転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2808話

 バーン達が出掛けた翌日、俺とマーベルはドレイクの近くにある椅子に座って階段を上ってくるバーン達を見ていた。

 バーン、ショウ、トッド、トカマクの乗っているオーラバトラーが、階段から少し離れた場所にあった。

 ただし、そこにあるのはドラムロ1機にダンバイン3機ではなく、ドラムロ2機にダンバイン2機。

 足りないダンバインは、トカマクの機体だ。

 昨日の午前中の模擬戦でもそうだったが、トカマクのダンバインは未だに修理中だ。

 昨日、俺とマーベルが見たのはやはりというか、当然というか、ギブン家に向かう一行だった。

 結果として、昨日のギブン家との戦いにおいてはギブン家の屋敷を全焼させるといったような成果を挙げたらしい。

 ……そして聞いた話によると、何気にトカマクもかなり活躍したとか。

 ダンバインを大破状態にして、ろくに戦果らしい戦果を挙げていなかったトカマクにしてみれば、ここで活躍しないとどうにもならないと、そう思っていたのだろう。

 まぁ、ドラムロのフレアボムは燃やすという意味ではダンバインが装備しているオーラショットよりも有効だし、焼き討ちをするという意味では向いていたのだろう。

 ともあれ、これによって地上人3人の影響力というか、順位的なものは変わってしまった。

 トッドも別に昨日は活躍しなかった訳ではないらしいのだが、それでもトカマクには劣る。

 そんな訳で、昨日まではショウ、トッド、トカマクといった順番だったのが、今日はショウ、トカマク、トッドといったようにトッドとトカマクの順番が入れ替わってしまった形だった。

 ショウが1位のままなのは、ダーナ・オシーとの戦いを有利に進めていたらしい。

 

「皆の者、ご苦労だった。……今日の祝杯は、ギブン家に大きな被害を与えた者達に対する、儂の感謝の印だと思って欲しい」

 

 ドレイクはそう言って、目の前までやって来たバーン達に向かって持っていた杯を高く掲げる。

 バーン達もまた同様に、ドレイクと同じように杯を掲げた。

 続いて、他の者達も持っている杯を掲げる。

 ちなみに、俺の杯に入っているのは酒ではなく果実水だが。

 俺が酒を飲むような事になったら、一体どうなるか分からないしな。

 

「乾杯!」

 

 ドレイクの合図と共に、皆が杯を口に運ぶ。

 

「ぷはぁっ! 美味い! いい酒だな」

 

 酒を飲み終わったトッドは、余程口に合ったのだろう。

 笑みを浮かべてドレイクにそう告げる。

 だが、そんなトッドの視線を向けられたドレイクは、喜ぶでもなく、冷たい一言を口にする。

 

「トッド・ギネスには、次の戦いを期待しての酒だがな」

「分かってますよ、ドレイク閣下。俺だって、いつまでもただ酒を飲むなんて真似をするつもりはないんだ。次の戦いでは、きちんと成果を出してみせますよ」

 

 そう告げるトッドだったが、ドレイクは半信半疑といった様子で口を開く。

 

「だと、いいのだがな。このままでは、色々と考えねばならん」

 

 ドレイクの言葉に、バーンもまたトッドを見て口を開く。

 

「地上人は聖戦士となる実力を持つ者。トッド殿も、次こそはきちんと活躍してくれるでしょう」

 

 次こそはという言葉に力を入れて言ってるのを思えば、バーンもまたトッドを期待外れといったように見ているらしい。

 トッドの場合、オーラバトラーを操縦するセンスも決して悪くはない。

 そういう意味では、今の状況でトッドが活躍していないのは、単純に運や巡り合わせが悪いといった感じだと思うんだが。

 少なくても、オーラバトラーの操縦技術という点ではトカマクよりもトッドの方が上だし。

 ショウとの差も、そこまでないと思う。

 そういう意味では、ここでドレイクやバーンがトッドを切り捨てるかのような発言をするのはどうなんだろうな。

 ただし、個人的にはそんなに悪くはない。

 出来ればトッドにはドレイクではなく、俺の勢力に来て欲しい。

 とはいえ、それが難しいのも事実なんだよな。

 ホワイトスターがあればともかく、それがない今の状況ではトッドが俺の下に来ても渡せる報酬は……それこそ、空間倉庫の中に入っている料理とかゲーム機とか、そういうのしかないし。

 その辺は、取りあえず考えないでいた方がいいな。

 トッドもドレイクやバーンの様子に気が付いてはいるようだったが、それを特に気にした様子もなかったし。

 そんなトッドの様子に、ドレイクとバーンはそれ以上何も言わない。

 今は戦勝の宴である以上、ここでトッドを責めるような真似をして、周囲の雰囲気を悪くしたくなかったのだろう。

 そのような真似をすれば、士気が下がったりするだろうし。

 そうしてパーティを楽しむ事になるが、ドレイクとバーンによって暗に責められたトッドの周囲には、人が殆どいない。

 ショウやトカマクの周囲には、何人かが集まっているのだが。

 

「リムルはどうした?」

 

 ルーザに対してそんな風に尋ねているドレイクの声を聞きながら、俺はトッドの方に向かう。

 ちなみにマーベルはいつの間にかガラリアと話していた。

 ガラリアはパーティであっても騎士の格好のままで、そういう意味ではガラリアとマーベルはそれなりにお似合いに見える。

 ここ何日かはガラリアも忙しかっただろうし、マーベルと話をさせておくのもいいだろう。

 

「残念だったな」

「アクセルか。まぁ、今の俺の状況を思えば、ああいう風に言われても仕方がないけどな。けど、次の戦いでは十分に実力を発揮してみせるよ。ドレイクも、俺がきちんと成果を残せば、文句は言ってこないだろうし」

 

 ドレイクはそうだろうが、バーンの方はどうだろうな。

 バーンは自分がドレイクの腹心であるというのを十分に理解している為か、自分の地位を脅かしかねない相手は警戒する。

 俺に対して、裏で抹殺を企んだりしたのは、そのいい例だろう。

 もっとも、そのおかげで俺はダーナ・オシーを入手出来たのだから、その件に関してはバーンに感謝する気持ちの方が強かったりするが。

 とはいえ、俺を殺そうとしてギブン家に情報を漏らした件は、決して面白いものではない。

 地上人の3人に対しても警戒しているのだろうが、やはりバーンが一番警戒しているのは俺に対してだろう。

 いや、寧ろマーベルという地上人と一緒にバイストン・ウェルに姿を現した俺だからこそ、バーンにしてみれば地上人を警戒する理由になっているのかもしれないな。

 

「精々頑張れ。お前が言うように、結果を出しさえすればドレイクはお前を認めるだろうし、重用するだろうからな」

「おう、任せておけ」

 

 そう言い、トッドは俺の前から去っていく。

 気が付けば、他の者達もそれぞれギブン家を倒したパーティを楽しんでいるんだが……今この時、もしギブン家が攻めてくるような事があったら、どうするんだろうな。

 ギブン家にしてみれば、相手が油断している今こそ、攻撃しやすいんだろうし。

 そう思って周囲の様子を確認すると、前回の園遊会の時の失敗はドレイクも当然覚えていたのだろう。

 パーティ会場から少し離れた場所には、それなりの数のドロが空中を飛んでいるのが見える。

 このパーティに参加している中には、ドレイクの兵士達も多い。

 そういう意味では、ドロに乗って周辺の警護をしている兵士達は運が悪かったな。

 ちなみにドロだけではなく、ドラムロの姿も周囲にはある。

 とはいえ、ドラムロは空を飛んでいるのではなく、パーティ会場の周辺に立った状態で待機しているのだが。

 コックピットの中にはパイロットがいるのか、それともいつでも乗れるようにしてはいるが、パイロットはいないのか。

 そう疑問に思ったが、片膝を突いた駐機姿勢じゃないという事は、多分コックピットにパイロットが乗り込んでいるのだろう。

 

「アクセル」

「お、ショット。見ないと思ってたけど、パーティに参加してたんだな。ゼットも」

 

 周囲の様子を確認していると、そんな風に声を掛けられた。

 声のした方に視線を向けると、そこにいたのはショットとゼット。

 ただし、どちらも恋人――もしくは友人以上恋人未満――の相手は連れておらず、男だけだ。

 ミュージィがいないのは、さっきドレイクがリムルがどうこうって言っていたのを考えると、そっちにいるらしい。

 ガラリアの姿はいつの間にか消えている。

 先程まではマーベルと話していたのだが……恐らく警備の方に回ったのだろう。

 今日のパーティの主役は、昨日の戦いに出撃したバーン達なのだから。

 ガラリアは昨日の戦闘には出撃していないので、今日はギブン家が再び仕掛けてきた時に対処出来るように準備をしているといったところか。

 

「それにしても、よくパーティに参加出来たな。今は忙しいんじゃないのか?」

 

 俺が鹵獲したダーナ・オシーやウィングキャリバーの解析もあるし、ドラムロやダンバインの整備や修理、それに新型機の開発だったり、主力量産機たるドラムロの量産。それ以外にも、やるべき事は多々ある筈だ。

 勿論、その全てにショットやゼットが手を出さなければならないという訳ではない。

 具体的には、オーラバトラーの整備なんかは技術者達に任せておけばいいだろうし。

 

「忙しいのは事実だが、こういう場には顔を出さなければな。それに、アクセルに少し話しておきたい事があったから、丁度いい」

「俺に? 何だ?」

 

 ショットがこういう風に言ってくるということは、当然のように何かがあってのことなのだろう。

 問題なのは、その何かがこちらにとってどういう意味を持つかだ。

 サーバインに妙な異常が出たとか?

 特に関節部分。

 一応その辺りはかなり注意して操縦しているので、今のところは大丈夫だと思うんだが。……いや、そう思いたい。

 

「明日、クの国からビショット王が到着するらしい」

「ああ、そっちの件か」

 

 サーバインの件ではないことに、安堵する。

 それにビショットが来るという事は、以前聞いたアルダムが俺の物になるのだ。

 高機動型のオーラバトラーというのは間違いないが、問題なのは一体どういう性能をしているかだろう。

 とはいえ、普通のオーラコンバータである以上、俺は乗れないのだが。

 結局のところ、ビショットからアルダムを貰っても、そのアルダムは技術班への土産用か……後は、何かあった時にマーベルを乗せるといったところか。

 ただし、アルダムは恐らくだがダンバインよりも性能は低い。

 ダンバインの方が先に開発された機体なのは間違いないが、パイロットのオーラ力によって性能が上がるという特性を持つダンバインは、それこそ聖戦士のように高いオーラ力を持つ者が乗るという前提ではあるが、非常に高い性能を持つ。

 それこそ、ちょっとやそっとではダンバインを上回る能力を持つオーラバトラーが出て来ないのではないかと、そう思うくらいに。

 ただ、当然だが聖戦士というのは非常に数が限られている。

 バイストン・ウェルの者達にしてみれば、ダンバインは乗ってもそこまで高い性能を発揮する事は出来ない、出来損ないのオーラバトラーと言ってもいい。

 

「明日か。ちなみに、アの国ではアルダムを購入するのか?」

「数機は購入する事になるだろうが、あくまでもその程度だろう。量産機としてはドラムロがあるし、高機動型のオーラバトラーも現在開発中だ」

 

 そう言ってくるショット。

 クの国で高機動型のオーラバトラーを開発しているって話をした時、対抗意識からか高機動型のオーラバトラーを開発するって言ってたな。

 具体的にどのくらいまで開発が進んでいるのかは分からなかったが、こうして話を聞く限りではもう完成間近といったところか。

 

「アルダムもそうだが、ショットやゼットの開発している機体も楽しみだな」

 

 今までは、ゲドとドラムロ、ダンバイン、サーバイン……後ついでにダーナ・オシーしかなかったのに、ここに来て一気にアルダムとショット達が開発しているオーラバトラーも増えるのだから、それは非常に楽しみだ。

 

「ああ、そう言えば俺とショットの開発しているオーラバトラーは、それぞれ違うぞ」

 

 何気なくそう言ってきたゼットの言葉に驚く。

 俺はてっきり、ショットとゼットが2人揃って1機のオーラバトラーを開発してるのだとばかり思っていたからだ。

 だが、今のゼットの言葉だと、同時に2機のオーラバトラーを開発しているという事になる。

 

「2機も開発中なのか。アルダムの件もそうだけど、何気にオーラバトラーって開発しやすかったりするのか?」

「どうかな。その辺は人にもよるだろうし、どういうオーラバトラーを開発するかにもよるだろう。ゼットのオーラバトラーはともかく、私が開発しているオーラバトラーはダンバインをベースにした機体だ。聖戦士ではなく、バイストン・ウェルの住人であっても十分な性能を発揮するような」

「俺が開発してるのも、同じようなオーラバトラーだな。ただ、新型のオーラ増幅器を使ってるから、バイストン・ウェルの住人でも今まで以上の性能を発揮出来る筈だ」

 

 そんな風にオーラバトラーについて会話をしながら、俺はパーティを楽しむのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1410
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1650

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