破壊光線に自分にしか分からないルビを振って使ってたらとんでもないことになった。   作:筋肉大兄貴
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ワタル「皆の反応に俺の胃がストレスでマッハなんだが……」
ジムリーダーズ「ワタルさん、カワイソス……」
カンナ「私達が彼を支えなきゃ……(使命感)」

こんな感じの話。


主人公視点 10 + カンナ視点 5 + 主人公視点 11

主人公視点

 

 

 

思った以上にノってしまって、どこの某大佐だと思ってしまうような演説まがいの挨拶や、その後の感情の高ぶりから涙まで流してしまった俺だけど、どういうわけか、他の皆からは意外と好意的に受け入れてもらえたようだった。

「後半年で二十歳にもなる男のくせに……」といった感じの感想を持たれながら、ひどく冷たい視線に晒されるのではないかと危惧していた俺としては、それはそれで大変ありがたいことではあったんだけど……。

 

 

 

何で皆さんも俺につられて一緒に泣いちゃってるんですかねぇ……?

 

 

 

いやさ、カンナやナツメちゃんは意外と涙もろいことは知ってたからまだ分かるんだけど、何でそこにカスミちゃんやエリカさんが入ってきますか? 元気っ娘と大和撫子の泣く姿とか、俺の心へのダメージが致命的なレベルでマッハなんだが……。

 

それに、何で彼女達以外のメンズまで一緒に泣いちゃってるの? 止めてよ、タケシとマチスさんとカツラさんの男泣きとか誰得だよ! いや、さっきまで泣いてた俺が言うのも何だけど、この三人だとビジュアル的に色々と暑苦しすぎるわっ!

 

 

 

……何てことを元凶の俺が言えるはずもなく、会議はそのまま続行された。活発に色んな意見が出てとても有意義な会議になったとは思うのだけど、時折聞こえてくる鼻をかむ音や、心配そうに俺のことを見つめてくる周りからの視線のおかげで、全体的にすんごく重くて湿っぽいものになっちゃったよ。

あまりに恥ずかしくて、俺もまともに皆へ顔向けすることが出来なかったし……。

 

どうしてこうなった……! マジでどうしてこうなった……!!俺はただ、心の向くまま、感情の赴くままに口を開いただけだったのに……!!!

 

 

 

『完全にワタルの自業自得です。本当にありがとうございました』

 

 

 

こんな無情なアナウンスが脳内に流れるのを虚しく聞きながら、俺はこのひどく居心地悪い時間が早く終わってくれるよう、どこにおわすとも知れないポケモン達の神、アルセウスに救いを求め続けていたのだった。

 

 

 

……ん? そう言えばさっき俺の頭の中に響いた声って誰の声だったんだ?

まさか本当にアルセウス? いや、流石にそれはないか……。

 

 

 

カンナ視点

 

 

 

ワタルの気持ちのこもった言葉と、それと併せて流された彼の涙とによって、今回の会議はとても有意義なものになりました。ジムリーダーの皆さんも、ワタルの助けになりたいという一心で素晴らしい意見を出してくれましたし、何よりもワタルの鬼気迫る真剣な表情のおかげで、会議中の雰囲気もいっそう引き締まったものになりました。

 

正直、彼にはあまり自分を追い詰めるようなことはして欲しくないのですが、それでも、今のような火急の時には、そういった常に矢面に立ち続ける姿勢こそが求められているということは、私も十分に理解しています。

 

 

 

ですが……ですがそれでも、私は貴方のことが心配です、ワタル。

最近になってようやく知ることが出来た貴方の内面は、私が思う以上に繊細で、そして非常に脆いものでした。

 

そんな貴方の心が、日々のチャンピオンとしての重責に耐えられるのか……。

そして何より、今回のようなロケット団という貴方の理想と相反する組織との接触が、繊細な貴方にどんな影響をもたらすことになるのか……。

 

私は、それが心配で心配で堪らないのです。

 

 

 

……ですが。

 

 

 

「ワタルさん、大丈夫? 本当はどこかに怪我してたりしない? 急に泣き出しちゃったからアタシも心配したんだからね? 」

 

「私もです。ワタル様は何事もご自分の中に溜め込まれる癖がありますので、時にはそれを皆さんと共有することも大切ですよ……? 」

 

「だから、これからはもう少し私のことを頼ってね、ワタルくん。貴方が頼ってくれるなら、私も……その、頑張る……から……」

 

「……心配させてしまってすまない、皆。だが、それでもこの距離は流石に近すぎるのではないか?」

 

「「「何か問題でも? 」」」

 

「……いや、君達がいいのならそれで構わないさ」

 

 

 

まずは、あの子達に間近に迫られてあたふたとしているワタルのことを救出しなければなりませんね。全く……相変わらず女性に免疫がない方なんですから……。

 

 

 

主人公視点

 

 

 

会議が終わった瞬間、何故かものすごい勢いでこちらに迫ってきた女性ジムリーダーの皆さんの圧力にあたふたしながら、俺は目の前にいる三人のことを改めて確認することにした。

 

 

 

カスミちゃんとは久しぶりに会ったけど、前よりも随分と背が伸びたみたいだね。それ昔はゴムで一つにまとめていたオレンジ色の髪も、今は普通に下ろして短めに揃えているみたいだから、雰囲気もぐっと大人っぽくなったみたいだ。

 

こういう風に知り合いの子がどんどん大人になっていくのを見ていると、相対的に俺も歳を取ったなぁって思えて少しだけブルーな気持ちになるよ。まぁ、俺もまだまだ若いつもりではあるけどそれでも、ね。

 

そういえば、カスミちゃんはイブキちゃんともタッツー繋がりで仲が良かったはずだよね。時間があれば、後でそのことについても聞いてみることにしようかな。

 

 

 

エリカさんは相変わらず綺麗で素敵だなぁ。この人の近くにいると、何だか時計の針が進むのが一気に遅くなるように感じるから不思議だよね。実際はそんなことはないのだろうけど、それでもそう錯覚してしまうくらいに、エリカさんの醸し出す雰囲気が柔らかくて居心地がいいってことなんだろうな。

 

数ヶ月前にタマムシ大学で行った、「ドラゴンポケモンの生態についての講演会」の会場にエリカさんがいた時はすごく驚いたけど、勉強熱心な彼女のことだから、きっと新しい研究レポート作成に必要な題材として、俺の話を聞きに来てくれてたんだろうなぁ。

 

まぁ、それ以外の講演会でもよくエリカさんと遭遇することが多いけど、たまたまだよね? 流石に俺のスケジュールを全て把握しているなんてことはありえないし、俺の考えすぎだよねぇ、きっと。

 

 

 

そして、ナツメちゃんは本当に綺麗な人になったね。風の噂では、どこかの地方の有名な劇場で女優にならないかとスカウトされたらしいけど、それも納得の知的でミステリアスな雰囲気を持つ女の人になったよ。

 

昔は今よりももっと人見知りが激しかった上に、エスパーとして力も随分と持て余している感じだったから心配していたんだけど、今では俺がいなくても上手くやれているみたいだね。いやー、よかったよかった。

 

ただ、何でこの子は俺と会うたびに俺の手を触ってくるんだろうか? もしかしてこの接触を通して俺の心の内側を探っているとか? ……いやいやいや、流石にそれはありえないよなぁ。……あれ? ナツメちゃん、何で今顔から背けたの?

 

 

 

そんなことを思いながら、俺はどうやってこのジムリーダー三人娘の相手をしようかと悩んでいると……。

 

 

 

「お取込みのところ申し訳ありませんが、ワタルにはこれから別の予定が入っておりますので、ここいらで失礼させていただきたいと思います」

 

 

 

それに気づいてくれたカンナが、そう言って俺のことを助け出してくれたんだ。いやー、彼女のその場の空気を読む正確に読み取る力にはいつも助けられるよ。。……うん、助かりはするんだけどね?

 

 

 

「「「ええ〜っ? 」」」

 

「『ええ〜っ?』ではありません。彼も忙しい人なので。……ほら、行きますよワタル」

 

 

 

だからって君まで俺の手を取る必要はないんじゃないかな?

 

 

 

「もう行っちゃうの、ワタルさん? 」

 

「そんな……私はもっとワタル様とお話がしたいです……」

 

「ワタルくん……行っちゃ、ヤダ……」

 

「……まさか、お仕事を放り出したりはしませんよね、ワタル? 」

 

 

 

えー……しかもこんな微妙な雰囲気になっちゃうの?

そりゃあ俺も皆と久しぶりに話したいけど、それ以上にカンナに迷惑かけたくないし……。うん、こういった場合はこうすることにしよう。

 

 

 

「……なぁ、皆」

 

 

 

そう言って、今一度目の前の四人の注目を集めた俺は、自分の顔にほんの少しだけ笑みを浮かべながらこう口を開いた。

 

 

 

「……お互いに色々と積もる話もあることだし、俺やカンナを含めたここにいる皆で食事に行かないか? 」

 

 

 

そうそう。お腹がすくと皆気が立っちゃうからね。まずは何か美味しいものでも食べに行こうじゃないか!

 

そう思って折角提案したのに、何故か先ほどまでニヤニヤとこちらの様子を伺っていた男性ジムリーダー達を含めた皆から、すごく呆れられた顔を向けられてしまった。何故だ。




次からはロケット団殲滅作戦開始。奴らに希望はない(断言)

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