初音ミクの愉快な日常   作:tundra

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転校生

「はぁ……友達できるかなぁ……?」

「大丈夫だよ、お兄ちゃん……あっ!見えてきたよ!たくさんのボーカロイドたちが集まる街、ボカロ市が!」

ボカロ市……そこには普通の人達に加えて、ほぼ全てのボーカロイドたちが生活している街だ。

僕達はそこに向かっている。なぜかって?それは……僕達はボーカロイドだからだ。

「まもなく〜終点ボカロ市駅〜ボカロ市駅〜。忘れ物のないように……」

電車はだんだん減速していきやがて止まった。僕達は荷物を持って電車を降りた。

ここがボカロ市……。かなりの都市だ。

「うわぁー、すごいね」

隣に居たヒメが言った。

「そうだね」

「それにしても電車で14時間、さすがに疲れたよー。もう電車は当分乗りたくないなぁ」

「……まだ電車……乗るよ?」

「えっ……?」

僕達が今いる場所はボカロ市の玄関口だ。これからまだ、もっと中に行かなくてはならない。

「あと、1時間くらいは電車かな?」

「もういやぁ!!!!」

ホームにヒメの叫び声が響いた。

 

 

 

「そういえばレン、知ってるか?」

優太が話しかけてきた。

「何が?」

「今日、俺らのクラスに転校生が来るらしいぜ。しかもお前と同じボーカロイドらしい」

「へー。そうなんだ」

新しいボーカロイドの転校生……。ちょっと興味があるな。

「可愛い女の子だといいなあー」

優太が言った。こいつってやつは……。

「……そうだといいね……」

そんなことを話しているうちに先生が入って来た。ホームルームの時間だ。

「えぇー、みなさんおはようございます。今日はみなさんのクラスに新しい友達が加わります」

そう先生が言った途端にクラスはざわめき出す。

「はいはい、みなさんお静かに。それではヒメさん、入ってきてください」

そう先生に促されて入ってきたのは女の子だった。

よかったな、優太。

その子はピンク色の髪で角みたいなものがあった。

「えっと……はじめまして!鳴花ヒメって言います!ヒメって呼んでください!よろしくお願いします!」

とても元気な子だ。

「それじゃあ、ヒメさんはあちらの席に座ってくださいね。それじゃ、今日も1日頑張ってください」

そう先生が言って今日のホームルームは終わった。

そして、すぐに優太がこちらにやって来た。

「ほんとに来ちゃったよ、可愛い子!」

「良かったね」

「俺は決めたぞ!俺はあの子といい感じの関係を築きあげるのだ!」

「……頑張れ」

そんな会話をしているとその本人がこちらに近づいてきた。

「鏡音レンさん、ですよね?」

「えっ?そうだけど……」

「わぁー!本物だっ!!握手してもらってもいいですか?あ、あと写真もっ!」

「いいけど……」

なんだか、とても勢いのある子だ。あと、隣の優太がこちらを睨んでくるのはどうにかならないだろうか。

「私、ミクさんとかレンさんやリンさんとか、ボーカロイドの先輩達に会うのが夢だったんです!」

「家に来ればミク姉とかにも会えるけど……家に来る?」

「いいんですか!?楽しみです!」

とりあえずヒメちゃんは放課後に家に来るということになった。一通り話し終えてヒメちゃんが自分の席に戻った後、優太が話しかけてきた。

「ヒメ様をレンにとられたぁ!」

「いや、そんなつもりじゃないよ!」

「うるせー!俺の青春がァァ!」

なんか……ごめん……。

 

 

 

一方その頃、リンちゃんは……

「なっ……なんなのあの女はっ!」

レンに教科書借りようと教室まで来たはいいけど、レンはピンク色の髪の女とそれはもう楽しそうに会話してるじゃない!

うぅ……レンは……レンは絶対に渡さないんだからっ!

そうと決めれば早速作戦会議だ。どうやったらあのピンク色の髪の女の子に勝てるだろう……。うぅーん……。教室に戻ってじっくり考えよっと。(そして教科書を忘れる)

 

 

 

 

 

それからミコト君は……

「なっ……なんだあの可愛い女子はっ!」

ヒメに会いに来たはいいけど、入口に超絶可愛い金髪の女子がいるじゃないか!

友達になりたいっ!でも……どうやって……。教室でしっかりと考えよっと!

 




ミコト「ヒメはボクのことをお兄ちゃんって読んでるけど、性別ってないんじゃ……」
ヒメ「細かいことはいいのっ!」

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