錬鉄の英雄に憧れた青年の転生物語   作:アルティメットフリーダム

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錬転×無灰三話目です!


未知の敵と二人の少女

 

 

 

私が爆発現場に駆けつけると戦闘員はもちろん、イマジンやドーパント、ヤミーが人々を襲い、街も破壊されていた。

 

ディケイドに変身すれば宝具を使わずに一掃が可能だろうが…たまにはこの姿のまま戦うとするか、幸いにもグリードのような強力な敵や魔化魍のようにディケイドの力を使わなければ倒せない敵がいる訳ではないからな。しかし、まだ近くに人がいる以上私のみに敵の注目を集めるのは…あまりあの宝具は使いたくないのだが…

 

私は干将・莫耶で手短なイマジンを斬り裂いた後、干将・莫耶を消滅させて新たな武器を投影する。それはシンプルな金色の槍と金色に赤い丸が描かれたシンプルな丸い盾。一見地味だがこの武器はあるサーヴァントが使っていた武器だ。私が槍を上に掲げると同じような武器を持った兵士達が300人後ろに召喚され、みなが盾を構えて槍を頭上に掲げる。

 

炎門の守護者(テルモピュライ・エノモタイア)!!」

 

宝具を発動した瞬間、兵士達が盾に変化して私を守るように積み上がった。宝具の効果で私にターゲットが集中しているため、周りにいた怪人が全て私に向かって一直線で向かってくるが攻撃を全て盾で防がれる。召喚された兵士達…今は盾だが…はC~Eランクの耐久スキルを持っているため並大抵の攻撃ではやられない。

 

だが、なにも黙ってただ守ってるだけではどうしようもない…私はレオニダスの槍と盾を消滅させてアタランテの弓、天穿の弓タウロポロスを投影する。カタストロフェは一掃に向いてるのでね。

 

「二代神に奉る…訴状の矢文‼︎(ポイボス・カタストロフェ)

 

二本の矢を投影して空へ放つと光の矢がエノモタイアを破ろうと攻撃している怪人達に向かって豪雨のように降り注いだ。前は魔女相手に使ったから仕留めきれなかったが、あの雑魚敵なら跡形も残らないだろう。

 

矢の雨がやむ頃にはもう敵の姿はなかった。私は安心してタウロポロスを消滅させ、エノモタイアも解き、その場を立ち去ろうとした時、壊れた柱の影に邪悪な気配を感じた。私はすぐに干将・莫耶を投影して戦闘態勢をとる。

 

「…出てこい。隠れているのはわかっている」

 

「バレてたか」

 

出てきたのは所々に金色の装飾がついている黒服を着ていて左手の甲には黒い丸があるいかにも悪役の姿をした男だった。

 

「何者だ」

 

「タイムジャッカーのティードだ」

 

「タイムジャッカー?知らない名前だな」

 

「知ってるかどうかなどどうでもいい…しかし、まさかこの世界にまつで来るとはな。世界の破壊者」

 

「私も来たくて来た訳ではないのだがね…さて、無駄話はここまでだ」

 

「変身しないのか?」

 

「無駄話はここまでと言ったはずだが?」

 

干将・莫耶を握りしめてティードに突っ込もうとした時、後ろからあの二人の気配を感じた。ちっ!付いてきたのか!足手まといになると言ったというのに!

 

「アーチャーさん!」

 

「たわけ!なぜ来た!」

 

先程出会った二人、奏多と…もう一人は確か炎と呼ばれていたな…が息を切らしながらも駆けつけてきた。

 

「アーチャーさんが心配で!」

 

「君達に心配されるほど落ちぶれてはいない!早く逃げんか!」

 

「くくく…ははははは!傑作だな。そうだ…君達に見せたいものがあるんだ。来い」

 

するとティードが出てきたのと同じ柱の影から二人の少女が現れた。一人は綺麗な銀髪にロングヘアーでクールそうな少女、もう一人は同じくロングヘアーだが金髪の少女、だが目が死んでいる。とてもじゃないが正常には見えない。

 

「おい…マジかよ」

 

「友希那!!千聖!!」

 

「君達の知り合いかね?」

 

「はい!実は恋人から連絡があって行方不明になってるって!」

 

なるほど…だいたいわかった。

 

「貴様…彼女達を洗脳したな」

 

「ご名答だ世界の破壊者。彼女達はただの駒だ…お前達を潰すためのな」

 

まさに吐き気を催す邪悪というやつだな…これはますます力のない奏多達を巻き込む訳にはいかん!この二人を守りながら彼女達を救うには…これしかない!

 

私はネオディケイドライバーを取り出して、必死に友希那と千聖と呼ばれた少女達に呼びかける奏多達の前に出る。

 

「燐子達が心配してる!僕達と帰ろう!」

 

「俺達のことがわからないのかよ!」

 

「二人とも下がれ!私が救ってみせる!」

 

ネオディケイドライバーを腰に巻く。

 

「そのベルト…」

 

カードを取り出して、いつもの言葉を叫ぶ。

 

「変身!!」

 

《KAMEN RIDE DECADE》

 

私の周りに幾つものモノクロの影が現れ、その影が私に重なり色がつき装甲を作り出そうとした時、ティードから謎の衝撃波が放たれる。普通ならモノクロの影に阻まれて私にダメージが入ることはないのだが、なんだが嫌な予感がした私は咄嗟に熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)で衝撃波を防ぐ。

 

「なに?」

 

困惑するティードを他所にモノクロの影は全て私に重なり、最後に黒いプレートが頭に刺さると装甲がマゼンタとなった。

 

左肩から右胸にかけて斜め十字線があしらわれ、翡翠の色をした大きな目…その名は

 

「仮面ライダー…ディケイド」

 

そう奏多が呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回の錬転は!

「アーチャーさんが…仮面ライダー?」

「この世界には仮面ライダーが放映されていたか」

「君に彼女達を傷付けられるか?」

「友希那…千聖…絶対に助けてみせる」

次回『友のため』

全てを破壊し、全てを繋げ!

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