張り切ったガラリアにとっては残念だったが、結局ガロウ・ランが姿を現すことがないまま、2隻のナムワンはドレイクの本拠地たるラース・ワウに到着した。
ガラリアにしてみれば手柄を立てる事が出来なかったので、非常に残念そうだったが。
けど、ビショットとの取引を成功させたという点は大きな手柄ではあると思うんだが。
「アクセル王、よくぞ無事に戻ってきてくれた」
城にある謁見の間。
そこで俺はドレイクと会っていた。
他にもマーベルがいるし、ガラリアの姿もある。
バーンやショット、ゼットもいた。
ドレイクの隣にはルーザの姿があったが、こちらは相変わらず俺に向けて侮蔑の視線を向けており、リムルは警戒の視線を向けている。
う-ん、ルフト一家は表向きはともかく中身はかなりバラバラだな。
「ああ。ビショットと会う事が出来たのは、大きな収穫だった。今度クの国に行ったら、新型のオーラバトラーが開発されているかもしれないな」
「ほう? それはアクセル王が何かをしたのか?」
「何かをしたというか、簡単なアドバイスをした感じだな」
そう言い、ビショットにしたアドバイスを説明する。
とはいえ、アドバイスそのものはそこまで複雑なものではない。
単純に、ドレイクは重装甲のドラムロを開発したから、ビショットには重装甲ではなく高機動のオーラバトラーを開発したらどうかと、そう言っただけだ。
「言ってみれば、量産型ダンバインといったところか」
「それは……ゲドとは違うのか?」
「ゲドはちょっとな」
実際、ゲドは初のオーラバトラーという点では何気に完成度が高い。
恐獣狩りとかでマーベルが使ったように、普通に実戦で使えるのだから。
だが、それでもダンバイン程ではないにしろ、高いオーラ力を必要としているとか、オーラショットのような射撃武器がないとか、色々と便利に使えるショットクローもないとか、欠点は大きい。
量産型のダンバインは、ダンバインの性能を可能な限り有したままで、パイロットはドラムロのようにバイストン・ウェルの人間でも操縦可能にするといった感じだ。
まぁ、これはあくまでも俺の予想だったりするので、実際に本当にそんな風になるかどうかは、また別の話だが。
「ふむ。そうなると、ビショット王の開発したオーラバトラーには期待出来るな」
「へぇ。勝手な真似をするなと、不満を言われるのかと思ったが」
「全くです。お館様が開発したオーラバトラーについての情報を、易々と他国の者に渡すとは。幾ら同盟を結んでいるとはいえ、出しゃばりすぎでは?」
「ルーザ」
俺の言葉にドレイクが何かを言うよりも前に、ルーザがそう不満を口にする。
ルーザにしてみれば、俺のやる事はそれがどんなものであっても面白くは思わないのだろう。
正直なところ、何故俺はここまでルーザに嫌われているのか分からない。
ルーザにとっては、俺という存在そのものが面白くないと思えているのだろう。
「お館様、ですが……」
「構わんと儂が言っている」
「……分かりました」
不満そうにしながらも、ルーザはそれ以上は何も言わない。
ここでこれ以上何かを言っても、ドレイクの不興を買うだけだと、理解しているのだろう。
ちなみに、バーンやリムルといった、俺に決して好意的ではない者も、今のやり取りに不満を感じている様子だった。
「ガラリア。今回の任務を無事完遂した事は見事だ」
「は!」
ドレイクは話題を変えようとしてか、ガラリアに視線を向けてそう告げる。
ガラリアの事を本当に賞賛しているのか、それとも単純に今のやり取りの話題を逸らそうとしているのか。
その辺は俺にも分からなかったが、ともあれガラリアが褒められたのは間違いない事実だ。
問題なのは、その褒められたガラリアがどう思っているのかといったところか。
ガラリアにとって、今回の一件はそれなりの手柄になったのは間違いない。
それを本人が満足してるかどうかといったところか。
「それで、話は変わるが、アクセル王。十日後、シルキー・マウの力で地上人を呼び出す」
「随分といきなりだな」
ドレイクの口から出た突然の言葉に、驚く。
そんな中、マーベルが微妙に嫌そうな表情をしているのが分かる。
まぁ、マーベルは地上からバイストン・ウェルに召喚された張本人だしな。
そういう意味では、自分と同じような目に遭う人物がいるというのは、思うところがあるのだろう。
「エ・フェラリオの力でオーラロードを開くにも、決まった周期が必要となる。そういう意味では、今回の召喚は以前からの予定通りだ」
断言する様子を見ると、ドレイクは絶対に召喚するつもりなのだろう。
とはいえ、その気持ちも分からないではない。
聖戦士用にダンバインを開発したものの、現在それに乗っているのはマーベルだ。
そしてマーベルは、俺の部下……というか、恋人とか愛人といった立場ということになっている。
実際にどうなのかはともかくとして。
そんな訳で、現在ドレイクの下には聖戦士はいない。
マーベルが乗っている事で、ダンバインが非常に高性能なオーラバトラーなのは明らかである以上、それを放っておくままにする訳にはいかないのだろう。
とはいえ、本当に限られた人物しか乗れないダンバインよりも、ドラムロの方が使い勝手はいいと思うが。
何だかんだと、量産機というのは大勢が使える分だけ非常に大きな意味を持つ。
「聖戦士か。……まぁ、その辺はドレイクが対応する以上、俺からは何も言えないけどな。とはいえ、召喚された人物によっては問題になる可能性もあるぞ」
マーベルの場合は、言ってみればただの大学生だったから、地上では大きな騒ぎにはなっていない筈だ。
だが、もし召喚された人物が何らかの社会的地位にある人物の家族だった場合、当然のように大きな騒ぎになる。
もっとも、バイストン・ウェルに召喚された以上は地上にいる者がどう騒いだところで大きな意味などないのだろうが。
「うむ。その辺は気をつけよう」
俺の言ってる意味を本当に理解しているのかどうか分からないが、ドレイクはそう言う。
「では、これにて解散とする。皆、それぞれに自分の仕事に戻るように。ガラリアは詳細な報告を聞きたいので、この後は儂の部屋に来るように」
ドレイクの指示に従い、それぞれが仕事に戻っていく。
そんな中、俺とマーベルはショットやゼットに呼ばれて機械の館に向かうのだった。
「へぇ、これがドラムロの本物か。いや、クの国で見たんだけどな」
ショットやゼットに呼ばれて機械の館にやって来た俺が見たのは、ゲド、ダンバイン、ドラムロという3機のオーラバトラー。
特にダンバインはマーベルが乗っている白のダンバインではなく、俺のサーバインと同じような赤に塗られている。
俺のダンバインであると、そう示す為だろう。
……もっとも、サーバインがある以上は俺がダンバインに乗るといったような事は基本的にない。
そもそも、俺がオーラバトラーに乗るにはオーラコンバータをゼットが開発した魔力用の物に換装しないといけないし。
そういう意味では、このダンバインは俺用であっても、俺が乗るといった真似は出来ないのだろう。
「これは? まぁ、聞くまでもないと思うけど」
元々、俺とドレイクの間ではオーラバトラーを譲渡するという約束があった。
それを叶えた形だろう。
それと、シルキー・マウによって十日後に行われる地上人の召喚。
そちらについても、余計な真似をしないで欲しいという、そんな思いがあっての行動だろう。
まぁ、その気持ちは分からないでもないが。
ドレイクにしてみれば、ようやく聖戦士を自分の手に出来るのだ。
その機会を逃すような真似はしないで欲しいという、そんな思いからの行動だろう。
「ドレイク殿から、アクセルに渡すように言われた代物だ」
「ゲドは何気にそこまで必要としていないんだけどな。まぁ、あればあるだけいいのは間違いないが」
ゲドなら、ケミ城に行く途中でガロウ・ランと一緒に襲ってきた相手の機体を確保してある。
とはいえ、俺が倒した方はまだしも、マーベルが倒した方は四肢切断されているので、部品取り用の機体として使うしかない。
あるいは、ホワイトスターに戻れば解析用として使われる可能性も高い。
「なら、ゲドはいらないか? それならそれで、こちらとしても助かるのは間違いないが」
ドレイク軍にとって、ゲドはパイロットは少ないものの、立派な戦力だ。
ガロウ・ラン程度を相手にするには、十分すぎる程だろう。
また、戦力として使わなくても、クの国を始めとして他国に売る為の商品としても十分魅力的なのは間違いない。
その辺の事情を考えれば、ゲドを俺に渡さなくてもいいのなら、それに越した事はないと考えてもおかしくはなかった。
もっとも、俺としてはゲドも十分に役立つので、貰っておくが。
「いや、くれるというのなら貰っておくよ。……にしても、ゲドと量産型のドラムロはともかく、よくダンバインを用意出来たな」
元々ダンバインは聖戦士用のオーラバトラーとして開発された機体だ。
ましてや、ダンバインのプロトタイプとして開発されたのがサーバインであるとなれば、ダンバインは半ばショットやゼットの趣味で開発された機体だと言っても間違いではない。
パイロットのオーラ力によって機体性能が大きく変わるといったような特徴は、特にそれを示しているだろう。
ドレイクはそれを上手い具合に自分達の戦力として使ったようだが。
ともあれ、そんな開発経緯を持っている以上、ダンバインの数は決して多くはない。
少なくても、量産を前提にして開発されたドラムロとかに比べれば、量産性という意味では圧倒的に劣っているのは事実だ。
ましてや、十日後の召喚で一体何人の地上人が来るのか分からない以上、ドレイクとしても聖戦士用のダンバインは出来るだけ確保しておきたいと思うのは当然だろう。
そういう意味で、俺にこうしてダンバインを渡すというドレイクの判断は大胆であると言ってもいい。
「ドレイク殿も色々と考えているという事だ。……それより、クの国はどのような感じだった?」
「どのようなと言われてもな。以前のクの国を知らない以上、どうとも言えないぞ。寧ろそういうのは、俺よりもガラリアとかに聞いた方がよくないか? あの様子なら、今までにも何度かクの国に行ってるんだろうし。ゼットにとっても、その方がいいだろ?」
「なぁっ!?」
俺の口から出て来た言葉に、ゼットは驚きの声を上げる。
ゼットにしてみれば、まさかそんな言葉が出て来るとは思ってもいなかったのだろう。
「何だ、もしかして隠しているつもりだったのか? ……まさか、ああまであからさまに態度に出しておきながらも、そんな事はないよな? なぁ、マーベル?」
「ふふっ、そうね。隠すには少しあからさますぎたというのは、私もアクセルの意見に賛成するわ」
「ぐ……」
俺だけならまだしも、マーベルにもそう言われてしまえばゼットは何も言えなくなる。
寧ろ、俺よりも女のマーベルの方がそういうのには詳しいと思うんだが。
そんな疑問を抱くも、ゼットをこれ以上からかうのも面倒なので、本題に入っておく。
「そんな訳で、クの国が以前とどう違ったのかは、俺じゃなくてガラリアとかに聞いた方がいいと思うぞ」
そう言うと、ゼットは渋々……本当に渋々といった様子で頷く。
顔が赤く染まってるんだが、ゼットのような奴がそんな真似をしても、不気味なだけなんだが。
「で、話を戻すが。取りあえずこの3機のオーラバトラーは俺が貰ってもいいんだな?」
「ああ、構わない。ドレイク殿からも言われているしな。それと、ナムワンだが……自動化を希望するとの話だったな?」
ショットからの確認の言葉に、俺は頷きを返す。
実際、クの国に行くときにナムワンを操縦していたのも、ドレイクが派遣した面々だった。
それを考えれば、俺が自分の部下を集めるというのは難しいだろう。
それでも何とか集めた場合の時に備え、出来るだけ少人数でナムワンを操縦出来るようにしておくに越した事はなかった。
本当の意味で希望を言えば、俺やマーベル1人だけで全てを操縦出来るようにしたり、もしくは完全に自動操縦出来るようにして欲しいのだが……今のバイストン・ウェルの技術では、とてもではないがそんな事は出来ないな。
恐獣の中に、人工知能的な役割を果たすような奴がいてくれれば、こちらとしても助かるんだが。
まさか、そんな都合のいい恐獣はいないよな。
「そうだ。出来るだけ少人数で使えるようにしてくれ。バイストン・ウェルの技術でどこまで自動化できるのかは分からないけど」
「正直なところ、そこまで期待はしないで欲しいというのが正直なところだ。もっとも、ドレイク殿に話を持っていけば、意外と研究を許可してくれるかもしれないな」
「だろうな。ドレイクにしても、自動化出来ればそれだけ多数のナムワンを運用出来るんだから」
その言葉に、ショットは笑みを浮かべるのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1410
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1650