彼女達と奏でる音   作:オオル

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...それではそうぞ


約束

 昔の思い出を夢で見た。あの公園で遊んでいる時の思い出だ、確か小学4年ぐらいか?

 

「...はこの五人の中で誰が好きなの?」

「え!?僕は、僕は...が好きだよ?」

 

 照れくさく言った覚えがある

 

「...きっと喜ぶよ?」

「そうかな?」

 

 その後だ、確か俺は思いを伝えたんだ

 

「僕は、僕は...が好き!」

「...も...のこと好き」

「っ!そっか!ならよかったよ!」

 

 お互いが好きだったんだな

 

「おい圷、起きろ圷」

「あ、」

「あ、じゃないこの英文を日本語に言い換えろ」

「あ、はい」

「...おい圷、なんで泣いてるんだ?」

「え?あれ?おなしいなーなんでだ?」

「あ、あれですよあれ、あくびしたら涙出るやつです」

「なんだよそこまで熟睡するとはいい度胸だな」

「...すみません」

 

 そうだ思い出した。全部思い出した。俺は昔からあいつのことが好きだったんだ

...ということはあいつとは付き合えない...こればっかりはちゃんと話さないとダメだな

 

「以上だ、最近は明るいからって夜出歩くじゃないぞ」

 

 あっという間に帰りのHRも終わり運命の放課後が来た

 

「有翔ー帰らないのか?」

「少し用事があるんだ、先帰ってていいぞ」

「おー?そうかわかったじゃあ行こうぜゆう」

「わかった、じゃあな有翔」

「おう、またな」

 

 もう決めてるいる、あとは迎えに行くだけだ、目的の場所に向かっていった。

 

 目の前にはドアがある、このドアを開けたらその人はいる

 

「行くしかない」

 

 そのドアを開けた

 

「...あーくん?」

「よっ、モカ」

「...あーくん、来る場所違うよ?」

「ああ、わかってる」

 

 わかってた

 

「それなのにモカちゃんの所に来るなんて〜モカちゃんが可哀想だから?」

「それもあるが確認したいこともあったんだ」

 

 俺は思ったことをそのまま聞いた

 

「モカ...お前は蘭のために俺のことを好きって演技をしてたんだろ?」

「...いや〜流石あーくん、その通りだよ」

「あとは俺を慰めるためだよ...な?」

「...うん」

 

 まったくそれだけのために俺なんかと

 

「お前...その為だけに処女無くしてまで俺とヤる必要あったのか?」

「だって、蘭は自分から動かないもん」

「あたしがあーくんとヤったら動くって思った、そしたら本当に動いてくれた」

「...お前は本当に友達、いや親友思いのやつだな」

「えへへーそうでしょ?」

「...でも、もう無理する必要ないだろ?」

「...最初はふりだったよ?でもあーくんと必要以上に絡むようになって本当に好きになっていって...あたし!」

 

 泣きそうになってるモカを抱きしめた

 

「ごめんな、俺が遅かったせいで...俺が早く決めておけば、思い出しておけば、モカは傷つかなかったのにな」

「...それはずるいよ、あーくん」

「モカの処女奪ってごめん」

「...それはお互い様、あーくんの童貞奪ったのモカちゃんだし」

「モカとの思い出は絶対に忘れない」

「...モカちゃんは早く忘れて新しい恋を探したいけどね〜」

「それで、それでもいいさ」

 

 俺とモカはお互いの初めてをあげた同士、このことは絶対に忘れないと思う、たとえ俺がモカ以外の人と付き合ったとしても

 

「モカ、俺が嫉妬するぐらい凄い彼氏を作って俺に見返してくれ、モカちゃんはこんな凄い彼氏さんいるんだよ〜あーくんなんて下の下〜」

「ってさ」

「うん、モカちゃん次の恋は本当に狙ってみるよ、そしてあーくんがさっき言ったとおりにしてみせる」

「おう!」

「...それじゃ早く蘭の所行ってよ」

「...モカちゃん泣けないじゃん」

「わかったでも最後に一つ言わせてくれ」

「なに?」

「これからも友達、いや親友でいてくれ!自分でも都合のいいこと言ってると思う、けど!やっぱりモカは俺の親友だ!」

「...モカちゃんは言われなくてもそうしてたよ?」

「...蘭を幸せにしてね?」

「親友が頼んでるんだ、任せろ!」

「なんか泣く気がなくなっちゃったな〜」

「だからはい」

 

 そう言ってモカは手を挙げた

 

「さあ〜あーくんも手を挙げて〜?」

「ん?こうか?」

 

 パーン

 

「はい、ハイタッチ」

「バトンタッチと一緒、これから蘭を頼むよ〜」

「...このバトンを他の人に譲らないように頑張るよ」アハハ

「よし、じゃあ俺の好きな人に告ってくるよ」

「うんうん、行ってらっしゃ〜い」

 

 モカにはお世話になった、今度山吹ベーカリーのパンでも奢ってやるか

 

 屋上に向かった。俺が好きな人がそこで待ってくれてる、きっと怒ってんだろうなー遅くなったし、もしかしたら帰ってるかもだし...

 屋上のドアの前についた、俺は想いを伝える、ただそれだけだ、ドアを開けた。奥にその人はいた

 

「...ありと?」

「蘭...遅くなった」

「...モカと付き合ったんでしょ?おめでとう」

「え?」

「ここからあの教室見えるんだよね、話してたじゃん」

 

 なるほどそーゆうことか

 

「蘭違うぞ」

「...違うってなに?」

「俺はモカに告白してない、話をしただけだ」

「え?」

 

 もう言うんだ

 

「俺は、俺は蘭が好きだ」

「う、うそ...」

「本当だ、俺は蘭が好きだ」

「蘭の声が好きだ」

「蘭の歌が好きだ」

「...思い出したんだ、俺は小さい頃から蘭が好きだったって」

「約束...忘れてて悪かったな」

「蘭はずっと待っててくれたんだろ?」

 

 蘭を見たら泣いていた。それして抱きついてきた

 

「もう、もう!もう!いつもありとは遅い!」

「ごめんな」

「今日だって遅かった!」

「悪かったって」

「でも、約束思い出してくれてた」

「ああ、時間かかったけどな」

「...蘭返事を聞いてもいいか?」

「あたしもありとが好き」

「ふっ、これ前も言ってたな」

「ありと...」

「蘭...」

 

 放課後の屋上にて夕焼けに照らされながら二人はキスをしていた

 

「恋人になって初めてキスしたな」

「う、うん...」

「どうした?蘭」

「いや、そのあんまり実感なくて」

「はーなんなら家ついたら蘭がしたいことなんでもするから心配すんな」

「そ、それだとあたしが求めてるみたいじゃん!」

「えー?違うのか?」ニヤニヤ

「っ!もう知らない!」

「あ、待てって!ちょ、蘭!冗談だって!」

 

 恋人になって浮かれてちょっとからかっただけでこれかよ、まあ蘭はこうゆうやつだからな...これからよろしく頼む

 

 また思い出の夢を見た

 

「僕は、僕は蘭ちゃんが好き!」

「ありとも?...あたしもありとが好き!」

「っ!そっか!ならよかったよ!」

「両思いだね!」

「う、うん」

「でもまだ僕達子供だよね?」

「う、うん」

「だから大きくなったらまた思いを伝えるよ!」

「わかった、あたしずっと待っとくから」

「約束だよ!」

「うん!」

「「約束げんまん嘘ついたら針千本飲ーます、指切った!」」

「あたしからじゃなくてありとからね」

「...うん!」

 

 起きたら隣に蘭が寝ていた、俺からじゃなかったけど約束は守れたよ、小さい頃の俺、俺は蘭とちゃんと付き合えたぞ...

 彼は隣で寝てる恋人を見ながらまた深い眠りについた。




はい、有翔は蘭ちゃんを選びました。モカ推しの方すみません、元から蘭ちゃんルートで行こうと思っていたんです、これからも話は続いていくのでそうぞよろしくお願いします!

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