと?」

 

「その認識で間違いないかと。 特典...私達は希望的恩恵(アヴァンタージュ)と言っていますが...希望的恩恵の量や規模などは、私達のミスの大きさ、残された寿命、私達の認知度など、様々な要因が関わっています」

 

私の転生後の状態は、一部が決定されている。

 

恐らく、私の恩恵はそこに影響しないことが最低条件なのだろう。

 

「まず、転生後のデータをご覧下さい」

 

アルちゃんが手を虚空に広げる。

 

手のひらが示す場所に、ディスプレイのようなものが出現した。

 

 

 

 

 

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転生後のデータ

 

名前: Charlotte Ainsworth

 

種族: 人間

 

性別: 男

 

誕生日: 2020 September 15th (-18)

 

誕生地: City of Exeter, United Kingdom

 

必要世界貢献要求: 978

 

先天的技能容量: 2532

 

後天的技能容量: 2468

 

総技能容量: 5000

 

体躯: 一生涯男の娘(可愛い)

 

髪色: 金

 

虹彩: 緑 or 紅

 

精神成長: 428

 

肉体成長: 238

 

限界身長: +15

 

生殖能力: 94

 

........................

 

————————————————————————

 

 

 

 

 

えぇ......。

 

まさかの性転換確定とか...。

 

私の第2の生を勝手に決めた奴殴りてぇ...。

 

まぁ、男の娘であるだけまだマシか...。

 

「...って言うか、必要世界貢献要求って何?」

 

「転生した世界に於いて、数値分の功績を残すと、次の人生で比較的良い生活をおくることが出来る、というものです」

 

「...もし、達成出来なかった場合は?」

 

「...人間に転生しない可能性が高いです」

 

......Oh, my god.

 

「ちなみにですが...転生後の世界についての情報は全て秘匿とさせていただきます」

 

「ん? なんで?」

 

「第1に、基本的恩恵などによる過剰なチート行為を防ぐため。 次に、転生後の世界を知ることで、世界貢献要求のリソースを必要以上に独占することを防ぐため。 最後に、他の魂に対する公平性を少しでもとれるようにするためです」

 

...うん、納得。

 

同じ世界に転生する人達のことを考えたら当たり前のことだよね。

 

「シャーロットさんは私の思った通りの清い心の持ち主です♪」

 

アルちゃんはそう言って微笑んだ。

 

...っていうか、アルちゃん、さっきからしれっと私の心を読んでない?

 

「気のせいですよ♪」

 

......そういうことにしておこう......。

 

「さて、そろそろ基本的恩恵を決めることにしましょうか」

 

「そうだね。 っと言っても、大体決まっているけどね。」

 

私が希望する恩恵は、次の通りだ。

 

1. 前世の記憶と此処での記憶を完全に保持する。

 

2. 魔法を使える。

 

3. 三本の剣を保持する。

 

4. 天使の翼を持つ。

 

5. 人の感情を知ることが出来る。

 

6. 世界の記憶に接続(アクセス)することが出来る。

 

こんなところだけれど...流石に欲張り過ぎだよなぁ...。

 

「このような形式にすれば可能です」

 

...いいんだ...。

 

 

 

 

 

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後天的技能容量: 1538/2468

 

01. 前世に於ける記憶の完全保持(0108)

 

02. 天界に於ける記憶の完全保持(0120)

 

03. 魔法の行使能力(0300)

 

04. 宝剣の所有権の保持(0234)

 

05. 天翼の保持(0168)

 

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よく収まったなぁ...。

 

えっと、あとは魔法と剣の詳細かぁ...。

 

...よし、これはどうかな?

 

 

 

 

 

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後天的技能容量: 0600/2468

 

[魔法の詳細]

 

01. 世界の記憶に接続する魔法(0200)

 

02. 自身を囲む球状領域外からのベクトルを反転する魔法(0144)

 

03. 人の感情の読み取る魔法(0120)

 

04. エネルギーを別のエネルギーに変換、又は保存する魔法(0090)

 

05. 肉体的ダメージを回復する魔法(0070)

 

06. 自身が認識した物質を別の空間に相互移動する魔法(0050)

 

[宝剣の詳細]

 

01. 聖剣エクスカリバー(0078)

 

02. 聖剣ジョワユーズ(0078)

 

03. 魔剣レーヴァテイン(0108)

 

[予備用の技能容量]

 

0600/2468

 

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よし、これでOK!

 

「この確認を了承すると、二度と変更することは出来ません。 その設定で宜しいですか?」

 

「......はい、了承します」

 

もう後悔はない。 次の人生では幸せな最期をむかえてやる!

 

「それでは、しばらくの間、共に同じ世界に転生する方々との会話をお楽しみ下さい」

 

あっ、そういうこともするんだ。

 

アルちゃんがそう言った直後、アルちゃんのすぐ後ろから、4つの人影が現れた。




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