個性『英雄』   作:ゆっくりシン

11 / 172
とりあえず新展開が思いつかない。
ネタの雨よ降って来い。







最初の頃は色々なご指摘があり、色々と勉強になったり、改善に繋がっていたのに、最近はそれがなくて何だか寂しさを覚える作者(バカ)です。



11話 『雄英体育祭② トーナメント』

 スタジアム中央に設けられたリング。

 それが完成すると同時にプレゼント・マイクが大きな声でナレーションを入れる。

 

『ヘイガイズアァユゥレディ!? 色々やってきましたが!! 結局これだぜガチンコ勝負!! 頼れるのは己のみ! ヒーローでなくともそんな場面ばっかりだ! 心・技・体に知恵知識! 総動員して駆けあがれ!!』

 

 うるさい。

 興奮しすぎてAre you readyすらマトモに言えてねぇじゃん。

 もう少ししっかりしろよ。

 

 

 

 

 

 

 試合はほとんど原作通り進んだ。

 発目さんに騙される飯田くんはなんか哀れに思えた。

 そして、ついに来た。

 俺はゆっくりとステージに上がる。

 

『五回戦!! その力未だ未知数。白き童女、白神神姫!! (バーサス)。過去のヒーローの力を受け継ぎし男、機鰐龍兎!!』

 

 受け継いだわけではない。

 勝手に使っているだけだよ。

 

『レディィィイイイイイイ!!』

 

 長いよ。

 

START(スタート)!!』

 

 試合が始まると同時に神姫の周りに水の玉が浮遊しだす。

 ああ、いきなりか。

 

「連弾! レインレーザー!!」

 

 ズバババババ! と水が出すとは思えない音が会場いっぱいに響き渡る。

 

『これは開始早々決着かーーーーーーー!!!』

 

『違う。上だ』

 

 その実況により、会場にいる全員の視線がステージの上、つまり全力で飛び上がった俺に集中する。

 相澤先生、バラさないで・・・・・・。

 俺はそう思いながらロックシードを取り出し、解錠する。

 

「変身!」

 

《オレンジ! ロックオン!》

 

 流れ出す待機音。

 個人的にこのほら貝風の待機音好きなんだよな。

 まあ、長々と聞いている暇はないけど。

 

「空中じゃ避けられないよ! アイスレイン!!」

 

 俺の頭上から凍って尖った雨が降り注ぐ。

 たしかに、空中じゃ避けるのはムリだろう。

 避けるのがムリなら避けなければいいだけの話なんだがな。

 俺はニヤリと笑いながらカッティングブレードを下ろし、ロックシードを斬る。

 

《ソイヤッ! オレンジアームズ 花道 オンステージ》

 

 そんな音声と共に開いたクラックから現れたオレンジ型の鎧が神姫のアイスレインを全て砕き、俺にカポッとはまり、着地と同時に展開される。

 そして、俺は『仮面ライダー鎧武 オレンジアームズ』への変身を完了させる。

 俺の姿を見た客席から歓声が湧き上がる。

 神姫は仕留められなかったことが気にくわなかったらしく頬を膨らませて怒っていますアピールてをしている。

 可愛い。

 

『おー!! 機鰐龍兎の姿が鎧武者に変わったぁーーーー!!』

 

 俺は無双セイバーと大橙丸を握り、構えながら神姫に突撃する。

 

「龍兎が剣を使うなら私だって! 即興技! ライジングアイスソード!!」

 

 神姫の手にワン〇ースの青雉が使う“アイスサーベル”そっくりの氷の剣が造られる。違うところは、それが雷を纏っている所だろう。

 無双セイバーとライジングアイスソードがぶつかり合う。

 ライジングアイスソードの雷がバチバチバチ、と音を立ててステージの一部を砕いていく。

 氷なのに堅い・・・・・・。

 俺と神姫は何度も刀と剣を打ち合う。

 身体能力を使った攻防戦なら神姫は圧倒的に弱い。

 俺は変身しなくても戦えるように日頃から鍛えているが、神姫は個性に頼りっきりで身体能力は平均以下だ。

 つまり、このまま行けば勝てる。このまま行けば、だが・・・・・・。

 

「うぅ~~! もう嫌だ! 必殺、フルサンダーインパクト!!」

 

 神姫がそう言うと同時に空が黒い雲で覆われ、そこから一筋の雷が俺目掛けて落ちてきた。

 俺は慌ててその場から離れる。

 大きな爆音と共に、俺が先ほどまでいたところが大きく砕けている。

 それを見て、つい舌打ちをしてしまった。

 こんなの喰らったらひとたまりもない。

 俺はロックシードを取り出し、解錠する。

 

《イチゴ!》

 

 オレンジアームズが空気に溶けるように消え、俺の頭上に開いたクラックからイチゴ型の鎧が現れる。

 

《ロックオン! ソイヤァ! イチゴアームズ シュシュッとスパーク》

 

 そんな音声と共にイチゴアームズが展開される。

 俺の手にはイチゴクナイが握られている。

 

『イチゴォォオオオ!! なあ、イレイザーヘッド。アレはなんなんだ!?』

 

『知らん』

 

 俺は素早く神姫に突撃しながらイチゴクナイを投げつける。

 神姫は暴風を吹かせ、その攻撃を吹き飛ばす。俺の頬を投げたクナイがカスって行ったのはビビった。

 クッソ。攻防一体の個性のにも程があるだろう。

 俺はそう思いながら無双セイバーを振るう。だが、その攻撃は何もないところで堅いものにぶつかり、止まる。

 ああ、マズい。

 神姫の使う技で強いが被害が大きくなるヤツだ。

 名前は[エアバリヤー]。

 かなり強引かつ、無理矢理なモノで、説明は難しいのだが、B組に『空気凝固』という個性を持っているヤツがいるが、それとは違う。

 空気が固形化するまで圧縮して、それをバリヤーに使うという、もう無茶苦茶にも程がある技だ。

 しかも、この技には最悪の副作用がある。

 考えてみてほしい。空気を無理矢理圧縮して固形化させているんだ、それを一気に解放したらどうなると思う? ワン〇ースの“バーソロ〇ュー・くま”の技を思い出してほしい。似たようなのがあっただろう。そう、アレが来るんだ。

 俺は慌ててロックシードを解錠する。

 

《スイカ!》

 

 巨大なクラックが開き、巨大なスイカ型の鎧が現れる。

 俺は待機音を聞かず、カッティングブレードを下ろし、ロックシードを斬る。

 

《ロックオン! ソイヤァ! スイカアームズ 大玉 ビッグバン ヨロイモード》

 

 俺はスイカアームズが展開されると同時にヨロイモードにし、スイカ双刃刀を地面に突き立てる。

 

「おしまい。エア・ボム」

 

 神姫が静かにそう呟くと同時に彼女を中心に爆風が吹き荒れ、ステージが砕けた。

 

 

 

 

 

 

 危なかった。

 スイカアームズがボロボロに砕け、吹き吹き飛ばされたが、何とかステージには残れた。

 それでも、ギリギリだ。

 神姫はまだ余裕があるらしくどっしりと立ってこちらを見ている。

 クッソ。もっと大技使わせないと終わらないな。

 俺はゲネシスコアを取り出して戦極ドライバーにセットし、二つのロックシードを解錠する。

 

《オレンジ! レモンエナジー!》

 

 二つのクラックが開き、二つの鎧が現れる。

 

《ロックオン! ソイヤァ! ミックス! オレンジアームズ! 花道 オンステージ! ジンバーレモン! ハハーッ!》

 

 そんな音声と共に二つの鎧が合体し、陣羽織になって展開される。

 俺はソニックアローを構え、エネルギーの矢を放つ。

 神姫は右手をかざし、暴風を吹かせることによって弾き飛ばされる。

 だが、俺は神姫が矢に集中している間に彼女に接近し、ソニックアローの刃で斬りつける。

 神姫は転がる様に回避し、砕けたステージの破片を飛ばしてきた。

 振り向きざまにステージの破片が顔面にぶつかる。

 痛い。想像以上に痛い。

 俺は戦極ドライバーのレモンロックシードをソニックアローにセットする。

 ソニックアローに集中するエナジーエネルギー。

 

《レモンエナジー》

 

 ソニックアローから束ねられたエネルギーの矢が神姫に襲い掛かる。

 

「うぅ~~~!! 合体必殺! ライジング・レインレーザー!!!」

 

 電気を纏ったレインレーザーとエネルギーの矢がぶつかり合い、そのエネルギーが相殺された。

 ぶつかった時、エネルギーの波が辺りに吹き荒れ、ただでさえボロボロだったステージがほぼ完全に瓦解した。

 エネルギーの波でステージ外に押し流されそうになったが、何とか踏みとどまれた。

 俺は肩で息をしながら神姫を見る。

 今の攻撃で神姫もかなり疲労したらしく辛そうな顔をしている。

 そう、エネルギーが切れ掛けている。つまり、あと少しで勝てるという事だ。

 俺は勝ちを確信し、ロックシードを解錠する。

 

《カチドキ!!》

 

 クラックが開き、そこからフルーツ型ではない鎧が現れる。

 

《ロックオン! ソイヤァ! カチドキアームズ いざ出陣 エイエイオー!》

 

 そんな音声と共に鎧が展開される。

 俺は背中の旗を掴み、構えながら強く宣言する。

 

「ここからは、俺のステージだ!!」

 

 そう叫ぶと同時に神姫に向かって突撃する。

 

『おーーーと!! 今まで以上に侍っぽい見た目になったぁーーーーー!!!!』

 

『勝ち鬨・・・か・・・・・・』

 

 神姫は風を吹かせてくるが、そこに強大な威力はなく、そよ風でしかない。

 俺は旗を全力で振るう。

 神姫は屈んで避けたが、それで攻撃を止めるほど俺は優しくない。

 足元の神姫を掴み、ステージ外へとぽーんと投げる。

 普段なら風を起こして浮くことができただろうが、今の神姫にそこまでのエネルギーは残っていない。

 

『場外!! 機鰐龍兎、二回戦進出ぅーーーーー!! 圧倒的な個性を前に、臨機応変に立ち回っての勝利だーーーーーーー!!!!』

 

 うるさい。

 俺と神姫はステージ中心でお辞儀をし、その場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 変身を解除してみると、意外とケガを負っていた。

 特に鼻血が酷い。

 俺はティッシュを取り出し、鼻に詰める。

 少し歩いたところで神姫と合流した。

 

「よぉ、惜しかったな」

 

「・・・・・・・・・うん」

 

 あ、ヤベ。泣きそうな顔に似合ってる。

 

「やっと一勝一敗だな。ずっと引き分けだったし」

 

「うん」

 

「ったく。何泣きそうになってるんだよ。俺の運が良かっただけだ。次やったら俺が負けるよ」

 

 俺がそう言うと神姫は俺に抱き着いてきた。

 突然の事に思考停止していると、神姫のすすり泣く声が聞こえてきた。

 頑張って泣かないようにしようとしているみたいだが我慢できてねぇよ・・・・・・。

 俺はそう思いながら静かに彼女の頭を撫でた。

 

 

 

 

 

 

 その後の展開は原作通りだった。

 常闇くん、切島くん、爆豪が勝ち残った。

 原作と少し違うところと言えば切島くんの相手が違った所と他に、爆豪を批判したヒーローが、

 

『競技が始まる前。選手宣誓の時に言われたことを忘れたのか』

 

 と言われ、何か気まずそうに俯いていたところだろう。

 だから言ったのに。

 人の忠告を忘れるなんて、バカだねぇ。

 




[次回予告]

ぶつかり合う闇の力。
機鰐龍兎は”キバの鎧”を纏って黒影(ダークシャドウ)と戦う。
そして、機鰐龍兎は”自身の信念”の為に変身する。

第12話 『雄英体育祭③ トーナメント第二回目』

更に向こうへ、”Plus Ultra”!!

この作品のヒロインって……

  • 白神神姫
  • 使原弓
  • 紅華炎
  • 暗視波奉
  • 赤口キリコ(安藤よしみ)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。